- 作者: 本の雑誌編集部,中村規
- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2018/02/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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京極夏彦や成毛眞、日下三蔵やら祖父江慎やら(全般的に敬称略)趣味も仕事領域も専門ジャンルも異なる人々の本棚の中には、雑然としているものもあれば整然としているものもあり(整然としているものの方が多いが)、きちんと書庫に収めている人もいれば生活空間を圧迫しまくって家に本を置いているというか、ヘンゼルとグレーテルのおかしで出来た家みたいに、本で出来た家に住んでいるみたいな人もいる。
その管理方法も人様々で、そりゃあ観ていると楽しい。みんな最低でも数千冊所持、上は十何万まであって、ほぼ図書館のようなものである。本棚写真はフルカラーで収録されており、各人の絶景本棚写真の末尾にはそれぞれ編集部がお邪魔した時の簡単な紹介文が載っている。写真だけみていってもずいぶんと楽しいが、この文章もまた楽しい。「日本最大級の魔窟にして秘境」というあまりにもあんまりなキャッチコピーをつけられた、足の踏み場もないほど部屋いっぱいに敷き詰められた本(もはや本棚ですらない)日下三蔵さんの本棚の文章からはイカレ具合がよく伝わってくる。
とにかく膨大な量のソフトに囲まれていて、生活空間は仕事スペース、寝床を合わせてもおそらく一畳程度だろう。「おそらく」というのはどの部屋も中に入ることはできず、隙間から覗き込むくらいしか、確認するすべがないからだ。つまり、自宅一階部分の四部屋すべてと3LDKのマンションすべての「すべて」は文字通りすべてであり、本とCD、DVDの前では本人ですら犠牲になっているのである。これを魔窟と呼ばずして何と呼ぼう。
本棚の素晴らしいところは観ていて楽しいだけではなく何を並んでいるのかと確認する楽しさがあるところである。34名の本棚はみなそれぞれ違ったジャンル・領域をカバーしており、洋書から辞書、夏目漱石にタレント本にグッズまで、「おお、これはなんだ!」とか「こんなところにあの本が!」と観る楽しさも半端ない。まあ、とにかくそういう本なので特に追加で説明することもないのだけれども。
余談
ちなみに僕は単純に家が狭いのとコレクターというわけでもないので、本は読んだらすぐに捨ててしまう、また書評などで必要になったら買い直して、使い終わったらまた捨てるというスタイルをとっているので本棚にはろくに本が入っていない。たぶん今うちにある本は100冊もないだろうが、画像がないのも寂しいので最後にうちの本棚を貼っつけて終わりにしたい。ぜんぜん絶景じゃないのがアレだが……。