Stella by Starlight

Stella by Starlight

訪問、ありがとうございます。

届きました。

少し記事にするのが遅くなりましたが、2月10日に届きました。

 

愛しの浜辺美波カレンダー 2025.04-2026.03”

購入はAmazonと美波ちゃんのオフィシャルサイトの2つから。

表紙は2種類ありました。

どちらもステキですね。

さらにこちらは美波ちゃんのオフィシャルオリジナルの表紙です。

オフィシャルサイト版は3種類の表紙です。

あまり中は見せない方がいいと思うので、4月だけ。

中はAmazon、オフィシャルサイトどちらも同じです。

裏表紙はこんな感じ。

特典の限定ポストカード。

こちらはAmazon

こちらがオフィシャルサイトの限定ポストカードです。

いろんな表情を見せてくれた美波ちゃん。

2025~2026も部屋を明るく飾ってくれると思います。

 

オフィシャルサイトはすでに販売終了しております。

 

ほかのサイトの通常版は発売中です。

 

『余命10年』

『余命10年』

 

2022年製作/日本映画/上映時間:125分/G/2022年3月4日日本公開

 

監督:藤井道人

出演:小松菜奈

   坂口健太郎

   山田裕貴 ほか

 

SNSを中心に反響を呼んだ小坂流加の同名恋愛小説を映画化したラブロマンスです。

難病で余命10年の女性と、彼女の同窓生である男性が恋に落ちる姿が映し出されます。

 

あらすじ

数万人に一人という不治の病を患う、20歳の高林茉莉(小松菜奈)。余命が10年であることを知った彼女は生きることに執着することがないように、絶対に恋をしないと固く心に誓う。地元で開かれた同窓会に参加した茉莉は、そこで真部和人(坂口健太郎)と出会う。恋だけはしまいと決めていたはずの彼女だったが、次第に和人に惹(ひ)かれ、その運命も大きく動き出す。

シネマトゥデイより)

 

小坂流加の小説を原作にしたラブロマンスです。

主演は『恋する寄生虫』などの小松菜奈、『仮面病棟』などの坂口健太郎

監督は『宇宙でいちばんあかるい屋根』などの藤井道人

 

本日2月16日は・・・

埼玉西武ライオンズ、背番号6番・源田壮亮内野手、32歳のお誕生日です。(この写真使うのって、凄いイヤミ!)

・・・まあ、例の不倫問題聞いて、「ライオンズ・ファンやめる!」と早まったことを書いてしまいましたが、本人も反省しているみたいですし、何より写真左の方の話題で源田の話しはどこかへ行ってしまったかのように忘れ去られたのは不幸中の幸いと言えますね。

そういう意味では左の方に感謝しないとですね。

プロ野球もキャンプたけなわですが、開幕したら、やはりライオンズ応援すると思いますが、正直スワローズも好きなので悩むところですが・・・。

 

本命はこちら。

小松菜奈さん、29歳のお誕生日です。

お祝いの気持ちを込めまして主演映画を選ばさせていただきました。

 

おふたりとも、

HappyBirthday!

 

日本映画の王道。

美人薄命とはよく言ったもので、美しい女性が余命わずか。

それを見守るイケメンカレシと彼女の家族たち。

あまりにベタなお話しなのですが・・・

とにかくシナリオが丁寧に書かれ、藤井道人監督の完ぺきと言える演出に主演の小松菜奈さん、坂口健太郎さんの名演でまったく自然に涙がこぼれてくるステキなラブロマンスでした。

すっかり穢れちゃった(か、悲しい)わたくしが難病もので後半ずっと泣きっぱなしというのは久々です。

 

人間の命のあり方とはと考えさせられました。

世の中にムダな生命など存在しない。

誰もが生きる権利があり、それには必然がある。

そのようなことを思いました。

 

”お涙頂戴”映画では無いとは言いません。

ラストの主題歌を『君の名は。』のRADWIMPSを起用しているところから、完全に狙った作りだったと思います。

ですが、それが鼻につかない、不思議な魅力がある映画だと思いました。

 

日本の四季。

それを上手くとらえた撮影と演出が彼女の残された時間を綴るように物語が描かれます。

特に桜の描写がとても良かったです。

 

悪人がひとりも登場しない映画です。

変人ばかり登場の藤井道人監督の『最後まで行く』と見比べてみるのも面白いかもしれません。

 

桜の開花が待ち遠しくなる、本当に美しい映画でした。

 

 

オリジナル予告編

 

 

『ウエスト・サイド・ストーリー』

『ウエスト・サイド・ストーリー』

原題:West Side Story

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:157分/G/2022年2月11日日本公開

 

監督:スティーヴン・スピルバーグ

出演:アンセル・エルゴート

   レイチェル・ゼグラー

   アリアナ・デボーズ ほか

 

1961年に映画化もされたブロードウェイミュージカルを、スティーヴン・スピルバーグ監督が再映画化した作品です。

1950年代のアメリカ・ニューヨークを舞台に、移民系の二つのグループが抗争を繰り広げる中で芽生える恋が描かれます。

2022年・第94回アカデミー賞において、作品賞、監督賞など計7部門にノミネートされ、アリアナ・デボーズが最優秀助演女優賞を受賞。

 

あらすじ

1950年代のニューヨーク・マンハッタンのウエスト・サイド。貧困や差別による社会への不満を抱えた若者たちは同胞の仲間たちとグループを作り、それぞれに敵対し合っていた。ある日、ポーランド系移民の「ジェッツ」の元リーダーであるトニー(アンセル・エルゴート)と、対立するプエルトリコ系移民の「シャークス」のリーダーの妹マリア(レイチェル・ゼグラー)が出会い、一瞬で恋に落ちる。その禁断の恋は、多くの人々の運命を変えていく。
シネマトゥデイより)

 

1962年・第34回アカデミー賞において、作品賞、監督賞、作曲賞など計10部門受賞した名作ミュージカルを巨匠、スティーヴン・スピルバーグが再映画化した作品です。

主人公を『ベイビー・ドライバー』などのアンセル・エルゴート、ヒロインをオーディションで選出されたレイチェル・ゼグラーが演じるほか、1961年版でオスカーを受賞したリタ・モレノが出演と製作総指揮を担当しております。

 

過去に1度鑑賞している作品ですが、まもなくAmazonプライムビデオ見放題終了とのことで、もう一度鑑賞したいと思い今回本作を選ばさせていただきました。

スピルバーグがなぜ現代にこの物語を映画化したのか?

その辺りや率直な感想などを綴っていけたらと思っております。

 

ウィリアム・シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を基にしたこの物語のブロードウェイでの初演は1957年。

1961年にロバート・ワイズとブロードウェイの演出家、ジェローム・ロビンス共同監督作として『ウエスト・サイド物語』が製作されます。

 

レナード・バーンスタインの名曲に乗せられたダイナミックな踊りと美しい物語。

映画は大ヒットし、アカデミー賞も10部門受賞。

自分は当然生まれる前なので、初見は小学生のときテレビでの放映で。

穢れを知らない少年だった自分は(←ウソつけ!)ラストは大号泣してしまいました。

 

・・・ただ、今この作品をじっくり観てみると違和感があるのも事実。

当時のハリウッドの事情でやむを得ないのですが、プエルトリコ人俳優が少ないなどの理由からヒロイン、マリアを白人のナタリー・ウッドが演じたり、白人が顔を黒く塗って出演したりしております。

ミュージカルなので唄うシーンがあるのですが、こちらも吹き替えで俳優本人が唄っておりません。

 

スピルバーグ版の話しに。

映画にリアリティを求められる時代に作られた本作はそのような違和感は無くなりました。

プエルトリコ人俳優を起用し、セリフもほとんどがスペイン語

当然キャスト自らミュージカル・ナンバーを唄っております。

またオスカーノミネートの衣装がすばらしいです。

 

本作に否定的意見のYouTubeを拝見しました。

その意見ですと、まず「古くさい」。

これは、まあオリジナルがシェイクスピアなので「仕方ない」としか言えません。

続いて、トニーとマリアが恋に落ちる理由が分からない。

こちらは、まあ電撃的な一目惚れ・・・だったのかな?

これもロミオは出会って数時間でジュリエットにプロポーズしているオリジナルの展開に近いものと言うしかありません。

 

移民であるプエルトリコ人と白人の抗争。

もちろん、当時(今回再選しちゃいましたが)大統領のトランプの移民政策への批判を込められているのは間違いないと思います。

アメリカという国は移民の歴史の国と言えます。

元はネイティブ・アメリカンが住んでいた土地。

そこに白人がやってきて彼らの土地を奪い、そう言った歴史を繰り返していると思います。

 

オリジナルでは無かった描写ですが、プエルトリコ人が白人の上に立っている描写があり、それを良く思わない刑事(だと思う)が白人グループのリーダーに「叩きのめせ」と煽るシーンがありますが、まさに白人からすれば、プエルトリコ人は自分たちの土地にやって来た邪魔者と映るものでした。

 

モーツァルトザ・ビートルズを例えるまでもありませんが、名曲は年月経っても色あせることはありません。

バーンスタインの音楽は最高にすばらしいです。

・・・ただ、今の時代、映画にリアリティが求められていると先ほど書きましたが、ミュージカルというジャンルがこれに反比例してしまうことも事情です。

 

突然街中の人が唄い踊り出したらポカ~んとなってしまいます。

また、オリジナルの曲を変えない(これは変えては絶対にいけない)ため、歌詞が英語なので、それまでほとんどスペイン語だったプエルトリコ系のシャークスも歌だけは英語というところはリアリティに欠けるところかもしれません。

 

人を愛することが嫌いな方はご覧にならない方がいいです。(嫌な言い方やな~)

いつの時代にも言えますが、本当に愛することは間違いなくすばらしいです。

 

反発し合うものの間に生まれた美し過ぎるほどの真実の愛。

これはまさにジオン公国のエースパイロットと地球連邦軍の中尉が結婚した(声優ネタ?)かのようです。

「自分自身の、若さゆえの過ち」ではございません。

 

「白人でもプエルトリコ人でも無いスピルバーグがこの物語を作るのはヨソ者が作った映画に思える」という手厳しい意見の評論家もおりました。

本作を最初に観たときも、そのようなことは感じなかったのですが、今もう一度観ると次回作『フェイブルマンズ』も鑑賞しているので、差別というものの愚かさ、怖さをこの2作品でスピルバーグは強く描きたかったのではと思いました。

 

憎しみの連鎖は悲劇しか生み出さない。

シェイクスピアから語り継がれている物語は普遍的と言えると思います。

今の時代にこの物語にチャレンジしたスピルバーグの勇気に敬意を評したいと思います。

ラストは1回目は泣かなかったのですが、今回号泣でした。

ありがとう、スピルバーグ

 

 

BD&DVD発売用日本版予告編

 

 

 

ヴァレンタインデーですね。

HappyValentine!💖~

 

『恋人はアンバー』

『恋人はアンバー』

原題:Dating Amber

 

2020年製作/アイルランド映画/上映時間:92分/PG12/2022年11月3日日本公開

 

監督:デヴィッド・フレイン

出演:フォン・オシェイ

   ローラ・ペティクルー

   シャロン・ホーガン ほか

 

1990年代のアイルランドの保守的な田舎町を舞台に、同性愛者の高校生男女が期間限定で恋人のふりをする青春ドラマです。

監督・脚本は『CURED キュアード』などのデヴィッド・フレイン。

 

あらすじ

1995年、同性愛者への差別や偏見が残るアイルランドの田舎町。自分がゲイであることを認められない高校生・エディと、レズビアンであることを隠しているクラスメートのアンバーは窮屈な日々を過ごしていた。二人は周囲にセクシュアリティを悟られずに卒業するため、期間限定でカップルを装うことにする。性格も趣味も真逆の二人だったが、悩みや夢、秘密を語り合う中で友情を育み、互いにかけがえのない存在となっていく。

シネマトゥデイより)

 

閉鎖的な社会で生きるティーンの葛藤や友情を描き、アイリッシュ映画&テレビ賞で8部門ノミネート、2部門を受賞した青春映画です。

 

あまり映画鑑賞している時間が無かったので上映時間短めで、評価も高かった本作を今回選ばさせていただきました。

 

同性愛者の映画花盛りですね。(少しイヤミに聞こえる)

自分が同性愛を全面に出したと言える映画で印象に残っているのは2005年の『ブロークバック・マウンテン』ですね。

この年最高の映画とのかなりの高評価でしたが、まだ保守的だったアカデミー賞はこの映画に厳しく、作品賞はポール・ハギス初監督作の群像劇『クラッシュ』に。

もし、この映画がもっと正当な評価をされていたのであれば、ヒース・レジャーは生前にオスカー像を手にしていたかもしれません。

 

その『ブロークバック・マウンテン』より約6年前の1999年の『リプリー』という作品。

太陽がいっぱい』のパトリシア・ハイスミスの同じ原作を映画化した作品ですが、『太陽~』とはまったく違う内容で、この作品が同性愛を描いたものと知り、終盤はあまりの切なさに涙してしまいました。

同じハイスミス原作の2016年の『キャロル』。

こちらも感動的で大好きな映画です。

 

エディとアンバーは同じ同性愛者。

それを学校中にウワサされることを恐れ、卒業までの期間限定で恋人のフリをすることにします。

 

観ていて、エディという少年は自分がゲイであることに、どこか後ろめたい感情があり、それをどことなく恥じているかのように思いました。

 

逆にアンバーは自分がレズビアンであることに何の抵抗もなく、自分の夢を実現することに前向きに生きているように思いました。

 

ゲイであることを少し恥ずかしく思っているエディと正反対に自分の信念を曲げないアンバー。

タイプの違うゲイのニセ恋人は、徐々に距離を縮めていきます。

 

アンバーの夢はこの閉鎖された田舎町を出てロンドンへ行くこと。

しっかりとした目標を持ったアンバーに対し、父親と同じ道という理由だけで軍に入隊しようとするエディ。

ここにもふたりの違いが表れております。

 

アイルランドではこの映画の舞台の1995年の2年前、1993年まで同性愛者は犯罪者として扱われていたそうです。

それだけ同性愛に対する世間の目は厳しかったと言えます。

 

特にふたりが通う高校はどうもカトリック系のようで、学校内にシスターがおりました。

カトリックは特に同性愛に厳しく聖書では”悪しき行為”とされているみたいです。

 

・・・ただ、あそこまで大胆(ヘンテコ)な性教育ビデオ観せるところは凄いな~と思っちゃいました。

 

恋人のフリをしているうち、本当にお互いが恋愛感情を抱くようになる・・・と言うのはお約束展開で、エディは徐々に自分のゲイという気持ち以上にアンバーへの気持ちが強くなっていきます。

 

しかし、そこから先が本作の一筋縄で行かないところ。

そこがとても切なく感じました。

 

ラストはどう解釈すればいいのか難しいです。

好き・嫌い分かれると思いますが、自分はあまり好きでは無いエンディングでした。

ですが、映画は前半はかなり笑わせ、人物像もちゃんと描かれている小粒ですが、しっかりとした味つけの映画だと思いました。

 

 

日本版予告編

 

 

『愛に乱暴』

『愛に乱暴』

 

2024年製作/日本映画/上映時間:105分/G/2024年8月30日日本公開

 

監督:森ガキ侑大

出演:江口のりこ

   小泉孝太郎

   馬場ふみか ほか

 

「悪人」、「怒り」などで知られる作家・吉田修一の小説「愛に乱暴」を映画化したサスペンスドラマです。

威圧感がある義母や自分に無関心な夫への不満を振り払うかのように丁寧な暮らしを送ることに固執する女性に、不穏な事態が次々と降り掛かかります。

 

あらすじ

夫の実家の敷地内にある離れで暮らす桃子(江口のりこ)は、センスのある装い、手の込んだ献立などにこだわる丁寧な暮らしを心がけていた。それは、何かと小さなストレスをぶつけてくる義母や自分に無関心な夫に対する不満の裏返しでもあった。そんな中、近隣のゴミ捨て場での不審火、愛猫の失踪、夫の不倫を匂わせるアカウントなど、桃子の周囲で不穏な出来事が続発する。

シネマトゥデイより)

 

1981年、ワシントン州。ジョンはかつての友人のもとを訪ねるが、彼は戦場で使用された化学兵器の後遺症によって既に他界していた。その後、ジョンは食事を摂ろうと訪れた町で警官から難癖をつけられて理不尽にも逮捕され、警察署で屈辱的な仕打ちを受ける。ついに怒りを爆発させたランボーは、署内の警官たちを打ち倒して山奥へ逃亡。帰還兵に冷たく当たる国に対してたった1人で立ち向かうことを決意する。

彼の名はベトナム戦争グリーンベレーのエリート兵士、ジョン・愛に乱暴・・・では無く

 

吉田修一の小説を実写化したサスペンスドラマです。

監督は『さんかく窓の外側は夜』などの森ガキ侑大

主人公・桃子を『お母さんが一緒』などの江口のりこが演じ、共演に小泉孝太郎、馬場ふみか、風吹ジュン、水間ロンら。

 

砂の惑星』2作のあとですと、本作は申し訳無い言い方ですが、低予算感が漂っております。

しかし、映画は制作費だけがすべてではありません。

ユニークと言える構成と俳優の好演でしっかりとした映画になっており、そういう意味では『砂の惑星』に負けていないと思います。

 

結婚して8年。

幸せと思っていた結婚生活も少しずつ冷え込んできて、姑との関係も微妙な桃子。

子どもにも恵まれず、自分の居場所を模索していた・・・。

 

ある日、夫から「彼女に会って欲しい」と言われ、不倫相手の女性と会います。

彼女は妊娠5ヶ月。自分が欲しくても手に入れられないものを持っている。

「俺と別れてくれ」。

この夫の一言で今までたまっていた桃子のうっぷんがついに爆発。

 

愛猫(と言っても野良ですが)が行方不明。

きっと軒下にいると思い、チェーンソーを購入し床をぶち抜く信じられない行動を起こす桃子。

 

人間が崩れ落ちていく姿は、ときに滑稽でもあり、ときに切なく感じます。

頑張り過ぎて生きてきた桃子の姿が痛々しくもあり、悲しくも感じました。

 

『夜明けのすべて』や『正欲』と現代社会の生きづらい姿を映し出しておりましたが、本作にも同じことが言える気がいたします。

 

江口のりこさんがすばらしい!

観ていて気の毒にも感じる桃子を見事な演技で演じておりました。

「私、わざとおかしいフリをしてあげているんだよ」というセリフは胸を締め付けるものでした。

夫のダメ男役の小泉孝太郎さんも江口のりこさんと息ピッタリでこちらも良かったです。

 

世渡りの上手な人とヘタな人。

その差が広がり、ヘタな人はどんどん行き場を失ってしまう今の世の中を映す映画になっていたように感じました。

ただ、救いが無いかと言えばそうでもない、不思議な気持ちにさせる映画です。

ランボー』もブチ切れてからが面白かったですしね。(本作は本当にスタローンの映画とは一切関係ありません)

 

 

オリジナル予告編

 

 

『デューン 砂の惑星PART2』

デューン 砂の惑星PART2』

原題:Dune: Part Two

 

2024年製作/アメリカ映画/上映時間:166分/G/2024年3月15日日本公開

 

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

出演:ティモシー・シャラメ

   ゼンデイヤ

   レベッカ・ファーガソン ほか

 

『メッセージ』などのドゥニ・ヴィルヌーヴが監督、『君の名前で僕を呼んで』などのティモシー・シャラメが主演を務め、フランク・ハーバードの小説を映画化したSF巨篇の第2弾です。

2025年・第97回アカデミー賞において、作品賞、視覚効果賞、美術賞、撮影賞、音響賞の5部門(ちょっと少なくない?)にノミネート。(発表は日本時間3月3日)

 

あらすじ

その惑星を支配する者が、全宇宙を制すると言われる砂の惑星デューン。宇宙帝国を統べる皇帝とハルコンネン家に命を狙われるポール(ティモシー・シャラメ)は、先住民フレメンのチャニ(ゼンデイヤ)と共に数奇な運命に翻弄(ほんろう)されながらも、皇帝とハルコンネン家への反撃に立ち上がる。

シネマトゥデイより)

 

第94回アカデミー賞で6部門に輝いたSFアドベンチャー大作『DUNE/デューン 砂の惑星』の続編です。

宇宙帝国の統治者である皇帝に命を狙われる主人公が、惑星デューンの砂漠に暮らす先住民フレメンの女性らと共に反撃を開始します。

主演は前作に引き続きティモシー・シャラメ

ゼンデイヤレベッカ・ファーガソンなど前作の出演者のほか、オースティン・バトラー、フローレンス・ピュー、レア・セドゥなどが共演に加わります。

 

「これぞ映画!IMAXのような大画面で観るべき」との評論家の意見もうなずける、本当にスケールの大きな映画だと思いました。

2時間30分以上あった前作が単なる序章に感じてしまうほど、このPART2はさらにスケールアップされていたように感じました。

 

この映画の感想で「よく分からないが、面白かった」というものがありました。

本作(前作も含め)はハッキリ言って単純明快な物語ではありません。

描かれる戦争も一筋縄ではいかず、哲学的なものもあります。

 

本作を1982年のオリジナル版『ブレードランナー』と照らし合わせている評論家の意見が面白く感じました。

本作に似た難解なテーマ故、分かりやすくしろとの命令でナレーションを入れ、(監督のリドリー・スコット曰く「バカげた」)取って付けたようなハッピーエンドにさせられてしまいました。

 

このオリジナル版に不満を抱き続けていたリドリー・スコットは『ディレクターズ・カット』、『ファイナルカット』でナレーションを省き、エンディングも変更しております。

そして、その『ブレードランナー』の続編を手がけたのが本作の監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ

ブレードランナー2049』は極力”語る”ことをしない、リドリー・スコットの当初の意図した『ブレードランナー』になぞった作りになっておりました。

 

本作も極力”語る”ことは省略されております。

ヴィルヌーヴも「対話場面には興味が無い」と語っているそうです。

耳で聞くストーリーでは無く、視覚で感じとる物語の映画と言える作りが本作の魅力です。

その圧倒的ヴィジュアルの迫力、壮大さこそヴィルヌーヴの伝えたいメッセージだと言えます。

 

ティモシー・シャラメはハリウッドの男優の中では線が細いと思います。(実際痩せすぎでボブ・ディラン役取れなくなりそうで体重を増やしたそうです)

それとは関係無いのかもしれませんが、自分はそこがポールにピッタリのように感じました。

いかにも戦士のような体格では無い、ですがどこかカリスマ的魅力があり、彼を救世主として崇める。

この設定がシャラメが演じていたからこそハマったように思います。

 

前作の熱い(苦しい・・・って本当に失礼!)面々に代わり、本作からフローレンス・ピュー、レア・セドゥといった麗しい方たちが登場。

おふたりともステキです。

 

もちろん前作後半から登場のゼンデイヤは本作のヒロインですので、見せ場も多いです。

ロマンチックなシーンも用意され、SF映画を敬遠しそうな女性にも受け入れられるように思いました。

 

『エルヴィス』の超イケメン、オースティン・バトラーがもの凄い形相で登場。

 

シャラメ演じるポールとの決闘シーンは息を止めながら観ておりました。

それくらい緊迫感があり、すばらしかったです。

このシーン、どこかで観た・・・という記憶でリンチ版の予告編(だと思う)を思い出しました。

バトラーの役は確かイギリスのミュージシャン、スティングが演じておりました。

 

「『ナウシカ』のパクり」なる批判的意見もありました。

おそらく・・・ですが、宮崎駿監督も、「ガンダム」の富野由悠季監督も、「エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督も原作に触れたと思います。

 

”香料”と呼ばれる特別な資源を巡る争い。

これが架空の物語に思えない怖さは実際の戦争の姿に似たものを映し出しているからだと思います。

 

第3作の製作も決定したそうで(ここで終わったら殺生です)、今から本当に待ち遠しい気持ちです。

 

 

日本版予告編

 

 

『DUNE/デューン 砂の惑星』

『DUNE/デューン 砂の惑星

原題:Dune Part One

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:155分/G/2021年10月15日日本公開

 

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

出演:ティモシー・シャラメ

   レベッカ・ファーガソン

   オスカー・アイザック ほか

 

かつてデヴィッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートSF小説の古典を『ブレードランナー 2049』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化したSF巨篇です。

2022年・第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ計10部門にノミネートされ、視覚効果賞、美術賞、撮影賞、編集賞、音響賞、作曲賞と同年度最多の6部門授賞。

 

あらすじ

人類が地球以外の惑星に移り住み宇宙帝国を築いた未来。皇帝の命により、抗老化作用のある秘薬「メランジ」が生産される砂の惑星デューンを統治することになったレト・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)は、妻ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)、息子ポール(ティモシー・シャラメ)と共にデューンに乗り込む。しかし、メランジの採掘権を持つ宿敵ハルコンネン家と皇帝がたくらむ陰謀により、アトレイデス公爵は殺害されてしまう。逃げ延びたポールは原住民フレメンの中に身を隠し、やがて帝国に対して革命を決意する。

シネマトゥデイより)

 

宇宙を支配する力を持つ秘薬の生産地で、デューンと呼ばれる惑星を舞台に繰り広げられる覇権争いが描かれるSF映画です。

主人公を『君の名前で僕を呼んで』などのティモシー・シャラメが演じ、共演にレベッカ・ファーガソンオスカー・アイザックジョシュ・ブローリンゼンデイヤシャーロット・ランプリングハビエル・バルデムなど豪華キャストが集結。

 

2作目を観るためのおさらい鑑賞でしたが、やはりとてつもないスケールを感じる映画だと思いました。

冒頭、タイトルに『Part One』と出るので”続編ありき”の作り方のため、ややスローテンポなところがありますが、この映像美には圧倒されます。

 

オスカー受賞の美術が本当にすばらしい。

このすばらしいセットを観るだけでも、「これこそが映画」と思える壮大な体感ができると思いました。

 

タイトルにもなっている”砂の惑星”の砂漠はおそらくほとんどがCGだとは思いますが、名作『アラビアのロレンス』を彷彿させる神秘なものを感じさせられます。

 

リンチ版は未見ですが、1984年にはあまりに「早すぎた」映画だったのではと思いました。

当時の技術では、この原作を忠実に描くのは厳しかったと思いますし、1本の映画に収められる情報量では無かったように思います。

・・・ですが、リンチ版があったからこそのヴィルヌーヴ版の誕生と言える気がいたします。

 

ロード・オブ・ザ・リング』を鑑賞したときの感覚に近く、まず物語の始まり、そして盛り上がったところで次回作へという流れです。

どちらの作品にも言えることですが、『スター・ウォーズ』という映画はこの2本の原作にかなり影響を受けて作られたのだと思います。

 

キャストもいいですね。

ティモシー・シャラメ、先日発表された2025年アカデミー賞で主演男優賞にノミネート。

20代で2度の主演男優賞ノミネートはジェームズ・ディーン以来というので、いかに彼の演技力の高さが伺えます。

 

1回目の鑑賞のときは、まったく気にもとめていなかった、こちらのスティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソンという長いお名前の俳優さん。

先日鑑賞した『シビル・ウォー アメリカ最後の日』にも出演しておりましたが、『ボーはおそれている』でボーの精神科医を演じ、凄いいい味を出していて気になっていた俳優さんなので、今回はかなり注目して観ておりました。

本作の演技も良かったです。

 

オスカー・アイザックジョシュ・ブローリンなど熱っ苦しい面々(←失礼!)も存在感あって良かったです。

グーニーズ』の続編が作られるとのウワサがあるのですが(キー・ホイ・クァンのオスカー受賞効果でしょうね)、ブローリンは出演するのか気になります。

 

ゼンデイヤの美しさはこの神秘的な物語にピッタリでした。

出演シーンは本作では少なめだったので、2作目に期待したいですね。

 

SF映画なので、特別な用語が登場したりと入り込みにくさがあるとは思いますが、入り込めさえすれば、ハマること間違いなしだと思います。

物語、映像、音楽、すべてが完ぺきのように思えました。

海外のものが苦手な方でも「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」がお好きなら、気に入ると思います。

 

プリズナーズ』(2014)を観て興奮し、この監督ならと思った『ブレードランナー 2,049』(2017)は感動しました。

ドゥニ・ヴィルヌーヴの才能とティモシー・シャラメの演技力の融合で、本当にすばらしいSF映画が誕生したと言えます。

 

おさらい、十分・・・かな?

次回は『PART2』のレビューをお届けする予定でございます。

 

 

日本版予告編