こないだ,浦添のサンエーパルコシティに台湾産のコーヒーを買いに行った時。
初めて通った沖縄西海岸道路,海沿いでとっても気持ちが良かったんですよ~♪
なので,晴れた日に用事もないのに自転車で走ってみたです。パルコ手前あたり,水平線が開けて眺めもよろしく。
ちょうど干潮のタイミングだったので,平らな干瀬(びし,リーフ)が足下に広がって。風が吹いてなければ,浅瀬の水面に雲が綺麗に映ったんでしょうが・・・。
・・・沖の方に何やらリグ状の構造物が見えるのは,海底油田を掘削してるんですかね?(絶対違!)
Ще не вмерла Україна |
BGM NOW Bach/Concerto for Flute, Violin, Harpsichord, and Strings in Am, BWV 1044: III. Tempo di Allabreve (Lisa Beznosiuk:Fl, Simon Standage:Vn, Trevor Pinnock/The English Concert) |
- 2024/10/25(金) 00:10:38|
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さて。
ヌル殿内の近くには,地頭代火の神という拝所もあるようですが・・・事前に調べたところではセメントで固められた構造物のようで,どうも感興が湧きそうにないと判断して,やめ。
集落の路地をふらふらと歩いて,出てきたのは浜漁港前バス停。う~ん,これからどうしませう? 西にはビーチもあるけど,自然のではなく造成の手が入ってるみたいだし,この天気では映えないしな~。
ふとバスの時刻表を見ると,伊計島へ向かう便が数分で来るじゃあーりませんか。いっそ伊計島まで行っちゃう?行っちゃう? ・・・気がつくと,乗ってました(笑)。この便は来た時の便と違って,浜比嘉島の南東部・勝連比嘉まで行って戻るので,車窓が楽しめそう。
比嘉港湾前バス停のあたりには,観光客が結構いました。レンタカーらしき車もあちこちに停まっていて・・・幾つものグループが堤道を歩いてアマミチューの墓へ向かってたり。あー,早い時間に行ってて良かった~。周囲に人がいたら,あの空間の雰囲気はぶち壊しだったわ。
マイクロバスは,浜比嘉島リゾートとかいうホテルの敷地入口のところで向きを変えて,集落の道を。これがギリギリ2~1.5車線くらいで,軒先や塀をかすめて走っていくのね。ちらっと派手に赤い壁の建物が見えて,なんじゃこりゃと思ってたら,戻りに見たところ公民館でした。一瞬,この島には似つかわしくない「愛の営みを行う宿」かと(苦笑)
畠と森に両サイドを挟まれた道を通って,南東部に。勝連比嘉に近づくと,ポツリポツリと小さなお宿やカフェが点在してて,見合うだけの観光客が来るんですね~。
比嘉(兼久)漁港前バス停でUターンして,来た道を戻るんですが・・・窓から見えた「シルミチュー」の案内看板。アマミチューの夫神の聖地,そこからすぐ近くなんだ。しもた。降りれば良かったかな。でも,帰りのバスがあるかどうかわからないしな~;;;
(帰ってから時刻表を精査したところ,この便が伊計島から折り返す便が,やはりここまで来るようで。その間1時間ちょっとなので,シルミチュー聖地を訪れるだけの時間的余裕はありますね。次回リベンジだわ)
さて。バスは橋を渡って,平安座島へ。マップを見てもわかるように,平安座島の大半は埋め立てて造られた石油基地なので,それに伴って開通した海沿いの良い道路をすっ飛ばします。・・・って,また雨が降ってきたがや。
埋め立てで殆ど川レベルとなった水路にかかる橋を渡って,隣の宮城島へ。すぐそこにある桃原集落の桃原漁港バス停から,またすっ飛ばして。海を離れてちょっと中に入ったところで,左折して畠が広がる方へ。宮城島の集落は桃原とこの先高台上の宮城,池味となるので,住民の利便のためのコミュニティバスはメインの道路から外れてそっちへ入るわけですね。
・・・しかし,畠の間を走ってる間はいいんだけど,集落に入ると道が狭い;;; やっぱり下手すると1.5車線レベルのところもあったりして。まあ,対向車が殆ど来ないからいいけど。ドライバーは慣れてるから,余裕でスイスイと通り抜けていくのは,さすがです。
桃原漁港の次は,宮城中学校前バス停・・・だけどこの中学校,10年以上前に四島の全小中学校と統合して現役じゃないのよね。それでもそう命名したのは,地元の人の「愛」かしらん。
やがてバスは元のメイン道路に合流。伊計島へ向けてかっ飛ばします。どうしてそんなにスピードを上げるのか,不思議に思ってたら,理由がわかりました。
途中,土砂崩れの復旧工事の為に信号による片側交互通行区間があったんですね~。そうか,それで時間をロスして,時刻表よりも微妙に遅れてたのか。
坂をぐんぐん上って,赤いアーチの伊計大橋へ。晴れてると綺麗な海が眺められる筈なんだけど・・・以前,か~つの運転で何回か伊計島にお泊まりした時にはなかった高めの欄干が設置されてたのは,飛び込んだりする人間がいたりしたからかしら。それとも,単に補修か塗装工事の為かしら。
橋を渡って間もなく,伊計ビーチ前バス停。終点の一つ手前だけど,とりあえずここで降りましょ。ビーチの入口の駐車場は,車で一杯。こんな雨もよいの天気で,何しに来てるんですか?(←お前もな www)
7分後にはバスが折り返してくるので,ビーチまで行くこともせずにバス停の周りをうろうろして,伊計島滞在終了~~~~(←ホントに何しに来たんだ?)
同じドライバーさん(女性),乗り込む時に目が合うと「あらまあ」って表情に。そりゃそうだ(爆笑)。折り返し地点の伊計共同売店前バス停から乗ってきた人も6人ほどいて,多分半分以上はバス無料事業で来た人だと。
・・・使いやすい公共交通手段があることがわかったので,別の機会に伊計島をメインで来るというのも,ありですな。
池味のバス停でおばあが乗り込んできました。どうやら僕が座ってるシートが定位置らしく,「ごめんねえ」と言いながらよっこらしょ。「ごめんねえ」はこちらの方ですぅ。
うちなーのおばあらしく,お話好き。どこから来たね~?から始まって,島の話を聞いてるうちに,「あいっここで降りるさーねー」。そこは上原新里商店前バス停で,文字通り個人商店の真ん前。手を振って降りてったおばあは,そのお店に入って行きました。戻りのバスが来るまでの1時間半,馴染みのお店でゆんたくして過ごすのかな?
この後,コミュニティバスは同じ経路を戻って,6分遅れで本島側のJRおきなわ与那城支所前に。何やってんだかって感じですが,生活の足になってることが実感できたし,都市部の那覇に住んでると見ることの殆どない,田舎の集落が眺められたので,満足です。
ここで那覇行きのバスに乗り継ぐのは・・・コミュニティバスから降りた全員でした(笑)
近くのファミマで飲み物買って,一息入れて。2時間揺られて戻ってきました。聖地も巡れたし,美味しいものも食べられたし,うーん,なかなか良いバストリップだったな~♪
最後に,途中経過をか~つに伝えた「らいん」。伊計島まで行ったことを知って,とても呆れてました(笑)
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BGM NOW Roussel/Deux poèmes de Ronsard, Op. 26: I. Rossignol, mon mignon (Irene Maessen & Paul Verhey) |
- 2024/10/18(金) 00:10:31|
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てぃーらぶいを出てしばらく集落の中を歩き回ってるうちに,「ヌル殿内」という施設に出くわしました。
・・・ヌルというのは,ノロ(神女,祝女)のことね。沖縄では,O→U,E→Iと母音が変化することが多いの。殿内は本来は上級士族の邸宅を尊ぶ呼び方だけど,次第に転じてその地域で格式があると認められている宗教的な建物にも使われるように。というわけで,ノロが祭祀を行う建物のことですな。ノロの家が兼ねてたり,その敷地内に別棟で建てたりしたそうだけど。
ノロの葬所を訪ねたので,お勤めをしていた(いる)ところも訪ねておかねば。
セメントで枠取られたブロック塀で仕切られた中は,多彩な緑を見せる植木と花木に埋め尽くされたかのような庭。その先に,3間×2間の寄棟造の殿内がありました。
軒を支える柱と壁は,漆喰で化粧塗りされれているみたいですね。ところどころうっすらが剥がれかけていたりするのが,趣があって好みですわ(←この辺の感性はやっぱ日本文化の人ね)。
右手に回って屋根の架構を下から見ると,垂木を一旦横材で受けて,それを更に軒柱で支える構造。内地の木造建築だと,桔木(はねぎ)などで屋根の荷重を受けて,垂木でバランスを取って柱なしで軒を出すけど,台風に襲われる沖縄では屋根の重量は内地の比ではないから,こういう形になったんでしょうねえ。見るからに屋根が重そうだもの。
・・・横材に何食わぬ顔で甲虫が休んでいるのが,微笑ましいと思ったり。
正面3間の真ん中1間は開放されていて,中を見ることができます。白く塗られた檀の上に階段状の祭壇があって,香炉と花が。中央の額のようなものに書かれている文章が気になったんだけど,無関係の人間がズカズカと上がり込んでいい場所じゃないと,自制したです。
飾り気のない質素な感じの設えではあるものの,塵一つないように整えられていて,凛とした空気が漂ってました。
総体にきちんと整備管理されている様子が窺えたのもその筈,旧正月の年頭拝みなどではノロが祈願を行う現役の施設だそうで。浜集落大内家のノロの祈願所ということで,おそらく現在でもその大内家所有で管理されてるんじゃないかと思われます。
アマミチューの墓があった比嘉集落にもノロ殿内があるとか・・・次に来た時には,そちらも訪れてみますか。
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BGM NOW Taio Cruz/Higher(Feat. Kylie Minogue) |
- 2024/10/16(水) 00:18:46|
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後ろ髪引かれながらそそくさと元の道に戻って,お昼ご飯のお店に向かいますよ。
予め調べておいた中で,この浜集落で良さげなお食事処は2ヶ所。一つはもずくを使った揚げ物類が名物の「丸吉食品」。も一つが古民家をそのまま使った「てぃーらぶい」。
どちらにしようかな~と悩みながら歩いてると,「てぃーらぶい」の案内看板が。古民家ってのも惹かれるものがあるし,本日はこちらへ寄ってみませう。
路地をしばらく行くと,ブロック塀に囲まれた古民家がありましたよ。塀の内側には植木が茂っていて,いい感じ。悪しきものが入ってこられないように設えた「ひんぷん」の向こうに,赤瓦寄棟造のいかにも在来沖縄な建物が。
綺麗に整えられた芝生を通って入口に行くと,ちょうどお店の人が出てきて案内してくれました。民家をそのまま使っているので,靴は脱いで上がります。左手が厨房,右手の座敷部分が食堂。おひとり様なので,座敷とは板敷廊下を挟んで外側の広縁部分にご案内~。
敷き詰められた畳の上に,藺草の薄い座布団といかにも使い込まれた風情のある木の卓。滑らかに使い込まれた板敷廊下も,昔住っていた人たちが残した生活の小傷が残っていて,うーん確かに田舎の家だわ・・・よき♪
メニューはクバの扇に貼られた紙。味があるなあ。沖縄そば膳3種類のうちから,豚もつを使った中身そばにしましょ。
お客は,広縁にもう一人女性のおひとり様と奥の座敷にグループ,そして真ん中の座敷には台湾からと思しきファミリー。赤ちゃんが畳の上から板敷廊下に這い這いして出ていくのを,ママさんがスマホで動画撮影してたり。
あ,赤ちゃんがこっち見てる。ハーイ♪と手を振ったらニコォと笑って振り返して。か,かわいい~~~~♪ 赤ちゃんのかわいさは別世界だよね~。泣いててもかわいい。人間嫌いだけど,赤ちゃんに関しては問答無用で「かわいい」が発動するのは何故だろう。・・・母性本能?(違笑)
そんなファミリーに,お膳が運ばれてきましたよ。持ってきたお店の女性が,スマホを受け取って写真を撮ってあげてて,みんなお澄まししてるのが微笑ましい。
おひとり様女性にも運ばれてきて・・・あ,この人にも写真を撮ってあげてる。どうやらこのお店のサービスみたいですな。
しばらくすると僕の番。お膳の品の説明も置かれて,丁寧に教えてくれます。好感度高いな~。本日の小鉢はだいこんしりしりーともずくのさっぱり和え,ジーマーミ豆腐(落花生豆腐)の天ぷら。小さなスイーツは紅芋なんとぅー。
自分の写真を撮る趣味はないので,撮影の申し出は謝絶して。では,いただきます。
お汁は塩気が薄く,でも豚肉と鰹の出汁が利いてるので全く問題ない,というか幾らでも飲めちゃいそうな絶妙なバランス。そして,中身(豚の臓物)は全然臭みがなく,丁寧な処理がされてるのがよくわかります。麺もいい感じの茹で具合で,微妙にもっちりしながらプツンと噛み切れて,これまた絶妙な食感。
ジーマーミ豆腐は一つはそのまま,もう一つはお汁に浸けてどうぞってことだったので,その通りに。揚げたてなので猫舌にはキビシイけど,ねっとりもっちりで美味。これをお汁に浸けて頂くと,途端に味がシャープさを増して見事な味変。よく考えたな~と感心。
大根しりしりーともずくはその名の通りさっぱりしていて,食感も変わって箸休めに最適。料理の構成がよく練られてると感じましたね。
なんか大変満足度が高いので,食後にスイーツとして紅芋なんとぅーを追加してもらおうと思ったら,今年は紅芋が不作で出せないんですって。無念。
12時を過ぎたら,一気にお客さんが入ってきましたよ? ドヤドヤと真ん中の座敷も埋まって,商売繁盛,結構なことで。この味だったら,人気が出るのも頷けます。
グループを案内して戻ってきたお店の人を捕まえて,さっさとお会計してお庭に出ると,植木と建物の雰囲気が大変良くて。湿った空気を深呼吸。
・・・このお店,是非ともか~つを連れてこなきゃだわ♪
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BGM NOW 槇原敬之/ANSWER(10.Y.O.Version) |
- 2024/10/15(火) 00:15:24|
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さて。
島の道を更に進んで,浜漁港の方へ。右手には橋と漁港の整備に伴って造成された緑地公園が。広場もあるので,イベントとかも行われるんでしょう。
ヤマトンチュの墓(本土の人の墓ってことです)というものがありましたが,これは単に水戸藩の船が漂着して死亡した水夫を葬っただけなんで,どーでもよろしい(ヒデーナ)。それより,その先にあるシヌグ堂の方が気になりますのん。
「←70m」と距離も書かれた案内標識があって,入口はわかりやすいね。車が通れるくらいの道で,轍もあったから作業や整備などで実際入ってるんでしょう。砂利が敷かれていて本来は歩きやすいんだろうけど・・・水溜りが至るところにあって,避けるのが大変でした。
道の左右は木々が茂っててあまり見通せない状態。道なりに進んでカーブを曲がると,いきなり目に飛び込んでくる巨大なガジュマル,とその足元の小さな石の堂。
ガジュマルはかなりの老木らしく,太い枝のあちこちを支えてもらってる状態。高い位置で枝を四方に伸ばしてるのでその下はぽっかりと開けていて,葉も少ない為に意外に明るい。ここも,いい感じの空間ですな~。
で,このシヌグ堂。
ここは毎年2回,海が時化ることを祈ります。時化ないのを祈るんじゃありません,時化るのを祈るんです。
海人の島なのになんでやね~んと思ったら,その昔,戦いに敗れてここに逃れてきた武将が,敵が渡って来られないように時化を祈ったらその通りになって難を逃れた,という謂れがあるそうで。うーむ,納得。
拝所である東(あがり)の御嶽は,この石の堂の右手の階段から上がるようになってるので,行ってみましょうか・・・と思ったところが。
周りが鬱蒼と茂ってるせいか雨の後だからか,藪蚊がやたら多くてねえ。剥き出しの腕や首筋,足に油断するとすぐにまとわりついてきて,もう大変。近くにはアガリガーという井泉もあるそうだけど,長居は無理。手前から写真を撮って,一礼だけして退散しました。ここも深沈とした落ち着く空間だったので,残念。
・・・ここで祭祀や拝みをする時は,藪蚊対策どうしてるのかしらん? 今なら忌避剤とか蚊取り線香とかが使えるけど,昔は大変だったろうな~;;;
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BGM NOW Schubert/Sonatina in A Minor for Violin & Piano, D. 385: I. Allegro Moderato (Szymon Goldberg:Vn,Radu Lupu:Pf) |
- 2024/10/12(土) 07:10:00|
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お邪魔しました,と鍾乳洞の入口で一礼して,ノロ墓の前でも再度一礼して。
ひたひたと下まで降りて,さて次はどこへ行こうかな。山手に入ったところには昔からの井泉ウィヌカーとか比嘉グスクなどもあって,グスクは眺望絶佳のようだけど・・・時刻を見ると,もう11時過ぎ。浜集落でお昼を食べるつもりなので,時間的に厳しいかな。体力は温存したいし,ここはまたの機会にということで,海沿いの道を浜集落に向かって歩きますよ。眺めがいいから,海側の歩道をね。
基本,何もない道だけど,ポツリポツリとカフェっぽいお店とかがあったりして,それなりに観光客も訪れるのね。
平坦な道が海に突き出た出っ張りを切り通したところがあって,少々上り坂になって海側から木々が迫ってるねえ。結構枝が伸びて茂ってるし,歩道にも草が生えてたりして,管理不行き届き・・・ったって,地元の人も訪ねる人も車,歩くような物好きはいないだろうから大して問題はないのか(苦笑)
湿り気を帯びた空気が気持ちいいねえ,と鼻歌混じりに歩いててウルフ並みの視覚能力が発動! 路面にちっちゃなカタツムリたちがいるんですー?!
雨の後で落ち葉を食べたりセメントのカルシウムを舐めたりしに出てきたんだろうけどね。足の踏み場もないほどではないものの,どこに足を置いたらいいのやら悩むレベル。カタツムリLOVE(生態系被害防止外来種なアフリカマイマイを除く)なので,踏み潰さないようにそーっとそーーーっとね。たった10mほどなのに,神経と足の筋肉が疲れましたわい(苦笑)
そんなこんなで戻ってきた浜比嘉大橋。橋に接続する道路は左右に90°で分かれる典型的なT字路になってるので,自爆事故が多いのよね,ここ。
衝突のショック吸収のプラスチックタンクがド派手な色で整列してる上に,巨大な蛍光色の矢印看板,更に夜間にピカピカ光る警告ランプと用意されてても,ぶつかる車が後を絶たず。炎上したり死亡したりと,異常なくらい。
業を煮やした公安委員会は,橋の出口の車線を試験的に変更して,直進ではなく敢えて2度の車線変更をしないと交差点に入れないように。しばらく見てると,橋の下り坂でスピードの出た車がブレーキをかけてグイングインとハンドル切って,安全速度でT字路に入ってますな。
・・・夜はどうだろね。ヒャッハー!と猛スピードで橋を越えてきたら,障壁も吹っ飛ばして激突しちゃうんじゃね? ま,おバカさんが淘汰されるんだから,別に構わんけど(冷笑)
ついでなので,橋の途中まで行って左右の写真を撮りましょか。平安座島の高まりが,この角度からだと直角に切れ落ちてるように見えるのが面白いですな。
本島側には,遥か彼方に海中道路とその橋が。浅瀬の海面,曇り空を映して冴えない色だけど,晴れてたら綺麗なんだろうな~。
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BGM NOW Ravel/Bolero (Charles Dutoit/Orchestre Symphnique de Montreal) |
- 2024/10/10(木) 00:15:37|
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振り返った目に飛び込んできたのは,鍾乳石の作る壁龕の陰にひっそりと置かれた厨子甕。材質は石灰岩かな。飾りの殆ど刻まれていない,家形の簡素な造り。
あ,厨子甕っていうのは遺骨を納める蔵骨器で,沖縄の洗骨(遺体を風葬した後に残った遺骨を洗って再埋葬する)という葬制に必須なもの。内地で一般的な火葬では骨の一部しか「回収」しないから骨壷も小さいけど,洗骨の場合は全身の骨を納めるので結構大きくなります。
これが安置されているということは,やはりこの鍾乳洞は昔は墓所だったということに。後で調べてみたら「按司墓」と称されてるとか。もしかしたら,琉球王国以前のグスク時代にこの島を治めていた豪族の墓所だったのかもしれませんね(その後の王国時代もあり得る)。
相当古いものらしく,屋根型の蓋の一部が欠けてしまってる・・・中は覗きませんでしたよ。幾ら好奇心99%からできてるったって,流石にその辺は弁えてますから。
ここで祭祀が行われているのだとしたら,きっとこの厨子甕も島の祖霊が宿っている聖物として拝みの対象になっているのでしょう。
祭祀を司るノロと政治を司る按司の墓所がセットになっているってことになるけど,イメージ的にはこっちがノロ墓という方が相応しいような気が。元は「ノロ墓」が按司の墓所で,按司が位階称号となって実質を失い墓所として使われなくなった後に,ノロの墓所(この鍾乳洞)を聖地化する為に場所を交換した?とか,分析好きは考えちゃったのでした。
何にしても,この空間は静謐で落ち着いた空気に満ちてました。時間が許せば,座って目を閉じて瞑想したいくらい。雨の後でしっとりしていたのと,雲に遮られて眩い陽光ではなかったのも,影響してたかな。
鍾乳洞の口からは,海を挟んで向こうにアマミチューの墓がある島が見えました。この位置関係からも,ここが聖地となったんでしょうね。
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BGM NOW Bruckner/String Quintet in F - 4.Finale: Lebhaft bewgt (Vienna String Quintet) |
- 2024/10/09(水) 11:29:29|
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入口には何故か鳥居が・・・琉球在来の聖地になんで内地の鳥居があるのよ。こーゆーごちゃ混ぜ感は嫌い!なので,写真は撮りませんよ。被写体にも入り込まないようにアングル選んで撮るからねっ(←ミョーなところで原理主義者 www)
鬱蒼と茂った木々に挟まれた急階段を上がると,目の前の崖にセメントで設られたお墓が。
浜比嘉島には浜集落と比嘉集落それぞれに現在も祭祀を司るノロ(祝女)がおられるとのことで,こちらは比嘉集落の歴代ノロを葬った場所,ということに。
左上にブロックで封鎖された洞穴があるのは,より古い葬所なんでしょうか? それとも洗骨前に遺体を風葬していた場所? そちらは足場も悪そうだし,迂闊に行くような雰囲気ではなかったので,近づかずに一礼だけね。
ノロ墓の右手に更に上る石段があるので,そっちに行ってみましょう。
雨後で滑りやすいので,足元に注意しながら・・・あ,小さな鍾乳洞がぽっかりと口を開けてる。上から垂れ下がった鍾乳石のフォルムが,なんとなくサグラダ・ファミリア教会の生誕のファサードみたいですな。
中には入れるようなので,更に進みますよ。十分に立って歩けるくらいの高さで洞穴は右の方に続いてて・・・外光が届かなくなってほぼ暗闇。空気はひんやり,でも恐怖を感じるような空間じゃないのが不思議。
目が暗さに慣れてくると,奥に鍾乳石に囲まれた場所が。床は平たく整えられているので,過去何かに用いられていた空間と思われますが。最低限フラッシュ使用して,撮ってみました。香炉とかは置かれていなかったようだけど,祭祀が行われていたような感じですね。荒れた感じは全くないので,今でも使用されているのかも。
しばらくその場に佇んで,落ち着いた雰囲気を味わって。さあ,戻ろうかと振り返ると,そこには・・・
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- 2024/10/07(月) 00:12:03|
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アマミチューの墓のある小島から浜比嘉島へ戻って。ここからどうしようかと,一思案。ぶっちゃけノープランなのですよ,例によって(笑)
事前に調べたところでは,比嘉漁港の反対側の小さな岬には拝所があるようだけど・・・お昼は浜漁港の方で食べることにしていたので,方向が逆。行ってみたいではあるけど体力も温存したいし,ということでそのまま浜の方へ歩き出しますよ。
向かいには平安座島〜宮城島が横たわって見えますな。方角から,伊計島は宮城島の背後に隠れてるようで。
島の間には,大規模埋め立てで建設された石油基地のタンク群がずらりと並んで,なかなかに壮観。この埋め立てで,平安座島と宮城島はほぼ陸続きになったわけで。海中道路もこの時に建設されたんですね。
しばらく歩くと,モズク養殖場なので網固定の鉄筋に注意せよとの警告看板が。思わずどこにあるの?と足元をキョロキョロ見回しちゃいましたが・・・鉄筋があるのは海の中だっちゅーの,このスカポンタ〜ン!
更に行くと,何故か堤防の上にポツンと置かれた鋏が一丁。お前,こんなとこで何してんの?と尋ねても答えるわけもなく。多分,誰かさんが忘れてったんでしょうね。おマヌケ〜♪と自分の↑なマヌケさを棚にあげるいい性格(笑)。
と,まあ,何にでも興味を示す好奇心過多な性格を発揮しつつ歩くうちに,「ノロ墓」の案内表示発見。よし,寄ってみるべ。
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BGM NOW Mozart/String Quartet No. 16 in E-Flat Major, K. 428/421b: I. Allegro ma non troppo (Alban Berg Quartett) |
- 2024/10/06(日) 00:10:52|
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堤道まで戻って,やっと案内標識に従ってアマミチューの墓のある左手へ。
アマミチューというのは琉球の天地開闢神話に出てくる女神で,アマミキヨとも。男神のシルミチュー(シネリキヨ)と共にニライカナイから降臨して国づくりをしたという神話があちこちに(以前訪れた久高島はその舞台の代表)。内地の神話で言えば,伊弉諾伊奘冉の夫婦神に該当する存在ですね。
浜比嘉島にも,この夫婦神の創世の舞台となったという神話伝承があって,それにちなんだ聖地が各所にあるんですが・・・ここは「墓」とは言いながら,その女神アマミチューがシルミチューをはじめとする幾柱かの神々と共に祀られているそうで。
平たく舗装されたコンクリートの道を進むと,向こうに浜比嘉大橋が。岩蔭を避けるようにして回り込むと,そこがアマミチューの墓の足元。
崖の途中に開いた洞窟の一部を囲い込みセメントと切石で封鎖した聖所には,コンクリートの階段が整備されてるので,段差はきついけど簡単に上がれます。封鎖の構造物は,明治から大正にかけて整備したとか。それまでは開かれた洞窟だったんでしょうかね。
ここは年頭にノロによる五穀豊穣の拝みも行われ,子宝などに御利益があるということで参拝する人も多いそうで,鼎型の香炉も造花の捧げ花も綺麗な状態に維持されてますね。雨の後でしっとりとした感じになってるのが,よき。
・・・好奇心の塊は,封鎖してる切石は拝みの時に外したりするんだろうかと思ったり,左上の封鎖されていない洞窟の方が気になったりラジバンダリ(笑)
一礼して立ち去る前に,根元が大きく削れたノッチと浜比嘉大橋を一緒に撮ってみました。
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BGM NOW Shostakovitch/Piano Quintet in Gm, Op.57: I. Prelude (Elisabeth Leonskaja:Pf, Borodin Quartet) |
- 2024/10/04(金) 07:20:53|
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さて。
堤道を渡り切ったところには,事前情報ではおばぁが気紛れに開くという「おばぁのもずく直売所」がある筈のところ,椅子が2脚転がってるだけで。もずくの時期じゃないからですかね。
ん? 背後に何やら気配が・・・振り返ってみると,そこには見事なニャンモナイトがっっっ! 大変熱心にお股の辺りをんべんべしてらっしゃって,必殺猫誑しの鳴き声にも反応なさらず(苦笑)
お邪魔をしてもアレですから,ここで猫さまに会えたのも何かの吉祥ということにしておいて,先に進みますよ。
・・・でも,強引にMy Wayなβ型性格者が素直にアマミチューの墓のある左手に向かうわけがない(笑)。コンクリート敷きも続いてることだし,そのまま右手に行っちゃう。
海面近くまで下ったところで,岩場と砂地が交錯するように。目の前には首をもたげた亀のようなフォルムの岩。うーん,面白い。岩場の先に砂地が続いてるのをいいことに,更に先へ。潮が引いたばかりの岩場は滑りやすいので,大好きな岩跳びは自粛して,そろりそろりとな。
何が彼をさうさせたか(古)というと,なにやらそっちの方にピンとくるものがあったからですよ。亀さんの向こう側までえっちらおっちら行ってみると,崖がぽっかり抉れた小さな岩門のような空間が。
海食洞のようになってたのが天井ごと崩落したのかな? 周囲より硬くて風化を免れた敷居のような岩の上に,石灰岩が鍾乳石のようになって雨の名残りの雫をぽたりぽたりと。
何か祭祀が行われるような場所じゃないけど,静謐な雰囲気の漂う空間で,大変好みです。こーゆーのを見つけるレーダーは,還暦になっても衰えたないようで(微笑)
しばらくこの空間の空気を味わって,再びえっちらおっちら道なき道を戻ってみると,ニャンモナイトは化石化してました(熟睡してたってことよ)。
何でまたこんなところで憩ってるだろうね~? 漁港で漁師さんがくれる魚を食べて,ここを根城にしてるのかしらん? 人を恐れないというか,全然気にしてないところをみると,飼い猫さんなのかな。
Ще не вмерла Україна |
BGM NOW Tubin/Symphony No.6: II. Molto allegro (Arvo Volmer/Estonian National Symphony Orchestra) |
- 2024/10/03(木) 00:19:23|
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コミュニティバスは海を渡り切って平安座(へんざ)島へ入ります。入ってすぐ,海中道路から左の道に逸れて,平安座の集落の中へ。
と,何やら会社の駐車場っぽいところへ入り込んで,停車。
「ここでドライバー交代します」
・・・コミュニティバス運行を受託してる平安座総合開発株式会社の敷地でした。そこを出て,学校裏門前,浜川商店前,西村商店前,東川上商店前,と超ローカルなバス停を経て,海中道路に面した平安ホテル前。
ここから,まっすぐ伸びる浜比嘉大橋を渡りますよ。船を通すために割と高めに架けられてるので,眺めはいい筈なんだけど,残念ながら小雨のためイマイチ;;;
浜比嘉島に入ると,右折して浜漁港前バス停に。ここからUターンして比嘉港湾前バス停。僕が降りるのは,ここだ!
・・・降りたのは僕だけ(苦笑)。バス無料事業を享受する他の人たちは,どうやら伊計島まで行っちゃうよーですね。便によっては,ここから先,島の南東の比嘉(兼久)漁港まで行くらしいですが,このバスはまたUターンして平安座島に戻って行きました。
この頃には雨はやんで,何となく空も明るくなってきたような。よし。現在10時20分過ぎ。
比嘉港湾前で降りたのは,すぐ目の前に聖地「アマミチューの墓」があるから。今回,島内にある聖地の幾つかを訪ねてみようというのが,目的なんですわ。
あー潮の香りがする・・・ちょっと苦手なんだけど,ずーっとバスの空調に浸ってた体には,気持ちいいです,やっぱ。
漁船が陸揚げされている港湾の左手に,こんもりと緑に覆われた小さな島が。あそこに「アマミチューの墓」があるのですね!
いざ,レッツラゴー・・・の前に〜。ちょっと催してきたので,目の前の公園の公衆トイレで小用ををば。
すっきりしたところで,堤道で島へ渡ります。ちょうど今は干潮の頃合いらしく,島の足元まで丸見え。琉球石灰岩で構成されてるのか,波風で削られてゴツゴツした感じ。
左側には根元が削られてダイヤ形になった岩とか,右手の先には前後重なるとトリケラトプスの頭部みたいなフォルムの岩群とか。なんか面白そう。オラ,ワクワクしてきたぞぉ♪
Ще не вмерла Україна |
BGM NOW Kodaly/Dances from Galánta: VI. Andante Maestoso (Hugh Wolff/The Saint Paul Chamber Orchestra) |
- 2024/10/01(火) 00:10:03|
- 旅情:沖縄
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