ハイリゲンシュタットの歌
2024.09.14 Sat
「ハイリゲンシュタットの歌」(VITA)の感想です。
かなり前に購入してたんですが、
プレイするのに時間が掛かってしまいました。
エクステンドさんの作品をプレイするのは二回目です。
【システム】
ノベル系の乙女ゲー。
ヒロインのデフォ呼びあり。
地の文ありですが、台詞の方が多め。
ギャグ寄りの作品で、
正直メインの「音の消失事件」とかよりも、
五線譜たちとの日常シーンの方が好みでした。
この作品のマスコットキャラであるソプラノが
何度か話しの腰を折る事が多々あったり、
下ネタが多めだったりするので、好みが分かれるかもです。
※ネタバレを含むので畳みます※
アルシェ
楽団の中でのトップアイドル。
ハルトに対して劣等感を抱えており、
彼に対して愛憎に似た複雑な感情を向けてます。
ファンと恋人の区別をあまり付けて無かったり、
浮気も良しとしてる節がある描写をもうちょっと深掘りして欲しかったな。
終盤になっても まだマダム達とデートしたりしてるし、
リートに対して明確に線引きする所まで描いて欲しかった。
「なっちゃん」と、他のキャラと違うあだ名で呼んでくれるのは
何気に特別感があって結構好き。
始まりはリートの名前を憶えてるのか、覚えてないのか
微妙な所からでしたが、呼ばれる度に親しみを感じました。
フィーアの存在がちょっと勿体ない。
なんか、面白い設定だったのに
ただのヤンデレお嬢様に成り下がったのが残念。
ディー
国立楽団の実験体。
いきなり重い生い立ちでビックリしました。
クラヴィアと浅からぬ縁だとは思ってましたが、
実験体時代でクラヴィアはお世話係みたいな立場だったんですね。
ディーの生い立ちの影響で自分の価値を見出そうと
色々失敗したりして落ち込んだりしてる様子に
親近感を感じました。
新しい職場とか新しい環境だと、
頑張ろうとしても空回りしたりするんですよね。
ソプラノとシスターがヒロインの出自や真相ルートへの布石について
ちょろっと触れてます。
ディーとリートは等身大の恋愛という感じがしました。
二人ともまだ子供っぽさが抜けないし、
悪戯が見つかって二人で手を取り合って逃げていく様子が可愛かったです。
クラヴィア
いつも優しく微笑んでいて穏やかなお兄さん。
攻略制限キャラです。ディーの後にプレイ出来ます。
なんですが、ハルトの方が真相ルートっぽいので、
何故クラヴィアさんが攻略制限キャラなのかが、
ちょっと分からなかったです。
忘却の使徒さんと共闘関係になるルート。
お兄さんの思念がクラヴィアさんの体と共有してて、
一時的にお兄さんに乗っ取られるんですが、
「処理してもらう」的な言葉をヒロインに投げかけるシーンがあります。
その時結構 乙女ゲーには珍しく挑発的な台詞だな、と結構ビックリしました。
今作はちょいちょい結構直接的な下ネタギャグもあったりして、
そういう台詞を投げられると一瞬固まります。
ヴィッセ
不思議ちゃん枠。
ギャルゲー、乙女ゲーノベルゲーでも
あまりこういうキャラは好みでは無いんですが、
他のキャラのルートと同じくヴィッセのルートも
普通の日常シーンはほのぼのしてて読んでるのが楽しかった。
なんだけど、
後半闇落ちしちゃったのは残念だったなー・・・・。
ディーの人体実験の件についても感じた事なのですが、
ハルト達が在籍してる時代の国立楽団のわちゃわちゃして
賑やかなイメージの方が強く、普段が明るい作風のせいか
国立楽団が非人道的な団体なのか回想に出て来ても
違和感しか感じなかったです。
ヴィッセの命を楽団から守る為に
お母さんやお父さんが虐待やネグレクトを働いてたって判明するんですが、
愛情ゆえの行動だとしても良いご両親とは言えないのがなんとも言えなかった。
ハルト
ベートーヴェンの呪いを受けた指揮者さん。
この作品の中で一番見た目と声が好みでした。
真相ルート+大団円ルートっぽい終わり方なのですが、
何故か攻略制限なしです。
ヒロインも人間では無く、
ベートーヴェンの音楽から生まれた命、と
他のルートでは全く明かされなくてハルトルートを先にプレイするのは
勿体ないかな、と思いました。
ハルトは本当は攻略制限かけなきゃいけないんじゃないかな。
「うるさい」が口癖で、
ハルトの感情によってさまざまなパターンが聞けるのが嬉しかったです。
めっちゃ良い声。
わちゃわちゃしたヒロインとスパルタなハルトの
一見合わなそうだけど、結構相性が良さそうなカップルでした。
ソプラノが様々な鳥に転生していった、と
サラっと明かされましたが、もうちょっとそこら辺掘り下げて欲しかった。
忘却の使徒
本名・ハイリゲンシュタット。
まさかのタイトル回収です。
髪型でなんとなくベートーヴェン関連のキャラなのかな、と思ってたので
遺書に命が宿った存在だと聞いて、まぁ なるほどなって思いました。
リートと同じ様な存在なので、
ハルトルートでソプラノが「惹かれ合う事は摂理」である、みたいな事言ってましたが、
どっちかというと それは忘却の使徒さんの方が沿ってる気がします。
このルートのリートの行動があまり好きじゃなかったです。
ドタバタヒロイン自体あまり得意なタイプではありませんが、
彼女に対して嫌な気持ちは湧かなかったんですが、
最後の最後ちょっと嫌な気持ちになっちゃいました。
ソプラノが居なくなって、
五線譜の仲間の事もどうでも良くなって勝手な行動をしてしまうんですが、
そこまでヒロインを役立たずにしなくても良かったんじゃないかな、と
残念な気持ちになってしまいました。
最後は王立楽団へ戻って 皆一緒にわちゃわちゃした関係に戻ったのは良いですね。
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キャラクター同士の掛け合いは好きだったんですが、
シナリオ面とかキャラクターの掘り下げとか
もう一歩足りないな、と感じました。
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