QBオンライン国試
【マッチング体験記】筆記試験・小論文の対策
みなさんこんにちは.編集部Y.Sです.
前回話お伝えしたように,マッチング試験では筆記試験,小論文,面接が3本柱となります.
そこで今回は筆記試験と小論文について,希望病院にマッチした先輩が“どのような対策をしたか”の体験記をお送りします.
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マッチング試験に向けてやるべきこと
筆記試験と小論文編
(K大学 I.Nさん)
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◆筆記試験対策◆
マッチング試験の中でも医学知識が最も要求されるのが筆記試験.
たとえ筆記試験がそれほど重視されない病院を受けるとしても,目立って悪い点は取りたくないもの.
病院側も“マッチした人が国試に落ちてしまった”というのは避けたいはず.
そのためか,国家試験に近いレベルの出題が多いので,国試の過去問演習をしておけば有利になると思います.
ただ,国試の過去問演習といっても,この時期までに一通り終わらすのはかなり至難のワザ.
そこで私は『QB』の一周目問題を駆使して以下のような2段階の対策をたてました.
□まずはメジャー科と救急の1周目問題!
先輩から「メジャー科と救急がどの病院でも出題されやすい」と聞いていたので,そこから解き始めました.
しかし,メジャー科と救急だけでもかなりの量.
5年生のときから着々と解き進めていたわけでなかったので,マッチング試験までには終わりそうにない.
ここで1周目問題の出番なのですが,それでも全体の半分くらいにしか減らない…
だから思い切って1周目問題の臨床問題に絞ることにしました.
臨床問題では診断から治療までの流れが身に付くと考えたからです.
そして試験日から逆算して一日ごとの問題数を決め,実習の合間でも『QBオンライン』を使って日々のノルマをクリアしていきました.
□病院ごとの傾向に合わせて過去問演習!
当たり前のことですが,病院によって出題傾向が異なります。
例えば,整形や麻酔など特定の科目がやたら出題される病院もあれば,公衆衛生についてガッツリ出題される病院もまれながらあります.
病院見学時に得た情報や過去問を元に,病院ごとに出やすい科目を追加で勉強しました.
マイナーの場合は短期対策したい場合,問題を解くのかレビューブックなどを読むのかは人によって好みが分かれるところですが,私は問題を解くほうが記憶に残ると思い,ひたすら問題を解き,試験直前にレビューブックをめくりました.
過去問が入手できなかった病院に関しては,不安にもなりましたが,実際には過去問をしなくても何とかなることが多いという印象でした.
(編集註:病院によっては過去問がそのまま出題されることもあり,過去問の要・不要は確認しておくことをオススメします)
過去問がなくとも大まかな出題傾向は公開されていたり,ネットで検索すると書いてあったりするので,大抵の病院ではそれで十分ではないかと思います.
なお,少数の病院では英語の筆記試験があります.
日頃からNEJMやLancetをまめに読んでいる先輩もいましたが,英語の出題があっても配点はあまり高くないことが多く,対策なしで英語の試験がある病院に受かった人も結構いるようです.
◆小論文対策◆
事前のネタ集めと,小論文を書くことに慣れるための練習をしておきました.
□疲れた時に医療ニュースでネタ集め
ほとんどの6年生は日頃からニュースやジャーナルまでを読みこむ余裕はないと思います.
だからといって医療ニュースに全く触れていないと,いきなり“医師の地域偏在”や,“IPS細胞”について小論文を書けと言われても,困るのではないでしょうか.
だから私の場合,実習や勉強で疲れた後に気分転換で医療ニュースに目を通すということを心がけていました.
それだけでも,医療に関する一般的な時事問題を把握できないことはないし,案外面白かったりします.
また余裕があるときには,医学部新設,安楽死と尊厳死,再生医療など,特に出題されやすそうな話題に絞って,自分はその問題をどう思うか,その理由は何かを簡潔な箇条書きにしておきました.
□実際に書いてみると面接対策にもなる
大学受験以来,ほとんど小論文を書くことはなかったので,すっかり小論文の書き方を忘れていました.
“文章を書き始める前に結論を考える”など,小論文のお作法を再確認しておきたいと思い,本屋で適当に一冊買って目を通しました(対策本は何を使ってもあまり変わらないという印象です).
(参考)小論文の構成の一例
結論 → 根拠・理由 → 例示 → 結論
後は練習あるのみ.対策本を元に少なくとも一回は時間を測って小論文の練習をしようと思いました.
練習の題材は本命病院の過去問から選びました.
一回目の練習では時間切れでボロボロ,ただ二回目からは思ったよりすんなり書けるようになり,三回目には自信をもって文章を完成させることができました.
そのおかげもあってか本番では課題は違うものの,落ち着いて臨むことができました.
そして小論文対策は面接対策にもなります.
例えば,自分にとっての理想の医師像や将来のビジョンについて考える機会になり,また,医師として働くモチベーションの再確認をすることもできて良かったと思いました.
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以上,省エネながらしっかり者のI.Nさんの体験記でした.
次回は,面接の対策についての体験記です.
どうぞお楽しみに!
(編集部Y.S)
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