中谷防衛大臣、北朝鮮に対するトランプ新政権との連携、F-35Aの納入遅れなどについて質疑応答(1月24日)|Jディフェンスニュース(自衛隊・防衛省のニュース)

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中谷防衛大臣、北朝鮮に対するトランプ新政権との連携、F-35Aの納入遅れなどについて質疑応答(1月24日)

  • 日本の防衛

2025-1-28 09:03

 令和7(2025)年1月24日(金)9時52分~10時12分、中谷元(なかたに・げん)防衛大臣は、防衛省A棟11階第1省議室において閣議後会見を行った。
 内容は、以下のとおり。

大臣からの発表事項

 なし。

記者との質疑応答

北朝鮮を「核保有国」と発言したトランプ新政権との連携について

記者 :アメリカのトランプ大統領は20日、北朝鮮を核保有国と発言しました。NPT条約に加盟しているアメリカの大統領が、核の拡散を認めたともとれますが、防衛省としてどのように評価されますか。また、北朝鮮をめぐっては、相次ぐ弾道ミサイルの発射や、核実験の可能性など脅威が高まっていますが、トランプ新政権とどのように連携し、北朝鮮に向き合っていくのかお考えをお願いいたします。

大臣 :御指摘のトランプ大統領の発言につきましては承知をいたしております。北朝鮮による核、ミサイル開発は、我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものでありまして、断じて認められるものではありません。もちろん、保有することも断じて認められません。我が国としては、米国及び韓国をはじめとする国際社会とも協力をしながら、関連する国連の安保理決議、これの完全な履行を進め、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の完全な廃棄、これを求めていく考えであります。核・ミサイル開発を含む北朝鮮への対応につきましては、米国をはじめとする国際社会との連携、これが必要であります。政府としましては、トランプ新政権との間でも強固な信頼、そして協力関係を構築をし、北朝鮮への対応に当たっても、緊密に意思疎通を図ってまいりたいと考えております。

少数与党となる自民党、石破政権の閣僚として臨む通常国会について

記者 :今日、通常国会が召集されます。自民党が少数与党となる中、予算案や法案の成立に向けて石破政権の閣僚として、大臣はどのように臨まれるのかお考えを教えてください。あわせて、今国会における防衛省提出の法案の意義や目的について、国会でどのように説明をされていくお考えか教えてください。

大臣 :安全保障環境が厳しさを増す中で、防衛省・自衛隊の取組が遅滞をするということは許されないと考えております。こうした中で、防衛省、また自衛隊の取組につきまして、国会の場でしっかりと議論をし、そして国民の皆様に御理解をいただくということは、防衛大臣として私の責務でございます。また、今国会では、具体的な内容につきましては、現在、最終調整中でありますが、昨年の関係閣僚会議の結果を踏まえた自衛官の処遇向上、また新たな生涯設計の確立のために必要な措置を含む法案などを提出をする予定であります。法案審議も含めまして、石破内閣の一員としまして、国民の皆様の期待、そして信頼にしっかりと応えることができるように、熟議の国会になるように、謙虚に、そして誠実に丁寧な答弁に努めていく所存であります。

1月16日、伊江島補助飛行場での物資投下訓練中に米海兵隊が提供区域外に貨物を投下した事故について

記者 :伊江島補助飛行場での物資投下訓練中に海兵隊が提供区域外に貨物を投下した事故について伺います。事故原因に対応する具体的な再発防止策が決まっているのかどうか、決まっているなら内容も含めて教えてください。また、伊江村長が物資投下訓練の中止を求め、沖縄県も対策を講じることができないのであれば、重量物投下訓練をしないよう求めています。米軍に対し訓練中止を働きかける必要性がないか、改めて大臣のお考えを教えてください。

大臣 :現在のところ、米側からはですね、この投下物は伊江島飛行場内に着地をせずに、予期しない風向きの変化、これによってコースから外れて海中に落下したと。そして、投下物による船舶の航行への妨害や危険を防止するために日本の当局を通じて、船舶利用者へ注意喚起を行ったという説明を受けております。幸い人的・物的な被害はありませんでしたが、米側に対しては安全管理に万全を期すとともに、再発防止の徹底について強く申し入れをしたところでございます。その上で、米側からは海兵隊は全ての訓練の安全性について真剣に捉え、今回の事案について、調査を行っているというところでありまして、しかるべき安全対策を講じていくという説明を受けております。防衛省としましては、訓練の中止を求める考えはありませんが、米軍の訓練に際しては、安全の確保が大前提と考えておりまして、しかるべき安全対策を講じた上で訓練を行うことを、引き続き求めてまいりたいと考えております。

記者 :今調査を行っているということでしたので、その調査を行って、それに対応するしかるべき安全対策を講じられるまでは重量物の投下訓練は伊江島では行わないと捉えてよろしいでしょうか。

大臣 :もちろん、安全確保が大前提でございますが、米側に対してですね、しかるべき安全対策を講じた上で訓練を行うということを求めております。訓練の中止を求めるという考えはないのですが、安全に訓練を行ってほしいという要望はしております。

F-35Aの3機納入を年度内から令和7年度に小松基地へと変更することについて

記者 :F-35Aについてお伺いします。一部報道で今年度配備予定であった3機が年度内に納入されず、来年度に納入されると報じられましたが、事実関係と今後の対応をお教えください。また、現在のF-35の配備状況、今年度に納入予定であったF-35の配備先や納入後の配備先など、今後の調達計画について、この事案の影響とあわせてお答えいただければと思います。

大臣 :F-35Aにつきましては、現在39機を三沢基地に配備をしていますが、今般、令和6年度に三沢基地に配備する予定でありました3機については、納入遅れによりまして、配備時期を令和7年度に変更することになりました。加えて、この3機のF-35Aにつきましては、当初は三沢基地に配備する予定でありましたが、小松基地の防空態勢の速やかな強化を図るために配備先を小松基地に変更する予定であります。現時点では大きな遅延はない見込みでありまして、今般の納入の遅れによる大きな影響はないと考えております。また、今般の遅延は令和7年度以降に納入予定のF-35A、またF-35B、これの配備時期に影響を及ぼすものではありません。

記者 :今のに関連してなのですけれども、三沢から小松に変更するということですが、防衛力を速やかに強化するというふうに判断するに至った理由をお聞かせください。

大臣 :これは防空計画等を勘案しまして、先ほどお話をさせていただきましたけれども、小松基地の防空態勢の速やかな強化を図るということで配備先を小松基地に変更したということでございます。そして、従前はこの三沢で実施される機種転換教育、そして任務を円滑に実施するために必要な機数を踏まえて、三沢基地に3機、小松基地には令和7年度に4機を配備することとしておりましたけれども、この三沢基地におけるF-35A整備員等の技能向上による稼働状況、これの改善等に鑑みまして、小松基地への配備を早めるということが可能であるという判断をいたしました。そこで、小松基地の防空態勢の速やかな強化を図るために、令和6年度に三沢基地に配備する予定であった3機のF-35Aについては、配備先を小松基地に変更することとしました。なお、3機の配備先の変更は納入遅れと関係するものではありません。

戦後80年に際した首相談話について

記者 :話題変わりまして、戦後80年に際した首相談話について伺います。政府は談話の発出について未定としていますが、公明党の斉藤代表は、発出すべきとの考えを示しています。大臣は談話の発出についてどのようにお考えになっているのか、また、発出すべきであるとするならば、その意義について見解を伺えればと思います。

大臣 :現時点におきまして、新たな談話を発出するか決定をしていないものと承知をいたしております。また、今後の対応につきましては、これまでの経緯も踏まえながらですね、様々な観点から考えていくものと承知をいたしております。御指摘のとおり、令和7年、2025年は戦後80年を迎えることとなりました。この節目の年を迎えるに当たりまして、改めて平和国家の日本の在り方について考えていくということは重要であると考えております。

自衛隊員の処分公表時、処分対象者の性別を原則非公表に統一したことについて

記者 :防衛省が今月からですね、自衛隊員の処分公表時に処分対象者の性別を公表しない運用を始めたとの報道がありました。実際にこうした運用を開始したのかの事実確認と理由について、まず教えてください。

大臣 :防衛省・自衛隊における懲戒処分や刑事処分の公表に際しては、説明責任や被処分者を含む関係者のプライバシーの観点を踏まえて、必要な情報を公表するということにしております。その際、事案の関係者ですね、これの性別につきましては、部内基準上は、公表すべき内容に含まれていませんでしたが、個別の事案や担当者によって、外部から問われたら答えるなど、省として必ずしも統一した対応ができておりませんでした。こうした状況を踏まえまして、部内で改めて検討した結果、防衛省として一貫した対応をとることができるように、今般、関係者の性別については、原則として公表内容に含まないこととし、その旨周知をさせていただきました。

記者 :報道によれば、性的少数者への配慮なども理由にあるんじゃないかみたいな話もありましたけれども、そういうのも一部理由として考えているのでしょうか。

大臣 :元々ですね、既に防衛省・自衛隊における処分の公表につきましては、性別について公表することにはなっておりませんでした。今般、防衛省・自衛隊として一貫した対応をとるために、改めてその趣旨を周知したところでありまして、その際、性別につきましては、事案によっては被処分者を含む関係者の個人が特定され得る場合があるほか、御指摘のように性的指向や性自認に関する配慮といった動きが社会的に広まっているということも含めまして、総合的に考慮した結果であります。

記者 :防衛省としての説明責任という観点からですね、今後ですね、性別以外の年齢とか、所属とかについてもですね、非公表になるのではないかという懸念もあると思うのですけれども、こうしたほかの部分について非公表にする考えはないという理解で、現時点ではよろしいでしょうか。

大臣 :基本的にはですね、説明責任と被処分者を含む関係者のプライバシーの観点を踏まえて、必要な情報を公表するということにしておりまして、防衛省としましては、この責任を果たしていくということは当然ではありますが、現状こういった決定をしたことについて、今後とも、必要に応じて、公表の内容については不断に検討をして、適切に対応してまいりたいと考えております。

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関する訴訟の終結について

記者 :米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関連してお伺いします。これまでに提起されてきた国と県の訴訟が全て終結しました。判決が出た訴訟では全て沖縄県側が敗訴していますけれども、県側は移設反対の立場を堅持しております。まず、訴訟を終結したことについての大臣の受け止めと、今後県側との対話をどのように進めていくお考えか伺います。

大臣 :辺野古移設に伴う訴訟につきましては、私、前回防衛大臣の時に翁長知事とですね、この埋め立てについて協議をしておりましたが、訴訟に発展をいたしました。しかし、先日、1月16日に最高裁判所の決定によりまして、普天間飛行場の代替施設の建設事業に係る、沖縄県と国との間で行われていた全ての訴訟が終結をしたというふうに承知をしております。その上で、政府としては、普天間飛行場の代替施設については、辺野古が唯一の解決策であるという方針に基づき、着実に工事を進めていくことが普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現をし、その危険性を除去するということにつながるものと考えております。防衛省としましては、これまでも県知事を始めとする地元の皆様との対話、これを積み重ねて、このような考え方のみならず、自然環境、また住民の生活環境に十分配慮をして工事を実施することなどにつきまして、逐次丁寧な説明を行ってまいりました。私も、昨年12月に沖縄県を訪問しまして、玉城知事にもお会いをし、この普天間飛行場の危険性の除去や、一日も早い返還を実現するという点では一致をしたところであります。今後とも、様々な機会を通じて地元の皆様への丁寧な説明を行い、沖縄県側とも様々なレベルで対話を図りながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還、これを実現をして、そして、基地負担軽減を図るために、辺野古移設に向けた工事を着実に進めてまいりたいと考えております。

前出の懲戒処分等における性別の非公表について

記者 :先ほどの懲戒処分等の公表の関係でお伺いします。警察や他省庁などではですね、逮捕や処分などの発表の際に性別を発表していることの方が多いと承知しています。加えて、自衛隊では過去に男性隊員から女性隊員へのハラスメントの事案などもあり、一律に性別を公表しないということがはたして個々の説明責任を果たしていることになるんでしょうか。この点、原則全て非公表にするのでなく、一部配慮が必要な事案については公表とするのでもいいんではないかと思うのですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

大臣 :この公表に関しましては、なんといっても説明責任や被処分者を含む関係者のプライバシーの観点を踏まえて、必要な情報を公表するということとしております。この性別につきましては、事案によっては被処分者を含む関係者の個人が特定をされ得る場合があるほか、性的指向、そして性自認に関する社会的動向など様々な要素を総合的に勘案をし、これまでの内部基準に則り、原則として公表内容に含まないということとしたところでございます。防衛省・自衛隊としては、説明責任を果たしていくということは当然と考えておりますが、今後とも必要に応じて、このプライバシーの観点、また被処分者、また懲戒者、また相手先の人権の保護などを適切に勘案をしましてですね、公表をしてまいりたいというふうに思います。

記者 :関連で、事案によっては出すこともあると理解してよいのでしょうか。

大臣 :性別については先ほどお話をしたとおり、この性的指向、そして性自認に関する社会的動向など、様々な要素を総合的に勘案をしましてですね、これまでも、もう既に内部基準に則って原則として公表内容に含まないということとしたところでございます。これは今後ともですね、必要に応じてですね、この問題は不断に検討して適切に対応してまいりたいということでございますが、現時点におきましては、公表内容に含まないということといたしております。

記者 :細かいところ確認なんですけれども、運用の変更というのは、含まないとしたのはいつからになるのでしょうか。

大臣 :性別を非公表としたのは、昨日の1月23日からです。

記者 :性別の非公表は、1月の17日からではないんですか。23日ではなくて。先週金曜日発表の時からと、私はそういうふうに各幕から説明を受けたのですが。もう一度、確認していただけますか。

大臣 :元々、防衛省・自衛隊における懲戒処分、また刑事処分の公表に際しては、性別についてはですね、公表することにはなっておりませんでした。その上で、17日については、先ほど申し上げた問題認識から、処分等における性別は原則として非公表とする方向で検討していたために、性別の公表を控えることとしたものと承知をいたしております。そういう見解です。

記者 :関連でお尋ねいたします。令和6年の9月30日に人事教育局長の名前で大臣へのですね、逮捕事案、それから書類送検、身柄送致についての報告、どのような書式で行うのか、文書としてまとめられているものがあるんですけれども、大臣報告用の書式にはですね、被疑者、被処分者ですかね、こちらについては、所属・階級・氏名・生年月日・年齢・性別を記載するというふうになっているのですが、先ほどの御説明ですと、本人の性的思考や、あるいは性自認を非常に重要視されているというのであれば、大臣の報告についても、この性別というのは記載する必要がはたしてあるのでしょうか。教えてください。

大臣 :今回ですね、このようなことをするということを決めたわけでございます。大臣報告用の書式につきましては、今後ですね、検討してまいりたいと思います。

(以上)

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