[4,5年生向け]病院見学のススメ-②見学申し込みと準備
- 病院見学の申し込みはメールか電話で! 文面は本文にある文書を参考にしてください!
- 見学は早め早めに! チェックリストは本文参照!
- 服装はビジネススタイルが基本.当直見学などの場合はスニーカーも可.
大人気企画「病院見学のススメ」シリーズ.
【自分にあった研修先を見つけるため,4,5年生の夏から病院見学を始めよう】というコンセプトで連載しています.
前回の第1回「病院見学の重要性」および「見学先と見学日数の決定」に引き続き,
今回は「見学の申し込みと準備」をテーマにお届けします.
① 見学の申し込み
「見学している瞬間」以外にも病院見学の重要なポイントはたくさんあります.
研修担当である事務の方と直接関わることのできる貴重なチャンスである
見学申し込みのやりとりと,見学後のお礼はその最たる例といえるでしょう.
病院によっては事務課の方が面接官として参加することもありますし,
初期研修担当の先生が事務課の方に「どんな子でしたか?」と確認しているパターンもあります.
また,そういった試験対策としての意識だけでなく,もうすぐ皆さんは社会人になるわけですから,
メールや書面,電話でのやり取り一つとっても,事務の方に失礼のないよう,マナーを意識していきましょう.
なお,初期研修の間は「選択研修の調整」など,事務の方とやり取りする機会がたくさんあります.
そういったやり取りを円滑に進められそうか,という点を見極めるつもりでも,ぜひやり取りをしてみてください.
見学したい病院が決まったら,遅くとも1週間前には見学希望の連絡をしましょう.
病院のホームページに依頼方法が載っていることが多いので,まずはそれを確認してください.
見学希望の連絡をメールで送る場合,書き方のポイントは以下のとおりです.
1.件名を必ず入れる
例1)「病院見学のお願い」
例2)「【病院見学】9月上旬に伺いたく存じます(△△大学・メディ山)」
2.宛名は部署名,肩書きまで入れる
例)「●●病院 初期臨床研修 ご担当者様」
3.本文の最初で名乗る
4.要件は簡潔に
5.署名を入れる
これはマッチングに限らず必要となるビジネスマナーの一つですから,早めに慣れておきましょう.
参考として,メールの一例をお示しします.
件名:病院見学のお願い
●●病院
初期臨床研修 ご担当者様
突然のメールにて失礼いたします.
私,△△大学医学部4年生のメディ山 太郎(めでぃやま たろう)と申します.
ホームページを拝見し,貴院の初期臨床研修の内容に大変魅力を感じており,
ぜひ病院見学を通して,貴院の病院概要や研修内容についてさらに詳しく知れればと考えております.
●月●日~●月●日の間で3日間お伺いしたいのですが,貴院のご都合はいかがでしょうか.
また,貴院は○○科に力を入れていると伺っております.
ぜひ,○○科を見学する機会をいただけますと,大変ありがたく存じます.
お忙しいところにお手数をおかけし,大変恐縮に存じます.
上記につきまして,ご確認のほど何卒よろしくお願い申し上げます.
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メディ山 太郎
△△大学医学部医学科 4年
〒○○○-○○○○
東京都港区南青山3-1-31
Tel:090-0000-✕✕✕✕
e-mail: mediyama.taro@◇◇.com
=====
電話の場合は以下のポイントに注意しましょう.
1.初めの挨拶は「お世話になっております」
2.所属と氏名を名乗る
3.話したい内容をざっと述べる
4.「ご担当の方はいらっしゃいますか」と伺う
例)「お世話になっております.
私,△△大学医学部4年生のメディック太郎と申します.
病院見学についてお話をお伺いしたいのですが,ご担当の方はいらっしゃいますか.」
ご担当の方に繋がったら,
5.改めて所属と氏名を名乗る
6.病院見学について電話した旨を伝える
7.詳細を話す
というステップでやり取りを進めていきましょう.
メールよりも電話は圧倒的にハードルが高く,かなり緊張してしまうと思います.
ただ,一気にやり取りが進む,相手の雰囲気がより感じられる,といったメリットもあります.
マッチングの中で機会があれば,ビジネスマナーに沿った電話やり取りもマスターしましょう.
<病院見学が困難な場合は?>
見学不可能な時期や学年の制限に該当するなど,病院見学が困難な場合には,
「どうしてもそのタイミングで病院見学したいか」を一旦冷静に考えましょう.
「どうしても!」という場合には,手紙や,アドレスが分かればメールで依頼してみましょう.
文面としてお送りすることで,実習担当の先生の目に触れて,許可が下りることなどもあります.
明確に会いたい先生がいる場合は,その先生宛にご連絡するのも有効な手段です.
(見学後のお礼については,第6回でお届けします)
② 見学の準備
病院見学の日程が決まったら,準備を進めていきましょう.
近くの病院の場合には移動手段をまず確認します.
宿泊先が必要なくらい遠方の場合には,旅行会社の出張パックがオススメです.
移動手段と宿泊先をまとめて解決しながら,費用を抑えることができますよ…!
ただし,ある程度前もって予約をしなければならないので,注意しましょう.
また,当直室,空いている研修医寮,近くの賃貸アパートなどを提供してくれることがあるので,
宿泊先について,担当の事務の方に遠慮がちに相談してみるのも一つの手です.
当直がそれなりに忙しい病院に見学に行く場合は,一晩かけて当直の様子を見るのもオススメです.
いざ見学が近づいてきたら,持ち物を確認しましょう.
・白衣
・聴診器
・学生証
・メモ帳
・黒ボールペン
・アメニティ類(ホテルでない場合)
見学時に何か本を持っていきたい場合は,大きな鞄や本を持って歩くのは大変なので,
白衣のポケットに入るものにしましょう.
<服装はどうすればいい?>
白衣がコートタイプなら,
男性の場合は白基調のワイシャツにネクタイ,ズボンはスラックス,
女性の場合は白基調のブラウスにパンツスタイルがおすすめです.
靴は革靴(ただしカツカツ音の出ないもの)が無難ですが,
当直を見学する場合などは,動きやすさも考慮し,白もしくは黒基調のスニーカーも選択肢になります.
白衣がケーシータイプなら,靴は白基調のスニーカーがよいでしょう.
当然ながら,中に着るシャツは色物・柄物は避けましょう.
女性の場合はさらに髪やストッキングにも注意が必要です.
髪はまとめ,汚れた手で前髪を直さなくてもいいようにしておきましょう.
ストッキングは予備を持っておくと安心です.
以上,これでとりあえず病院見学に行く準備は完了です.
次回は,いよいよ「見学先での過ごし方」についてお届けします…!お楽しみに!
〈目次〉
第1回 「病院見学の重要性」および「見学先と見学日数の決定」
第2回 「見学申し込みと準備」
第3回 「見学中の学び方」
第4回 「見学中の情報集め」
第5回 「交流の場を大切に」
第6回 「見学後のお礼の伝え方」