2015年04月 : 山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りたらこんな店 - 副隊長の自己満足

山から下りて、ひと風呂浴びてから一杯やるのは醍醐味の一つ。しかし、最近はどっちが主なのか、判らなくなってきた・・・。

2015年04月

小腹がすいたので、北千住ルミネ8Fにあるベトナム料理店に入ってみた。この頃、ベトナム料理店は随分、増えたような気がする。ウェイトレスは、アオザイ姿の若いベトナム女子なので、どちらかと云えば庶民向けというよりは、観光客向けの高級(≒高価)店の雰囲気を醸し出している(庶民向けだったら、やはりTシャツ&ジーンズだろう)。
ふと張り紙を見ると、「4」が付く日は何杯でも生ビール1杯100円、とある(フォーの4か?)。惜しい、今日は3日だ。でもやっぱりビールが呑みたいので、ベトナムビールの、333(バーバーバー)とサイゴンビールを頼む。どちらも、東南アジア的な喉越しすっきり系。つまみは何にしようかとメニューを覗くと、シェアコースなるものがある。ひとり分をふたりでシェアするようなイメージか。実際に「乾杯コース」(2,778円)を頼んでみると、1.5人前ぐらいの分量はある。ビールを呑みながらであれば、二人でもこれで十分だ。生春巻きや揚げ春巻き、豚肉唐揚げ、空芯菜のガーリック炒め(炒め過ぎで、空芯菜がくたっとしていたのは、やや残念)、フォーなどひと通り揃っていて、バリエーションも十分である。これで2,778円はCPとしてもまずまず。がっつり喰いたいときでなければこのコースはお薦めである。
総じてベトナム料理は、タイ料理等と違い、辛さは全く控えめなので、カミさんも気に入っている。特徴と云えば、やはり野菜が豊富でヘルシー感があることと、魚醤(ベトナムではニュクマム)とパクチー(シャンツァイ)の香りという感じだが、今日の料理にはパクチーが一切入っていなかった。そう云えば、何故かこの頃、スーパーで見掛けることが少なくなったが、それと関係があるのか。
ビールの後は、ベトナムの焼酎、ネプカムのオンザロック。ちょっと強い紹興酒という感じだが飲み易い。でも30度くらいあるので、ガブガブ呑むのはあぶない。この店は、ひとりで来るのにも抵抗がなさそうだ。今度は機会が合えば、「4」が付く日を狙って来てみるか。

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ベトナムフォーのHP: こちら 

乃木坂の国立新美術館で、「マグリット展」と「ルーブル美術館展」をまとめて鑑賞。やはりネームバリューが違うのか、客の入りは「ルーブル」の方が遥かに多かった。「ルーブル」では、有名なフェルメールの「天文学者」以外、目ぼしい絵画がなかったにもかかわらず、である。小生も、クエンティン・マセイエスの「両替商とその妻」だけが微かに見た記憶があったに過ぎない。「ルーブル」と「フェルメール」の何れのネームバリューなのか知らないが、流石に「天文学者」の1枚だけでは展示会にはならないだろう。
それにしても今回の、「日常を描く」という展示会のテーマは少々強引ではなかったか。紀元前のギリシアの壺から、19世紀末のバルビゾン派まで、「日常を描いた」絵を寄せ集めただけで、作風やコンセプトには全く一貫性がなかった。逆に云えば、これまでそのような見方でしか、展示会を捉えていなかったことに対するアンチテーゼを狙ったのかもしれぬ。
ともあれ、個人的には「マグリット展」の方に満足。一番お気に入りの「光の帝国(L'empire des Lumieres)」や、「ピレネーの城(La durée poignardée)」が出品されていなかった(「光の帝国Ⅱ」はあった)のは残念だったが、二番目に気に入っている「大家族(La Grande Famille)」は見られたのでまずまず。
絵画鑑賞の前に、同じ乃木坂で腹ごしらえをしていた。予約していたその店は、ちょっと高級イタリアン。シチリア料理店だと云うだけあって、店内は原色を使った装飾が目立つ。昼のランチは2,000円前後だが、ディナーは8,000円から、というので、夜に来るのは少々清水の舞台が必要だ。有閑マダム(って死語?)達の、常連と思しき客も多い。イタリア人シェフがわざわざ出て来る。きっと、今日も相変わらずお美しいですね、ぐらいのお世辞を云っているに違いない(聞こえないけど)。あとから飛び込みの客も何組か来たが、皆、丁重に追い返された。
さて料理は、というと前菜については特段、インパクトは感じなかったが、手作りショートパスタ(名前は不明)は歯触りも味もなかなか良かった。グラスワインもまあまあのクオリティ。でもこの店で、ボトルを頼むのはかなり勇気が必要。リストをちらっと見た限り、最低、1万円って感じである。いくら美味くてもなー。

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Ristorante da NinoのHP: こちら 

○金を出たあと、やや喰い足りない(≒呑み足りない)感があったので、もう一軒寄ることに。場所は東京駅八重洲口。地下にあるグランルーフフロントへ。ここはオープンしてからもう1年半以上経っていると思うが、人の流れはそれほど多くない。もうこの時間(20時過ぎ)では、地方からの出張者は新幹線に乗り込んでしまったのかも知れない。
調べてみると2014年1月29日以来の、「旅する子ぶた」入店。その頃よりは、だいぶ賑わっているようでなによりだ。店員の立ち居振る舞いもなかなか堂に入っているように感じる。やはり店員がどぎまぎしていると、客は不安に感じるもの。店員には、客に安心感を与える態度が必要だ。
席に着いたら、赤ワイン。今回は、'12 ラ クロワザード レゼルブ ピノノワール(3,800円)をチョイス。ラングドック・ルーション産。考えてみれば、フランスワインは久しぶり。呑んでみると、さすがに熟成感はいまひとつで、味わいもピノノワールにしてはフルーティだが、これはこれで飲める。コストパフォーマンスも悪くない。これに合わせるのは、田舎風パテ(830円)、ミモレット、ウォッシュタイプカマンベール及びブルータイプのチーズ盛り合わせ(800円だっけ?)にしてみた。
田舎風パテとあるが、いわゆるパテ・ド・カンパーニュ、さすがに赤ワインにはバッチリ合う。チーズは、やはりウォッシュタイプが個人的にはお気に入り、でも今日のワインではちょっと位負けと云う感じか。ミモレットぐらいが丁度いい。やっぱり、ホッピー&やきとりばかりではなく、たまにはチーズで赤ワインをやるのは悪くない。八重洲口駅構内には、この手の店はまだありそう。もうちょっとリサーチしてから来てみたい。


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月いちの蕎麦好きおやじさん主催の格安居酒屋ツアー。今回は八重洲。さくら通りのソメイヨシノは丁度見頃。夜桜は、たとえ都心のど真ん中であっても、喧噪を忘れさせ、幽玄すら感じさせるから不思議だ。東京駅八重洲口から日本橋にかけての一帯は、これまで割に来ることが多かったが、ここ「やきとり○金」は知らなかった。入ってみると、若年層を中心に大層賑わっている。
この店のシステムはちょっと変わっている。焼き鳥(おまかせ串;67円/本)は、オーダーすると客がストップを云うまでどんどん出てくる。テーブルには、焼き鳥のたれの壺が置いてある。中を覗くと、にんにくがまるごと入っていて、たれ自体もにんにくの香りぷんぷん。これを漬けて喰うと、帰りの山手線で、周りの客に嫌がられそうである。
酒は皆、基本的に飲み放題なのだが、30分刻みという点がユニーク(299円(外税)/30分)。30分299円では、下戸でない限り損することはなさそう。店の一角に酒コーナーがあり、セルフでより取り見取り。70種類以上と書いてあったが、実際にはそれほどあるようには見えない。日本酒は、一種類(白雪)のみ、ちょっと寂しい。やはり日本酒は、299円/30分では成り立ち難いのかも知れない。
焼き鳥以外には、パリパリキャベツ(399円)と石焼ソース焼きそば(599円)を喰った。串焼きに較べるとやや割高か。従って、ここではおまかせ串を喰い続け、酒は何でもいいからとにかく早く酔いたい、という人にはうってつけの店である。新人社会人諸君は、せいぜいこのような店で爆発しているのが宜しかろう。この店の常連は、酒の安さだけでなく、きっと「にんにくだれ」にも嵌っているのだと思う。

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本厚木「肉の佐藤」でもう、だいぶいい腹具合になったので、新宿では、さっぱり系の蕎麦屋に行こう、ということになった。しかし考えてみれば、新宿で蕎麦屋は入ったことも聞いたことも無い。で、ロマンスカー車内でスマホリサーチ。このような状況は、スマホが当たり前の世代には判らないが、我々には便利な時代になったものだといちいち感慨深い。そうやって見つけ出したのは「稲田屋」、デッキから電話を入れてみると、空いてますのでどうぞとのこと。これで準備は整った。新宿駅前でのんちゃんをピックアップしてから店へ。
ここは、日本酒「稲田姫」を醸す鳥取の酒蔵(稲田本店)の直営店。日本橋にある姉妹店には何回か入ったことがあった。蕎麦がウリだが、もちろん、酒の肴も豊富で、日本海沿岸の珍味等もいただける。蕎麦居酒屋としては少々ハイグレードと云えるかも知れない。ベースが蕎麦屋なので、肴はほぼ純粋に「和」テイスト。旬のものを活かした、なかなか心憎い料理を出して呉れる。
酒は、ビールをちょっとだけ呑んで、あとは酒蔵直送の「稲田姫」をいただく。純米も純米吟醸もそうだが、酸味と旨みは感じるものの、すっと喉に入る感じの爽やか系。造り酒屋が蕎麦屋をやるだけのことはある。
付き出しは、おくらと筍のあえもの。その後は、玉子焼き、とろとろ生湯葉酒盗掛け、山菜天麩羅、筍と揚げ出し豆腐、鯛皮のポン酢和え、蛸の唐揚げ、生湯葉とわけぎの酢味噌掛け、公魚の南蛮漬け、菜の花のお浸しを注文。そして最後はもちろん、せいろ。どれも美味しくいただいた。
この「稲田屋」が入っている新宿パレットビルには、他に「月の雫」や「魚民」、「天狗」、「日本海庄や」など、在り来たりな店が多く名を連ねていて、だいたい、若者が馬鹿騒ぎをするような騒々しい店ばかりだが、ここ「稲田屋」は大人の店なので落ち着いた雰囲気、だいぶ居心地が良い。また使わせて貰うことがありそうだ。

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本厚木から新宿まで、久しぶりにロマンスカー(EXE 30000形)で移動。17時35分発はこね36号に乗車した。新宿到着時刻は18時23分。乗車時間は48分、これで670円。一方、急行は新宿まで58分かかる。つまり、時間的にはロマンスカーと急行とは、10分しか違いが無い。勿論、その10分のためだけに670円を支払う訳ではない。このゆったり感と、(勿論、周りの客の迷惑とならない範囲で)気兼ねなく酒を呑める場を手に入れるための670円だ。これを高いと見るか、安いと見るかはその人の価値観に寄るが、少なくとも酒を呑みたい(って云うか、もう酒が入っている(笑))我々にはリーズナブルな値段と映る。
EXE 30000形は、現在の小田急ロマンスカーの主力と云えるが、外観は、それまでのロマンスカーのイメージからはだいぶ異なる風貌。リゾートへ行く乗り物、というよりは、ビジネスマン出張用の印象である。そのためか、車両編成は6+4両の、小田原線と江ノ島線で分割運転ができるようになっている。このことによって、これまでのロマンスカーのひとつの特徴だった連接台車は採用されなかった。その意味でも、異色のロマンスカーと云える。でもこんな話、車内で一杯やる上ではどうでもいい。
この頃、リュックサックにはたいてい日本酒を忍ばせている。今回、ザックから取り出したのは、「織星 特別純米生酒原酒」という、埼玉・深谷の酒。全体的な印象として、とてもまろやかな口当たりで雑味がない。しかし純米らしく、しっかりした味わいと余韻。酒はこの頃、愛用しているステンレスボトルに入れている。Klean Kanteen ワインカラフェ メルローなどという商品名がついていた。気のせいだが、金属ボトルに入っているとひと味違うような気がする。
昔は、新宿に近付くにつれ、段々電車が詰まってきて、特急らしからぬとろとろスピードで走るようになるが、この頃は複々線化になっているせいでスムーズに走り、すっーと新宿駅に着くような印象を受ける。さあ到着、のんちゃん、何処にいるかな。

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遠見山から大杉山を歩いてミツマタを眺めた帰り、つい2週間前に来たばかりなのに、再び「肉の佐藤」入店。今回は、もつ焼き鑑定士(隊長)による、もつ焼き品質の抜き打ち立入監査のようなものである。まだ、時計は16時半。この時間だと、客の入りは半分程度。(のんちゃん、アユラシが待っている)新宿での先約があるため、時間限定(ロマンスカーも既に予約済)でさっと呑んで、さっと喰うことにする。
そうなると酒は、速効性のあるシャリ金ホッピーで決まり。もつ焼きの注文は隊長に任せ、下々の我々はポテトサラダ、冷やしトマト、パリパリキャベツ、レバカツ、レバテキ、メンチカツを頼む。隊長は、かしら、しろ、てっぽう等を塩、タレ取り混ぜて発注する。この店は、もつ焼き以外のメニューもバリエーションが広く、かつどれも水準以上に美味いところが魅力。1時間足らずのうちに、しっかり呑んでしっかり喰った。
隊長が云うには、もつ焼きは、大のお気に入りの吉祥寺「かっぱ」には敵わないそうだが、それでも問題なく滞りなく、抜き打ち検査は合格。もうこの店は我々日本支部の御用達と云ってもいいだろう。ところで、本厚木のゆるキャラがあゆコロちゃん(豚のあたまに鮎が載っている)というくらいだから、この界隈には豚を使った料理店は多いはずだ。しかし未だ、この「肉の佐藤」以外で喰ったことがない。そう云えば本厚木で、鮎もシロコロ・ホルモンも未だ試したことが無い。そろそろこの店以外にも目を向けても良いかも知れない。あ”ー、鮎の季節が待ち遠しい。

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ミツマタを鑑賞するため、中川橋から遠見山を経て大杉山へ登った後(山の記録はこちら)、中川温泉に向かってまっしぐら。まだ汗が止まらない状態で「ぶなの湯」到着、昨年9月以来の入湯。ここは、山北町が運営する2つある日帰り温泉のひとつ。我々はもうひとつの「さくらの湯」も贔屓にしている。
脱衣所を抜けて中に入ると、洗い場がかなり狭い印象を受けるが、(後で気が付いたが)露天風呂の脇にも洗い場があるので何とかなっているようだ。それに、今日の入浴客は10名ほどなので全く問題ない。天気が良いと、やっぱり露天風呂が気持ちいい。ここの湯のpHは10.3というから、相当高い。このつるつる感も気持ちいい。
風呂上がりは2階の休憩室へ。かなり広いが、見渡してみても大広間以外、何もない。商売っ気がないせいか、 休憩室が2階にあるのに、ビールは1階にしか売っていない。それも自動販売機のみ。料理やつまみの販売もなし。まあ確かに、長居するわけでもなし、乾きものは誰かのリュックサックの中にたいてい入っているし、さしたる問題ではないが、少々寂しい。
それにあえて云えば、もっと集客力を上げようという気概が感じられない。山北町の福祉の一環と割り切っているのかも知れないが、上手くいけば、町の財政も助かる筈なので、トライする価値はあると思うけど。レストランコーナーがあることで、どれだけ皮算用ができるか知らないが、他の自治体の日帰り温泉の様に、外部へ委託すれば如何だろう。
そもそもいつも思うのだが、入口に職員(まさか町役場の役人じゃないと思うけど)が2~3人、接客のためかぶらぶらしているのがやや気になる。彼らの食い扶持稼ぎだけを考えても、もうちっとアイデアが必要だと思うけど。とは云え、小生にとっては、レストランコーナーで湯上りに良く冷えた生ビールを呑むことができ、それと一緒に頼む肴一品が美味いかどうかが唯一の関心事だ。善処を期待したい。

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今日はもう「百味」で終わりと思って良い調子に呑んでいたら、ほぼ忘れ掛けてた「東家」から電話がかかってきて、「空きましたのでどうぞ、お出で下さい」とのこと。折角掛かってきたことだし、初めての店でもあるから行かない手はない。ほろ酔いでふらふらと移動。所沢駅の南側、繁華街からは外れた、やや閑静な一角に「東家」があった。意外に落ち着いた良い感じの店。靴を脱いで上がるスタイル、いま流行り(?)の古民家風居酒屋である。客層は、さっきの「百味」から較べるべくもなく若い(って云うか、親爺はいない)。そして今流行りの、日本酒がウリの店。
メニューには、ずらりと十数種類の地酒が並んでいる。その中から今回は、常山、十旭日、宗玄、五十嵐、東洋美人を呑んだ。何れも一律グラス一杯500円で楽しめる。なかでも東洋美人は純米大吟醸だったせいもあるが、とても香り高く美味かった。これで500円は悪くない。基本的に、小生はもはや量よりもバリエーション、支払額が同じならば安い酒を大量に呑むよりも、少々高くても少しずつ色々な種類を楽しみたい訳で、そのようなニーズにこの店はマッチしている。
つまみはもう、ぴり辛生キャベツ(300円)、梅水晶(480円)、かしら(190円/本)、てっぽう(190円/本)があれば十分。「梅水晶」は先日行った人形町の魚串さくらさく人形町2号店で気に入った、鮫の軟骨の梅肉和え。またお目にかかるとは、結構ポピュラーになってきているということか。
結果、ひとり2,000円弱で、かなり良い気分になれた。居心地の良さは「百味」に引けを取らない。酒選びの楽しさはこちらの方が上。今後、所沢に途中下車する場合、偶には「百味」ではなく「東家」に来ることになるだろう。

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秩父から所沢へ移動する際、予め調べてあった居酒屋「東家」に電話を入れてみたら、今は満員なので空いたら折り返し電話を入れる、という返事。普通はせいぜい「すみませ~ん、いっぱいで~す、またよろしくお願いしま~す」ぐらいしか云われることはない。ありそうで、なかなか珍しいサービスだ。しかし現実問題として、いつ電話が掛かってくるかわからない訳で、そうなると、掛かって来ないことを前提に当面の店探し、ということになる。
所沢一の繁華街、プロペ通りをうろうろして、空いてそうな店を物色。時間が時間なので、なかなかどこの店もいっぱいである。そこで「困った時の百味」頼みで、試しに行ってみると丁度、テーブル席がひとつ空いていた。テーブル席に座ったのはいつ以来か思い出せない。もしかすると初めてだ。これだけ広い店内がほぼ埋まっている様子はなかなか壮観、でもその中に身を置いても意外に落ち着けるのは、この店の徳(人徳ならぬ店徳?)と云えるかも知れない。
さて、先ずはビールはパスして日本酒から。ここは「ねのひ」を升でいくことにした。いわゆる旨口の酒。つまみは、もし「東家」から呼び出しを受けても大丈夫なように、冷奴、なめこおろし、スティック春巻と、ややあっさりめ。これらを肴にちびちびやる。
今日の山をつらつら思い返す。昨日までは、群生が開花している期待感と共に、群生がどれだけ荒らされているのかも気になっていた。ネットでぐぐると、バスツアーを仕立てて大パーティが群生地を訪れていたそうだ。ツアー会社に対する批判めいた記事もあった。今回、下りてきて思うことは、いくら秘密の花園だからと云って、あんな場所へツアーを企画することは、やや狂気の沙汰のように思える。登りはなんとかなったとしても、下りでは皆、往生するだろう。我々の様に、尾根に抜けて帰るのもなかなか大変だが、そのまま沢を戻るのはもっと大変だ。さぞやツアー客は沢下りに難渋したのではなかろうか。
ともあれ、そんなことがあった割に、今回行ってみて、秘密の花園がさほど荒らされたようには見えなかったのはなによりだった。1年のうちにほんの1、2週間だけ、わざわざ人間が大挙して押し寄せてくるのを、福寿草たちはきっと呆れて見ているに違いない。

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(西武秩父駅前にあるから?)「駅前」という、極めてストレートな名前の店。調べてみると、およそ8年半ぶり(前回はこちら)の入店になる。相変わらず元気なこの親爺店主は、ちょっとユニーク。語り口がとても気さくで、初対面の誰とでも古馴染みだったような雰囲気にさせる特異キャラクターの持ち主である。この店のシステムもメニューも、店主並みに、ちょっと他の店とは変わっている。以前来たときには、せせり(鶏の首肉)やオクラの花を食べさせたり、メロンにブランデーを注いだ飲み物(カクテル?)呑まされたりした。どれも親爺の自慢通り、結構イケる。他に、熊鍋とか鹿刺なんてものもある。
親爺は先ず、来た客に、何時頃帰るつもりなのか、どのくらい呑みたいのか、予算はいくらなのか等々、単刀直入に訊く。今回、我々は「パリー食堂」でちょっと食べた後だし、打ち上げは所沢にするつもりなので、殆ど久しぶりの状況確認のようなもの。料理は一品ぐらいで、酒も一杯だけですぐ出ると返答。すると親爺はモチベーションががくっと下がったようで、もうあれはどうだ、これは美味いぞなんて訊かなくなり、付き出しを食べたらどうだ、と云うところに落ち着く。付き出しと云っても、煮しめなど5種類も出てくるので、結構楽しめる。酒は、武甲正宗をもらう。このちゃん、なおちゃんは熊笹茶で一旦休み。この熊笹茶、天然ものを愛する親爺の自慢らしいが、お世辞でも美味いものではない。
我々の前にはテーブル席にひと組の客だけだったが、あとからあとからドヤドヤと入ってきて(何れも中高年ハイカー集団)、小上がりはいっぱいになった。親爺は、客が背負ってくるリュックサックを邪魔者扱いにしたいようだが、この店にはそんな客しか来ないので、ジレンマに陥っているように見える。できれば普通の観光客が来て欲しいようだ。
折角、久しぶりに入ったので、せせりを注文してみる。上客と認められなかった我々からの追加注文なので、ちょっとまて、と仰る。このちゃんが、乗りたい電車の時間を伝えると、大丈夫だから待ってろ、と胸を叩く。やがてその言葉通り、せせりがやってくる。塩コショウのシンプル味付け、ちょっと弾力があってシコシコして、これはこれで珍味かも知れない。丁度良い時間になったので、また来るよ~、と店を後にした。

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前回、暖簾が出ていたにも拘らず、鍵がかかっていて入れなかったため(生憎、偶々店主は買い物に出かけていたようだ)、今回は事前に電話を入れて用意周到に準備。「クラブ湯」で汗を流した後、勇んでやってきた。でも恐る恐る引き戸を開けてみると、果たして動いた。ありがたや、やっと入店が叶った。外観だけでなく、内装も力一杯レトロである。店主は暇を持て余していたらしく、新聞を読んでいた。さっそく「いらっしゃい」と、お茶を淹れてくれた。折角だけど山帰り風呂上がりなので、当然ビールである。一呼吸置いて、おもむろにビールと餃子を注文する。ビールにはかっぱえびせんが付いてくる。餃子は薄皮で素朴な味わい。やがて湯上り女子デュオも到着。ニラレバ炒めと八宝菜も追加注文。店の雰囲気もさることながら、どちらの料理もノスタルジックである。ビールの後は酒、秩父錦の小瓶で、ニラレバ炒めと八宝菜を肴にちびちびやる。
料理を作り終えて暇になった店主から昔話を聞く。この店の「パリー」という名前は先代が付けたとのことだが、由来までは聞いていなかったらしい。昭和2年の創業当初は、女給を置いた、いわゆるカフェーだったとのこと。かなり賑わっていたようだ。秩父に芸者が100人もいた時代のこと。そんな時代もあったわけだ。そんな当時の賑わいを支えていたのは、武甲山等で採れる石灰岩をベースにしたセメント産業だ。云うなれば、武甲山の現状の痛々しい姿は、かつての賑わいの代償でもあるし、もっと云えば、かつて海の底で形成されたサンゴ礁のお陰で、秩父にセメント産業が生まれたことにもなる。
そう云えば、タクシーの運転手から聞いたのだが、もう秩父には太平洋セメント(旧秩父セメント)の工場は閉鎖され、無くなったらしい。現在も武甲山から採掘している石灰岩は、熊谷にある工場に鉄道輸送しているだけになった。あとは横瀬に三菱マテリアルがあるだけ。秩父の一時代が終わり、また新たな歴史が始まっているのかも知れない。

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大ドッケ近くの福寿草の大群生を見に行ったあと(山の記録はこちら)、浦山の渓流荘前からタクシーで秩父市街の銭湯に直行。ここ「クラブ湯」は、御花畑駅(芝桜駅)に近いので、結構、何度も入らせて貰っている。秩父にはもうひとつ銭湯があるらしい。秩父の中心街にはレトロな店も多いが、この「クラブ湯」は昭和12年創業と云うから、比較的新顔の部類ではなかろうか。
男湯の入口をはいると右側に番台。番台には誰もおらず、「すみませ~ん」と呼びかけると、ご主人は女風呂側にいた。ふと貼紙をみると、430円が370円に料金値下げされていた。銭湯の料金が値下げされるなんて聞いたことが無い。なんでだろう。ともあれ、安いことには不満は無い。有難く入湯。まだ午後2時過ぎ、男湯の先客は二人だけ。湯船は2つに分かれていて、片側で3人くらいが精一杯の小さなものだが、そのように繁盛している状況に巡り会ったことは無い。ここは通常、比較的湯温が熱いが、今日は先客が温好きなのか、小生にとっても丁度良い湯加減になっていた。でも、だからと云って長湯はしない。さっさと洗って、ちょこっと浸かったらおしまい。
着替えとパッキングを済ませ、お世話様でした~、と出ようとすると、「お連れさんたちは未だ入ってますよ」と、女将さんに優しく声を掛けられる。予め、待ち合わせ場所は決めてありますので、と答え湯屋を後にした。
あとで気が付いたことだが、御花畑駅前の「はなゆう」という立ち食い蕎麦店の壁に、「クラブ湯」の広告が貼ってあった。積極的な営業活動をしているという感じでもないが、蕎麦屋にとっても、湯上りにこの店に戻ってビールを呑んで下さい、蕎麦も喰って下さいという効果を期待しているようにも見える。勿論、我々にとっては蕎麦屋と風呂屋の共存共栄は望むところなので、「はなゆう」の姿勢には好感がもてる。惜しいのは、蕎麦やうどん、みそポテトだけで、酒の肴が置いてないこと。そこんとこ、大事なので、宜しくお願いしたい。

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「丸辰有澤商店」を出た後、「河米伊藤商店」に移動。この2つの酒店は近いので、ハシゴするにはもってこいだ。「河米伊藤商店」に着いたはずが、一瞬、あれ、閉まっている?と思ったら、角を回り込んでみるとちゃんと電気が点いていた。お客もそこそこ入っている。
ここは結構、角打ちスペースが広く、ゆったりしている。内装もまったく飾り気が無い。たいてい、昼間は普通に酒店の倉庫、夜は角打ちというケースが多いと思うが、ここは最初っから半分が酒屋(というか田舎のよろずや的店構え)で、残り半分が角打ちに合わせたような店内配置という感じがする。昼間は弁当を売っているとのこと。何か昔懐かしい風情が漂っている。 
この店のシステムは、ショーケースにある酒や乾きもの等をレジに持っていて支払いする方式。つまり、コンビニと基本同じ。もうビールは止めにして、日本酒。カップ酒は「寒山水 純米吟醸」という、福岡・八女の酒。すっきりキレがあるが、口当たりが良い。その後は、青森の酒「作田 特別純米」。こちらもキレがあって爽やかだ。
この店の特徴としては、呑める日本酒の種類はそれほど多くないが、その代わりに肴が普通の角打ちにはないものがある。例えば、鯖塩焼きとかはたはた干物焼きとか、注文を受けてから焼いてくれるところがありがたい。他のテーブルで注文しているものの良い香りが伝わってきて、ついつい注文してしまうことにもなるだろう。実際、隣りのテーブルでなにやら美味そうなのを喰っているな、と見ると、なんとオムレツだ。それも、朝食に出てくるようなプレーンではない。こっちにもお願いと追加注文。食べてみると、具沢山で美味い。出汁巻き卵も良いが、このようなオムレツも酒に合う。
支払いは、しめてひとり1,000円強ってところ。ということで、2件ハシゴしても合計約2,500円。時間と懐に余裕が無い時には、角打ちはうってつけと云えるだろう。

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アユラシご所望により、赤羽橋で角打ちツアー。和尚もやってくることになったので、プチ同窓会でもある。
先ず行ってみたのは、赤羽橋駅に近い「㈱丸辰 有澤商店」。辺りに他の商店が無いので、煌々と灯りが付いていて直ぐ分る。入ってみると、まったく普通の酒屋。よく見ると奥が倉庫。そこに酒瓶ケース製簡易テーブルが7~8台設えてあって、角打ち場になっている。その一角で、アユラシが既にやっていた。小生の後から次々と客が現れ、和尚が遅れてやってきた頃には満員状態となった。ほぼ全て男性さらりーまん。我々以外にも、この店は初めてという客がいたようである。倉庫スペースは、ビニルシートのカーテンで外気とは一応仕切られているので、コートを着るほどではない。ちなみにここは、店内撮影はご法度となっている。
ここの支払いシステムは、角打ちにしてはちょっと変わっている。缶ビールなどの飲み物は、勝手にショーケースから持ち出して、金を支払うことなく、テーブルで飲み始めることになる。日本酒は、申告すると、店員が一升瓶を持ってやって来て、コップに注いで飲ませてくれる。つまり、普通の居酒屋と同様、会計は後回しなのだった。
つまみも同じ。肴は基本的に缶詰、レトルトパック、乾きものが主体。店員へのことわり無しで、勝手に棚から持ち出し、食べていい。最後に店員が、食べ終わった空袋や空缶をカウントして会計する仕組みだ。従って、うっかり空袋を何処かに捨てちゃうと、ネコババになってしまうので要注意。
ちょっと判り難いのは、日本酒の注文だった。表のショーケースにずらりと並んだ酒はどれでも呑めるのかと勘違いしてしまうが(先日の折原商店がそうだったので)、これは通常の店頭販売用のもので、角打ち用ではない。角打ちで飲める日本酒は数種類、角打ちスペースに掲げられている黒板に書いてある。
だいたいビールの他に、酒を2本(杯)程度呑み、つまみもひとり2~3品ずつぐらい食べて、ほぼ1時間滞在。結局、ひとり1,500円弱だった。さすがリーズナブルである。さて次へ行こう。 

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森下からふらふら歩き出し、辿り着いたのは門前仲町。何の気なしに裏道を入ってみると、北千住では馴染みのBistro2538の支店があった。寄ってみたい気もしたが、流石にこの時間では未だやっていない。折角なので、深川不動と富岡八幡宮に行ってみる。これまでは、会社帰りに途中下車して寄った(=呑み屋に行った)くらいで、日曜日に来るのは初めて。深川不動尊の広場には、着物姿のお姐さん方が円陣を組んでいた。何の寄合だろう。
深川不動尊の参道をふらふら歩いていて、ふと目をやると、角打ち店があった。「折原商店」との看板。店の前にはみ出たテーブルで若者達が盛り上がっている。偶然とは云え、ここで角打ち店に巡り会えるとはまさに僥倖。ここは、朝の10時半からやっているし年中無休、しかも日本酒の種類は実に豊富。
勝手にショーケースから一升瓶を取り出し、レジに持って行って支払い。瓶はまたセルフでショーケースに戻すのがしきたり。「閃 特別純米 生原酒」を飲むことにした。さて、つまみは、と・・・。残念ながら、ベンチマークのポテトサラダは品切れ。代わりに鴨スモークハムを頼む。なかなか美味い。駄菓子コーナーもあって、子供の頃喰ったお菓子を肴に、酒を飲むこともできる。
ふと気が付いたのだが、ジャンパー+ジーパン+スニーカー姿で長い白髪を無造作に束ねた中年の女性が、我々とほぼ同時に入店し、きゅーっと一杯日本酒を呑んでさっと帰って行った。ふ~む、江戸っ子を地でいくカッコよさである。それにひきかえ、我々が来る前から既にいい調子だった若者たちは、 何処かの宴席であるような、来賓のつまらないスピーチの如く、我々が帰る時も、うだうだだらだら呑み続けていた。別に良い悪いの問題ではないが、どちらが粋かは一目瞭然である。角打ちの長居は見苦しい、という良い手本を示してもらった。
それはともかく、ここは角打ちとしては、個人的にこれまでで最強の店ではないかと思う。なんとこの店、シンガポールにも支店があるらしい。シンガポールで日本酒の立呑みがしたくなったら是非どうぞ。

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折原商店のHP: こちら 

昼食後は、江東区森下文化センター内にある「田河水泡のらくろ館」に行ってみる。これはもう我々にとっては二世代以上前の漫画だが、キャラクターのゆるさが、今の時代でも受けるかも知れない。その後は清澄庭園を散策。大きな池には様々な水鳥が何羽も羽を休めているが、どれが何なのかさっぱり判らない。
その南側にある重厚な深川図書館を見学したあと、通りの反対側になかなか小洒落た外観の店があった。ビールでもあるかなと思って入ったら、珈琲専門店だった。じゃあ珈琲でも飲むか。
せっかくだから馴染みのない豆にしようと、メニューを睨み、エルサルバドルを注文。たぶん、初めて飲むはずだ。暫くして紙カップに入った珈琲が出てくる。香りはそれ程強くないが、酸味が殊のほか強い。グアテマラに近い感じか。中米で隣同志の国なのでさも有りなん。
お隣の席では、女性二人連れ(ママ友?)客が、子供の高校受験話でたいそう盛り上がっていて、嫌でも耳に入ってくる(って云うか、店内中で聞こえそう)。やれ、都立を選ぶべきだの、国立という選択肢もある、だの。そのうち、店員(店主?)とも話を始める。曰く、この店の珈琲は誰が入れたかどうかまで判る、とドヤ顔。随分とこの店に投資してきたと見える。
ま、それはともかく、思いがけず、クオリティの高いコーヒーを飲むことができた。ちょっと量が多いので、飲み干すのにやや堪えるが、珈琲好きにはたまらないのだろう。でも小生の場合、ちょっと量が多いのはビールだったら大歓迎である。

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ARISE COFFEEのHP: こちら 

今週は下町ぶらり旅。森下駅からスタート。それほど寒くもなく、勿論、暑くもないので散歩日和。先ず目指すのは昼飯処。今回は、カミさんが探してきた深川めしにした。ここ「みや古」は、大正13年(1924年)の創業とのこと、建物自体は鉄筋コンクリート造りとなっているが、上手に、内装は昭和の風情そのものになっていて、良い味出している。「割烹」なんて書いてあるが、そんなに肩肘を張る雰囲気ではない。
靴を脱いで通された処は、ざっと五十人ぐらいは入れる大部屋。既に八人連れの中年女子がランチ女子会の真っ最中。他にも友達同士、家族連れ、若い恋人同士、などが来ている。それでも女性客が多いのは、やはりご飯がメインの店だからか。
ここは、昼から夜まで通して営業している有難い店である。メニュー見ても、酒の肴がかなり充実している。実に良い。先ずビールを頼むと、付き出しに、のれそれ(穴子の稚魚)の酢の物が出てくる。やっぱり、場末の酒場とはちょっと違う。料理は、ふき味噌と、穴子玉子とじ、そして深川めしのてんぷらセットを一人前だけ注文した。各一人前ずつ米を食べるとなると、酒が呑めなくなる恐れがあるからだ(でも昼間なので、もちろん抑えめではある)。
ふき味噌は、こんぶの香りが程良く利いていて、こりゃ日本酒を頼むしかない、じゃあ菊正宗をひやで、となる。穴子玉子とじは、普通に美味い。深川めしは、アサリの旨味と香りがごはんにしっかり染み込んでいて極めて美味い。これだけで十分、酒の肴になる。うな重の場合だと、逸る気持ちを抑えることがなかなか難しいが、ここの深川めしは一口ずつ噛みしめ、ゆっくり酒が呑める。これは新しい発見だ。これならば、女のランチ会で賑わう店であっても、それに交じって酒呑み親爺もゆっくりできるわけだ。下町には、こういう店がまだ結構残っているようなので、これから先も楽しみである。さしあたり、次にこの店へ来るときは、(鬼平犯科帳の中で長谷川平蔵が好んでいたと云う)深川鍋を喰ってみたい。

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本厚木からの帰り道、新宿駅乗り換えのついでにもう1軒行ってみた。行くあてがあった訳ではないが、歩いているうちに、久しぶりに覗いてみたい、とある店が思い浮かんだ。それがここ「つるかめ食堂」。かれこれ20年ぐらい、来ていなかったと思う。名前は食堂だが、実態はほぼ居酒屋。勿論、食事だけの客もいるはずだが、小生は酒なしでここに来たことは無い。かつてションベン横丁と云われていた、思い出横丁のほぼ真ん中にある。
10数年前の火災のあと、再開発される恐れがあったが、それは免れ、細い路地の風情は、以前とさほど変わったようには感じない。でも、この店は以前、コの字型のカウンタースタイルだった筈が、いつのまにかリニューアルされていた。少々Deep感が無くなったようにも見える。それに、かつてはひとり客が多い感じで、女性客なんてほぼ皆無だった。店も人も時代に押し流され変化している。でもリニューアルされても、掘立小屋のような、仮設的雰囲気はそのままかも知れない。それはちょっぴり嬉しい。
内装はすっかり変わっても、この店独特のオリジナル料理は健在だ。例えば「バカでアホでフラメンキン」(牛肉のガーリック味天ぷら)。こんな長いタイトルだったかな。でも、スペイン語でバカ(vaca)=牛肉、アホ(ajo)=にんにく、フラメンキン(flamenquin)=巻き牛肉フライ、という意味になっているらしいので、強ち的外れではない。つまり、ネーミングはちょっと変でも、それにこんなDeep居酒屋なのに、これは立派にスペイン田舎料理なのだ。
「バカコンポジャ」(牛すじをササミで挟んだフライ)ってのもある。こんな名前だったっけ。これも英訳するとBeef with Chickenという感じだろうか。それにしても、20年も経つとすっかり記憶が曖昧になっている。
「ソイ丼」はたぶん記憶通り。大豆のカレー煮、というところだろうか。近くの席の客が喰っているソイ丼、美味そうだ。フラメンキンにしようかと思ったが、ソイでいってみるか。でもご飯はいらない。そこで、ソイのあたま(ソイ丼の具だけ)を注文する。これはこれで、酒の肴になる。
他にも結構、メニューは豊富であるが、今日はもう十分。またの機会に確認してみたい。払いを済ませ外に出ると、結構、外国人観光客が行きかっている。いつのまにか、ここはもう観光地なのだ。心なしか、さらにDeep感が少なくなったような気がした。

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「七沢荘」で汗を流した後、路線バスで本厚木に戻り、またまた「肉の佐藤」に4人で入店(多忙このちゃんと、息子さんが帰国するひろちゃんとは、本厚木駅前で泣き別れ)。今日は到着が午後5時と、いつもより遅いせいか、ほぼ満席状態だったが、上手い具合に4人掛けテーブル席ひとつが空いていた。
本厚木に来ると、このところ、ここばかり入っている。他の店のリサーチ情報も入手済みなのだが、今日はうっかりスマホを家に忘れてきたせいで、ほぼ必然的にまた来てしまった。でもこの店は、どのメニューもポイントが高く、期待を裏切られることが無い。もつ焼き好きには勿論だが、そうでない客にも十分楽しめる品揃え(幼児だってOK!)。人気が高いのは頷ける。
飲み物は、シャリ金ホッピー黒(450円、外税、以下同様)を注文。その後はハイボール。他の方々はチューハイやウーロンハイ、ゆずサワーなど。とにかく早くイッちゃいたいか、キンキンに冷えたホッピーを呑みたい方には、シャリ金はお薦めである。
肴には先ず焼きものから。かしら、タン、シロ、テッポウを頼む。何れも1本80円。他に、豚バラ串(140円/本)、つくね(150円)、馬肉ユッケ(580円)、ハムカツ(100円/本)、レバー唐揚げ(300円)、モツ煮(300円)、パリパリキャベツ(200円)、ポテトサラダ(280円)、浅漬けサラダ(280円)を注文。
ここのポテトサラダは相変わらず具沢山。前回よりももっとスパイシーに感じる。レバー唐揚げもパリッとしていないが、ジューシー。 このところ、鹿肉や、まぐろの竜田揚げを喰う機会が多いが、どれもこれもパリッとしていない。これがこの頃のトレンドなのか。定番のしろ、てっぽう、かしらは申し分なく美味い。
本厚木ではこの店の存在が大きすぎて、他の店を開拓する気力がなかなか起きないのがやや困りものだが、それはそれ、また来たくなったら来ればいいのだ。とにかく、またきっと直ぐ来るだろう。

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