2020年03月 : 山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2020年03月

「玉翠荘」でさっぱりしたらまた奥多摩駅まで戻り、「オクタマーフェスト」を覗いてみる。以前、これも偶々だったが「おくたマルシェ」というイベントに遭遇したことがあった。ゴスペルのアカペラを聴いたりしてなかなかだった。
今日のこれはまた違っていて、クラフトビールがメインのイベントである。「オクトーバーフェスト」をもじって「オクタマーフェスト」と洒落てみたらしい(ウラをとってはいないけど、たぶんそう)。4店舗のクラフトビールが楽しめる。
「バテレ」は我々も良く知っているが、それ以外に奥多摩に3つもあったのか、と思ったら勘違い。「バテレ」以外は何れも輸入クラフトビール(カナダ産、アメリカ産、北欧産)のようだ。わざわざ奥多摩まで出張販売しているということか。何れにしても、奥多摩はだんだん変わってきたと思う。
会場をひと巡りしてみたが、せっかくさっぱりしたのにこの陽気でまた屋外でビールを呑むのも如何なものかと感じてしまったので、何となくスルーしやっぱりエアコンが効いたところでのんびりしようと、会場の喧騒とはオサラバして奥多摩駅の2階へ上がった。
ここの2階は以前、山野井泰史氏の登山用具が展示されていたが、すっかり様変わりし、ビアショップとコーヒーショップが入っていて、プチ・フードコートのようになっている。窓の外は、青梅線のホームが丸見えだが、思ったよりも居心地が良い。この頃、「バテレ」はバス通りに面したテイスティングルームと称するスタンドバースタイルの店を出したし、奥多摩駅舎の2階にも店を出したりと、奥多摩駅界隈での存在感が増しているようだ。
さっそく、ピメレア#2(Sサイズ700円)をいただく。苦味は全く無くてジューシーだが度数が6.6%もあるので、グビグビやると直ぐにいい気持ちになってきた。

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76 ホームの客を眺めながら。

せっかく「日原鍾乳洞売店」でビールを呑んだけれど、東日原バス停までの道のりがそれなりにあるので、またひと汗かく。たとえ缶ビール1本でも、確実に足が重くなっているからなおさらだ。さぞかし日原鍾乳洞の中は涼しいだろうなと想像してみるが、それで汗が引くことはない。
やっとこ東日原に着くと、2台のバスが待っていた。でも客はせいぜい座席半分が埋まるぐらいか。まだ発車まで時間があるが、ここでビールが呑める訳でもなし、さっさとバスに乗り込み、エアコンの吹き出し口を自分に向け、漸くひと心地つく。やっぱり、こんな季節に奥多摩へ来るのは間違いかと少々後悔。途中のバス停からは、殆ど客は乗って来なかった。
いつも思うが、川乗橋から川苔山を目指すハイカーは多いが、川乗橋をゴールにするハイカーが殆ど居ないのは何故だろう。今日も朝のバスでは乗客の半分が川乗橋BSで降りたが、復路のバスで乗ってきたハイカーはゼロ。ガイドブックに書かれているモデルコースがそうなっているのか。謎だ。個人的には、川乗橋に缶ビールの自動販売機が無いことが、ここをゴールとするには気が乗らない一因だけれど、まさか皆さんもそうなのか。
奥多摩駅に着いてみると、何やら広場が賑やか、看板に「オクタマーフェスト(奥多摩クラフトビールフェスティバル)」とある。もちろん興味津々。しかしともかく汗を流してさっぱりしたい。今日は独りなので何処でもいいが、芋を洗うような「もえぎの湯」には行く気が起こらない。結局やっぱり入り慣れた「玉翠荘」に足が向いた。
いつものようにフロントで宿の主に750円を支払ったら、リュックサックを縁台の上に置いて男湯がある地下1階へ。先客は若者お二人だけだったが、ほぼ入れ替わりのタイミングだったので、あとは一人だけで湯船に浸かりさっぱりした。さて次は「オクタマーフェスト」を覗いてみることにしよう。

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元々の計画では大菩薩連嶺の、川胡桃沢ノ頭から牛奥ノ雁ヶ腹摺山へ辿る予定だったが、今回は偶々女性の参加者が無く男性2人だけ、男同士の山行では「つまらない」と正直Woodyさんが仰るので中止とし、代わりに独りで奥多摩の小川谷林道へ行ってみることにした。
日原川支流、小川谷は高校生の頃から通い慣れたエリアだが、件の3.11大震災で谷の入口にある燕岩が部分崩落し、危険なため長らく通行止めになっていた。当然、酉谷山へ登ることも叶わなくなったので、酉谷山は奥多摩の中でも益々奥深い山となった。
その後、洞門を設置する工事が行われ、それが完了したのか昨年末から通行できるようになったと聞いていたので、いつか覗きに行ってみようとタイミングを見計らっていた。コンクリートシェルター洞門が、どんなシロモノなのかにも興味があった。それに加え、林道の終点から三又へ下る道も崩壊しているとのこと、いつの日かまた三又でテント泊してみたいので、その偵察も兼ねた。
残暑が厳しく、東日原から歩き始めてすぐ汗が吹き出てくる。一石山神社の先に辿り着くと、噂どおりの洞門があった。確かに立派な造りだが、北アルプスの扇沢バスターミナル手前にあるようなスノーシェッドと見掛け上の違いは判らない。どのくらいの岩が落ちてきても大丈夫なのか、やや気になる。
その先は懐かしい林道。決して林道歩きは楽しいものではないが、久しぶりなので結構ウキウキしながら辿る。この8年間、全く誰も歩かなかった訳ではないだろうけど、昔の記憶以上に周りの緑がえばっているような気がする。所々、崩れた土砂や岩が道を遮っているので、車が通行できるようになるのはまだ暫く先のようだ。
林道終点に近い広場(旧駐車場)から、山道に入るところにはトラロープが張ってあって通せんぼ。ロープを潜ってその先を少し進むと、トラバース気味な道が幅数メートル、地すべりで流されていた。よく見ると、簡易的なロープが張ってあり、これを頼りに渡ることは可能と思われた。これならば、次回はテントを背負っても来られそうだ(でもその後、台風19号がやってきたためどうなったのか、また確かめに行く必要があるだろうし、それ以前に日原街道が復旧しないことには話が始まらない)。
林道をまたテクテクと戻り、再び出来立てほやほやの燕岩洞門を潜れば、目の前の日原鍾乳洞売店に飛び込む。店内には家族連れが数組いて皆、アイスクリームや清涼飲料水などを飲んでいる。小生は当然、ビール。店内はエアコンが無く汗が一向に引かないが、キンキンに冷えたビールがやけに美味かった。

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「ダクシン」で南インド料理を堪能したあとは、もう家に帰るだけとそのまま東京駅八重洲中央口へ向かう。ふと見上げれば、かつてヤンマービルがあったところは工事中の様子、その証拠にクレーンが林立していたが、よくみるとその下は何やら明るい。
工事現場のようで工事現場ではない、何故かビヤガーデンのようになっている。中は植物が植わっていて、人影も見えるし騒めきも聞こえてくる。なんだこりゃ、と正面に回ってみれば「The Farm Tokyo」との看板があって客が出入りしていた。
つまり、ビルの建て替え工事を中断して、何故か一時的にビヤガーデンをやっている体なのだ。東京駅周辺で、ビルの屋上でなくて恒久的な地上ビヤガーデンをやることはたぶん、全くペイしないと思われるが、このようなテンポラリーなスタイルの店だったら可能なのだろう。誰が考えたのか知らないが、有り得ない場所のビヤガーデン、なかなかのアイデアだ。
とにかく見ていてなんだか面白そう。もとよりお腹はパンパンで、ビールが一杯呑めるかどうか怪しい状態だったが、偶々同行していたおひとりと、ものは試しと入ってみることにした。店内はほぼ若者サラリーマンとOLと思しき者ばかり。しかもかなりの賑わい。オヤジはほぼ見当たらない。
どこでビールが手に入るのか、注文の仕方もよく判らなかったが、なんとか生ビールをゲットできた。テーブル席は結構一杯あるが、どこも塞がっているので立ち呑み。目の前の東京駅を眺めながらグビっとやるのは不思議な体験。
ネットを調べてみると、2019年4月5日(金)〜10月31日(木)まで半年間だけの営業。入ったのが9月、現時点ではもうとっくに店は閉店になり、ヤンマービルの新築工事が始まっていると思われる(その後この前を通ったことが無いので)。まるで川面に浮かんだ泡沫のような店だった。

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今回の「オヤジばっかり月いち居酒屋ツアー」は、偶には和食でも洋食でもない、エスニックなものにしてみようかと、インド料理をチョイス。東京にインド料理店は数多あり、その中からリピーターになりたいほど通った店も無いが、今回入った「ダクシン」は馴染みの店候補にしても良さそうなほど気に入った。
ここは本格的な南インド料理店とのこと。しかし、ひとくちに南インドと云っても日本人にはピンと来ない。大雑把に云って、キーワードは「肉」より「野菜」中心、「スパイシー」、「米」文化という感じだろうか。カレーとなると「ナン」を連想するが、「ナン」は「小麦」文化圏の北インドでポピュラー(とはいえ、ここ「ダクシン」のメニューにはちゃんと載っている)。サンスクリット語で「ダクシン」とはまさに「南」という意味らしい。ここは「ハラル」の店でもあるので、モスリムを招待するにも都合が良い。
呑みものは最初、生ビール(アサヒスーパードライ550円税別、以下同様)のあとはシャルドネ(ボトル3,800円)とダクシンハイボール(インド産ウィスキー540円)にした。インドのウィスキーも悪くない感じ。
料理は、玉ねぎと茹でたインド豆のサラダ(660円)、ラム・チュッカ(ラムと玉ねぎの炒め物、1,200円)、チキン・ティッカ(4個、1,000円)、インド風チキンから揚げ(900円)、ギラフィ・カバブ(チキンカバブ、950円)、ハイデラーバード・チャパ・ヴェプド(ハイデラーバード風魚フライ、1,000円)、マサラ・ドーサ(インド風じゃがいものクレープ、1,400円)、チキン・ビリヤニ(1,500円)、チェテナード・チキンカリー(1,400円)、キーライ・コットゥ(タミル風ほうれん草カレー、1,250円)、ナン(400円)と、4人でこんなに喰えるのかと思うほど注文(でもちゃんと喰い切った)。
それにしても、どれも大変美味。特に個人的にはチキン・ビリヤニは美味かった。ややコスパが悪い感じなので普段使いはしにくいとはいえ、僅かな経験しかないものの今までで一番美味かった店(除、インド本土)だと思う。また是非、大人数で来てみたい。

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一昨年は延べ半年間ほど海外出張を余儀なくされていたせいで、必然的にその分、山にも行けず状態だった。インドネシアで悶々とした日々を送っていた一方、その間もマンマ・ミーア隊(≒いぃDay!山岳会日本支部女子隊)はせっせと登っていて、山から下りたら打ち上げで、高尾駅界隈の店にも足繁く通っていたようだ。
そこには、お陰でほぼ行きつけの店になった「たまの里」だけでなく、小生も知らない店も含まれていて、今回の「空(Kuu)」もそのひとつ。なおちゃん曰く、お勧めの店だが予約しないとなかなか入れない人気店とのこと。そんな店が高尾駅前にあるとは知らなかった。
今回は歩程がやや長かったせいか、塩山駅17時41分発というやや遅めの各停に乗る。高尾駅到着は19時丁度。1時間20分程もかかる理由は、甲斐大和駅と相模湖駅で都合2回も特急「あずさ」に抜かれるから。この時間になると特急も多い。そんな遅い時間でも大丈夫なように、なおちゃんは「空(Kuu)」へ予約を入れておいてくれた。
入るとかなり広い店内、細かく区切られているので何人ぐらい入れるのか判らない。若者が多くて大層賑やかである。我々のテーブルは、迷路のような通路の奥にある半個室だった。腰を落ち着かせてさっそく生ビール(460円税別、以下同様)。ジョッキがキンキンに冷えていて如何にも美味そうだ。
なかなか厨房が混んでいて、まとめて頼んだ方が良いとのアドバイスにより、ポテトサラダ(???円)、ゴーヤチャンプルー(630円)、エビとアボカドのチリマヨ和え(630円)、ピザマルゲリータ(580円)、ブロッコリーとポテトのアンチョビソテー(380円)、ナスのミートグラタン(450円)、ホーレンソウとベーコンのキッシュ(480円)、ベトナム風生春巻(530円)と矢継ぎ早に注文。メニューを見る限りエスニック風な料理が豊富な感じ。その豊富さとコスパの良さが若者客を惹き付けているのだと感じた。

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3年ぶりに黒金山へ登ったが、その時と同様、山頂はやっぱりガスに包まれていた。個人的にはこれで3回目の登頂だが、何故かこの山とはそういう巡り合わせというか、相性にある。その後、前回は乾徳山へ向かったが今回は西沢渓谷へ下ることにした。
こちらはほぼ40年ぶりのことで、同じ道を辿ったはずなのだが全く覚えていない。途中、標高1,990m付近で「ミズナラ天然林」という標識があったが、辺りを見回してもミズナラは1本も見当たらず。あるのはコメツガやシラビソなど。かつてはそうだったとして、広葉樹林が針葉樹林に変わるにはそれなりに時間が掛かるはず。いったいこの標識は何年前に立てたものだろう。
森林鉄道の軌道跡に辿り着くと、途端に観光客が目に付く。結局、山中では誰にも会わず仕舞いだった。西沢渓谷はやはり人気スポットだ。西沢渓谷入口BSに着いたら、ちょうどドンピシャのタイミングで予約タクシーがやってきたので、残念ながら茶店でビールを一杯やることも出来ずに、そのまま宏池荘へ直行。途中、タクシーの運転手が「ここが機山ワイン」とプチ観光案内。一度寄ったことがあったが、改めて見ても随分立派な屋敷、豪農だったのだろうか。 
入口で女将さんに400円を支払い、いつものヌルヌルの湯でさっぱり汗を流した後は、この頃は「日の出食堂」で待ち合わせというパターンが定着しつつある。目当てはもちろんビールだが、そのあてには焼き餃子ということになる。
今回は人数も多かったことから餃子だけでなく、肉野菜炒めとモツ煮込みも注文したので、ビールもついドンドン注文。結構呑んで満足したが、店内が暑くてちょっとまいった。

66 宏池荘で汗を流した後はここ。

67 漸くビールにありつく。

68 餃子の友。

69 皆揃って乾杯。

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今シーズンの鮎を堪能したあと、もう主目的は果たしたの直帰してもいい。が、せっかくここまで来たのだからと、暑いさなかをちょっとだけ観光。柿田川でも眺めれば、多少は涼しくなるだろうと行ってみる。
柿田川は全長1.2kmしかない(直ぐに狩野川へと合流する)日本一短い一級河川とのことで、それだけでも十分珍しいが、水量のほぼ全てが湧水で、しかも湧水群が町の真ん中(国道1号線の直ぐ脇)にあるという、世にも稀な川である。実際に行ってみれば、湧き出ている場所からすぐ先でもう、滔々と流れる川幅が20~30mぐらいありそう、その豊富な湧水量にとにかく吃驚する。
水の流れを眺めつつ遊歩道をぶらぶら歩いてちょっぴりだけ涼しさを味わった後は、三島駅に戻ってまた喉を潤すことにした。場所は駅のまん前にある「源氏」という食事処。前回、三島に来たとき(沼津アルプスに登った帰り)にうなぎを喰おうと来てみたら、何故か閉まっていたので、その時は代わりに「すみの坊」に入ったのだった。
今回はちゃんと開いていた。さっそく入ると、左はテーブル席で右側が小上がり。昼さがりの割りに結構な賑わいだが、どちらも空いていたのでテーブル席に着く。先ずはビール。店のメインディッシュはうなぎ、しかし流石に鰻重は喰えそうにないので他を頼もうとメニューを開く。見れば、ここは昼間からやっている居酒屋という感じで、料理と酒が多彩だ。
頼んだのは、みしまコロッケ(1個200円)とうなぎコロッケ(1個250円)と生桜海老(720円)。この頃は、生桜海老は旬に限らず年中、喰えるようになったらしい。みしまコロッケとはどういう定義かと調べてみれば、箱根西麓でとれた三島馬鈴薯(メークイン)だけで作ったコロッケということで、特に見かけや味付けが変わっているという訳ではなかった。これで「三島名物」となるだろうか。
一方のうなぎコロッケ。こちらはこの店オリジナルのようで、確かにうなぎが入っている。コロッケ自体はそれなりに美味いが、その量は僅かなのでうなぎを喰っている実感はいまひとつ。250円じゃ仕方が無いが、ちょっと残念。

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もう8月も半ばだというのに、今シーズンは山ばかりにうつつを抜かしていたせいか、まだ一度(その時のレポはこちら)しか鮎を喰っていないとふと気が付く。不味い、不味い、シーズンが終わってしまうと、慌ててカミさんの都合と調整して日取りを決めた後、暫し行先を考える。
手っ取り早いのは都内の店(例えば門前仲町の「山幸」)だが、それは緊急避難的な場合にしたい。日帰りの範囲内で、出来たらもうちょっとだけ足を伸ばしたい、しかも未だ入ったことが無い店がいいと、Webを眺めながらあれこれ思い悩む。
そこで浮かび上がったのは伊豆、狩野川か相模川上流の桂川(ちなみに、多摩川だったら支流の秋川にありそう)。何れも鮎釣りで有名なので、界隈に鮎料理を喰わせる店ぐらいあるだろうと調べたら、果たしてどちらにも見つかった。結局は、折角なので東海道新幹線が使える三島にしようと、狩野川の「鮎茶屋」に決めた。
場所は、駿豆線修善寺駅の一つ手前の大仁駅からすぐ。残暑が厳しいが、殆ど外を歩くことなく店に着いた。外観は駅前ビジネス旅館風(実際に「みかどや旅館」に併設された店だった)、しかし大きく「鮎」の文字が壁に書かれているので直ぐそれと判る。入ってみると先客は2組だけで、予約は不要だったようだ。後からゴルフ帰りのような中年呑んだ呉れ4人組がやってきて、鮎だけでなく鰻重も頼んだりしてずいぶん豪勢だ。
我々はとにかく先ずビール(大瓶600円)で喉を冷却。その後はアラカルトで、うるか(550円)、洗い(1,100円)、フライ(1,100円)、塩焼き(800円)と頼み、締めは鮎雑炊(1,300円)。雑炊といっても汁は殆ど無くなっているので、鮎飯と呼んでもいいくらい。味と香りはと云えば、思ったよりもあっさり、苔臭さも苦味も少ない感じ。やはりワタは抜かれているようで(まさか養殖?ってことはないだろうが)、ちょっとだけ残念。でも堪能できた。

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今日は久しぶりに東海道新幹線に乗って、三島まで行くことになっている。この頃は、東海道新幹線に乗ったとしても「のぞみ」や「ひかり」などではなく、もっぱら「こだま」ばかり。つまり近場にしか行くことはない。
一方で、北陸新幹線やら上越新幹線、東北新幹線に乗る機会がかなり多いのは、やはり目当てが山だからで、JR東海よりもJR東日本が好きな訳ではないし、JR東日本の営業戦略にまんまと嵌った訳でもない(と思っている)。
こと、山登りに限った話になると、東海道新幹線で山目当てとなるとやはり熱海から先、三島とか新富士、せいぜい静岡辺りということになるだろうが、この頃、椹島へ入ること(≒南アルプス南部をアタックすること)がとんと無いので、静岡下車はまず無い。すると富士川流域の低山目当てに新富士、伊豆近郊を目当てに三島か熱海下車がせいぜい。小田原以東の場合は小田急か東海道在来線になるので、東海道新幹線の出番は無い。富士川流域や伊豆界隈の山にしょっちゅう通うことはないので、東海道新幹線利用が少なくなるのは道理だ。今後、関西の山を目当てにするまでお預けという感じだ。
さて今回は山が目当てではないのだが、東京9時56分発の「こだま645号」大阪行に乗り込んだ。「こだま」であってもそれなりの乗車率なので、予約無しに乗るのはちょっとリスクがありそうだ。
まだ朝だし、三島まで1時間足らずなので、缶ビール1本だけにしておく。選んだのはサッポロ黒ラベル。つまみには、偶々目に付いた「ゆかり濃厚おつまみスナック」をチョイス。350円(だったかな)もするので、缶ビールよりも高い。裏を見ればグリコと坂角とのコラボで、なんとなく納得。実際、そんな味と香り。
10時51分三島着、これから伊豆箱根鉄道駿豆線に乗り換える。

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立山からの帰り道は、大宮で下車。まだ午後3時過ぎ、流石に開いている店は限られているが、大して当てがある訳でもなく、いつものように東口へ出てみる。こういう場合、頼みの一つが「いづみや本店」か「いづみや第二支店」になるのだが、とりあえず今回は何れもスルーしてみる。
試しにネオンサイン煌く南銀通りへ足を向けてみて、何処か新しい店が出来ていないかと物色してみるが、目に留まるような店は見当たらない。それしても今更ながら、ここは昭和そのままのかなり気だるい雰囲気が漂っている。立川だったら「しぇ・もと」へ向かう通りに似ているか。
昨今は上野や新橋、北千住辺りでも、場違いかと思うような小洒落た店が出来ていたりして眉を顰めることもあるが(決して残念な訳ではない)、ここ南銀通りの退廃的さはちっとも変わっていない。これでは今どきのトレンディー女子は近づくはずもないが、それがここの雰囲気を保ってこられた理由の一つではなかろうか。
とりあえず南の端まで行ってみたけれど、興味が沸くような店は見あたらず仕舞い。さて困った。そこで困ったときの「磯丸水産」に入ることにした。ここも特段、興味が沸く店ではないものの、何しろ24時間営業の店なので、いざと云うときに頼りになる。個人的に4年ぶり2回目の入店である。
さすがにこの時間、客の入りは半分にも満たないが、それでも奥の方で陣取っている集団は既に、やけに盛り上がっている。さっそく席に着いたらまた生ビール(キリン一番絞り、499円税別、以下同様)。付き出しに練物と何とかふぐの一夜干しが付いてくるのでこれだけでも十分な感じだったが、折角なので磯丸風ポテ壺サラダ(399円)も頼んでみた。意外に美味かった。この店はとにかくメニューは豊富なので、今度は一度、大人数で入ってみるべきだろう。

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扇沢BTから長野駅行の特急バスに乗車する。ひと昔前では信濃大町まで出て、場合によっては大町温泉の日帰り温泉に浸かり、列車待ちの時間を利用して駅前の蕎麦屋か何処かに転がり込むのが常だったが、北陸新幹線が出来て状況は変わった。
信濃大町駅から「あずさ」で帰ろうとすると、15時07分発の「あずさ26号」しか選択の余地がなく(大糸線は単線なので、普通列車で松本に出るのはそれだけで1時間掛かる)、これだと新宿には18時34分着。一方、長野駅経由だと、のんびりしても長野14時24分発の「はくたか564号」には余裕で乗られるので、東京着は15時52分。ということで、立山からの帰りは長野へ出るのが手っ取り早い。そのお陰で、信濃大町駅前の蕎麦屋は随分縁遠くなった。
長野駅行の特急バスはほぼ山の中を走る。途中には蕎麦屋の看板が目立つ、旧美麻村新行地区があり、思わず途中下車してみたい衝動に駆られるが、こんなところでのんびりする訳にはいかない。別の機会に改めるしかないが、そんな機会があるかどうか・・・。恨めしく看板を眺める。
その代わりというわけではないが、今回も長野駅前の蕎麦屋「油や」に入る。昨年の10月(その時のレポはこちら)以来だ。また予約を入れたので、今回も小上がりの席を確保できた。さっそく生ビール(570円税込、以下同様)でスタート。日本酒はやはり地酒、西之門・純米吟醸(300ml、1,100円)と美寿々錦・純米生酒(620円)を呑んだ。キリッと冷えていて美味い。
つまみには、馬刺し(1,100円)、野菜天ぷら(620円)、エリンギ天ぷら(360円)、シャキシャキサラダ(360円)、もつ煮(540円)、信州の味三点盛り(190円)を注文。ここは蕎麦前の種類が豊富でコスパも良いところがうれしい。前回食べたかどうか忘れてしまった肝心の蕎麦(750円)は、しっかりした腰と喉越しのつるつる感が絶妙。これを忘れたなんて、かなり酔っていたということらしい。

154 長野駅前のここでランチ。

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立山・室堂三日目の朝は再び曇天だが、もう帰るだけだけなので別に気にならない。「みくりが池温泉」に別れを告げ、石畳の径を室堂まで辿る。まだ7時前だが、結構、歩いている観光客がいる。若者が集団で歩いていたりして賑やかだ。
室堂バスターミナルに着いたら、バス待ちの時間を利用して暫し土産物を物色する。との~は宅急便が必要なほど、段ボール箱1個分の大人買いをしていた。小生は2999(剱岳の標高)と書かれた帽子を購入。トロリーバスとロープウェイとケーブルカーを乗り継いで黒四ダムへ移動する。
毎度思うことだけれど、乗り継ぎは初めて利用する者にとってはそれなりに楽しめるだろうが、小生は些か面倒臭い。これを全てトロリーバス(≒車道トンネル)に出来なかったのは、技術的な問題(例えばトンネルにしたら傾斜がきつ過ぎる等)だったのだろうか(室堂の標高は2,450mに対して、黒四ダムは1,470m)。それとも乗り継ぎの度に、土産物屋とか食事処等で金を落としてもらう算段があったのではなかろうか、と邪推をしてみたくなる。
黒四ダムからはまた電気バスに乗ってやっとこさ、扇沢バスターミナルに到着。天候が回復してきたこともあって、我々とは逆に黒四ダム方面に向かう電気バスを待つ人々の行列が凄い。
そんな喧騒を尻目に、我々は長野行バスの待ち時間を利用して、レストハウスでひと休み。広々としたレストハウスに我々3人以外の客は無し。ここへ入るのは14年ぶり?(立山、剱岳を登ったとき以来)かと思われる。
レストハウスの窓から見えるのは、これまた車でほぼ一杯になった広大な駐車場。これだけの数でやってきた観光客が皆、凡そ1万円近いアルペンルート通行料金を支払っているのか、すると関西電力(の子会社)には億単位の日銭が入る訳かと算盤を弾いてみる。凄いなあと単純に感心した。

148 朝の黒四ダム。

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152 バス待ちで一杯。

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「剣御前小舎」に泊まった翌朝のこと。相変わらず外は暴風雨のようで、小舎をミシミシ、ガタガタ揺らしている。朝食中でも状況は変わらない。たとえこのまま室堂へ下るにしても、こんな天候で外に出るのは気乗りがしない。それは我々以外の方々(皆さんも元々、剣岳狙いだった)も同様のようで、8時過ぎまで皆、談話室でうだうだしていた。
そのうち、関西からやってきたというパーティーはそのまま室堂へ下りると云って出て行った。もうひとつのパーティーは、奥大日岳方面へ向かうという。外に出て様子を見てみると、雲の動きは速いし気温も低いが雨は止んだようだ。
この様子であれば別山ぐらいだったら往復できそうだと、我々も支度をして出かけてみる。ところが歩いているうちにみるみる天候が回復し出し、別山に着く頃には剣岳だけでなく後立山連峰も見えてきた。だったらもうちょっと行ってみようと、結局、立山・雄山まで登ってしまった。
朝までの天気から云えば仕方がないにせよ、「剣御前小舎」から真っ直ぐ帰ってしまった関西パーティーは今頃悔しい思いをしているだろう。気の毒だったが、結果的には文字通り劇的に天気が回復して、雄山を下る頃には晴れ間が広がり、「室堂小舎」へ下る頃はほぼ快晴になった。我々はラッキーだった。
「室堂小舎」からはピクニック気分、晴れた室堂平は天上の楽園だ。そして4年ぶり(その時のレポはこちら)に「みくりが池温泉」に到着。チェックインは後回しにして、さっそくテラスのベンチに座り、生ビールで乾杯。4年前に比べればだいぶ気温は低いが、ひと仕事(?)終えてテラスで呑むビールはなんたってサイコーだ。

047 参拝。

048 剱岳が姿を現した。

053 一番奥が白馬岳。

056 剱岳を入れて記念撮影。

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060 爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳。

070 次は富士ノ折立。

074 富士ノ折立と大汝山の鞍部に出た。

077 大汝休憩所でひと休み。

079 大汝山に到着。

084 槍ヶ岳も見えた。

088 それでもう一回。

096 社務所に到着。

103 もう一枚。

111 向かいの山は龍王岳、下は一の越山荘。

114 ここから先は遊歩道。

119 ここは撮影ポイント。

124 立山が眩しい。

127 立山をバックに。

134 ここは絶好の撮影ポイント。

135 待ちかねたこの一杯。

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136 夕食もまた一杯。

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142 みくりが池温泉、また来る日まで。

立山・室堂までやってきた。そもそもの計画では剣岳を登るつもりだったのだが、天気予報を見てさっさと諦め、その代わりに立山でも登るかと考えていたのに(山の記録はこちら)、バスターミナルの建物を出ると叩き付けるような土砂降り。これではせいぜい剣御前小舎の往復ぐらいが関の山、と諦め歩き出す。小舎までは3時間足らずの我慢だ。
幸い風はそれほど強くはない(≒飛ばされそうになるほどではない)が、豪雨で登山道は川のようになっている。雨具を叩き付ける雨音が煩い。ところが、「クライマーズ・ハイ」じゃないけど苛酷な環境になればなるほどアドレナリンかエンドルフィンがそれなりに分泌されるようで、大してめげることなくむしろこの状況を楽しみながら、思った以上に早く剣御前小舎に到着。
扉を開けて入ると中は静寂、ほっこり暖かい別世界。こういうときの小屋は心強い。登山客は見かけず、従業員も手持ち無沙汰な様子。荷物を整理し、濡れたものをさっさと乾燥室内にぶら下げたら、売店でビールをゲット、食堂で乾杯、グビっとやってまったりする。とても外が嵐とは思えない。
あとは酒をちびちびやりつつ、談話室で高校野球の決勝をのんびり見る。談話室は独占状態で、テレビもストーブも占有だ。明日は明日の風が吹くとばかり、今を楽しむ。甲子園の熱気と、外の嵐と、談話室ののんびりさとの対比が面白い。
やがて夕食の知らせ。結局、我々以外に9名がやってきたようだ。従業員数と大して変わらない。この天気にしては意外に多いというか、この時期にこれしか泊り客がいないというか。何れにしても、困難を乗り越えた先には恩恵が待っている。

008 室堂到着。土砂降り。

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024 ここまででずぶ濡れ。

025 でもこれがあればチャラ。

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032 夕食の時間。

033 今日の宿泊者は我々を含め12名。

039 【第2日目】朝食は5人だけ。

040 雨は止んだが風は強い。

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夏の暑い日にはなにかとビールが呑みたくなる。墓参の帰りはそのまま家には帰らず、三郷駅界隈の何れかの店にしけ込むことにした。カミさんは「魚菊」にしようと云うので、特に予約はせずに行ってみる。前回から半年ぶりの入店で、今回が3回目。
入ってみると、目の前のテーブルの上にカセットコンロ、その上にホンビノスガイ?とサザエ。この店は浜焼きがウリ、今日はこれが仕入れてあります、というディスプレイのようである。確かにそそられないこともないが、残暑厳しきこの折に、目の前で火を使うのはちょっと怯む。とりあえず又にしておこう。
まだ早い時間だったが、結構客は入っている。やはりテーブル席は予約で埋まっているらしく、我々はカウンター席へ通される。カウンター席だけに限らないが、テーブルの上には排煙ノズルが設置されている。しかし、これが稼動している(つまり空気を吸い込んでいる)のをまだ見たことがない。単なるオブジェなのだろうか。
それはともかく先ず生ビールで、渇き切った喉を湿らせないと何も始まらない。さっそく「プファーっ」とやってひと息つく。こんな時期にほぼ一日中(除、「満留賀」滞在時間)外に居ると、身体は渇きに渇いていているし、呑めばそれがまた汗へと変わり、いつまでもビールが呑める感じだ。
一方、カミさんはレモンサワー(いつもはグレープフルーツサワーだが「魚菊」には置いていないので)を注文。出てきたグラスを見ると、氷の代わりに凍らせたレモンが入っている。なるほど、アルコールが薄まらない工夫だと感心する。いかにも夏向き。小生もビールに飽きたらレモンサワーにしよう。
つまみもいただこう。ここはお造りもウリ、今日は「いさき刺身」があったのでそれにする。他には「いさきの兜焼き」、「太刀魚塩焼き」、「合鴨のロースト」、「ふぐの唐揚げ」も注文。今が旬の太刀魚がなかなか美味かった。

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久しぶりに今週末は山がないので(仕事の海外出張で山に行けない場合以外では、滅多に無い椿事)、両親の墓参がてら、昼どきはアニ~を呼び出して2年半ぶりに西八王子の蕎麦屋、「満留賀」へやってきた。生まれは八王子市日吉町、育ちは同じ台町なので、西八王子界隈は勝手知ったる場所。かつての面影が無いほど、この辺りは随分と変わってしまった。
が、「満留賀」に限っては全くそのままの佇まい。というか少なくとも外観はこの50年ぐらい変わっていないのではないか、とすら思う。この辺りには知る人ぞ知る美味い蕎麦屋が多いが、その中でも「満留賀」は昔から気軽に昼呑みが出来る店として使い勝手が良い。
巷で評判の高い「蕎酔庵いっこう」や「坐忘」、「山泉」にしても、蕎麦も蕎麦前も酒も勿論美味いが、少々敷居が高く、心持ち気張って入る必要があるので普段使いがし辛い。一方、「満留賀」は全く庶民的な店なので気兼ねが要らないのに、味はちっとも引けを取らない。ということで、気安く使わせてもらっている。勿論、十代や二十代で蕎麦屋好きという筈もなく、比較的最近になってから頻繁に入るようになった。
そんなことはさておき、前回入ってから(レポはこちら)からもう2年半が経ってしまった。暖簾を潜るとテーブル席にはそれなりに客が入っているが、蕎麦だけを手繰って直ぐに帰ってしまう方々ばかり。しかし我々はじっくり呑んで喰うつもり。今日は奥の座敷ではなく、手前の小上がりに座る。
先ずはビールで渇きを癒してから、メニューを睨んで料理を注文。頼んだのは揚げ餃子とイカの沖漬け。蕎麦屋で揚げ餃子があるのは、かなり珍しいのではなかろうか。当然ながらビールには良く合う。一方、沖漬けは間違いなく日本酒。ルイベになっているので、夏にはうれしい。仕上げはもちろん、もりそば。ここの蕎麦はしこしこ、喉越しは抜群だ。またそのうち、プラっとやって来たい。

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今日の山行は時間が掛かるコースだったので(歩いた距離は10km足らずだが、結局6時間半強もかかった、さすがは両神山だ)、山から下りる時間が遅くなったため、珍しく途中で引っ掛からずに帰ることにした。その代わりに、車内宴会のため仲見世で酒とつまみを仕入れる。
数ある秩父地酒の中から選んだ「武甲正宗・のんべえ」(720ml、1,300円税別)は、純米しぼりたて無濾過生原酒。包装紙が新聞紙。アルコール度数が19度もあるのでガツンとくる感じだが、フレッシュ感も旨みも酸味もあるので全体としてバランスは良いように思う。
西武秩父駅から乗ったのは、20時25分発の「特急ちちぶ52号」。レッドアローに乗るのも2年ぶりとなる。この時間ともなると、乗客はかなり疎らだ。ちなみに「のんべえ」は我々のような「呑ん兵衛」をさす訳ではなく、「呑もう」の秩父弁らしい。ともあれ、改めて登頂を祝して乾杯。
両神山に限らず、このような山に来てしばしば感じることだが、縦走するハイカーの何と少ないことか。我々のように八丁峠から山頂(剣ヶ峰)を経て日向大谷まで歩いたのは、少なくとも他には見掛けなかった(逆コースは2パーティと行き違った)。
一方、日向大谷からやってきてピストンで帰るハイカーは何十人もいたようだ(とても数え切れない)。恐らくは皆、自家用車でやってくるのだろうからそれはそれで仕方が無いことだが、単なるピークハントでは山の(今回は両神山の)魅力を半分も味わっていない。深田百名山の功罪のうちの「罪」な部分と云えるかも知れない。その意味では、我々は恵まれているし充実していると、密かに悦に入りながら「のんべえ」を味わった。

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八丁峠から両神山に登り、「両神山荘」でビールを呑み、「クラブ湯」でさっぱりしたあとのこと、風呂上りの汗が引き切らないうちに、集合場所に決めた「大むら本店」へと移動。ここは午後5時開店、時計を見ればもう午後6時を回っているが、店内を見渡してみても先客はなし、まさか我々が本日の一番客ということは無いだろうけど。暫くしてから地元の家族連れがやってきた。
ともあれ、小上がりの4人掛けを確保したら先ず生ビール。後の3人を待てずに、ひとりでグビっとやらせていただき、ひと息つく。この暑さじゃ、ビールが無いと生きていけない。とりあえずつまみには、めごちの天ぷらを注文。でも実は、ここは蕎麦も美味いが、とりわけ蕎麦味噌焼きが美味いのだ。
焼き味噌といえば同じ秩父にあった「こいけ」を思い出すが、すでに店を畳んでしまった(まったく惜しい店を失った)現状、奥武蔵、秩父界隈の山から下りて入る店の中で焼き味噌が美味いところは、「大むら本店」以外は越生の「梅の里」ぐらいだろうか。
ここ「大むら本店」は17時まで中休み、今回のように山から下りる時間が遅くならないと、なかなか入る機会が無いのが玉にキズ。何れにせよ、今回は久しぶりに訪れたチャンスだ。思い返してみればいつのまにかもう6年ぶり、前回は熊倉山の帰り道だった(その記録はこちら)。
焼き味噌を頼むにはやっぱり日本酒。冷酒を頼むと、ラベルに「大むら本店」と書かれた小瓶が出てきた。良く見ると中身は武甲正宗のようである。流石は秩父一番の老舗蕎麦屋だと感心。その後、つまみに頼んだかつ煮は味も食べ応えもまずまず。ここの卵焼きは甘くて小生の口には合わない。
そして、やはり焼き味噌。香ばしさと旨みと塩加減が申し分ない。これさえあれば、いくらでも酒が進む。そのうち、また焼き味噌で一杯やりたくなったらきっとこの店を思い出し、そのための山行を計画し始める筈だ。

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両神山からの帰り道、日向大谷BS午後3時10分発のバスが行ってしまったばかりだったので、次のバスは午後5時20分。流石にそれまで待つ気にはならないのでタクシーを呼ぶが、長躯、西武秩父駅からやってくるとのこと、それまでの時間、結局たっぷり1時間以上「両神山荘」でビールを呑みながらまったりした(山行記録はこちら)。
漸くやってきたタクシーに乗ったら、そのまま秩父の銭湯「クラブ湯」へ直行。乗ったタクシーの運転手に「クラブ湯まで」と云ったら、何故か「知らない」という。えーっ、そんなんで秩父のタクシー運転手が務まるのですか?と思わず云ってしまいそうだったが思い留まり、心の中でひそかに「この運転手はもぐりか~?」と云ってみる。まあ、タクシーで「クラブ湯」に乗り付ける客も少ないだろうけどね。少なくともこのタクシー運転手は、秩父出身ではなさそうである。
既に午後5時を廻っているので、風呂上りの待ち合わせ場所は「大むら本店」だと申し合わせ、男湯の引き戸を開ける。いつのまにかもう、4年ぶりだ。先客は地元の方と思しきご年配が4人、山帰りらしい若者がひとり、いつものようにそれなりに繁盛しているようである。
脱衣所も浴室も見たところ記憶の通り、ちっとも変わっていないのがうれしい。湯の熱さも相変わらずだった。
昨今、西武秩父駅前に「祭の湯」ができて、「クラブ湯」にも少なからず影響があるのでは、と少々心穏やかではなかったが、それは概ね杞憂だったようだ。そもそも客層が違うのだろう。地元客はともかくとして、我々のように山から下りたら先ず風呂、と考える客は意外に少ないようだし、山帰りの客で長年「クラブ湯」を愛用している者は、「祭の湯」が出来たからと云って(我々のように)ぶれることは無いのかも知れない。

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