(2022-01-16 初稿 - )
はじめに
以前にRaspberry PiのOSをBusterからBullseyeにアップグレードする記事をアップしたが、その記事の場合は別のSDカードを用意して新たにBullseyeをインストールして、Busterで実現していた機能をできるようにした。
今回は、X環境がないサーバとして用いていたRaspberry Pi 3B+を、aptでアップグレードしようとして苦労した話をアップする。
実際にやってみて、Raspberry Piの公式ページに従ってクリーンインストールでBullseyeにアップグレードした方が明らかに苦労なく移行できるので、どうしても現状のBusterをアップグレードしなければならない理由が無い限り、以降の記述はまねしない方が良いと思われる。
ということで、このページは、あくまでも筆者のメモとして残す。
aptラインの編集
aptラインを編集する前に、Busterを全て最新版にアップグレードする。
sudo apt update ; sudo apt upgrade
続いて、aptラインを以下のとおり編集する。なお、64bit版は別のaptラインになるので注意。
$ sudo vi /etc/apt/sources.list deb http://raspbian.raspberrypi.org/raspbian/ bullseye main contrib non-free rpi $ sudo vi /etc/apt/soursed.list.d/raspi.list deb http://archive.raspberrypi.org/debian/ bullseye main
アップグレード
アップグレードは、Debianのマニュアルにあるように以下を順に行う。
$ sudo apt update $ sudo apt upgrade --without-new-pkgs $ sudo apt full-upgrade
途中いくつか質問があるが、基本的にデフォルト(エンターキー)を入力すれば良い。
再起動後の設定
アップグレードまでは順調だったが、再起動後が地獄のようだった。(-_-;)
その原因は、以下の3点が主なもの。
- Locationが日本に設定されていなくて、キーボードが英語モードだったこと
- X環境がないため、文字化けしたメッセージを見ながら、CLIコマンドをキーボードで入力しなければならなかったこと
- ネットワークが使えないこと
ネットワークの設定
ネットワークの復帰
まずは、ネットワークを使えるようにして、SSHでログインし設定できるようにすることを優先した。
何度か再起動してしているうちに、ログインする前から以下のメッセージが表示されるようになった。
Failed DHCP Clients Daemon
上記エラーメッセージを検索すると以下のサイトがヒット。多謝。
筆者は一応バックアップをとってから、設定を変更した。
$ sudo cp /etc/systemd/system/dhcpcd.service.d/wait.conf /etc/systemd/system/dhcpcd.service.d/wait.conf.bak $ sudo vi /etc/systemd/system/dhcpcd.service.d/wait.conf [Service] ExecStart= ExecStart=/usr/lib/dhcpcd5/dhcpcd -q -w (変更前) ExecStart=/usr/sbin/dhcpcd -q -w (変更後)
上記変更後、再起動するとなんとかネットワークに接続できるようになった。喜んで他のPCからSSHで接続を試みるが接続できない。(-_-;)
IPアドレスの固定化
ネットワークは復帰したものの、他のPCからはSSH接続ができない原因は、IPアドレスが以前と異なっていたためだった。
Bullseyeからは、NetworkManagerがネットワーク管理をするようで、Debianの公式ページにCLIの場合のネットワークの固定方法の記述があったので、そのとおり実施した。
具体的には "/etc/systemd/network/static.network" を作成する。
[Match] Name=en* [Network] Address=192.168.0.15/24 Gateway=192.168.0.1
IPアドレスは、ネットワーク環境に応じて適宜修正を。
上記を修正し再起動することによって、IPアドレスの固定化ができ、他のPCからSSH接続して設定できるようになった。
おわりに
その他設定で大きなものはなかったが、日本語localeの設定やタイムゾーンを日本に変更することにより、ようやく通常の利用ができるようになった。
冒頭に書いたように、よほどの理由が無い限り明らかにクリーンインストールして設定を行った方が効率的である。
それでも、いろいろなエラー対策が皆さんの参考になれば幸いである。