経済学の論理によって「やってる感」を政策評価の中に位置づけることを目指した論文ですが、挑戦的な課題であることから、まだ至らぬところが多く、すでに学会発表の場でも改善を要する指摘を受けました。近いうちに改訂しますが、とりあえず現段階の原稿を公開します。
報告要旨(短縮版)は、以下の通りです。
本稿は、メディア等で用いられているが学術的な分析に乏しい「やってる感」を行動厚生経済学の観点から理論化し、「やってる感」に基づいた政策の評価手法を提示する。「やってる感」を、有権者が費用対効果が高いと認識するために真の費用対効果が低い政策が実施されてしまう現象と定式化することで、非対称情報や限定合理性に影響される意思決定の厚生評価の手法を援用でき、こうした政策の実施を防ぐ手法も同時に検討することができる。