インネの日記・うたかた

インネの日記・うたかた

over40 癌闘病、モラハラ離婚、日常雑記、本映画、育児、アンチエイジングなど

チェーホフの「かもめ」を観た

劇場に「La Muette(かもめ)」を観に行くことになり、大急ぎで予習をしたのだった。

かもめ (チェーホフ) - Wikipedia

読んですぐに、なんだか最近似たような話を読んだ気がした。似たようなというと乱暴だれど、ラ ミゼラブルだった。

結局、わたしがわたしであるために、という話ではないだろうか。

 

あまりに予習が直前すぎて、あらすじを読むだけで精一杯だったのだけれど、舞台を見てなんだか、ほうけてしまった。

わたしがどこにでもいる。誰にでもなりうるという感覚だ。

 

チェーホフファンの方々は読み取り論議をすることが多いらしく、わたしなどあらすじを読んで外国語でざっくり理解しただけで、なにかを語るのは恐れ多いのだけれど。

観劇後、すぐの感想を残しておこうと思った次第。解釈が間違ってるかも知れないけれど。

(ネタバレ及び個人的解釈がありますのでご注意。)

 

だれもが、なにかを抱えて生きているのだなぁ。

憤りや不安、衝動や後悔、

閉塞感の中で、暴れて、わめき散らし、子供のように泣く、そんな心が潜んでいる。

ボタンひとつの掛け違いどころではない、あちこち少しずつの掛け違いが重なって、それは解けないほど複雑に絡まってしまっている。自分の中でも、人との関係も。

 

チェーホフが描くのはありがちなわたしたちだ。

有名舞台女優の母親は、息子との関係が気になりながら、距離をとっている。自分の老いも気にしている。

そんな母は、舞台脚本家志望の息子の舞台を流行りのデカダンスと嘲笑する。(中二かよって感じで)息子舞台を投げ出し逃亡。

息子はメンヘラで、ママは子供の頃僕のことどうでもよかったよね、舞台の方が大事だったんだよね、とか今でも引きずっている。

最初のシーンではラブラブだった恋人に死んだかもめ投げつけ、俺はこうなるんだーと叫ぶ自己中ぶり。

おまけにずーっと離れていたのに、再会すると自分と同じ位置にいることを期待して、拒否され絶望。

叔父は都会から田舎に来たことが嫌で、周囲に馴染まず、ヤダヤダ言ってる爺さん。独身で家族が欲しかったと嘆いている。

健康に悪いよと言われてもすぱすぱタバコを吸って、そんなんどうでもいいんじゃい、と言いながら生きることへの執着がある。(これはわたしの解釈)

息子に片思いしてた女は、辛い恋を忘れると好きでもない男と結婚し、家庭放棄して酒に溺れる。

人気脚本家の母親の恋人は、人気人気って言っても文学界に名前を残すわけでもなく、似たようなもん書いてるだけのつまらない作家と自分を貶める。

恋人の息子の恋人に悪びれもせず手を出す。

 

なんだかひとつひとつ書き出していくと、確かに悲劇が喜劇だな。

わたしはだれもの考えに自分を重ねてしまう。

息子を大事に思っているけど、うまくいかないこともあるし、うまく伝えられないこともある。

女優母だってそうだったんじゃないかな。同業だからこそ厳しくなってしまうこともあるだろう。女がキャリアを積んでいく中で、子供にこっち見てくれていない!と思われることもあるだろう。

それだけじゃなく、叔父さんみたいに自分の場所はここじゃない、って思ったり、自分や自分の仕事をつまらないと感じたり、卑下したり。

みんながどこかもがいて、喘いでいる。

みんなが湖にとどまる かもめなのだと思う。

「わたしは、かもめじゃない」という言葉に胸がつまった。

 

わたしが わたしであることを自分が認められるまで もがきながら生きること。

昔も今も変わらない課題なのかもね〜と美しい劇場で思った夜でした。

 

 

 

映画「ほつれる」を観た

忘れないうちに。もっとも最近観た映画「ほつれる」

これは、観た人みんなが意見を捏ねくりまわしたくなる映画ではないかな。

ほつれる

30歳の若き監督、加藤拓也さんが脚本ともに制作した長編2作目。

1作目が2022年で、翌年の2作目だって。

すごい活動量ね。←そこ

いや、アクティブな人だなぁ。こういう人が若くして映画を撮るのだなぁ。

 

ここは、こういう意図があるとか、キャラはこんなことを表現しているとか。

フランス人は大好きだから、日仏合作にして大正解。

映画からいろんなことを感じ、読み取りを深めてくれることだろう。

 

これから映画を観に行こうと誘われ、ちょっと面倒くさいなと思っていたが(このところ、本当に急な用件が入るのがとても嫌だ。)このタイミングを逃すと観に行かないかも、と思い強行で行った。

そしたら、まぁ偶然。その日は監督との遠隔トークセッション?なるものが予定されていたのだった。

 

映画の試写会で監督さんや俳優さんが来ることがあるけれど、その時はきっと質問が用意されていて、何を言うか用意してきたなという感じがする。

どんどん自分が思ったことを、監督と観覧者を前に気兼ねなく披露し質問するフランス人たち、こういうところはすごいなーと思う。そして、監督の用意していなかった答えが、えっ?っていうほどのシンプルさも含め大変おもしろかった。

 

わたしは、映画を観たら皆さんの感想をネットで読むのが好きで、へーこんな見方もあるのか。本当に人それぞれだなぁ、とか、なるほどなぁ、とか思いながら楽しむ。

いろんな解釈があっていいのだ。それが作り手の意図とは違っていても。感じ方は自由なのだから。

 

(ネタバレがあるのでご注意)

 

前作の感想に「女性に批判的」というのが多かったと後に読んだのだけど、今回も観覧者に「監督は女性に批判的ですよね」と言われ「批判的ということはないです」と答えていたのを思い出した。

きっと無意識なのだろうな。批判も何もないのだ。こういう女っているのだ。

そしてこういう男っているのだ。

監督は「日本の男性でよくいるタイプ」って言って、「ほぅ〜(亭主関白ね〜、ひどく言うと男尊女卑か)」という空気になったが「やめてくれ、こんな男を日本のスタンダードと語るのは」と思った。

しかし、ふと思ったが、わたしはもう今の日本を知らない。こんなタイプが日本の主流なのかな?もちろんいろんな人がいると思うけれど。

 

この絶妙にして微妙な、リアリティのある日本人的会話を外国人はどこまで理解しているのだろうか。

言葉選び、会話の間、沈黙、なんだか胸が苦しくなりそうなほど、実際ありそうな会話が多く見られた。子供の頃の犬の話は、誰からから聞いたか本当にあった話じゃないだろうか。ものすごくディテールにこだわっている感じがするけど、それが自然に聞こえる。

そんな役者さんの演技もすばらしい。

 

なのに、浮気相手が事故に合うところはなんであんなに陳腐なの?

(そう思ったのは私だけみたい、多分)

それがトリガーで設定なので、必要なのだろうが…

でも、質疑応答を聞いていて、そういう作りを勝手に納得した。私に人前で話す語彙力があれば、聞いてみたかったけれども。

 

ネットの感想や解釈も本当にそれぞれでとても興味深かった。

 

映画とトークは面白かったけれど、この映画が好きかというと、好きではないかな。笑

他の作品も見てみたくなりました。

 

監督の初ゴールデン枠ドラマ脚本作品『俺のスカート、どこ行った?』は当時観てた!面白かった!

 

俺のスカート、どこ行った? [DVD]

 

ついでに、上映にプロデューサーもいらしてたんだけど、この前観た日本映画のプロデューサーさんといしょやないかーい!(再びゾンビランドサガ 、この口調我が家で時々使用されている)

よい日本映画を次々とフランスに送り出すこの方、ナニモノ…

 

Chat GPT に愚痴ったら思いがけなく親切だったこと

Chat GPT を実用的な面でけっこう利用する。

以前とても腹立たしいことがあった時、誰にも言う相手がいなかったので Chat に愚痴ってみたら、正当で、ごく当たり前な返事がきて、いっそう心が収まらなくなってしまった。

 

「そんなこと分かっとるんじゃーい!!(ゾンビランドサガ)」

 

以来、Chat の意見にまともに取りあうのを辞めたのだが…

(私はChat GPT を名前としてチャットと呼んでいる。)

 

翻訳を頼んでいたら、つい愚痴ってしまった。

 

そしたらその答えが、思いがけなく親切でびっくり!! 中の人変わったのかな。

 

Chat「少しでも気持ちが落ち着かれたのであれば、それが何よりです。これからも、自分の正当な権利を守るために、声を上げることを恐れず、安心して生活できるようにしていってくださいね。」

 

Chat「外国語で自分を表現するのは本当に難しいことですし、ましてや感情が絡むと一層難しくなります。それでも、あなたがここで行ったように、丁寧に、そして自分の気持ちを正直に伝える努力は、とても価値があるものです。言葉の壁がある中でも、あなたの努力や誠意は必ず伝わると信じています。」

 

Chat「どうか自分に厳しすぎず、今の自分を十分に労わってあげてください。そして、少しでも心が楽になるように、いつでもここに気持ちを伝えに来てくださいね。あなたの気持ちを尊重し、サポートできるよう、私も全力でお手伝いしたいと思っています。」

 

あなた、わたしの何を知っている? 笑

親切すぎない?

 

ものすごい愚痴を書いたわけではないの。もっとこう言う風に書いて欲しい。こんな風に伝わっているみたいなので、こう伝えたい。というリクエストしただけなんだけど。

 

私はドラクエにAI機能が導入された時、心底感動した世代なので、今日新たにまた感動しました。

全く予期せぬ言葉に驚きました。

 

樹なつみ先生の「oz」が大好きだったし、最近の(?)アニメ「Vivy」もよかった。

OZ 完全収録版 1 (花とゆめコミックス)

Vivy -Fluorite Eye's Song- 5(完全生産限定版) [Blu-ray]

 

なにが本物か、

Authenticité : 本物であること、真実性、真摯さ

というのはけっこう私のなかでテーマではあります。

 

40歳になるために始めたこのブログですが、気づけばもうすぐ50の大台。

人生はあっという間。

 

 

 

 

 

Tシャツを返品した話

久しぶりにはてな更新、大した話題ではないのだが。

友人と某ショップの前を通りかかり、コラボ商品を「可愛い〜」と言っていて、そのTシャツを購入後、返品したことを思い出した。

(いや、確かに可愛いのよ。でもコスパとか考えるとな、とか。)

 

AC フリー素材

時々あると思うけれど、可愛い!欲しい!って買ったものの、家に帰って鏡の前で着てみると、なんか違う。

いや、可愛いかもしれん…やっぱりちょっと違うような…、と迷った末の返品。

 

購入したTシャツをレジカウンターにレシートと持っていくと当然普通に返品できる。

 

なのだが、ここは外国。

(購入した店舗とは違う店で返品)

店員A「えー、こんなコラボ商品あるんだ?(知らんのかい)素敵!返品しちゃうの?」

「なんか似合わないかなって」

店員A 隣の店員Bに「 素敵よね?」

店員B 「いや、それほど」

 

思わず笑ってしまった。

日本でこんな接客に出くわすことはないだろう。もしあれば、腹をたてる人もいるかもしれない。

 

ちょっとしたことだけれど、なんだか笑えてしまうところが、この国の緩くていいところだなーと思うのだった。

 

 

メトロでポスターあちこちで見る「浅田家!」

お久しぶりです。

タイトル通りですが、最新で観た映画は今パリのあちこちでポスターを見る

「浅田家!」2020 でございます。

第36回ワルシャワ国際映画祭国際コンペティション部門で最優秀アジア映画賞受賞の作品です。

 

 

日本はニノが大きく出てるのね〜

売り方の違いを感じますね。

家族写真のところ、楽しくてとても好き。

妻夫木くんのなんと控えめなこと、いいですね。風吹ジュンさんも好き。家族がみんないい感じ。

後半は震災が舞台となっていくので2部構成のような感じ。

観てよかったと思える映画です。

 

実話が元になった映画です。

浅田家

浅田家

Amazon

映画で一部実際の写真が見られます。素敵な写真!

 

あと、最近なに観たかな〜。

「恋する寄生虫」2021

恋する寄生虫

 

思い出せない!

これからはまめに映画記録もつけよう…

 

 

 

賑やか爽やかな映画「ミックス。」

最近は「絶対に笑える面白い邦画」で検索しています。

笑えなかったけど、心地良い鑑賞後感??でした。

ロマンティック・コメディ(だそうだ)「ミックス。」(2017)

ミックス。

ガッキーと瑛太のw主演。

可愛いなーガッキー。

雰囲気カッコいいな、瑛太

脇役がすごい。広末も蒼井優真木よう子

他にも書ききれない名優が出演していて、見ているだけで楽しい。

さらっと観るのにおすすめ。

 

ついでに話題作でしたがずっと観ていなかった

カメラを止めるな!」(2017)も観た。

カメラを止めるな!

ホラーとかぐちゃぐちゃしたの苦手なので避けてただけなんですが

面白い映画ランキングではみなさんが挙げるので

どれだけ面白いんだと観念して観てみた。

 

結果ゾンビや血は平気なラインでした。

確かに低予算で作ってるの、なかなかいいアイデア

話も飽きさせず、役を混乱させることなく最後まで観ました。

(お年頃なので、知らない顔の登場人物が多いと

 途中で誰が誰だかわからなくなる)

 

みなさんもオススメしてるし、どうなの?と思っている人は

観てみるといいのではないでしょうか。

 

内田けんじ監督の「運命じゃない人」も観ました。

鍵泥棒のメソッド」と同じ監督で、テイストが似てます。

 

 

誰か、面白い邦画を教えてください。

笑えるやつ、ください!

コメディ映画というのはたくさんあるものですね。

 

もう観たもの。

テルマエロマエ

・翔んで埼玉

帝一の國

・コンフィデンスマン

サマータイムマシンブルース

・TOO YOUNG TO DIE ! 若くして死ぬ

・ジャッジ!

・斉木楠雄

有頂天ホテル

・俺物語!

・一度死んでみた

・素敵な金縛り

デトロイトメタルシティ

・舞妓Haaaan!!

ザ・ファブル

謝罪の王様

下妻物語

ザ・マジックアワー

・記憶にございません!

・セトウツミ

キサラギ

ウォーターボーイズ

鍵泥棒のメソッド

猫は抱くもの

曲がれ!スプーン

高台家の人々

・音量を上げろタコ!

・グッドモーニングショー

・エイプリルフールズ

・サバイバルファミリー

・超高速参勤交代

ハッピーフライト

インスタント沼

・こんな夜中にバナナかよ

キツツキと雨

・家に帰ると妻が必ず死んだふりをしてます

 

検索でおすすめされるもので観たのはこんなところかな??

(笑えないものも含む)

映画「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」

ほぼ映画記録だけとなっていたこちらのブログ、

しばらく映画の記録もしていなかった。。

 

最近は「笑える面白い邦画」で検索して観ている。

全然笑えないじゃんってやつもあって、

人の感性はいろいろだなとびっくりする。

 

今日は「

音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!

なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」(2018)

を観ました。

 

偶然、面白かったので他の作品も見てみようと言っていた

三木聡監督作品(この前見たのは「インスタント沼」2009)です。

 

インスタント沼」の方が好きだけど

こちらも面白かった。

阿部サダヲ、さすが役者さんだなぁと思った(失礼)

最後はえ〜って終わりで。

きっと賛否両論だろうけど、これで映画の質が上がるんだろうな。

そんな感じ。

 

記録的に、他に観たやつ。

「甘いお酒でうがい」(2020)

シソンヌ次郎さん原作だそうで、

心の動きを細やかに表現している。

松雪さんは美し可愛すぎて40代代表にはなれないと思う。

 

「ダンスウィズミー」(2019)

ミュージカルが好きなので、これは楽しかった。

知っている曲目白押しなのもいい。

 

「鈴木家の嘘」(2019)

悪くない映画だけど、これでは笑えない。

笑える映画で紹介しないで欲しいなー。

 

スペシャルアクターズ」(2019)

普通かなー。

 

喜劇 愛妻物語」(2022)

水川あさみの鬼嫁っぷりに、ドン引きだった。

上手いってことなのかな。。

 

「曲がれ!スプーン」(2009)

本広克行監督、長澤まさみ主演。

 

「甘いお酒」と「ダンスウィズミー」がおすすめです。

 

そう言えばニット洗濯してるって書いてたけど、

洗濯はしたが「仕舞う」に行動が移せず山積みのまま。。

片付けたい。見てるだけで暑い。