第920話 道東どうでしょう タウシュベツ橋編①『コンクリートの魅力☆』 [廃村さーくる2(近代遺構編)]
『コンクリートの魅力を見せてやるぞ^^』
う~ん・・・
ここまで煉瓦愛に満ち溢れた私っちに今更コンクリですかお兄ちゃん^^;
煉瓦の魅力に憑りつかれるまでは近代建築ですら興味無かった私。
それが今やですぞ?
けっこー色んなとこの煉瓦建築求めて旅してるんだから自分でも笑っちゃうっすよw
さて茶化しはその程度で。
私的にはコンクリこそ超近代。
っつーかイマドキ建築の主流であって、
アートな物件はあるけれど、そこまで興味を持てるものでは無かったの。
だってさ・・・
煉瓦の方が味わい深いし『暖かみ』感じるよね?
コンクリートって何か『冷たさ』を感じるんだよねー。
だから帯広一日目の終わりにお兄ちゃんがコンクリの魅力を披露すんぜ!って言ってたんだけど半信半疑だったわけさ。
でも・・・
びっくらした!
コンクリだって伊達じゃない!ってことをーーー
ん~ではではだいぶ日が空いちゃったけれど道東旅行編の二日目のスタートっす☆
ちょー眠いんすけど!お兄ちゃん。
私も眠うーい^^;
今日の目的地は帯広駅前から出るバスで向かうってことですか?菅原さん。
まあそー言うこった。そこにはチョー有名物件が待ってるんだぞ^^
北海道は煉瓦だけではなくコンクリのアートが残ってる。
それをオレは是非とも皆に見てもらいたいからこそ旅行の二日目にわざわざ予定を食い込ませたのだ^^
特に琴音。お前にこそだ。
煉瓦以外興味ないし!
コンクリ反対!コンクリは帰れ~w
さて、今日はここからどこへと向かうんですかぁ?先輩。
いつも通り目的地の名称は内緒だ。サプライズの方がテンション上がるだろ?
なんだおーそれえ^^;
まあ一応漠然とは説明しておく。
我々は帯広駅前のバスターミナルからバスに乗って帯広の北にある『上士幌(かみしほろ)町の糠平(ぬかびら)』ってとこへ向かうのだ。
そこで『ある見学ツアー』を申し込んだ。
9時から正午までのツアーコース。
そこには『幻の橋』があるとだけ言っておこう^^
幻の橋!?
集合場所まではどのくらい???
まあ~ザっとの地図で説明しよう。
帯広のバスターミナルから上士幌町を経由しーーー
更にそこから糠平湖の湖畔まで『ぬかびら線』ってバスに乗って行くんだが、
距離にして65キロかな?
けっこー遠い!
ちなみにボクたちは7時10分の始発バスに乗り込むんだが、現地到達は8時50分くらいだね^^
けっこう集合時間ギリギリじゃん^^;
だから現地に着いてもロケットダッシュ推奨だ(ニッコリ☆
レンタカーとか前泊出来ない人たちには結構ハードル高いツアーなんですね^^;
(↑これは帯広駅前にある、根室本線が帯広~釧路間開通時に実際にレールがあった場所を示す復元モニュメント。今現在とはもとあった路線が違うんすね)
さて、バスに乗り込む前に皆買い出しやらなにやらしましたです(今回、流石にお酒は買うのをやめておきましたw)
すると定刻にバスが。
その乗り込む列には学生さんがゾロゾロ。
道中、座っているのが申し訳ないくらい途中のバス停で学生さんが乗ってきて肩身がせまかったー^^;
そんなこんなで1時間半くらいでぬかびら源泉郷ってとこに着いたですう^^
ここからどうすんの!
集合まで10分しかないですう^^;
おかしいな・・・バス停の近くなんだけどなあ。
なんともはや、私たちは簡易な地図があるにも関わらず迷子ですw
バス停周りをウロウロしていたらーーー
『ツアーの方ですか?こちらです^^』と、スタッフさんが私たちを見つけて頂いたから良かったもの・・・って感じでしたよハイw
ガイドさんに連れられてやってきたのは糠平温泉文化ホールと言うとこ。
すみません皆さん、ごめんなさいですう^^;
もう既に今回のツアーに参加する方々がスタンバっていたのはここだけのお話ですよ(フフフ)
さあ皆、用意していただいた長靴に履き替えて!
余裕まったくねーなw
アワワワワですう。ん?でも~受付で手渡されたパンフレットの画像、ニュースとかで見たことあるです。
私も見たことありますよハイ!
え!?
っつーか、なんとなく察してたけどやっぱり!?
もしかしてお兄ちゃん!
『タウシュベツ川橋梁跡のツアー???』
タウシュベツ ああー!!!
まあ~そういうこった^^
今回の旅路で、どうしても『ここだけは』外せなかったんだよ。
近年、いつまで『その姿のまま居られるのか?』と言われている鉄道系産業遺産だね^^
詳しい概要とか全然わからないんですけど。
でもスタッフさんが二陣に分かれて車に乗り込めって言ってるよ!
早く早く!
・・・と言うことで私たちはこのタウシュベツ川橋梁の何たるかを何も知らないままツアーの車に各人乗り込むことになっちゃったとです。
ーーー私たち、糠平湖の縁を通る国道を移動中ーーー
本当は集合時間に余裕をもって集えたならばスタッフさんから、このツアーの主目的である『タウシュベツ橋梁』の説明がじっくり聞けたんだと思うが、
ここはオレなりに概要を説明しておくことにするよ^^
お願いします^^
タウシュベツ橋梁跡、もしくはタウシュベツ川橋梁跡。
ニュースにもインスタにも話題になって風景的に話題的にも有名な場所だけれども、
簡単に説明するならば『旧国鉄の士幌線のコンクリートアーチ橋梁群のひとつ』だ^^
橋梁群のひとつ???
他にもあるんだが、ここは特に突出してその造形美並びに自然を向こうにした背景が素敵なんだ(*´д`*)
士幌線は1925年開通の帯広~十勝三股を走る国営の路線だった。
まあそれもモーターリゼーションの波に呑まれて1987年には利用者数減数と共に廃線になった訳。
割と近代まで走ってた路線ともいえるんですね
そうだね。でも、このタウシュベツ橋梁は廃線前にお役御免になってるんだよ^^
え?なんでよ?
1955年に糠平ダム建設の為に迂回する新線が建設され、旧線となるタウシュベツ橋梁はポツンとその仄暗の中に取り残されることになるんだ。
これは1970年代の航空写真だが、
タウシュベツ橋梁は新線の廃止を待たずに人造湖である糠平湖の中に沈んだ(取り残された)物件なんだよ。
新線付け替え時に既に役目を終えていた橋だったんすね・・
なんとなーくは分かった?
はい、何となく☆
まあ~ここからは『見て感じろ。その圧倒的様を』かな。
ここからはお前に言う。
え?私???
昭和だからと侮るなかれ。
コンクリだからってそれがどうしたよ!って、
その圧倒的存在感に今までの自分を悔いろ。
人がこんなところにこんなものを造って残った奇跡ってものを感じて欲しいんだお兄ちゃんは。
煉瓦だけが人が創り出したものじゃ無い事を見て欲しい。
コンクリもまた人の英知の体現だって知ってほしい^^
そこまで言うなら見てやろうやんけえ!
さて、車は糠平湖のある場所で一旦停止。
そこにはバリケードの向こうに続く林道があったのです。
スタッフさんがバリケードの施錠を解除してるですう。
ん?
わきゃ!?
クマに注意の看板があるですよお・・・
そうなんです。ここはヒグマも闊歩する地帯。
スタッフさん曰く『ツアーしてて年間でも数件、ヒグマに遭遇してますよ^^』とのこと。
驚く私たちを見つつ続けてスタッフさんが言う
『この糠平湖周辺は水力発電の電源開発㈱さんや森林事務所の所有地なので、許可を得たものしかタウシュベツ橋梁跡へと近づけないのですが、
結構な数で個人的に行かれる方も多いんです。
この前は無謀にもサンダル履きでこの林道を歩く親子連れとも遭遇しました^^;
ヒグマとの遭遇例もありますし、安易な考えで訪れることの無いように願いたいですね・・・』と。
ツキノワグマとはわけが違うからな
わたし、イノシシだって会いたくないっつーのに熊とか無理ゲーだよおう^^;
わたし、サルでもダメですう(ニホンカモシカは好き)
林道をくねくねと結構な距離(勾配もそこそこ。徒歩で行くとなるとかなりの時間ではないでしょうか)
そして車3台分くらいの林道脇スペースが見えてきたところで停車。
『ここからは皆さん徒歩で向かいますよ^^』
スタッフさんの号令に車からゾロゾロと降りることになったですハイ^^
ヒグマ・・・ヒグマ・・・こないでえー^^;
来ちゃったらお兄ちゃん盾にして車にダッシュすればいいのさ
お前らひどいな^^;
(わたし、何も発言してないんですが・・・)
こういう時の為に都内のアウトドアショップで皆に買ってやっただろ?
クマよけのベルですね。その時はありがとうございましたw
こんなんで寄ってこねーのかよ熊!
楽勝じゃんw
気休めだよ気休め。寄ってこないとも言うし関係ないとも言うしな。
事実、若いオス熊なんてのは興味本位で近づいて来ちゃうこともあるって言うし、運だなw
たすけてー^^;
酷く怖がる夕実ぶちょーに背後を取られつつも先へと進みます(すいません先輩。めっちゃ歩きづらいんですが・・・)
本来ならもう少し歩きやすい林道だったはずですが、これは昨今の北海道にかなりのダメージを与えた夏台風たちの影響でここまで流木が浸入したんだとか・・・。
そして林道の先が開けたところで思わずハッと息を飲み込んでしまいましたよ!
う、おおおおおおおおおおおーーーッ!!!
すっごい素敵なパノラマっ!!!
うわああ・・・うわああ・・・
ぐっは!マジか!?
これが噂のタウシュベツ橋梁跡!!!
まるで古代遺跡みてーじゃんかお(*´д`*)
景観も相まってかとっても素敵なとこですう(*´д`*)
最高に良いお天気だったのもビジュアル的に盛り盛りですねハイ(*´д`*)
さてここでスタッフさんから集合の号令が。
てっきり色々と説明してくださるのかと思いきやーーー
3~40分フリーダム(自由時間)だってお(*´д`*)
これは・・・舐めまわすしかないな!
と言うことで各人、自由に見学することになりましたよハイ☆
とりあえず実際に近づいてみよう^^
危険・・・でしょうね^^;
ん?全部コンクリだと思ってたけど石が詰まってるっすね。
『割石』って言うんだよ^^
コンクリの枠を造ってそこに詰め込む訳だ。
でももしかしたらばーーー
この割石もタウシュベツ橋梁の崩壊に関与してるかもな。
どういうことでしょうか。
コンクリって『凍結』に結構弱いんだ。
隙間に水分などが浸入し、
凍結によって『膨張』して体躯にダメージを与えるんだよ。
つまりこういうバラスト的なものがあると隙間だらけで水分が入りやすいってことっすね。
小さな力でも長年膨張収縮を繰り返せば建物自体の寿命も狭めかねないからな。
なんとなーく分かりましたです^^
だから『綺麗なアーチ橋を描いているうちに見収めておこう!』ってことなんですね^^
でもここまでツアー組んだり人気スポットなら保全すればいいのではないですか?
それは厳しいと思うよ。
え!?
このクラスの巨大建造物を保全するには維持費が莫大すぎると思う。
長崎の軍艦島も完全保全するとなったらとんでもない金額なんだよ?
だから基本、風化に任せてしまってるっす・・・。
ひとつの自治体じゃとても負担がでかすぎなんす。
ましてや・・・ねえ^^;
歴史があるからって留め置くのも大変なんですね。
だからせっかく来たんだし、バッチリ目に焼き付けておこうぜ^^
了解です!
さてと、私たちはタウシュベツ橋梁の下へとやってきました。
トラロープ(危険防止のロープ)の外側からなら向こう岸からだろうが、下からだろうが自由に見て良いと言うことで^^
橋脚ひとつひとつが巨人に見えるですう^^
やべえよお兄ちゃん。小川が通せんぼして渡れねーぞ!
長靴頂いたんだから突撃だ!
ええーー・・・
実は正直申しますと、小川に横たわる木々の上を何とか歩き切った私たちだったのですが・・・
危うくひっくり返るとこでした^^;
その光景を見ていた他のツアーの皆さんに指さされちゃって恥ずかしかったのは内緒ですハイ(/ω\)
さてっと、しばらく写真の羅列が続きますよハイw
うはー!結構ボロボロだねえ。
ココなんか見てくださいですう(↑)
割石がボロボロと零れ落ちてるですよ・・・^^;
そうなんだよ夕実ちゃん。
将来ココが真っ先に崩落しないかと危惧されている箇所なんだ。
行く手を阻む小川が更に!
横たわってる木々も何もないですよ?
どうします???菅原さん^^;
突貫します(*´д`*)
やっぱそーだよねー^^;
そんなこんなで何とか対岸側までやってきた私たち。
丘の上まで上り詰めるとーーー
逆アングルもカッコいいねえ(*´д`*)
こっちも割石が敷き詰められてますね(当たり前)
鉄骨もボロボロだあー^^;
さてさてさて。
そこから見る雄大なパノラマにしばし唸る私たちでしたが、
今度は谷側から折り返しの見学がスタートですハイ☆
わきゃー!アーチから覗き込む山々が素敵ですう(*´д`*)
うわあ・・・こっち側からの方が分かりやすいね。
地震でもあったら次の日には壊れてそうですう・・・^^;
帯広と言うか十勝地方は地震も結構あるしな(糠平辺りまで来ると地盤は固そうだが)
むしろ、コンクリの寿命が60年とも言われているのに何の修繕保全も無しで80年もこの姿を残してきたんだから立派なもんだよ!って褒めてあげたいくらいだな^^
そうっすよね。私もそう思うっすよ。
おじいちゃん、ありがとうって言わせてくださいです^^
さて、スタート地点に戻ったところで丁度タウシュベツ橋梁のツアー時間も終了。
遺構にそこまで興味のない私だけれども感動しちゃいましたよ?ハイ^^
(※ルカちゃんは基本、遺構には興味あんまし無いキャラ設定)
帰りの車までの歩きの間、
自分だけの素敵な感動では無いと思い
私は思わず
皆の『どうでしたか?』を聞いてみた。
夕実ぶちょー、タウシュベツ橋梁跡どうでしたか?
景色も相まって感動でしたですよお(*´д`*)
(無難な感想ですね。でも確かに天気も良くって素敵なパノラマだったかな)
琴音さん?どうでした???
これが煉瓦造りだったら最強だったのになあ~とか思ったっすねw
・・・でも、お兄ちゃんが大口叩いてただけあるわーと思ったよ^^
コンクリだって伊達じゃない!って思ったもん(*´д`*)
(やっぱり煉瓦遺構と比較しちゃうんだw とは言え素直にコンクリ橋の魅力も認めているみたいだし良いかな^^)
さて最後に菅原さんに聞いた。
菅原さん?いかがでしたか???今回のタウシュベツ橋梁跡見学を振り返ってみて^^
『来て良かった』って思ってる。
そして『見届けた』とも思ってるよ^^
例えが偉大過ぎるけれど、ピラミッドだって人が造って残った奇跡。
遠い未来には風化してしまうんだろうけれど、
こういうの見るとさ?
『人って凄くない?』って感動するんだよねオイラ^^
ああそれ私も分かるかな^^
っつーかぶっちゃけると廃墟マニアのオイラにはタマラン物件だったな(*´д`*)
ああ・・・そうでした。
最近は妹さんの煉瓦遺構シリーズに押されてるけれど、
基本的には菅原さんは『廃墟マニア』でしたね^^;
(煉瓦もコンクリも遺構すらこの人にはジャンルの一部)
とは言え『マンパワー』を感じました。
『人って創る生き物』なんだと。
こんな雄大な景色の中に線路を通した人たちに敬礼でしょうか^^
ーーーさてさてこのツアーはまだもう少しだけ残ってますよ?ハイ^^
ぬかびら温泉郷までの帰りの道中にも、いくつか旧・士幌線の物件を見せてくれるのです。
国道273号線にかかる河川橋に差し掛かったところで車を停車。
ガイドさんがワンボックスのスライドドアを開けてみてくださいって言うので菅原さんがドアを開けばーーー
ここにもプチ・タウシュベツ橋梁^^
『第五音更川橋梁(おとふけがわきょうりょう)』
ーーーと言うか、
士幌線跡には数多くのコンクリート製アーチ橋梁が今も尚残ってるんですね^^
かつてはSLも黒煙靡かせて走ってたんだよな~ここも。
機関車も落っこちそうなくらいの狭っまい幅員の橋梁だけどお、その様を見れた昔の人は財産かもっすね^^
わたしならドキドキしちゃいますです。
でも・・・乗れるのなら乗ってみたいワクワクなのかもですう^^
そんなこんなで幾つか士幌線の痕跡を見せていただいたツアーなのですが、
最後に『幌加除雪ステーション』と言う場所に立ち寄りましたヨン^^
てっきりトイレ休憩なのかと思ったのですがーーー
次回、『タウシュベツ橋梁跡編後編』へと続くって感じですハイ☆
お久しぶりですちょいのりです^^
今回は某有名物件であるタウシュベツ橋梁跡へと行きました(つっても、去年の9月w)
実は旅行予定には当初入ってなかった場所だったりします。
日程二日目の旅路を模索していた頃に、
あれ?そう言えばタウシュベツって帯広に近くね?って気づき、ツアーに急遽メール連絡した次第でありやす^^;
でも行って良かった・・・
こんな景色、日本で他に無いよ?
それほど素敵な見学会でした☆
人が造って残った奇跡の遺構。
幻となる前にぜひ一度見に行かれてはどうだろうか。
さて次回はーーー
帯広編最終話にして士幌線跡最終話。
無謀な賭けに出て失敗したけれど、今思うとそれも楽しい思い出ってお話です^^
ブログも月一回更新っぽくなっちゃってきたけれども、それでも書くことは止めませんヨ^^
ではではまたの更新でお会いいたしましょうず(*´д`*)