2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧
連作短編集。野尻さんの短編は大好物なのだけどお目にかかる機会が少ないのでこうしてちゃんと本が手元にきて読めるのはたいへん嬉しい。ニコニコ動画と初音ミクという趣味どまんなかの題材だからこそ封印を破って書けたのかもしれない。いや、そもそも封印…
最近重たい本ばかり読んでいたので、適当に新書で軽そうな本を選んで読んでみた。宇宙飛行士の毛利さんの書いたユニバソロジという独自の考え方の紹介。概略は二度の宇宙飛行を経て、宇宙から地球を見ることによって変わった生命観、地球観、宇宙観のまとめ…
『偶然』をテーマにした本だとたとえば『たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する』はかなり面白かった。ほとんどの人が自分が成功した場合に「成功したのは自分の能力が高かったからだし自分のやり方が正しかったからだ」と思うが、しかし本当に能力によって…
本書は正義のアイデアという題名が示すとおり正義とは何かといったことを着想として示している。着想なので当然「正義が真っ当に志向された社会とはこのようなものである」という理論が提示されたりはしない。たとえば功利主義的に社会の良さは個人の幸福の…
ハードカバーで出た時に結構な評価を受けていたこの『銃・病原菌・鉄』だけど、文庫になったので読んでみた。「なぜ?」という問いは最初は何気ない問いで、すぐに答えられそうなものあっても深く問い続けていくと誰も知らない領域にまで踏み込んでいくもの…
漫画。著者は道満晴明さんというらしい。初めて聞いた名前。この作品は一遍8Pのショートショート集。もうここ最近は何十巻といった漫画を読む気力が完全になくなっている。完結しているならともかくほとんどの作品は完結していないしいつ完結するのかもわか…
題名はご立派で読み通すのに時間がかかりそうに思えるかもしれない。しかし中身はバンド・デシネ。ベルギー・フランスを中心にして広まっている漫画をそういうらしい。初めて知った。だから気軽に読める。ニーチェについてちょっとかっこつけて語りたいなら…
これはだいぶ有名になった本で今更僕などがオススメする必要はないのだけどせっかく読んだから何か書いておこう。本書にはタイトルとして「経済学」とついているが経済的な知識はほとんど出てこない。たとえばデフレがどうしたとか日本経済の行方とか大恐慌…
まとまっていないのでぐだぐだと適当に書いていくけれどすこぶる面白かった。円城塔さんはいくつものテーマを常に並行させて各作品を書いているのではないかと想像していて、たとえばそれは「何度でも読める本は書けるのか」っていうテーマだったりすると思…
多くの人が自分の人生のショートカットを試みているような気がしている。たとえば大学に合格する為の効率の良い勉強法を求める。効率よく気楽に、ストレスなく痩せる方法を求める。しかし最も効果があって実際に効率が良く効果があがるのは「自由な時間を限…
造形家である木根原の娘・理沙は、九年前に海辺で溺れてから深昏睡状態にある。「五番めは?」―彼を追いかけてくる幻聴と、モーツァルトの楽曲。高速道路ではありえない津波に遭遇し、各所で七本肢の巨大蜘蛛が目撃されているとも知る。担当医師の龍神は、理…