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世界初、多様性を祝う「メタバース・マラソン」

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社会生活のあらゆる場面において、障害を持っている人々はどれほどの疎外感を感じて生きているだろうか。

障害を理由にさまざまな行事や活動に参加ができない、はじめから諦めなければならない、そんな経験を幾度となく繰り返してきた人もいるかもしれない。

2022年4月末、デオドラント企業の「Degree(以下、ディグリー)」は、障がいのある人々にとって、これまで「できない」と諦めていたことを「できる」に変換する、そんな体験を実現させた。ディグリーは、メタバース(仮想空間)プラットフォームにて、仮想空間の多様性と包括性を推進するマラソン大会「Metathon™(以下、メタソン)」を開催。

ディグリーはメタソンの開催によって、すべての立場の人に「もっと動いてみよう」という自信を持たせると提言し、利用できるアバターの種類を増やした。通常のランニングウェアに加え、車椅子や義肢装具の装着を可能にし、参加者は自身の身体に最もフィットしたアバターを作成することができるようにしたのだ。これにより、誰もがありのままの自分自身でマラソンに参加するという身体経験を得られることを目指した。

メタバースは、物理的な制限や社会的な固定観念のない新しい世界として誕生したが、広告大手Wunderman Thompsonが発表したレポートによると、実際は利用者の60%が仮想世界には包括性が欠けていると感じているという。自分の分身であるアバターに、実際自分が持っている障害やLGBTQ+などの特徴が反映されないことで、自分のアイデンティティが見出だせず、ストレスを感じるという(※)

移動することにハードルを感じている人々にとって、現地に直接赴かずとも、自身と同じ姿で行事に参加できることは、出来ることの数を大幅に増やし、これまで感じてきた疎外感を軽減するだろう。また、さまざまな立場の人々と同じ空間で体験をともにすることは、すべての人が自分とは違う他者への想像力を働かせるきっかけになるに違いない。

メタソンは、メタバースプラットフォーム「Decentraland(ディセントランド)」と、レコーディングアーティストのファット・ジョー氏、パラリンピックアスリートであるブレイク・リーパー氏と共同で開催された。

ブレイク・リーパー氏は「バーチャルな世界で、車椅子や義肢を使って走る人たちを見せることは、障害のある人がこの体験に歓迎されていると感じ、最終的には社会の一員であるとの意識を高めると思います」と、述べている。

ディグリーは今後もこの事業を拡大し、障害、人種、ジェンダーに関する追加の専門家と提携し、誰もがメタバースの参加者として表現される姿を見られるよう、視覚障害者のための音声解説の追加や、アバター作成時にノンバイナリーの設定を可能にするなど、包括的な変更をしていく予定だ。

バーチャルな世界の中で、普段は出会うことのできない他者と交流する。それは現実世界でも多様な身体や人種、言語や思想を寛容に受け入れられる社会へと繋がるだろう。今後もメタバースのさらなる変化に注目していきたい。

Companies entering the metaverse are paving a path for representation and inclusion in uncharted metaterritory.
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【参照サイト】Degree
【参照サイト】Decentraland

Edited by Erika Tomiyama

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