アニメーション映画
※本稿にはネタバレを含みます。ご注意下さい。
オリジナル声優が多数出演!劇場版に海原神、槇村秀幸が初登場!テレビアニメ版とのせっかくの嬉しい繋がりもいろいろ台無し
アニメーション映画『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』とは
逃れられない因縁が冴羽獠(シティーハンター)に突きつけられた時、最終章の幕が上がる!
1985年、「週刊少年ジャンプ」にて北条司が連載を開始した『シティーハンター』。
単行本の累計発行部数は5,000万部を超え、TVアニメシリーズから約20年ぶりの復活となった2019年公開の『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』は観客動員100万人を超える大ヒットを記録した。
そして、待望の劇場版アニメ最新作が2023年9月8日に公開。
制作はアニメシリーズを歴任してきたサンライズに加え、映画『すずめの戸締まり』の制作にも携わったアンサー・スタジオを迎えた強力タッグ。
前作に引き続き、TVシリーズ初代監督・こだま兼嗣氏が総監督としてスタッフ陣を牽引していく。
脚本は初参加のむとうやすゆき氏(『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』脚本、『東京リベンジャーズ』シリーズ構成)が務める。
声優陣は冴羽獠役の神谷明氏、槇村香役の伊倉一恵さんを筆頭にオリジナルキャストが再集結!
さらに、依頼人・アンジー役はフランス版実写映画『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』で香の吹き替えを担当した沢城みゆきさん。
獠を狙う組織の傭兵・ピラルクー役に関智一氏、その相棒・エスパーダ役に木村昴氏。
獠の過去を知る男・海原神役は堀内賢雄氏が演じる。
そして、エンディングテーマに欠かせない「Get Wild」に加え、TM NETWORKが本作のために書き下ろした新曲「Whatever Comes」がオープニングテーマに!
『シティーハンター』の最終章をより鮮やかに彩っていく。
![劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト) 劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)](https://m.media-amazon.com/images/I/51eZx5G8TjL._SL500_.jpg)
劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)
あらすじ
冴羽獠は裏社会ナンバーワンの実力を持つ始末屋スイーパー "シティーハンター"。
新宿を拠点にパートナーの槇村香と様々な依頼を受けている。
新たな依頼人は動画制作者・アンジー。
その依頼は…何と逃げた猫探し!
獠はアンジーの美貌に、香は高額の報酬に胸を躍らせる。
警視庁の野上冴子は海坊主と美樹の協力を得てバイオ企業ゾルティック社の発明について捜査する。
それは謎の組織の依頼で作られた戦場の兵士を超人化する闇のテクノロジーで、かつて獠を蝕み、パートナー槇村秀幸を死に追いやった「エンジェルダスト」の最新型だった。
猫探しに奔走する中、アンジーの命が狙われる。
依頼の真意を語ろうとしないアンジーは動画に映る獠を見つめ、ひとり呟く。
「これがあなたの『最高傑作』なのですか?」
「エンジェルダスト」を求めて現れる暗殺者たち。
壮絶な戦いに巻き込まれていく獠たちを遠く見つめる男。
それは獠の育ての親・海原神――
海原がその銃口を定める時、宿命の対決が始まる!
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ゲストキャラクター
CV:沢城みゆき
海外で活動する動画制作者。
愛猫が日本を旅する動画を撮影するため来日する。
だが、愛猫が逃げてしまい、シティーハンターに猫探しを依頼。
裏社会に生きる獠と香に興味を持ち、猫探し中も隙あらば撮影をする。
その眼差しには秘めた想いが垣間見られる。
フルネームはアンジェリーナ=ドロティーア・オーシアノス。
CV:関 智一
謎の組織で "ウェットワークス" と呼ばれる暗殺者チームに属する。
思慮深く落ち着いた性格でチームメイトを大切に思っており、暴走しがちなエスパーダをいつも気にかけている。
戦闘では接近戦闘を得意とする。
ピラルクーという名の由来は世界最大級の淡水魚からである。
CV:木村 昴
ピラルクーと同じチームに属する暗殺者。
好戦的で話が通じにくいタイプ。
例え仲間でも命令なら命を奪う。
戦闘では長い四肢を駆使した体術や投げナイフ、刺殺器など刃物の扱いを得意とする。
エスパーダはソードフィッシュ(メカジキ)を意味するスペイン語。
海原 神
CV:堀内賢雄
孤児だった獠を戦士として育てあげた人物。
傭兵団のリーダーとして数々の戦場を経験。
参戦した国家の革命に貢献したこともあるという。
オリジナル声優が多数出演!劇場版に海原神、槇村秀幸が初登場!テレビアニメ版とのせっかくの嬉しい繋がりもいろいろ台無し
オリジナル声優が多数出演
本作には冴羽獠(CV:神谷明)、槇村香(CV:伊倉一恵)、野上冴子(CV:一龍斎春水)、海坊主(CV:玄田哲章)、美樹(CV:小山茉美)など、テレビアニメ版のオリジナル声優が多数出演している。
また、香の義兄である槇村秀幸が本作で初めて劇場映画版に登場しているが、担当声優も田中秀幸氏が続投。
テレビアニメ版との繋がりは、ファンにとっては嬉しい限りである。
またゲスト声優も非常に豪華。
ゲストキャラクターの声優を務める沢城みゆきさん、関智一氏、木村昴氏、堀内賢雄氏など皆一流の声優ばかり。
さらにはアニメ『ルパン三世VSキャッツ・アイ』からルパン三世(CV:栗田貫一)、次元大介(CV:大塚明夫)、来生瞳(CV:戸田恵子)、来生泪(CV:深見梨加)、来生愛(CV:坂本千夏)がスポット参戦。
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こうなるともうレジェンド声優祭り状態。
声を聴いているだけで至福の領域。
往年の名アニメである『シティーハンター』『ルパン三世』『キャッツ・アイ』三作品のコラボレーションは、アニメファンにとって感涙ものだ。
これだけのレジェンド声優陣を一堂に揃えられる作品は、そうそうあるものではない。
さすがは『シティーハンター』ブランド。
今なお人気は衰えない。
劇場版に海原神、槇村秀幸が初登場
原作では事実上のラスボスともいえる海原神。
そして結果的に海原神との争いの発端になった槇村秀幸が、いよいよ本作で劇場版に初登場。
ファンとしては、この情報だけですでに期待値が爆上がり。
テレビアニメ版に槇村秀幸は登場しているものの、海原神が登場しなかったことで、最終的には有耶無耶にされた物語の核心。
本作でいよいよ語られるのか?
期待値ばかりが跳ね上がる。
テレビアニメ版とのせっかくの嬉しい繋がりもいろいろ台無し
結果を先にいってしまうと、『シティーハンター』の名を冠する作品として本作は、非常に残念なものとなってしまった。
そのクオリティをたとえるなら、『ルパン三世』テレビスペシャルと同様のガッカリレベル。
劇場版と呼ぶにはあまりにお粗末だ。
わざわざ劇場にまで足を運んでこの出来とは、ファンも非常に哀しんだことだろう。
原作とテレビアニメ版の要素をふんだんに散りばめた前作『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』の出来とは、あまりに程遠い。
せっかくテレビアニメ版との繋がりを持たせても、ゲストキャラクターが邪魔をして、大筋こそは原作をなぞっているが世界線はもはや別物。
こうなると原作をなぞるシナリオが逆効果になってくる。
原作イメージと噛み合わない世界線のせいで、物語の芯の部分が完全にぼやけてしまっている。
しかし制作側の苦慮もわからなくはない。
原作シナリオには邪魔でしかないゲストキャラクターも、その登場には致し方ない部分が実は多分にあるのだ。
原作ではミック・エンジェルというキャラクターの存在が、海原神との再会へのきっかけとなる。
しかしテレビアニメ版にミックは登場していない。
海原神との争いへのトリガーとなるミックが不在ならば、違うキャラクターで補うしかない。
そこで白羽の矢が当てられたのがゲストキャラクターなのだろう。
だがゲストキャラクターを出すなら出すで、しっかり活かし切るべきところ。
しかし現状は使い捨て状態で、なんのためのゲストキャラクターなのかよくわからない。
オリジナル声優の起用も、有り難いことばかりではない。
アニメキャラクターは歳を取らないが、声優の声は老化する。
このイメージのギャップが大きければ大きいほど、たとえオリジナル声優を起用したとしても、以前と同じ評価にはならないのである。
むしろマイナス面ばかりが強調されてしまう。
だからこそ、往年のアニメ作品には声優一新という英断が求められる場合が起こるのだ。
そういう意味で、本作でのオリジナル声優の起用は非常難しい判断だったといえる。
ファンにとっては痛し痒し。
願わくば、もっと早く制作に着手できていれば…と思えてならない。
悪しき前例主義?まったくアップデートできていない制作側
とにかく安っぽさが際立つ本作。
演出も作画も、すべてがチープで古臭い。
まるで「『シティーハンター』ってこういう作風でしょう?」というテンプレートを押し付けられている気分だ。
たとえばエンディングテーマの「Get Wild」然りで、たしかに『シティーハンター』といえば誰もが真っ先に想像する名曲ではある。
映像もテレビアニメ版を彷彿とさせていたが、『シティーハンター』にはまだまだ名曲がたくさん存在する。
たとえば「Still Love Her (失われた風景)」は知る人ぞ知る名エンディングテーマで、本作シナリオにもぴったり。
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だが、本作制作側にその遊び心はない。
その点、前作『劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ>』の選曲は非常に素晴らしかった。
原作を尊重した上で現代風にアレンジされた演出も実に秀逸だった。
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いろいろ素晴らしかった前作で出来ていたことが、なぜ次作で出来ていないのか。
甚だ疑問で仕方ない。
テレビアニメのクオリティが年々上がり続けている時代の流れにポツンと取り残されてしまったかのように、とにかく悪しき前例主義しか感じられない本作。
これならアニメ実写化という、遥かに高い壁を乗り越えたNetflix映画『シティーハンター』の方がよほど良い出来だった。
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待望の最終章アニメ化にもかかわらず、本作はファンとって残念でしかない作品になってしまった。
唯一の救いは続編への希望
ラストを観る限り、どうやら本作は単一作ではなく続編があるらしい。
最終章と謳いながらも本編で海原神がほとんど登場しなかった謎も、続編があるならある程度納得できる。
それならばまだ希望はある。
もし本作が壮大な伏線となるなら、印象はまったく違うものになるだろう。
もし制作側にひと作品をまるっと伏線にしてしまうようなチャレンジ精神があったなら、本作は神作品にもなり得る可能性を秘めている。
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