iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

iCHi's diary~本は読みたし、はかどらず~

主に読書録。読み終えた本がこのまま砂のように忘却の彼方に忘れ去られるのが申し訳ないので、書き留める。要は忘れっぽい読者の読書日記。

「マッチング」悪意の塊とマッチングしちゃうこともある

初読みの作家、内田英治の「マッチング」を読んだ。 どうやら本職は映画監督らしく、草薙くんが主演した映画「MIDNIGHT SWAN」などのメガホンをとっている人だそうだ。 今回読んだ「マッチング」も何なら今年上映されたばかりだそう。 (そして現在はアマゾ…

「神と王」王が神になれば良いのか?

浅葉なつの「神と王」を読んだ。 初読みの作家さんだが、表紙のかっこよさと「古事記にインスピレーションを得て」というキーワードに引かれて読んでみた。 壮大なタイトルに負けぬファンタジー小説だった。 あまりファンタジーを読まない質なのでのめり込む…

「ボロ家の春秋」要するに仲良しなの?

梅崎春生の「ボロ家の春秋」を読んだ。 第32回直木賞したこの小説は1954年発表なので、かれこれ70年!も前の小説だ。 ある夫婦に騙されて互いに見知らぬ二人の男が奇妙な共同生活を送る様子を描いているのだが、仲良くないというか、むしろ憎みあっさえいる…

「警視庁監察官Q 」和菓子に詳しくなれる

鈴峯紅也の「警視庁監察官Q 」を読んだ。 アイスクイーンと呼ばれるキャリア監察官「小田垣観月」のスーパーウーマンプリを堪能する小説。 幼いころの事故により、超記憶能力を手に入れた観月。ただし、引き換えにすべての感情を失ってしまう。 笑わなければ…

「ナポレオン狂」これぞブラック

阿刀田高の「ナポレオン狂」を読んだ。 久しぶりだ。ついついこの方は・・・と調べてしまう。御歳89歳とのと事。 高校大学と一番乱読していた頃の作者がどんどん星になる昨今、やっぱりご存命だと嬉しいものだ。 さて、このナポレオン狂は1979年の直木賞受賞…

「実は、拙者は。」影の薄さも1つの才能

白蔵 盈太の「実は、拙者は。」を読んだ 初読みの作家さんだが、楽しい読書だった。 八五郎は目立たないことが唯一の取り柄の町人。 目立たないというか、影が薄すぎて剣の達人ですら尾行に気づかないほどだ。 あまりにも目立たないため、そんなつもりもない…

「民王」漢字が読めなくても正しいことがわかってれば良い!

池井戸潤の民王を読んだ。 ドラマをチラチラ見てたので、読みながら脳内キャストは遠藤憲一と菅田将暉だ。 あらすじを言うと、「俺があいつであいつが俺で」の物語。総理大臣の父親と大学生の息子の心が入れ替わってしまうのだ。 しかも、これは計画的なテロ…