この記事では、実際に発注ナビをご利用いただいたかたの体験談をご紹介します。
福岡県北九州市で飲食、物販小売業を展開する有限会社チェーンビジネス・サポート。北九州の観光名所・門司港エリアを中心に事業を展開し、門司港の名物・焼きカレーで行列のできるお店「伽哩本舗」を展開している企業だ。
「街」と「人、スタッフ」を大切する同社。行列ができるほどの店舗を複数運営する中で特に課題としていたのは、業務を担う多くのスタッフの勤怠状況を的確かつ正しく管理し、“手作業”による給与計算の大変さと不確実性を解消することだった。
人手が限られる中、発注ナビのIT製品相談・紹介サービスを活用して新たな勤怠管理システムを的確に検討・選定し、運用開始間近という同社 村山裕子氏に話を伺った。
サービス利用前の課題
- 飲食業で、1人の従業員が複数店舗で勤務した場合の給与や勤怠の管理が煩雑
- 上記の管理を手作業で行っており、大きく手間がかかる
- 既存の基幹会計システム・POSレジシステムと従業員の勤怠管理を連携したい
利用後の効果
- 製品選び相談サービスを利用し、数社まで絞り込んだ中から選定できた
- 課題だった従業員の勤怠管理・給与計算フローを自動化できるシステムを見つけられた
- 自社のITシステムをより活用していく今後の見通しが立てられた
目次
既存の会計システムと手作業の壁……自社特有の給与計算がネックに
社名 | 有限会社チェーンビジネス・サポート |
所在地 | 福岡県北九州市八幡西区 |
設立 | 2000年 |
従業員数 | アルバイト含め約50人 |
事業内容 | 飲食業、食品雑貨類の小売業、チェーンビジネスのコンサルティング業、不動産賃貸業 |
――チェーンビジネス・サポート様は、どのようなビジネスを展開されているのでしょうか。
(以下、村山裕子氏)
観光地である北九州・門司港エリアで、焼きカレー店「伽哩本舗」など、門司港に飲食3店舗、アウトレット内フードコート店舗、物販店などを運営しています。
学生アルバイト・パートタイマーを含めて従業員数は約50人です。
――「伽哩本舗」はテレビのグルメ番組などでもよくみかける、行列のできる焼きカレーの名店としても知られていますね。
はい、ありがたいことに。平日で30~50分、休日はもっと長い列ができることもありますね。
門司港エリアは今(2024年現在)インバウンド需要が特に多く、賑わっています。新たな宿泊施設なども続々とできていますし、街はいっそう発展していくと期待しています
――村山様は、どのような業務をご担当されているのでしょうか。また、今回のシステム導入計画はどのような体制で進行しましたか?
店舗運営全体を統括しています。店舗がスムーズに回るよういろいろと、時には社長(村山大成氏)とともに荷物運びのような雑用などもやっていますね(笑)。
今回のシステム選定は、私を中心に飲食・物販店舗の店長2人とともに、現場の目線と要望をすり合わせながら進めました。
――今回、勤怠管理システムの導入を検討した理由・背景を教えてください。
20年近く使っている基幹会計ソフトがありまして。長く使っているので使い方こそ慣れてはいますが、とにかく手入力する行程が多くて。従業員の勤怠情報/給与計算データ、POSシステムによる日々の売上データまで毎日手作業で入力しており、何かの方法で改善したいと以前から考えていました。
特に従業員の勤怠データ管理が大変です。当社は学生アルバイトも含めて約50人の従業員がいます。勤怠情報はタイムレコーダーから手作業で集計し、会計ソフトへ手作業で入力していました。これだけでもういっぱいいっぱいでした。
また「スタッフの店舗間移動がひんぱんにある」ことが特殊な事情かもしれません。人手が限られますので、「ヘルプ」があれば店舗間で融通し合い、忙しいところへ状況に応じて動けるようにしています。このスタッフの店舗間移動で大きな課題になっていたのが社員以外のスタッフの「時給・給与計算」です。店舗によって時給が異なるので、働いた場所と時間と時給に沿って、全て手動で計算するのです。
――スタッフの店舗間移動というのは、所属はA店、きょうはA店へ出勤、明日はヘルプでB店に出勤へといった店舗移動だけではなく、1日の間で別の店舗にヘルプへ行き、戻ってくることもある、つまり1日の時間帯によって時給が変わる“こともある”複雑な給与体系になっているのですね。
はい。同じ場所ながら「1階と2階で別々のお店」もあります。それがもっと面倒くさくしていまして(笑)。
2階は行列のできる焼きカレー店「伽哩本舗 門司港レトロ店」、1階はカフェの「門司港エムズカフェ トキドキカリイ本舗」です。通常はカフェですが、2階の行列が長くなったら、状況に応じて“トキドキ(時々)”カフェから伽哩本舗に変わるパターンの店です。これに応じて給与体系も変わります。働くところが1階から2階に上がっただけでも変わります。
この管理がすごく大変でした。店長が一人ひとり全て都度承認しつつ、手作業で給与計算をしていました。
――今どこで誰が働いているのかといった状況管理からスタッフさんの給与計算まで、かなり複雑なことを、しかも手作業で行っていたのですね。このためにこのような複雑なニーズと課題を一気に解決できる勤怠管理システムを探していたのですね。
そうですね。アルバイトの募集、人材の確保においても、飲食と、カフェや物販で集まる人数が全然違うのです。カフェは比較的すぐ来ていただけるけれど、飲食はなかなか難しい事情があります(笑)。
そのため、カフェ採用のスタッフも上(2階の伽哩本舗)に登ってきてくれるとうれしいですし、(2階の伽哩本舗)に上がってきてくれたら時給もその適用するので手伝えるときは手伝ってほしいな、というのも長年管理側の切なる願いでした。こんな人手不足対策目的としても勤怠管理システムでの効率化に期待しています。
――今回、発注ナビに問い合わせをしたのはどのような経緯からでしょうか。
まず自身で調べたり、地元のパソコン業者さんなどに尋ねてみたりもしましたが、「いろいろありすぎて分からない」「どれがいいのか決められない」状況でした。
発注ナビに期待したのは「数社の候補に絞って提案してくれる」ことです。候補を絞って提案してくれたことで検討がしやすくなり、具体的に導入計画を進める決断もすぐできました。
決め手は柔軟な料金プランと、自社の複雑な状況を理解した上での親身な対応
――今回、既に長く運用されている会計システムと連携できる、従業員向けの勤怠管理システムを検討されました。選定において重視したことは何でしたか?
現在の会計システム/ソフトは20年近く使っているので、当初はこれに全てつながる、連携させたいことが希望でした。
現在の会計システムそのものは慣れているし、とてもよいシステムなのですが、店舗で用いているPOSシステム、モバイルオーダーシステムとデータ連携できない大きな課題がありました。日々の売上データも全て手作業で会計システムへ入力しているのです。馬鹿馬鹿しいと思えるくらい手間がかかっていてなんとかしたいと思っていましたが、現時点で、データ連携の実現はシステムの都合上難しいことも分かりました。
そこで、喫緊の課題であった従業員の勤怠管理・給与計算の効率化を優先事項に、現在の会計システムの是非/刷新も念頭に置いて計画することにしました。
――発注ナビのご利用を受け、チェーンビジネス・サポート様へは、希望に沿って厳選しfreee株式会社を含む4社をご紹介しました。最終的にfreee株式会社に決められたのは、どのような理由からだったのでしょうか。
分かりやすいコスト面、費用対効果への期待が大きかったですね。1人300円/月とシンプルです。
弊社は学生アルバイトさんが多いので、例えば2カ月くらい入れない、一方で夏休み期間はがっつり入りたいといったパターンもよくあるのですね。このようなシーンに向け、「使わないメンバーは頭数に入れなくてよい・その分の料金は発生しない/使う月だけでよい」となる柔軟な料金プランを掲示してくれたことも決め手の1つになりました。
あとfreeeは会計システムも持っています。いずれ、会計システムの移管も検討する希望があるので、紹介された会社から最終的に会計システムも持っていた2社に絞り、初期費用も比較的安価だった観点も含めてfreee勤怠管理Plusを選定しました。
勤怠管理の煩雑で面倒な手作業行程を一気に解消、スタッフもさらに働きやすく
――結果としてfreee株式会社を選ばれていかがでしたか。
やりとりしていて信頼感もあったし、うちのニーズを理解してうまく提案してくれたと思います。
――今回導入した製品で得られる具体的な効果・成果として、最も期待していることは何ですか?
何より「給与のミスがなくなる」ことに最も期待していますね。うちは本当にぐちゃぐちゃと複雑になってしまっていたので、自分たちでまずその部分だけから簡素化していけそうです。
スタッフの勤怠時間、給与計算、交通費なども含めた勤怠・給与まわりの数値をリアルタイムに把握できて、それを従業員のみんなにもすぐ、正しく伝えられるようになります。先ほども言ったように、給与計算はこれまで手作業で集計していました。手作業であったがゆえに、実は……あとから従業員に「間違っています」と指摘されることもありました。これは確実になくせそうです。
また、給料は月末締めで翌月15日支払いですので、毎月10日頃には振込手続きを済ませておかねばなりません。つまりは8日間くらいで、全員約50人スタッフの給与を手計算していました。もう毎月毎月大きな負担だったのです。
それが、月末で締めた時点で計算とデータ化は済んでいる。従業員本人もその場で正しい給与額が分かる。これを実現できることが私としては一番うれしい要素です。
――今回導入した製品とともに、今後どんな成果や発展を計画していますか?
現在の会計システムは銀行の振込フローともつながるようになっているのでそこまで連携させたいのですが、それができるのかどうか、それとも他の方法でどう効率化できるのか、これを考えていくことが今後のテーマです。20年使っているシステムを変えるのはなかなか大変ですから。
具体的には、POSレジの売上データ連携も含めて、既存の会計システムをどうするかですね。また人材管理面において、余剰人員の分析までしてくれて、それが一目で分るようにできればいいなとも思います。
――発注ナビを使ってみた感想はいかがでしたでしょうか。
とにかく何も分からなくてどうしようもなかった状況から、「何社かに絞って提案してくれた」ことでうまく進めていけるようになりました。
「何でもありますよ。お好きに選んでください」だとすごく難しいのですが、「これがおすすめです」「この5つからなんとか探しましょう」であれば自分に合うものをどうにかして探そうと気持ちになります。そこの部分がすごくよかったです。
――2024年10月から本格運用開始とのことで、ぜひいい成果を出していけることを期待しています。最後に、御社が最も大切にしていることを改めて教えてください。
「門司港をつまらないものにしない」ことですね。門司港は観光地です。観光地の中で私たちは食べさせてもらっています。しかし私たちだけで集客できるわけでもありません。
今回勤怠管理システムの導入を優先した背景の1つにもなりますが、若い人たちが行きたい、お店を持てる/持ちたいと思える、従業員も含めて参加したいと思えるような、そんな街としての魅力をいろいろ人たちと一緒につくり続けたい。「それを保っていこう/高めていこう」「せっかく来ていただいているだから」という気持ちをずっと持っています。
他都市のきらびやかで有名な港町に比べると門司港は穏やかでのんびりとすごしていただける街です。食べ物もおいしいですし、ぜひ来ていただきたいです。