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2024年 11月 07日

「投票率と103万円の壁」

今回の衆議院選挙の投票率は53.8％。戦後3番目の低い投票率なのだそうだ。

10代の投票率は43.06％。

投票率が低い低いとは政府もマスコミも評論家も言うが、投票に行っても

何も変わらない今の状況では当たり前のことだと思う。

選挙経費は815億円かかったという。逆に言えば、選挙ポスターの板の設置

をする業者やポスターをする業者にはお金が入ったということになる。それは

それでいいことなのだが、やはり、選挙ポスターはいらない気がする。

あの選挙ポスター用の板だって何十億もかかっているのだろうから、無駄なお金で

ある。

投票率をあげるには、さまざまなことをすればいいわけで、なぜしないのかというと、

みんなが選挙にいくと困る党があるからではないのか？

私は無宗教、支持政党なしの立場だが、自分の金儲けばかり考えて、103万円の壁を

作って、働きたくても働けないたくさんの人を無視している自民党には、賛成しかねる。

まずは、今の投票所の数をもっとふやして、さらにスマホで投票できるようにすれば

いいのでは？また、アメリカのように郵便での投票にすればいい。とにかく何もやら

ないで、投票率が減った減ったというのはこまる。

もう一つの国民民主党の主張する103万円の壁とは何なのか。これ以上働くと、

税金が高くなるということはわかっているが、もう少し考えてみよう。

103万円の壁を壊すことは金持ちに優遇制度になるので反対という意見がテレビで

流れていたので、どういうことかを調べてみた。

103万円の壁というがもともと基礎控除48万円と給与所得控除の55万円

をたして103万円になる。

これ以上儲けると税金を払わないといけないということになる。

103万円の壁を超えると何が変わるかというと、

所得税の発生: 103万円を超える部分に対して所得税が課税されます。

扶養控除の適用除外: 配偶者や親など、あなたを扶養している人の所得税額が増加します。

住民税の増額: 住民税も増額される可能性があります。

具体的に支払うもの

所得税: 103万円を超えた金額に対する所得税です。所得金額によって税率が異なります。

住民税: 住民税は市町村によって税率が異なりますが、一般的に所得税と連動して増額されます。

復興特別所得税: 震災復興のために課される税金です

103万円の壁を超えることによる影響

手取り額の減少: 税金が増えるため、手取り額が減ります。

扶養者の負担増: 扶養に入っている人がいる場合、その人の税金が増えるため、経済的な負担が増加します。

社会保険料の負担: 130万円を超えると、原則として社会保険に加入し、

　　　　　　　　　社会保険料を支払う必要があります。

なぜ、178万円という数字を国民民主党がいうのかというと、1995年に

最低賃金は611円で現在は1055円である。それにもかかわらず、

103万円を政府財務省は103万円のままにしているのがおかしい

のである。国民は騙されて働かされていたことになる。

マスメディアも国民民主党が言い出さなければ、このような解説をしなかっただろう。

なぜ、マスメディアが報道しないのかについては、別原稿であきらかにしたい。

103万円の壁を超えないためには？

働き方を調整する: 勤務時間を減らす、副業を控えるなど、収入を調整する方法があります。

非課税所得を増やす: 通勤費や社会保険料など、非課税所得を増やすことで、課税所得を減らすことができます。

控除を受る: 勤労学生控除など、控除を受けることで税金を減らすことができます。

今回の103万円の壁を178万円にするとどの収入層が得をするか？

ここでも、収入の多いほうがたくさんの減税額を受け取ることができる。

ただし、減税額を％で表すと、収入の少ない方が多くなる。

テレビで収入の多い人の方が得をするから国民民主党の案はおかしいといった意見が

あるが、どの層にとっても手取りが増えるので、経済効果は大きいと思われる。

2022年の時もガソリンの「トリガー条項」で野党の国民民主党が自民党の予算案に

賛成するということで批判を受けたのだが、このときは、国民民主党が自民党に

みごとにだまされたのである。

自民党と国民民主党との約束は、「トリガー条項の話し合いをする」というもので、

話し合ったが、自民党はトリガー条項を変えなかった。

しかし、今回は、国民民主党が賛成しなければ、予算案は通らないので、自民党も

不誠実なことをできる状態ではないといえる。

ただし、103万円の壁を乗り越えるには、その次の社会保険料の130万円の壁を乗り

越えなければならないのである。

そうは簡単に103万円の壁を乗り越えることはできない。

財務省の計算では、税収は約7兆6000億円減収になるというのだが、

これも信用できない。4兆円くらいではないのかという人もいる。

簡単に乗り越えるには、野党が一致して、首相を野党側からだせば、それらのことはすぐにでもできる。

ただし、大事な方針、たとえば、エネルギー政策、原発に賛成か反対か？などの

ことで一致しなければならない。細川内閣でたしか7党が政権をとったが、短命に終わった。

ヨーロッパでは普通のことであるが、日本ではできない。

この際、いったん、小意を捨て、大同につくということで、自民党を政権から追いやって

みてもおもしろいのではないだろうか？

小泉純一郎内閣の改革の失敗、アベノミクスの失敗、裏金事件や、旧統一教会での

ひどさ。

給与所得の表をみると、小泉改革からずっと今まで、日本の給与は上がっていない。

他国はアメリカをはじめ、ぐんと上がっているのである。これは失敗だ。

限られた党が長く政権に居続けることはろくなことはない。どうせ選挙にいっても

なにもかわらないというのでは、国民の選挙に対する興味がなくなるのは当たり前

なのである。

支持政党なしから今の政党を見れば、どことも完全なところはあるまい。民主党の

鳩山内閣のていたらく、維新の人選のひどさ、共産党も共産主義がどんな結果に

世界はなっているのかをみれば、名前を変えるくらいはしたらどうだろうか。

昔、社会党という党があり、日教組は日政連という組織をつくり、日教組の組合員から

お金を集めて、国会に議員を出していたが、何もできなかった。

マスコミを縛っている日本独特の免許制度もなしにすれば、マスコミも本当の自由な

報道ができるのではないのか？

政治には素人の私がいうことだから、きっとまちがっているのだろうとは思うが、

とにかく、今の政治がおもしろくないのは確かで、選挙にいきたくないという

気持ちがだんだん大きくなってくる。

# by ir_ihatov | 2024-11-07 06:00 | 五合庵から | Trackback | Comments(0)

2024年 11月 06日

「校長から音楽の授業へ圧力　２」

音楽の授業では、学校は真っ二つに分かれ、とうとう、音楽研究会という校務分掌まで

作られたのだった。

月1回の話し合いが行われた。

そして、校長は、教科書通りにするために、違う学校の音楽専科を転勤させて普通の学年を

受け持たせた。

ＳＹさんの音楽の授業を支持する若い人たちの中から一人、そして転勤してきた音楽専門の

先生が音楽の授業をすることになった。授業で勝負をすることになったのである。

教材は若い教員の方は、「森から森へ」（中江隆介詩　関忠亮曲）。教科書支持の先生は教科書から授業をしたのである。

教科書の教材をした先生の授業はもう観るに絶えない状態になった。まさに子どもたちの

抵抗とでもいうのか、歌わなかったのである。

勝負は明らかだったのだが、まだ、年配の先生の中には、「森から森へ」が「弱起の曲なので

子どもには向いていない」という驚くべき発言をされたのである。

「この曲は、宮澤賢治の『オツベルと象』の中から、仲間を助けるために象たちが、森の中を

疾走していく内容の歌である。その様子を「ハィ　ダダダダダダすすめ～」と

弱起を用いて表している。むしろ弱起であることによって歌いやすくしているのだと思う」

ということを発言したように思う。

この発言も私自身、初めからわかっていたわけではなかった。とにかく、音楽の世界は全く、

わからないのだから、「弱起ってなんこと？」というわけで仲間たちに教えてもらうという

感じからのスタートだったわけなのだ。

でもその発言は今でも正しいと思っている。弱起であるために曲全体が、最初から行動的に動いていくのである。「のっけから行動する」歌になるわけである。

この曲が「ハアーイダダダダダ」ならば、曲の中で子どもたちの歌が動いていかないのである。

「♪風のように光のように～」からは、はっきりと音楽的場面転換が起きている。それをどうピアノで表現するか。そして、「自由なわれら」という高い音の部分でいっきに気持は

高まっていくのである。それをどう伴奏で表し、子どもとともに動いていくかで、歌のよさは決まるのである。

そして、もう一度、「ハィ　ダダダダダダすすめ～」に戻って終わるのである。

まさに、歌の冒険なのだ。私たちがこの作品がいいというものには必ず、こういう子どもたち

がどんどん前へ前へ動いていくように作曲してあるのだ。

ところが、教科書にある文部省唱歌はどうだ。まったく動かないのである。

そして、演歌は、後ろ向きに心が動いていくので教材にはならないのである。

また、この関忠亮作曲であるが、前半をカットして、「♪風のように～」から「若者よ」

で流行った歌である。作詞はぬやまひろし。

それから、1年ほどした時である。

印刷室で校長と会った時、校長は微笑みながら、「井出君、君たちの言う音楽を僕は認めるから、

これからもＳＹさんらとがんばって音楽の授業をやってくれるように」と言ったのである。

「やった！」と私は思った。また、そういう校長さんを私はいい人だと認めたのである。

私は3年生の9月から助教諭という免許で子どもを受け持ち、クラス替えをして4年生を受け持った。

相変わらず、音楽の時間は専科のＳＹさんに教えてもらい、子どもたちと一緒に音楽の授業を

受けて過ごしたのである。若いころの楽しい思い出である。

十数年してから、子どもの結婚式に呼ばれらことがある。その時の紹介で、先生は子どもたちと

ネギを育てて、水炊きをしてくれましたというのである。

私自身記憶に残っていなかった。たしか、ネギを育てたのは覚えている。そのネギが余った

ので、組合の青年部の人たちと家庭科室で水炊きをしたのは覚えている。そうか、子どもたちと

水炊きをするためにネギを植えたのかと思った。

私は教員になったときから、子どもたちと畑を耕し、作物を植えていたのだった。

そして、教員としての宮澤賢治に畏敬の念を抱くのは、もう少し後からである。

# by ir_ihatov | 2024-11-06 06:01 | 教室・保育室・講義室から | Trackback | Comments(0)

2024年 11月 05日

「セルロースナノファイバーへの私の願い　７」

私は、セルロースナノファイバーに対して、大きな期待をしている。

今は、半導体だとか、自動車だとか、靴やどら焼きだとかへの使用が盛んに行われている。

それもいい。どんどんそれらの分野で木材が使用されていくことを願っている。

もう一つ、大きな分野での活躍を考えている。それは、スーパーマーケットに行くと、

果物や魚などの下に発泡スチロールの入れ物がある。また、ブドウの箱などの上に透明な

ビニールがかぶさっている。

「セルロースナノファイバーへの私の願い　７」_c0194742_20111936.png

昔は、魚などは新聞紙にくるんで渡された。あるいは、木材を薄く切った舟形のものにのせてもらったものだ。（経木という）スーパーマーケットで使う石油製品は全部、セルロースナノファイバーにかわっている社会になってほしいな。

当然、レジ袋も。

まだまだセルロースナノファイバーにはやれることがあるだろう。セルロースナノファイバーを使ったペロブスカイト太陽電池である。

今の太陽電池は30年経つとゴミが大変になる。

個人的には、鉄にセルロースナノファイバーにを混ぜると強度が増すというのだから、

住宅に使うことはできないだろうか。

今は鉄骨などは、高くって、個人住宅に使うのはむりである。私の家も

軽量鉄骨である。軽量鉄骨がより丈夫になるなら、鉄骨で建てる住宅も

夢ではないな。

何に使えばいいか、ロケットにも宇宙船にも使えるのではないか。どんどんと

使い道が広がっていくな。

そして、今、荒れた森をかかえている日本もどんどん木を木って、輸出もできるし、

セルロースナノファイバーにしていろんなものが輸出できる。

とにかく、もっとひろまって、セルロースナノファイバーにがうんと安くできるように

ならないと夢の実現はまだまだだなあ。

こんなふうに原子力にたよらなくてよい社会になってほしいな。少なくとも、安全かどうか

の議論の前に、汚染廃棄物をどうするか、地震列島の日本にはどこにもそれを埋める

場所はないのだけはわかっているのだから。

30万年もの間の保存は無理である。

「セルロースナノファイバーへの私の願い　７」_c0194742_20114261.png

〇経木についてジェミニ君に聞いてみた。

はい、昔は魚などを売るときに、経木という薄い木材でできた舟形の容器がよく使われていましたね。

経木製の舟形容器は、その風合いと使い捨てできる手軽さから、魚だけでなく、惣菜や弁当など、

「セルロースナノファイバーへの私の願い　７」_c0194742_20115292.png

様々な食材を包むのに利用されていました。

経木製の舟形容器の特徴

天然素材の温かみ: 木の温もりが感じられ、食材をより美味しそうに見せる効果がありました。

通気性: 木材の通気性により、食材が蒸れにくく、鮮度を保つのに役立っていました。

使い捨て可能: イベントや屋台などで、手軽に使える点が魅力でした。

環

境に優しい: 天然素材なので、環境負荷が少なく、処分も簡単でした。

なぜ使われなくなったのか？

近年では、経木製の舟形容器の代わりに、プラスチック製の容器や紙製の容器が主流になっています。

その理由としては、

衛生面: プラスチック製の容器は、水洗いでき、より衛生的であると考えられるようになった。

コスト: 大量生産が可能なプラスチック製の容器の方が、コストを抑えられる。

デザイン性: 様々な形状やデザインの容器が開発され、商品に合わせた容器を選ぶことができる。

などが挙げられます。

経木製の舟形容器の魅力と復活

しかし、近年では、再び経木製の容器が見直される動きも出てきています。

環境問題への関心の高まり: プラスチックごみの問題が深刻化する中、天然素材の経木製の容器への

関心が再び高まっている。

レトロブーム: 古き良き時代の風情を求める人が増え、経木製の容器が持つレトロな雰囲気が人気を集めている。

食の安全への意識の高まり: 天然素材の経木製の容器は、食品添加物が含まれていないため、安全性を重視する人からも注目されている。

まとめ

経木製の舟形容器は、昔ながらの日本の風情を感じさせる、魅力的な容器です。環境問題や食の安全への関心の高まりとともに、再び注目を集めていると言えるでしょう。

# by ir_ihatov | 2024-11-05 06:00 | 教室・保育室・講義室から | Trackback | Comments(0)

2024年 11月 04日

「花いっぱいになあれ・松谷みよ子とセルロースナノファイバー」

『花いっぱいになあれ』の授業は、2021年4月29日、30日にこのブログに書いている。それを

観てもらうのは大変なので、コピーペーストすることにする。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

さて、風船と言えば、思い出すのは松谷みよ子作の『花いっぱいになあれ』だ。

一年生の下巻の教科書。私はこのお話が好きだ。

残念ながら、今の光村図書出版の教科書には掲載されていないようだ。かなり、長い間、掲載されていたと思うが残念だ。

消えていく教材があることを残念に思う。教科書の作り方に問題が多いと思う。その話になると、また長くなるので、それはまたの機会にゆずろう。

このお話を読もうとすると、絵本を購入しなければならない。

ネットの中で探すと、教科書がスキャンされて、ｐｄｆのまま、白黒でのっていた。

さあ、それを文章に起こすのはたいへんだ。そこで、先日来、必死で覚えたやり方を使って文字起こしができた。やく、１時間半。

校正をしながら、また、一年生独特の教科書の分かち書きを直しながらやっと文章にできた。これなら、書き写した方が早かったか。それでもGoogle　keepの使い方の練習にもなるのでがんばった。

ゆっくりと楽しい風船のお話を楽しんでもらおう。

『花いっぱいになあれ』　松谷みよ子文

　ある日のことでした。

学校の子どもたちが、ふうせんに花のたねを

つけてとばしました。

「お花をうえましょう。お花をいっぱい

さかせましょう。」

こういう手がみもつけました。それから、みんなで

いっせいに、

「花いっぱいになあれ。わあい。」

といって、ふうせんをとばしました。

　ふうせんは、ふわふわとんでいきました。

あちらのいえやこちらのいえでひろわれるまで、ふわふわ

とんでいきました。

　そのふうせんの一つが、どうまちがえたのか、町を

とおりぬけ、村をとおりぬけ、山までとんできました。

　さすがにくたびれて、ふわふわふわふわゆれながら、

山の中へ下りてきました。

それはまっかなふうせんでした。

　まっかなふうせんは、しずかに、ふわふわふわふわ下りました。

山の中の、小さなのはらに下りました。下りたところに、小さな

きつねの子が、ひるねをしていました。子ぎつねのコンでした。

子ぎつねのコンは、とっても

いいゆめを見ていました。なんだかよくおぼえていないけれど、

おいしいものをたくさんたべたあとのような、うれしい気もちで目をあけました。

　そうしたら、目のまえに、ぽっかり、まっかな花がさいていたのです。

　まるくって、ふくらんで、ふわふわゆれる花でした。

白い、ほそい、糸のようなくきがついて、なんだかかみづつみのようなねっこがついて

いました。

　コンは目をこすりました。ハアッとためいきをつきました。すると、まっかな花は、もうそれだけで、ふわふわゆれました。

「へええ、びっくりした。ぼく、こんな花、生まれてはじめて見たよ。」

　そうですとも、ふうせんの花ですもの。コンは、でも、そんなことしりません。

「きれいな花のねっこちゃん、ちゃんと土の中に入っておいでよ。そうしないと、

かれちゃうよ。」

　そんなことをいって、りょう手で土をほりました。

かみづつみのねっこをあなにうめて、トントンたたきました。

「そうだ、お水もやらなくっちゃ。」

　コンは、じぶんのあなにとんでかえって、青いコップをもってきました。たに川のふちでひろったコップでした。

　コップに水をくんできて、チャプンとねっこにかけました。それだけでもう、まっかな花はふわふわゆれました。

「いいなあ。いまに、こういう花が、もっともっといっぱいさくよ。ぼく、なんだかいいゆめ見たとおもったけど、きっと、この花のゆめを見たんだ。」

　コンは、おひげをひっぱってにこにこしました。

　ところが、つぎのあさ、目をさましたコンが、ぴょんびょんはねながらいってみると、

赤い花は、小さく小さくしぼんで、草の上にくたんとたおれていました。

　コンは、わあわあなきました。

　それから、雨がまい日まい日ふりました。コンが、また、そののはらへいってみると、ふしぎなことがおこっていました。

　まっかな花のさいていたあとに、見たこともないめが、すっくりかおを出していたのです。

　そのめは、ぐんぐんのびました。ふとくて、しっかりしたくきでした。

どんどんのびて、コンをおいこし、ばいのばいのばいものびました。

そして、ある日、大きな金いろの花をさかせました。ひまわりの花でした。学校の子どもたちは、赤いふうせんに、ひまわりのたねをつけてとばしたのです。

　コンは、目をこすって、しっぽを立てて、

「ほう。」

とさけびました。

「すごいや、金いろの花だ。お日さまの花だ。見たこともないくらいでっかいぞう。うわあい、ぼく、あのとき、たしかにいいゆめを見たとおもったけど、あれは金いろの花がさいたゆめだったんだ。

　金いろの花はいくつもさきました。小さなのはらがあかるくなるようでした。

　そして、あきには、びっしりたねがみのりました。まあるいたねでした。

　たねはこぼれました。おなかがすいたとき、コンは、ひまわりのたねをたべました。こうばしくって、あまいたねでした。

「ほんとに、あのとき見たゆめ、こういうあじがしたよ。」

　コンは、おひげをひねっていいました。

　こぼれたたねからは、つぎの年、また、ひまわりがめを出して、のはら中に、大きな金いろのひまわりの花をさかせました。

　もし、あなたが山にのぼって、ぽっかりとさいたひまわりの花を見たら、それは、コンのひまわりです。そして、学校の子どもたちが、

「花いっぱいになあれ。」

といって、ふうせんにつけてとばした花なのですよ。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「風船の授業　花いっぱいになあれ　２」

今日の「風船の授業」の話は国語だ。懐かしいが、この話は知り合いの教員にも関係するので、本にも書かなかった。

もう、あれから、何十年の歳月がたつので話してもいいだろう。

若いころのことだ。本当に今の学校のような殺伐とした時間が過ぎていくところではなく、子どもたちともよく遊んだし、子どもたちも私の町の中にあった家によく遊びにきた。

若い先生が職員室の大半を占めていたので、ソフトボールやバレーボールもよくした。会議はほとんどなかった。

会議もソフトボールもないときには、よく理科センターへ遊びに行った。遊びといっても、科学で遊ぶのだ。みんながいろんな科学の授業の材料を持ってきていて楽しかった。

その話はまた書くとして、今日は松谷みよ子の『花いっぱいになあれ』の授業のことだ。この話を授業でやった教員は誰でもが風船に種をつけて飛ばそうと思うだろう。

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私は近くの小学校の先生と２つの学校の一年生で風船を飛ばすことにした。風船は、教材社に頼めばいい。では、何を入れれば風船は飛ぶのか。水素？これは危ない。ヒンデンブルク号の爆発。

といっても、現在は水素の爆発が原因ではないという説が有力である。

では、ヘリウムだ。枚方にヘリウムを作っている工場がある。そこに連絡をとると、１本で２校が使える量が十分だと分かった。

私が枚方市まで買いに行った。ボンベというと、結構長い形をしていて、なんとか車に乗せられた。私の学校でまず、風船を飛ばした後、近くの学校へボンベを運んだ。

この行動力は、なかなかすごいなと今でも思うが、結局、私は退職するまで、この勢いで突っ走ったわけだ。好奇心でこれを授業でやりたいと思ったら、何としてもやり抜く。困難がいくつもあったが、なんとかなったというか、なんとかした。

風船飛ばしはとてもうまくいった。子どもたちは大喜び。

その夜、１２時ごろのニュースを見ていると、風船で新幹線が止まったというのだ。「ええーっ！」と思ってみていると何と、知人の学校で飛ばした風船が落ちてきて新幹線を止めたというのだ。私は「しまった」と思った。「彼は紙と種の重さをはからなかったのだ」

よかったことは、彼と校長は、JRからお叱りを受けただけですんだ。

２人の学校はどちらも新幹線が横を通っていた。１個の風船では、かなり重さを軽くしないと飛ばないと私は思って、手紙の紙を３ｃｍ四方にした。字も小さく、「花いっぱいになあれ」と学校の住所と名前も書かせた。種もひまわりは無理だと考えた。もっと小さな種をセロテープで貼りつけた。

屋上に子どもたちと上がった時に、風向きも調べた。学校の東側は新幹線が通っている。風向きは大丈夫だった。

子どもたちと風船を放した。学校の住所と名前を書かせたのは、これを見つけてくれるのはこぎつねのコンではなく、住んでいる人だと思った。うまくいけば京都か、滋賀県くらいまで飛ぶだろうと思った。

それから何日かして、１０通くらいの手紙が来た。風船をひろってくれた人が種を植えましたよという手紙だった。

子どもたちは喜んだ。夢のような話だ。それも一番遠くから来た手紙はなんと千葉県からきた。日本地図を出して、みんなで「すごーい」と言った。私自身、こんなに飛ぶとは思わなかった。みんなで手紙を書いて出した。

風船を飛ばせたのは、２回だけだった。風船が、自然の中で暮らしている動物や海の生き物に良くないことが分かってきたからだ。

でも、風船に種をつけて飛ばす授業が諦めきれない私は、高知県の人が講演に呼んでくださったときに、高知の和紙で自然に負荷をかけない風船を作っていることをきいて連絡した。しかし、一つが数百円したので諦めた。

自然の中でとける風船があることを知った。今では風船を飛ばす授業もできるのだなと思った。しかし、光村図書の教科書からは『花いっぱいになあれ』の物語は消えてしまっている。

今、私が教員をしているなら、『花いっぱいになあれ』の物語を子どもたちと自主教材としてやるだろうなと思う。私はこの物語が好きだから。

ただ、やはり、まだまだ自然にとける風船は高い。

空に上がるものというのを子どもたちは大好きだ。大人だって大好きだ。

もっと安く、風船が手に入ればと思う。レジ袋でもバイオマスの印のついたエコレジ袋をくれる。

それくらいに風船もできるのではないだろうか。

これも需要と供給の話にはなるが。

（写真の風船はAmazonで売っている。３０個で４７００円くらい。１個１６０円。

エコロヴィー風船という。幼稚園とか卒業式、イベントなどで飛ばすらしい。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「花いっぱいになあれ・松谷みよ子とセルロースナノファイバー」_c0194742_17161789.png

2024年11月現在で、アマゾンで同じ風船がいくらするかを調べてみた。30個5602円。1個あたり187円だ。

一個当たり、27円高くなっている。3年で27円高くなったか。上記の写真の風船は少し安いが。

先日からセルロースナノファイバーの話をしているが、これで風船を作れば、自然に帰るので

いくら飛ばしても大丈夫だ。

とにかく、経木の代わりに出来るくらい安くならないと無理である。高いものばかり製造しないで、

もっと安いもの、スーパーマーケットからプラステックがなくなる日が来てほしいものだ。

そうすれば、海もきれいになるだろう。

# by ir_ihatov | 2024-11-04 06:01 | 教室・保育室・講義室から | Trackback | Comments(0)

2024年 11月 04日

「セルロースナノファイバー　　６　ダイセルのホームページから」

化学的に比較的安定

生物分解性

生育時に大気中のCO2を吸収

水に溶けない

生体に安全

水に混ざりやすい

（親水性）

油に混ざりやすい

（親油性）

リサイクル利用可能

石油より短サイクルで

https://www.daicel.com/cellulose/

ダイセルの製品

「セルロースナノファイバー　　６　ダイセルのホームページから」_c0194742_18073859.png

眼鏡ができている。2年前にはなかったのだが、対応が早いな。

「セルロースナノファイバー　　６　ダイセルのホームページから」_c0194742_18082406.png

「セルロースナノファイバー　　６　ダイセルのホームページから」_c0194742_18083738.png

ダイセルという会社がこの頃テレビCMで放送している。よくわからない

CMだが、私が思うような製品開発をしてくれたらとは思っている。

# by ir_ihatov | 2024-11-04 06:00 | 教室・保育室・講義室から | Trackback | Comments(0)

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「投票率と103万円の壁」

「校長から音楽の授業へ圧力 ２」

「セルロースナノファイバーへの私の願い ７」

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