第5章 データドリブンな意思決定プロセスを構築する
01 うまくいかないデータドリブンな意思決定
データドリブンを阻害する要因
データドリブンとは、データに基づいて意思決定を行うアプローチであり、企業や組織が感覚や経験ではなく、具体的なデータや分析結果に基づいて判断を下すことを意味します。
- 多くの企業が採用しようと思っていても、成功に至ることができない一般的な問題は次のようなものがある
- データの品質と一貫性の問題
- 組織文化の問題
- 技術的な問題
- 人材とスキルの問題
02 レベニュープロセスと見るべき指標
レベニュープロセス
レベニュープロセスとは、顧客と接点を得て、初めての取引までのデマンドジェネレーションプロセス、そしてその取引を拡大させるアップ・クロスセルのプロセスなど、レベニュー組織が収益につなげる各プロセスをいいます。
- 上図の局所的なデータをトラッキングするだけは全体感の把握はできない
- レベニュープロセスの循環を改善するために全体感を踏まえて決定してくことが必要
RevOpsが見ていくデータ
- RevOpsの及び各オペレーション部門がどのような指標見ているか
- RevOps
- 総売上
- 顧客獲得コスト
- ライフタイムバリュー
- 売上成長率
- マーケティング効率比
- セールスサイクルの長さ
- クロスセル・アップセル率
- MOps
- SalesOps
- セールスパイプラインの価値
- パイプラインのカバレッジ
- パイプラインの進行率
- フォーキャスト精度
- 目標達成率
- 受注率
- 営業活動量
- 成約までのリードタイム
- CSOps
- 顧客満足度
- ネットプロモータースコア
- リテンション率
- 拡張レート
- サポートチケットの解決時間
- 顧客健全度スコア
各プロセスとフローの評価と改善
レベニュープロセスを評価する際には、「各プロセスのフローとバランス」「プロセスとプロセスの間のコンバーション率(転換率)」「プロセス間の遷移時間」をトラッキングします。
- 各プロセスのフローとバランス
- 各プロセスのフローは、プロセスを通過したリードや商談の総数、バランス(残高)は現在各プロセスにどれだけのリードや企業が滞在しているか?ということを把握する指標
- プロセスとプロセスの間のコンバーション率(転換率)
- プロセス間のコンバーション率を測定することで、全体のプロセスが望ましい形で推移しているかどうか、モニタリングします。
- プロセス間の遷移時間
- 例えば、マーケがリード獲得してから何ヶ月で売上にかわるかなど、プロセス間の遷移時間のデータです。
各プロセスでわずか1%でも改善を続けることで得られる効果
- 改善策を進めてもボトルネックがなくなることはない
- これらの活動は継続的に行うことが何より重要
- 各プロセスを毎年1%ずつ改善していくだけでも売上を大きく伸ばせる
04 レベニュー組織のデータドリブンの肝であるフォーキャスト
もれなく収益化できているか?
- フォーキャストマネジメント(業績予測管理)は将来の業績に見通しを立て、それにもとづいた戦略を策定するためのプロセス
- 責任者はもちろん、マネージャーやメンバーも正確なフォーキャスト能力を求められる
- メンバーレベルで適切はレベニューケイデンス(適切なリズムでのレベニュー管理)が実施できていることによって受注効率は向上し、レベニュー拡大に寄与できる可能性は高まる
フォーキャストマネジメントの方法
フォーキャストについてどのように実践しているかを日本企業に尋ねると「KKD法(経験・勘・努力)と「加重パイプライン法」の2種類の取り組みが出てきます。
テクノロジーを活用したフォーキャスト精度向上
SFAとClariは相互に連携し、SFAには営業と顧客とのメールのやり取りや商談のログが蓄積されていることによって、高い精度でのフォーキャストが可能です。