2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧 - 基本読書

基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

理系の子―高校生科学オリンピックの青春

いやーこれはちょう面白かった。高校生科学オリンピックと副題についているけれど、その実際はインテル国際学生科学フェア(ISEF)に集った高校生たちの話だ。毎年五十カ国以上から千五百人以上の高校生が集まって四百万ドルを超える賞金と奨学金がふるまわれ…

僕は君たちに武器を配りたい

これは結構いい本だなあ。言っていることはとても筋が通っていて、論理を追っていきやすい。半分ぐらいは退屈な事例の列挙でそこは大変つまらないしありきたりな話にうつってしまうが。それでも面白いのはいくつか斬新な視点があるからだし、何よりここに書…

ケイ素生物は存在不可能なのか?

『スプーンと元素周期表: 「最も簡潔な人類史」への手引き』という本を読んでいるのですがこれがおもしろい! 化学なんてわけのわからない、面倒くさい暗記科目としか思っていなかった高校時代の自分に読ませてあげたい、素記号が意味を持って生き生きとして…

幸福の計算式 結婚初年度の「幸福」の値段は2500万円!?

「幸福」に値段がつけられるのだろうか。普通に考えたら無理だ。僕はあまりお菓子を食べない。そんな僕がお腹がどうしようもなく減ってしょうがなく食べたポテトチップスとポテトチップスが好きで好きで仕方がない人が食べた時の幸福は当然違ってくる。普通…

なれる!SE

ライトノベル。7巻ぐらいまで出ていて、漫画化もされている今の売れ線と言える。中高生向けの学園が舞台のハーレム物がひしめくライトノベル界の中で社会人物、しかもSEとくればけっこうイレギュラーな作品だ。イレギュラーな作品にはまだ少し興味があるの…

ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること

タイトルはかなり挑発的だが、だいたい合っている。挑発的な内容なのだ。なにしろテクノロジーが進みすぎた世界で、人は機械に近づき人間性──思索と考察、認識や思考、感情を失っていくかもしれないというのだから。インターネットを飛び回っていると情報は…

グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ

10冊ぐらいグーグル関連本を読んだが、これはその中でも一番おもしろい。文章がうまいし、何よりどの本よりもグーグルに近い。実際に社の中に入り込んで、社員と行動を共にし、会議や懇談会に立会い核となる三人への度重なるインタビューを行えるのは著者…

なぜ数学は人を幸せな気持ちにさせるのか

僕は数学への憧れが強いようだ。数学本で面白そうなものがあると読めそうになくても買ってしまう。結局読めないでそのまま本棚に放置されることも多い。でも本書のように読めて、しかも数学への憧れを増長させるような優れた本があるから、学習しきれずに読…

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義

それ程内容が詰まった本でもないが、簡単な現状把握として読むと大変楽しい。何に対しての現状把握かというと当然インターネットのことだ。『閉じこもるインターネット』というタイトルはなかなかよく現状を表している。かつて「開かれている」ものとしてあ…

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女

いやあ驚いた。面白い面白い。止まらずに最後まで読んでしまった。誕生日プレゼントにもらった本作ですけど充分楽しませてもらいました。ありがとうございます。あらすじ 月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を発表…

SFの役割??

長山靖生『戦後SF事件史』:なんだ、ぼくが一回も出てこない事件史なの? - 山形浩生 の「経済のトリセツ」 Formerly supported by WindowsLiveJournalすごいタイトルで笑ってしまったが内容にはまあ同意。大震災が起こった今こそSFの役割が云々というのは僕…

いま集合的無意識を、

神林長平は僕にとってあらゆる意味で特別な作家である。最も好きな作家であり、大なり小なり人生に影響を受けてきた。大学生の時雑誌をつくろうとしており、その際に教授へのインタビューなどを行なっていたことがあるが、その時の質問に「人生に影響を与え…

インターネット検閲は実際どの程度行われているのか?

先日読んでここにも感想を書いた『政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること』ではこんな記述がありました。僕の書いた記事からざっくり引用→政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること - 基本…

政府は必ず嘘をつく アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること

何がいいたいのかよくわからない本だった。政府が嘘をついていると言いたいのはわかったけれど、そんなこと当たり前じゃないか。誰もが嘘をついていることが明らかになりつつある時代なのだ。むしろ「政府は嘘をついている」と我々が感じ取れるようになった…

相田家のグッドバイ

森博嗣先生の新刊。家族をテーマのひとつとしているように読める。それもエピソードの多くは、過去の日記などで読んだことのある内容で自伝的な要素もあるのだろう。良い小説だった。静かにすべてが進行していくのだけど、その静かさが心地よい。一方で淡々…