NTT アノードエナジー株式会社、大崎電気工業株式会社、日本電気株式会社(以下、NEC)、NTTテクノクロス株式会社、三菱電機株式会社、株式会社NTTデータ東北、NTTテレコン株式会社、株式会社ACCESSは、スマートメータで把握した潮流データを分析する電力流通モデル「Internet of Grid プラットフォーム」(以下、IoGプラットフォーム)を開発した。
「IoGプラットフォーム」は、スマートメータで把握した潮流データを分析し、電流容量増加や電圧上昇時に蓄電池制御することを一体的に行う電力流通モデルだ。電力系統の潮流データを把握するスマートメータと、再生可能エネルギーの発電量が増え電力系統の電圧上昇や電流容量が大きくなった場合にこれらを抑制するための蓄電池とで構成されている。
このスマートメータは、電力計量部は通常のメータのまま、通信部に新機能を追加することで、系統電流や電圧等の潮流データを把握することが可能となっている。これにより、今まで想定が難しかった配電系統における再生可能エネルギーの連系可能量がより正確に把握できる。
例えば、晴れの日の昼間等、再生可能エネルギーの発電量が増えると、電力系統の電圧上昇や電流容量が大きくなり、設備許容値を逸脱するリスクが発生する。このような事象が潮流データから予見された場合、「IoGプラットフォーム」の蓄電池を充電して、電圧上昇や電流容量を抑制する。
なお、「IoGプラットフォーム」の蓄電池はこれらの活用に加えて、夜間等には蓄電池に充電した電力を電力取引市場(卸電力取引市場、容量市場、需給調整市場)等に活用することができ、ブラックアウト等の非常時には代替供給力となる非常時マイクログリッドにも活用することが可能だ。さらに、「IoGプラットフォーム」のスマートメータ内部に構築したサービス基盤により、ホームエネルギーマネジメントシステム(以下、HEMS)の製品機能等を搭載することが可能だ。
また、電気給湯器やEV充電器等で標準化されている「ECHONETLite(エコーネットライト)」等の通信対応機器であれば、HEMS等の機器を介さなくても監視・制御等が可能となる環境を新規開発したスマートメータに搭載し、需要家向けエネルギーサービスのハブ機能としてスマートメータを活用できる。
今後は、今回開発した「IoGプラットフォーム」を用い、電圧上昇対策としての蓄電池制御の実証を、岐阜県加茂郡八百津町において2024年9月より実施する。
具体的には、八百津町施設及び蓄電池を設置したNTT施設敷地内にスマートメータを設置し、スマートメータで計測した電圧等の潮流データについて「IoGプラットフォーム」内にある「潮流マネジメントシステム」で把握・管理を行い、電圧上昇の状況に応じて蓄電池を制御して電圧上昇の抑制を図る。(トップ画参照)
将来的には、エネルギーサービスだけでなく、防災情報等の自治体サービスとの連携等に向けた取り組みについても検討を進めるとしている。また、HESに振分け機能を搭載することで、サービス事業者にとって事業展開しやすい環境を提供するとのことだ。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。