「DRAMAtical Murder reconnect」(PC)の感想です。

本編VITA版の感想記事はこちら
本編をプレイしてから時間が経ってたので、
おさらいを兼ねてＰＣ版も購入してさらっと流しプレイをしました。
相変わらず　作りが凝ってて流石ニトロプラスさんだなって感じました。

本当はＦＤは購入する予定は無かったんですが、
ライターの淵井鏑さんの文体が好きなので購入しちゃいました。

ＢＬはいまだに苦手ですが、「スロウ・ダメージ」が切っ掛けで
淵井鏑さんの作品は出来るだけ手を出してみようと思わせてくれました。




【システム】
１８禁のＢＬ・ノベルゲー。
ＦＤという事もあり、濡れ場多めのサービスシーンメインです。
ハッピーエンドとバッドエンドそれぞれのシナリオが用意されてて
作品ファンには嬉しい作りになってるのではないでしょうか。

私は特に推しのカップルが居た訳では無いので、
ウイルス&トリップのホラーまがいなシナリオと
蒼葉の幼少期のエピソード、ミズキとのエピソードがお気に入りでした。

特にウイルス&トリップのじっとりと迫って来る恐怖は
読んでてとても楽しかった。
ファン向けの作品だし、セクシーなシーンがメインの作品だと思ってたので、
読むだけ読んで感想を上げる予定は無かったんですが、
この二人のシナリオのテイストが面白かったので感想記事を書いてみました。

それから、なんとなくホラーノベルゲーを読んでみたい気持ちになり、
「真流行り神3」を買おうかどうか本気で悩みました。
1・2でガッカリした作品を買うのも勇気が居るけど、
ホラーの気分だし、とグルグルと今でも悩んでます。


※ネタバレを含むので畳みます※








蒼葉
ウイルス&トリップのルートで、
荒れてた頃の蒼葉について語られてましたが、
あれは「欲望」蒼葉についてなのか、「理性」蒼葉が更生する前の話しなのか、
ちょっと　あまりハッキリしなかったです。

荒れてた頃の蒼葉が薬に手を出してた、とか女遊びが激しかった、とか
本編の彼と全く結びつかないので意外でした。
「欲望」蒼葉ならあり得るかな。

蒼葉の誕生日の日にタエ婆ちゃんが食卓で涙してる様子が
回想に出て来た時は心抉られる想いでした。
タエ婆ちゃんを悲しますまいと更生を決めた蒼葉は立派だよ。

蒼葉の幼少期の回想で両親の姿を初めて見たんですが、
「お父さん・お母さん」と言われるよりもかなり若くて
なんかＲＰＧの主人公とそのヒロインという印象でした。
特にお母さん、普通に可愛い。

だけど、蒼葉をずっとほったらかしたまま　帰って来ない事に疑問。
ハガキが届いたという事はご存命という事だろうし、
一つの場所に留まれない本能の方が家族より大事なのかな。


ウイルス&トリップ
双子スタイルなのに、双子では無い。
浅いけど、深い関係。
お互いに無関心だけど、一緒に居るのがしっくり来るから一緒に居る。
ＦＤで二人の馴れ初めを知って更に怪しさやミステリアスさが増しました。
トリップがウィルスに見た目を合わせてたのは凄い意外でした。

適当に「旅の扉」を選択したら、この二人の後日談から始めてしまった。
この二人の冒頭のシーンで
蒼葉が胎児の体制にしかとれない様に縛りつけられ、
自主的にトイレに排泄出来ないから垂れ流し。
蒼葉が肉体的・精神的にも犯されてありとあらゆる人権を踏みにじられる様が
細かく書かれてて　背筋が何度もヒヤりとしました。

蒼葉はウィルスよりもトリップの方に恐怖を抱いてるみたいですが、
私はウィルスの方が怖かったです。
身動き出来ない狭い箱に詰められて何日も放置されるなんて、
肉体的にも精神的にもダメージ大きいし、気が狂ってしまいそう。

ウィルスは蒼葉の体は傷つけない・精神を追い詰める調教
トリップは肉体を痛めつけて追い詰める調教。

じわじわと追い立てられる恐怖は下手なホラーノベルゲーより怖くて面白かった。


紅雀
幼馴染のお兄ちゃん。
蒼葉の断髪シーンは　なんでも無い様な
二人の日常が垣間見れて　良かったです。短髪蒼葉のが好き。

それにしても、髪の毛に神経が通ってるのってどういう感覚なんだろう・・。
人に触れられるだけでも痛いと感じてしまうのなんて
私生活に支障を来しそう。

紅雀は女性経験豊富で蒼葉も多少経験ありそうな物なのに
お互い学生の初恋かって位にちょっとオドオドしてるのは笑ってしまった。

BADルートは「欲望」蒼葉と獣化した紅雀とまぐわうエンド。
蒼葉が脱色したかの様に真っ白だからか、
性行為というより、何か怪しい儀式をしてるかの様な印象を受けました。



クリア
アンドロイド。
本編の終わり方が綺麗だったから、
これ以上の後日談は必要ないと感じてました。

なんですが、蓮をもふって楽しんでるクリアと、
逃れようとジタバタしてる小型犬（蓮）の様子がとても微笑ましくて
このシーンだけでも後日談を見た甲斐がありましたｗ



ミンク
本編では蒼葉が痛い思いしてた印象しか無いんですが、
暴力的な部分とスピリチュアルな部分を
兼ね備えたちょっと　複雑なキャラ。

クリアとは対照的に一番　後日談が気になったキャラです。
本編では蒼葉を殴ってるシーンしか印象無かったんですが、
ＦＤの後日談という事もあり、彼の不器用で優しい部分が描写されてます。
蒼葉に気遣って甘いコーヒーを出してくれた所とか何気にお気に入りです。

碧島にはもう帰らないのかな。
ミンクの故郷で骨を埋める覚悟で追ってきたのかもしれないけど、
ちょっと寂しい気がしました。

ＢＡＤエンドもどうなるのかと思ってましたが、
間に「欲望」蒼葉と色々あったんですね。



ノイズ
無感動な少年から　真摯な態度の青年に変わりました。
本編では口数少なく、感じたままに行動してて
どこか動物的な彼でしたが、蒼葉の為に身なりを整え
言葉も態度も大人の対応が出来る様になりました。

一般的な大人のやり取りが出来てもやはり　ノイズは相変わらずな性格。
照れもせずに口説き文句や爆弾を投下する所は私は好きです。

二人はドイツに永住するみたいですが、
私はタエ婆ちゃんが好きだから　ミンクルートと同じく蒼葉が離れてしまうのは寂しい。


蓮
元ワンコ。
本編でも別ルートでもポメラニアン姿の蓮の言動が可愛すぎる。
舌をチラっと出して蒼葉を見上げてる様子だとか、
あのちっちゃい手足で蒼葉のおでこゴチンを拒否ったり、
トテトテと蒼葉をついていく様子とかすごく可愛い。
あんな愛くるしい姿をしてるのに、声が低音ボイスなギャップも素晴らしい。

元々蒼葉の人格の一部だから、
オールメイトじゃないのは分かってるけど、
蓮はやっぱり　ワンコ姿の方が好きだなぁ。

って思って読み進めてたら蓮が
「すまない。今の俺には以前の様な体毛が無い」としょんぼりしてて
なんかこっちまで申し訳なく感じてしまった。
それと同時にちょっと抜けた言動にも笑ってしまった。
なんか可愛い。

今の蓮は蒼葉の双子の兄セイの物で
蓮は蒼葉の心の一部、別人格とはいえ自分に恋をしてるという複雑な関係。

恋情に任せて肉体関係に及ぶと近親相姦になるし、
セイの体を冒涜してるのでは無いかという葛藤が描かれてます。

正直　何が正しいのか全く分からないけど、
元々人間の人格だった蓮がオールメイトに閉じ込められてるのは可哀想だし、
受肉して自由になれたのは良かったと思いました。


ミズキ
ＶＩＴＡ版の本編をプレイした時、
モルヒネルートで「欲望」蒼葉とミズキのエピソードが面白かったんですが、
今回のＦＤでは蒼葉と回復したミズキの友達としての
何気ない会話が微笑ましかった。
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当初プレイする予定の無かったＦＤですが、プレイして良かったです。
ＶＩＴＡ版にあったモルヒネルートでの
「欲望」蒼葉が活躍するシナリオも読んでみたかった。