アウトプットを頑張る

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初めてのプログラミング学習期間中の記録と、日頃読んでいる本をメモのアウトプットをがんばります。

レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 川上 エリカ (著), 丸井 達郎 (著), 廣崎 依久 (著) 読書メモ Part.6

第5章 データドリブンな意思決定プロセスを構築する

01 うまくいかないデータドリブンな意思決定

データドリブンを阻害する要因

データドリブンとは、データに基づいて意思決定を行うアプローチであり、企業や組織が感覚や経験ではなく、具体的なデータや分析結果に基づいて判断を下すことを意味します。

  • 多くの企業が採用しようと思っていても、成功に至ることができない一般的な問題は次のようなものがある
  • データの品質と一貫性の問題
  • 組織文化の問題
  • 技術的な問題
  • 人材とスキルの問題

02 レベニュープロセスと見るべき指標

レベニュープロセス

レベニュープロセスとは、顧客と接点を得て、初めての取引までのデマンドジェネレーションプロセス、そしてその取引を拡大させるアップ・クロスセルのプロセスなど、レベニュー組織が収益につなげる各プロセスをいいます。

  • 上図の局所的なデータをトラッキングするだけは全体感の把握はできない
  • レベニュープロセスの循環を改善するために全体感を踏まえて決定してくことが必要

RevOpsが見ていくデータ

  • RevOpsの及び各オペレーション部門がどのような指標見ているか
  • RevOps
    • 総売上
    • 顧客獲得コスト
    • ライフタイムバリュー
    • 売上成長率
    • マーケティング効率比
    • セールスサイクルの長さ
    • クロスセル・アップセル率
  • MOps
  • SalesOps
    • セールスパイプラインの価値
    • パイプラインのカバレッジ
    • パイプラインの進行率
    • フォーキャスト精度
    • 目標達成率
    • 受注率
    • 営業活動量
    • 成約までのリードタイム
  • CSOps
    • 顧客満足度
    • ネットプロモータースコア
    • リテンション率
    • 拡張レート
    • サポートチケットの解決時間
    • 顧客健全度スコア

各プロセスとフローの評価と改善

レベニュープロセスを評価する際には、「各プロセスのフローとバランス」「プロセスとプロセスの間のコンバーション率(転換率)」「プロセス間の遷移時間」をトラッキングします。

  • 各プロセスのフローとバランス
    • 各プロセスのフローは、プロセスを通過したリードや商談の総数、バランス(残高)は現在各プロセスにどれだけのリードや企業が滞在しているか?ということを把握する指標
  • プロセスとプロセスの間のコンバーション率(転換率)
    • プロセス間のコンバーション率を測定することで、全体のプロセスが望ましい形で推移しているかどうか、モニタリングします。
  • プロセス間の遷移時間
    • 例えば、マーケがリード獲得してから何ヶ月で売上にかわるかなど、プロセス間の遷移時間のデータです。

各プロセスでわずか1%でも改善を続けることで得られる効果

  • 改善策を進めてもボトルネックがなくなることはない
  • これらの活動は継続的に行うことが何より重要
  • 各プロセスを毎年1%ずつ改善していくだけでも売上を大きく伸ばせる

04 レベニュー組織のデータドリブンの肝であるフォーキャスト

もれなく収益化できているか?

  • フォーキャストマネジメント(業績予測管理)は将来の業績に見通しを立て、それにもとづいた戦略を策定するためのプロセス
  • 責任者はもちろん、マネージャーやメンバーも正確なフォーキャスト能力を求められる
  • メンバーレベルで適切はレベニューケイデンス(適切なリズムでのレベニュー管理)が実施できていることによって受注効率は向上し、レベニュー拡大に寄与できる可能性は高まる

フォーキャストマネジメントの方法

フォーキャストについてどのように実践しているかを日本企業に尋ねると「KKD法(経験・勘・努力)と「加重パイプライン法」の2種類の取り組みが出てきます。

テクノロジーを活用したフォーキャスト精度向上

SFAとClariは相互に連携し、SFAには営業と顧客とのメールのやり取りや商談のログが蓄積されていることによって、高い精度でのフォーキャストが可能です。

レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 川上 エリカ (著), 丸井 達郎 (著), 廣崎 依久 (著) 読書メモ Part.5

第4章 RevOps専門組織を設立する

ビジョンと目標に沿ってRevOpsが担う役割の全体像を定義

まず何からはじめるのか?

RevOpsを組織化する際にいきなり組織図の構想から入るというのはナンセンスです。

  • まずRevOpsチャーターを作成する
    • RevOpsチャーターとは、ゴール・目的を明確化、予算やスケジュールの概要などを文書としてまとめたもの
    • 成功の鍵は、計画的な優先順位付け、明確な実行戦略、連携した体制
  • 押さえるべきポイント

    • どのような責任を負うべきか?
    • 現在はどの程度実施されているのか?
    • 潜在的な価値や影響は何か?...など
  • Forrester(フォレスター)が提唱しているチャーターテンプレート

  • RevOpsへの移行は用意ではない、がパフォーマンスの向上はその努力に見合うもの

一過性の取り組みではなく、漸進的な活動として長期にわたって維持拡大していくものになるでしょう。

レベニューオペレーティングモデル

  • RevOpsはGTM戦略と4つの柱で構成
  • Go-To-Market戦略
    • ビジネス目標達成に向けて、GTM戦略の立案、レベニュー組織デザインやステークホルダー管理、リソースの優先度の決定、レベニューモデルの構築を行う
    • RevOpsプレイブックとしてレベニュー組織に共有し、必要に応じて随時アップデートをしていく
  • オペレーションマネジメント
    • プロセス|レベニュープロセス全体のデザイン、管理、運用、そのパフォーマンスに責任を負っている。
      • マーケティング、営業、カスタマーサクセスを通した一貫の流れの中で評価するべき中間指標やマイルストーン(MQLやSQL,商談ステージなど)定義決め、ハンドオフする際のSLAの策定や管理
    • ワークフロー|複雑で大量のプロセスをスムーズに動かすため自動化sれたワークフローや一部マニュアルを設計する。これらの作成、管理、運用の責任
  • レベニューイネーブルメント
    • レベニュー組織のフィールド部門が戦略を実現し、高い生産性で顧客に価値提供するためにシステムとプロセスのトレーニングや育成、コンテンツ提供など行う
  • RevTechマネジメント
    • レベニュー組織全体の業務効率化の実現。スムーズにプロセスを進めるためのテクノロジースタックのデザインや構築、管理、運用を行う。
  • データマネジメント・インサイト
    • データ|レベニュープロセスの最初から最後まで管理し、最適化するためのデータ収集、加工の実施。データ戦略やガバナンスの策定、データ収集の項目決めなどの責任を持つ
    • インサイト|分析指標のレポーティング。各部門のフォーキャスト分析、パイプライン現状分析など、各部門で分析を行わず、RevOpsでバイアスのないデータ分析を行う

02 RevOpsの組織モデル

RevOpsの役割を4つの機能に集約

  • RevOps部門は多くの場合、下の図のようにCRO(場合によってはCEO)に直接レポートする。(※組織の規模や業界によってそれぞれ)

  • RevOpsの担当は4つの柱すべての知識が必要だが、テクノロジーやデータ分析など高度な専門知識を要するため、全員がすべてを担当するのは現実的ではない

一般的にRevOps組織ではこれらの役割でチームにわけて組織を構成

- 一般的なRevOpsチームの組織構造は上図 - RevOpsは各部門のオペレーションをとって変えるのでなく、各部門特有のニーズは各部門で担当し、それらを統合するのがRevOps

03 ガバナンスモデルの設計

プロセス、データ、テクノロジーを整えるガバナンスモデル

  • マーケティング、営業、カスタマーサクセスの部門を一気通貫で見て適切なデータを抽出するためには、各テクノロジーツール要件を揃えることが必要不可欠
  • 一般的なオペレーション体制を整える際には、集中管理、分散管理、ハイブリッドの3つのガバナンスモデルから体制を決定する
  • ガバナンスモデルとは、プロセス、データやテクノロジーの管理体制のこと

①集中管理(centralized)
このモデルでは、1か所に集約されたオペレーションチームがすべてのプロセス、テータ、テクノロジーの管理、加工、保管、運用を行います。(中略)
②分散管理(Decentralized)
このモデルでは各部門、地域、事業部でそれぞれプロセス、データ、テクノロジーの管理、加工、保管、運用を行います。(中略)
③ハイブリッド(Hybrid)
このモデルでは、プロセス、データ、テクノロジーの管理、加工、保管、運用のうち主要な戦略やプロセスは中央に集約し、ニーズに沿ってその他の権限を各部門、地域、事業部に渡してハイブリッドに運用します。(中略)

  • RevOpsはすべてを統括する役割である以上、集中管理体制が基本。

04 RevOps人材をどのように獲得する?

日本におけるRevOps人材の確保

現在各部門のオペレーション担当もいない場合は、まず採用から始める、もしくは先にRevOpsを構築するという選択肢があります。どちらにしてもRevTechの管理はITや情報システム部で経験がある方を、オペレーション・マネジメントにはプロジェクトマネジメントとマーケティング知識がある方や、営業経験とSFAに深い知見がある方、といったように必要なスキルに応じて他部門から人材を登用してくるのが現実的です。

05 オンボーディングプログラムの開発

入社後3ヶ月をめどに実施するべき項目

RevOps組織を発展させるためには、新しく入ったメンバーを効果的にオンボーディングする体制が必要です - 入社3ヶ月をめどに、次の項目をオンボーディング計画を作成する - 既存のレベニュープロセスの理解 - レベニュー組織全体のシステム監査 - 社内インタビュー - プレイブックの作成およびアップデート

06 コミュニケーションプランの策定

  • 複数部署を統合、膨大な量のデータを扱うRevOpsでは効果的なコミュニケーションが不可欠
  • コミュニケーション計画を設計し、計画が必要
  • 効果的なコミュニケーション体制をとるには、以下3つのアプローチが必要

    ①オープンで透明性のあるコミュニケーション文化の構築

    チームメンバーからの定期的なフィードバックを募り、オープンなコミュニケーション文化を育みましょう。

    ②明確なコミュニケーションプロトコルの確立

    RevOpsにおける役割と責任を明確に定義します。

    ③トレーニングとツール

    テクニカルなスキルのトレーニングを行うのと同じように、情報を明確かつ簡潔に伝えるためのトレーニングを実施します。

  • RevOpsの取り組みは組織改革であり、設立は一朝一夕にはいかない

レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 川上 エリカ (著), 丸井 達郎 (著), 廣崎 依久 (著) 読書メモ Part.4

第3章 RevOpsが統合するプロセス・データ・テクノロジー

01 BigOpsのコンセプトとは?

組織全体のオペレーション体制

組織のデジタル化に伴いさまざまな部署において収集、分析、加工、保存するデータが膨大なり、さまざまなオペレーションチームが生まれる中、組織全体でオペレーション体制を整える重要性が明確となり、これら組織全体の流れをBigOps(Big Operations)と呼ぶようになった。そして各オペレーションを支える多くのテクノロジーが誕生し続けています。

  • マーケティングオペレーション(MOps)
  • セールスオペレーション(SalesOps)
  • カスタマーサクセスオペレーション(CSOps)など

  • 各オペレーション部門はサイロ化や個別最適が進みすぎてしまうことから、レベニュープロセスに責任を持つRevOpsが誕生した
  • レベニューチームが立ち上がる以前はそれぞれのどのような役割を担っていたのか

02 MOpsが担う役割の全体像

マーケティングとITの架け橋、MOpsの役割

MOpSはよく「マーケティングとITの架け橋」と呼ばれ、実際にマーケティング施策を実施するマーケティング担当とIT部門の間に入り、業務を進めています。IT部門と共通言語で会話ができるレベルのシステムやデータマネジメントの知識が必要とされ、従来のマーケターとは異なるスキルセットが求められます。 - ①最適なマーケティングテクノロジーの選定・導入・管理・運用

  • ②プロセスの策定と運用、ベストプラクティスの集約

  • ③データマネジメントと分析

    多くの組織ではMOpSのチーム内にデータサイエンティストを配置し、各施策の効果検証から年次のマーケティングによる収益の効果分析まで、専門的にデータを取り扱っています。

  • ④フィールドマーケティング部門のイネーブルメント

    文書やセッションなどを通して正しいツールの使い方やプロセス、社内のルールなどを教育したり、適切な期間マーケティングオンボーディングプログラムを設計したりすることもMOpsの大事な業務の1つです。

  • 4つすべての役割から学んだノウハウを、部門全員がアクセスできる社内Wikiやプレイブックに集約し、メンバーがいつでも確認して問題を自己解決できるようにすることも大切

03 SalesOpsが担う役割の全体像

営業生産性における鍵、SalesOps

  • ①最適なテクノロジーの選定・導入・管理・運用
  • ②営業プロセスの管理と最適化
  • ③データマネジメントと分析
  • ④フォーキャストとプランニング
  • ⑤パフォーマンス管理とコミッション(報酬)体系
  • ⑥セールスイネーブルメント

04 CSOpsが担う役割の全体像

カスタマーサクセス高度化の要、CSOpsの役割

  • ①プロセスの最適化と自動化
  • ②顧客データの管理と分析
  • ③ツールとテクノロジーの導入・管理・教育
  • ④パフォーマンスの評価と改善

05 部門横断的に顧客像を可視化するには

プロセス・データ・テクノロジー全体最適

顧客目線で最適な購買体験を提供するには、顧客やレベニュープロセスに関するデータをチームや部署間で共有する必要があります。

  • 実際に実現するのは大変困難

  • 理想は上の図のように、データの蓄積→ガバナンスの管理→複数部署から収集されるデータプロセスの自動化→その分析やアクセスを一元的に管理する仕組みが整った状態

  • しかし、レベニュー組織を立てて何年も経っている欧米のRevOps組織でさえ実現できているところは多くない

部門間でデータを水のように流す

データは水のように引っかかりなく部門間を流せる状態にあるべきなのです。

  • データの思い違いは「データ=事実」
  • データは収集方法や見方によって全く違う事実を導き出せる
  • みたい結果を裏付けるデータを集めることは容易になっている
  • データは多面的な性質のため評価軸は統一し、バイアスのない見方で定点観測をしなければならない

Single Source of Truth(SSOT:信頼できる唯一の情報源)の構築

  • これまで、マーケティングはMA、営業はSFA、カスタマーサクセスはカスタマーサクセスプラットフォームを、それぞれを唯一の情報源として使用してきた
  • これらのシステムは縦割り組織に合わせてデザインされて、顧客の全体像を推しはかることは難しくなってきている
  • 欧米では、部署横断したSSOTをCDW(クラウドデータウェアハウス)やCDP(カスタマーデータプラットフォーム)を用いて構築しようとしている

テクノロジースタックの構築において大事なキーワードとなっているのが、コンポーザビリティ(Composability)です。コンポーザビリティとは、交換、組み合わせ可能な独立した要素でシステムを構築し、必要に応じて簡単に追加、削除、または交換できる状態のことを指します。

  • それぞれのアプリケーションが相互に影響受けず、簡単に入れ替えられる
  • 近年注目されているのが、コンポーザブルCDP

コンポーザブルCDPは、既存のクラウドデータウェアハウスを活用した状態で、データ収集やストレージ、データモデリングといった各コンポーネントを最適なツールで組み立て可能な状態にできます。

  • ガートナーがデジタルIQを調べた調査ではデジタルを活用できている上位の企業は、ほかに比べてCDWにデータを保管しているケースが多くCDWとCDPを併用している

これまでこれらのプロジェクトにおいてレベニュー組織が主導権を持っていることがなかった

  • このコンポーザビリティの高いシステム構築方法が正解かどうかはまだ議論の余地がある
  • さまざまな理由から部門横断的に顧客像を可視化できるデータ基盤を構築に成功した企業はまだ多くない

レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 川上 エリカ (著), 丸井 達郎 (著), 廣崎 依久 (著) 読書メモ Part.3

第2章 CROとレベニュー組織が担う役割

01 収益最大化において重要性を増すCROの役割

CROはRevOpsチームも含めて、レベニュー組織(マーケティングインサイドセールス、営業、カスタマーサクセスなど)全体を統括し、収益成長を推進する責任を持ちます。

収益成長の要となるCRO

CROの設置はレベニュー組織のサイロ化や対立構造を排除して統合し、企業全体としてのレベニュー戦略を統一するために不可欠です。

  • 成長のための総合的な戦略をCRO主導で立案、実行に移す責任を担い、部門間シナジーを最大化する

CROの仕事とは何か

  • CROの役割は多岐にわたる
  • 収益成長の戦略立案
    • 最も重要な責務の一つ、GTM戦略を含む収益成長のための戦略を立案する
    • 市場分析、競合分析、顧客ニーズの理解など
  • 顧客ライフサイクルの統合管理

    CROは、マーケティング、営業、カスタマーサクセスの各部門を統括し、リード獲得から営業の受注、受注後の顧客満足度の向上と継続まで顧客のライフサイクル全体をマネジメントし、収益を最大化します。

  • フォーキャスト(業績予測)と目標設定

    過去のデータや市場の動向をもとにして、将来の収益や受注を予測し、現実的かつ挑戦的な目標を設定します

CROとは営業の責任者なのか

  • CROと営業の責任者との間には明確な違いがある

CROの視点は、単なる売上の増加だけでなく、企業全体の収益性と成長戦略に関連したものであり、顧客体験の向上やLTV(顧客生涯価値)の向上のための仕組みの構築など収益を生み出すすべての要素に関連しています

CROが組織に与える影響

  • CROが組織全体に与える主な影響
    • 他部門との連携強化
    • 顧客体験の向上
    • 収益成長 | ←これが最大の効果

CROと経営陣の合意形成

CROの役割を効果的に果たすためには、他の経営陣、特にCFO最高財務責任者)との緊密な連携と合意形成は不可欠です。

02 CROのスキルセットとキャリアパス

CROの在籍期間はなぜ短いのか

  • CROの在職期間の平均は17ヶ月、他のCクラスと比較すると圧倒的に短命
  • CROが短期間で退職に至る理由
    • 収益目標の未達
    • CEOやCFOや取締役会との継続的な連携不足
    • マーケティング、営業、カスタマーサクセスの業績不振
    • 期待水準以下の改善速度
    • AIなどのテクノロジーへの対応不足

必要なスキル

  • 戦略的思考と高いビジネス感覚
    • 新しいマーケットセグメントへの進出、製品ラインナップの拡大、プライシング戦略の調整など
  • リーダーシップとコミュニケーション力
    • リーダーシップとは、目標に向かって組織を導き、モチベーションを維持し、部門や従業員間の協力を促進するために、明確かつ効果的なコミュニケーションを行う必要があります。

  • 変化への対応と革新性
  • テクノロジーやデジタルのリテラシー
  • 顧客視点
    • 短期的なビジネス視点ではなく中長期的に企業がビジネス成長を実現していくためには、顧客中心の考え方を持ち、顧客のビジネス目標、課題、問題、期待に共感できることが求められます。

CROへのキャリアパス

  • これまで最も多いCROへのプロモーション事例は営業組織の責任者

俯瞰してレベニュープロセス全体を捉えるのに必要な経験をもっているCMOやRevOpsはCROに適任であると筆者は考えます。

03 CROの戦略的パートナーであるRevOps

真の意味でのデータドリン分な意思決定

  • 効果的な意思決定は、その意思決定に役立つデータがあってこそ実現できる

一元管理された適切なデータ活用であれば、CROは最適なタイミングで適切な意思決定を実現できます

効率化とコスト削減

  • RevOpsがプロセス全体を見直し、CAC(顧客獲得コスト)の削減、フォーキャスト精度の向上、LTVの向上が期待できる
  • 持続的な成長を達成し、競争力を維持するための戦略と実行力が求められる
  • CROとRevOpsの役割は組織全体が共通の長期的な目標や方向性を認識し、一致団結して尽力するためにも必要

04 レベニュー組織のトレンド

データやテクノロジースタックの統合

  • レベニュー組織のすべての部門が自分自身が影響を与えているデータポイントにアクセス出来る必要がある
  • テクノロジーも主要機能の統合に重点に置くようになる

AIや自動化により生産性向上

  • データ収集と分析に機械学習を利用し、そのデータを活用した自動化による業務効率化が加速していく
  • 商談内容のサマリー自動作成、営業やインサイドセールスのロールプレイングの相手としてのAI活用など

反復タスクが自動化されることで、レベニュー組織はより戦略的な活動に集中するための時間を確保できます

リアルタイムなフォーキャスト(業績予測)

  • これまではデータの集計・分析は主導で実施、週次、月次で更新される過去データをもとに分析

今後はAIやフォーキャストマネジメントシステムの活用により、よりリアルタイムにデータを集計し意思決定レベルを強化できるようになります。

アカウントベースドレベニュー(ABR)戦略

ABRは、ABMのコンセプトを拡張し、収益を最大化するために、マーケティング、営業、カスタマーサクセス、プロダクトチームが一体となって特定のアカウントに対する戦略を展開するアプローチです

レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 川上 エリカ (著), 丸井 達郎 (著), 廣崎 依久 (著) 読書メモ Part.2

第1章 収益拡大を実現するRevOpsの価値

01コラボレーションを強化し収益成長を実現

RevOpsの4つの役割

  • RevOpsの構成する役割

  • オペレーションマネジメント

    • レベニューのプロセスを最適化し、効率的なリソース配分を通じて最大の成果を引き出します。KPIを設定し、定期的に評価・フィードバックを行い、パフォーマンスを管理・改善します。
  • レベニューイネーブルメント

    • GTM戦略に基づき、フィールド組織の能力を最大限に引き出し収益を向上させます。トレーニング、コーチング、コンテンツ提供、テクノロジーの導入、インセンティブ設計を通じて、フィールド組織が顧客に価値を提供できるよう支援します。
  • RevTechマネジメント

    • 効果的なテクノロジーの導入・統合・管理を行い、フィールド組織が連携しやすい環境を作ります。自動化や新技術の活用によって、より効率的で合理的なオペレーションを実現します。
  • データマネジメント・インサイト

    • データを収集・整理し、定量・定性的に分析します。CROやフィールド組織に向けて、分析結果をレポートで共有し、データに基づく戦略的な意思決定を支援します。

02 共通の目標達成を目指すレベニュー組織間の連携強化

レベニュー組織と機能別組織

  • THE MODELの誤解

    THE MODELとは、マーケティングインサイドセールス、営業、カスタマーサクセスといった各役割を分業する組織体制や中間指標の管理のことだ」という誤解が生じていた

  • 責任範囲を明確化し役割を分けた分業型の組織モデルはレベニュー組織ではなく、ただの機能別組織

サイロ化された機能別部門の1つであるマーケティングや営業だけでは、持続的な成長を実現することは到底できないのです。

機能別組織による問題

  • バラバラのゴールを見据えた活動
  • 人は組織が分けられた時点で敵対意識や見えない壁を持ってしまう性質があり、それを加速させてしまうのが共通化されていないゴールの設定

オペレーションモデルの欠落による問題

  • 共通のゴールに向けた指標を設けることは取り組みの第一歩
  • しかし、オペレーションモデルが欠落しているとうまく共通のゴールを追いかけられない問題も発生

各レベニュー部門で売上をゴールに設定し、単純に逆算した指標で考えてしまうことも多いのではないでしょうか。

  • 本来は、戦術(オペレーションモデル)の設計に時間をかけ、密に議論をしていく
    • レベニュー組織それぞれの役割と責任の明確化、レベニュープロセスマネジメント、リード獲得から受注に至るまでのリードの受け渡しプロセスの設計、測定モデルの決定など

システムを含む要件定義を実施したうえで、テクノロジーの導入や施策を実行していく

RevOpsが生み出す組織間の連携強化

  • レベニュー組織の第一歩は、オペレーションモデルを理解したうえで共通のゴールを意識した組織設計とする

    ゴールは「売上目標」「売上総利益」[ 新規の受注金額」などの収益に寄与する指標をレベニュー組織全体で意識し、各部門がゴール達成のために目指すべき目標の数値を合意します。

  • 一連の受注までのステップで行うリードの受け渡しプロセスは、環境の変化に柔軟に調整できるようフィードバックと改善を回していく

03 ファイナンスにも影響を与えるデータドリブンな戦略的意思決定プロセスの構築

サイロ化されたXOps組織

  • RevOps組織が確立される前の欧米では、MOps、SalesOps、CSOpsがそれぞれ設置されていた
  • 所属する各部門に忖度しているデータを提示していることがあおく、バイアスにかかったデータを正としての経営判断はできない
  • 各部門の主張は正しく見えてもレベニュープロセス全体を通して見ると正しいかわからない

フィールド部門とは別にオペレーション機能を持つRevOpsがあることで、データを扱う側の意図や解釈に左右されず、経営判断にとって頼性が担保された価値あるデータになるのです。

RevOpsとファイナンスの関係

RevOpsは収益成長を促進し、ファイナンス部門はその結果として収益を管理 します

戦略的意思決定を支援するRevOps

RevOpsではデータそのものを単に提示するのではなく、データをどのように解釈しどのような仮説が立てられるのかを示すことが重要です。

04 シームレスかつ一貫性のある顧客体験の構築

進化する顧客の購買プロセス

  • 顧客の購買行動は変化している中で、組織的に一貫性のある質の高い顧客体験の提供が求められる

分断された組織で起こる残念な顧客体験

  • データが引き継がれないと対応部門が変わるたびに、自分の状況を説明しストレスを感じることがある

RevOpsの中心は顧客

RevOpsが担うレベニューイネーブルメントも、顧客を中心に設計すべき

  • 顧客を中心に据え、各レベニュー部門が一貫性をもった活動をするためにトレーニングやコーチングなどの育成支援、コンテンツ支援、インセンティブ設計や部門間のコミュニケーションの円滑化を担う

05 データ・テクノロジーの一元管理による生産性向上

テクノロジーを導入しても生産性が上がらない理由

レベニュープロセスや組織を踏まえたテクロノジースタックのデザインになっておらず、現行の業務にそのまま当てはめる活用になってしまっている。

  • 結果属人的な運用になり生産性向上に繋がらない

つながらないデータと労働集約型のインサイドセールス

MAとSFAを導入しているケースでも、MAはマーケティング部門、SFAは営業部門のそれぞれの管掌システムとして連携されていないのは典型的パターン

  • 上記の場合はデータがエクセルやスプレッドシートなどを活用しながらテキストや主観的な情報でセグメントに有効活用出来るデータではない
  • データを活用した優先順位を立てる営業ができないと、インサイドセールスの人員を増やし続けないと売上があげられない労働集客型の組織になってしまう

生産性向上のためのテクノロジー活用

自社の収益成長のために必要なものを組み合わせて活用できるか、標準的なオペレーションモデルと自社の独自性のバランスをとれるかが、激しい競争において優位性を確立するために不可欠な考え方です。

06 新しい技術への適用、AI活用の促進

AI機能を最大限活用するために

  • グローバル企業のSaaS製品はAI機能は標準的な活用を想定してアップデートされていく
  • 製品の設計思想を無視して活用すると恩恵を享受できない可能性がある

期待されるAI活用の分析

  • レベニュー組織において期待されるAI活用の紹介
  • ブリディクティブAI (Predictive AI)

    • 過去のデータを分析して将来のトレンドや結果を予測するAI。レベニュー組織では、マーケティング投資の目標設定、売上予測、顧客の解約リスク予測などに使われます。
  • 生成AI (Generative AI)

    • コンテンツ生成や業務の効率化を目的としたAI。レベニュー組織では、マーケティングコンテンツや営業メールの自動作成、顧客ミーティングの要約やアクションアイテムの提示などに活用されます。
  • コンバセーショナルAI (Conversational AI)

    • 顧客対応の拡大を支援するAI。使用例には、Web上でのチャットボット、顧客問い合わせの初期対応、バーチャルエージェントによる問い合わせ処理などが含まれます。
  • ディスクリプティブAI (Descriptive AI)

    • 構造化されていないデータから示唆を引き出すAI。マーケティングキャンペーンの分析や顧客感情の分析、カスタマーサポートの緊急度判断などで役立ちます。
  • プリスクリプティブAI (Prescriptive AI)

    • 最適な行動やレコメンデーションを提供するAI。リードのセグメンテーション、顧客体験のパーソナライズ、営業活動での受注率向上などのアクションを推奨します。
  • エクスプレイナブルAI (Explainable AI)

    • AIの結果や意思決定の根拠を説明できるAI。データの透明性や個人情報の扱いについて説明可能にし、特にセンシティブな業界で重要視されます。
  • いずれもデータの健全性があって初めて有効活用できるもの

レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 川上 エリカ (著), 丸井 達郎 (著), 廣崎 依久 (著) 読書メモ Part.1

はじめに

  • 冒頭より引用

本書は持続的に収益成長する生産性の高い組織構築の方法論であるレベニューオペレーション(RevOps)について解説する日本初の書籍です。(中略)
経営陣が成長リソースを効果的に配分し、収益性の高い成長投資を行い、リスクを排除し、レベニュー組織全体で共通の収益目標を達成するための戦略を支える考え方です。

顧客データやテクノロジーが欠かせない時代

  • 多くの企業が生産性向上を目指しテクノロジーを導入したが、活用レベルの向上や成果の証明に苦戦している

  • テクノロジー、データ活用のために、多くのリソースが割かれていることも問題

  • 複雑化する顧客の購買プロセスをレベニュー組織として、マーケティングやカスタマーサクセスと営業が本質的に連携することで顧客体験向上や収益成長の実現につながる

執筆のきっかけ

  • マルケトとの出会い、マルケトの成長要因は多岐にわたる

オペレーションモデルの標準化が可能な領域を徹底して標準化し、付加価値の高い領域にリソースを投入することで企業価値向上につながった

  • RevOpsは戦略であり、戦術
  • 標準化された方法論を知らずにレベニュー組織の生産性をあげるのは非効率で高コストな取り組みになる

序章 注目されるRevOps(レベニューオペレーション)

01 持続的な収益成長を実現する重要な鍵

なぜシステム・テクノロジーを活用できないのか

最適なテクノロジーがわからない
成果があがらない、あるいは証明が実施できない
組織として再現性がない
測定と改善サイクルがまわらない

  • 上記のような課題は、オペレーションモデルの設計で解決できるものがほとんど

標準的なオペレーションモデルの存在

  • 欧米はオペレーションモデルの議論を実施したうえでテクノロジーの選定・導入をする
  • 組織的な運用を可能にするオペレーションモデルのため、担当者が1名ぬけてもダメージは最小ですむ

オペレーションモデルに理解がある状態で議論がなされることで、テクノロジーの持つ本来の素晴らしさを活かすことが可能になります

カスタマイズの罠

  • グローバル展開している多くのSaaS型ツールは、その領域のベストプラクティスが集約された標準的なオペレーションモデルを前提に設計
  • 製品の思想を理解しながら、自社のオペレーションモデルを設計し活用することが重要
  • SaaS製品は年間を通して複数のバージョンアップが実施され新たな機能も同じように、標準的なオペレーションモデルを前提に開発
  • この標準的なオペレーションモデルから逸脱しカスタマイズを重ねて活用すると、将来教授できるかもしれない価値を放棄している
  • ただ、完全に他社と同じオペレーションを実施すれば良いわけではない

より競合優位性を発揮する付加価値のある領域にフォーカスすることで持続的に成長可能な再現性ある組織へと進化できるでしょう

02 個の力から、専門性の高い協業組織モデルへ

レベニューオペレーション(Revenue Operations:略称RevOps)は持続的な収益成長を実現するためにレベニュー組織の協業プロセスを強化し、戦略や戦術面で生産性向上を支援する方法論であり役割です。

レベニュー組織の変還

  • かつては営業人員を多く確保することがビジネスの成長にとっての重要施策
  • 少子高齢化が進み、1人当たりの生産性向上が不可欠に
  • MAツールの普及で、マーケティングによる営業生産性の向上に焦点があたる
  • 昨今は業界問わずサブスクリプション型、コンサンプション型(利用料を基準とする課金モデル)のビジネスモデルの流れになり、カスタマーサクセスの存在によって収益インパクトをもたらすことを期待されている
  • 顧客へのアプローチプロセスも一方通行のファネル型から循環型アプローチが主流になる
  • GTMモデル
    • PLG(プロダクト・レッド・グロース)| 製品自体でユーザーを拡大し、収益を伸ばす事業戦略
    • SLG(セールス・レッド・グロース)| 営業を中心に売上拡大する組織
    • MLG(マーケティング・レッド・グロース)| マーケティング中心に売上拡大する組織
  • GTMモデルによって、レベニュー創出方法や注力すべき点が異なる
  • 本書で紹介するSLGも1つの例で、すべての企業にとっての正解とは限らない

かつてのような営業の属人性といった個に依存するモデルではなく、専門性とテクノロジーを駆使した協業モデルへと変化を遂げています。

持続的なビジネス成長を実現するレベニュープロセス構築

  • スーパースターのような優秀な営業1人のインパクトは組織全体では限定的、かつそのノウハウによって組織全体の生産性を3倍することは難易度が高い
  • システムでアプローチに一貫性と再現性をもたせ、自動化することで組織全体のパフォーマンスを持続的に維持しビジネス成長を実現させる

システムとは、共通の目標を達成するために一体となって動くものの組み合わせです。

03 分断するマーケティング・営業・カスタマーサクセス

サイロ化が引き起こす課題

  • 組織文化への影響
    • 目標やKPIが部門ごとに目線がことなり、部門間の対立が発生
    • レベニュー目標の達成を共通ゴールに、適切な目標設定が必要
  • データドリブンな意思決定の素材
    • データのサイロ化も引き起こす
  • 顧客体験の質の低下
    • データが分断さえることで、一貫性のない顧客対応が発生してしまう
  • 業務効率の低下
    • サイロ化により、重複した業務発生など人的リソースの無駄

04 アマゾン、グーグル、マイクロソフトでも採用されるRevOpsチーム

新たな波から一般に普及する段階へ

  • 多くの企業がRevOpsの専門部門を持つようになり、アーリーマジョリティの段階に入っている
  • ガートナー(※)の予測によると2025年までに世界で最も成長率の高い企業の75%がRevOpsモデルを導入すると言われている ※出所:ガートナー[Gartner Predicts 75% of the Highest Growth Companies in the World Will Deploy a RevOps Model by 2025]

グローバルのRevOps専門チームによるデータ活用

  • 2024年9月に開催されたレベニューオペレーションのカンファレンスでは、Google やメタによるRevOpsの取り組みや成果が共有された
  • データの活用はいまだ限定的という企業が多い
  • テクノロジーやデータを活用を推進するRevOpsの重要性は年々増している

イシューからはじめよ[改訂版]――知的生産の「シンプルな本質」 安宅和人 (著) 【読書メモ】Part.6

Chapter 5 メッセージドリブン「伝えるもの」をまとめる

「本質的」「シンプル」を実現する

一気に仕上げる

  • これまでの手法に沿って検討を進めていれば、解はかなりの質にまで到達している
  • これを一気に仕上げ、完成品にする
  • まとめ作業の前に、「どのような状態になったらこのプロジェクトは終わるのか」という具体的なイメージを描く
  • 聞き手、読み手、受け手に次のようになってもらう必要がある
  1. 意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
  2. 最終的なメッセージを理解してもらう
  3. メッセージに納得して、行動に移してもらう

ストーリーラインを磨き込む

3つの確認プロセス

ストーリーラインの構造を磨き込む。具体的には3つのプロセスがある。
1. 論理構造を確認する
2. 流れを磨く
3. エレベータテストに備える

プロセス①論理構造を確認する

  • イシューとそれを支えるサブイシューが明確か
  • 話の構造はピラミッド型になっているか
  • ストーリーは「WHYの並べ立て」か「空・雨・傘」のどちらかをとっているか?

プロセス②流れを磨く

優れたプレゼンテーションとは、「混乱のなかからひとつの絵が浮かび上がってくる」ものではなく、「ひとつのテーマから次々とカギになるサブイシューが広がり、流れを見失うことなく思考が広がっていく」ものだ。

  • 流れの磨き込みのためにリハーサルを行う、最初は「紙芝居形式の荒磨き」、次が「人を相手にした細かい仕上げ」

プロセス③エレベーターテストに備える

エレベータテストとは「仮にCEO(最高経営責任者)とエレベータに乗り合わせたとして、エレベータを降りるまでの時間で自分のプロジェクトの概要を簡潔に説明できるか」というものだ。時間にすれば20~30秒程度で複雑なプロジェクトの概要をまとめて伝える、

チャートを磨き込む

優れたチャートと磨き込みのコツ

  • 優れたチャートを満たすべき条件というのは以下の3つに収斂する

1.イシューに沿ったメッセージがある
2.(サポート部分の)タテとヨコの広がりに意味がある
3.サポートがメッセージを支えている

  • チャートを磨き込むために、満たすべき3条件に対応した次の3つの作業を行う

    1.1チャート・1メッセージを徹底する
    2. タテとヨコの比較軸を磨く
    3. メッセージと分析表現を揃える

コツ①1チャート・1メッセージを徹底する

  • 何をいうかとともに「何を言わないか」も大切

人がチャートを見て「わかる」「意味がある」と判断するまでの時間は、経験的に長くて15秒、多くの場合は10秒程度だ。僕はこれを「15秒ルール」と呼んでいるが、人はこの程度の時間で「その資料をきちんと見るかどうか」を判断している。つまり「最初のつかみ」が悪ければ、そのチャートは存在しなかったことと同じになってしまうのだ

コツ②タテとヨコの比較軸を磨く

  • 軸の選択をフェアにする
  • 軸の順序に意味をもたせる
  • 軸を統合・合成する
  • 軸の切り口を見直す

コツ③メッセージと分析表現を揃える

  • 本当に今の表現が適切化、もっとも理解しやすいかたちを目指してさまざまな表現方法をためす

「コンプリートワーク」をしよう

すべての仕事は結果がすべてであり、この結果があるレベルの価値に到達しないと、その仕事はいかなる価値ももたず、多くの場合マイナスになる。この厳しさを骨の髄まで叩き込んでくれたという意味で、マッキンゼーには本当に感謝している。 「コンプリートワーク」をするためには命を削るような思いをするだろうが、命を削ることそれ自体には何の意味もない。その酷薄なまでの真実が、僕らを時間から解放し、本当の意味で自由にしてくれる。 「人からほめられること」ではなく、「生み出した結果」そのものが自分を支え、励ましてくれる。

  • この価値を生み出す根っこにあるのが「イシューからはじめる」という思想であり、脱・犬の道