2010-01-01から1年間の記事一覧
タイトルそのままの内容。〇年代ベスト短編集。二冊出ていて、いちおうこちらが二冊目。『ぼくの、マシン』が一冊目だが、既読率が高すぎたので先にこちらを読む。内容的には少し不思議系のSFが集められている。短編自体の優劣を競うというよりかは、作家の…
テロや地震などの災害等、人の生死がかかった瞬間に、生き残れる人達はどんな能力を持っていて、生き残れなかった人は「何故」生き残ることができなかったのかを多くの被災者、テロ被害者へのインタビューを通じて考えていく一冊。生の体験者たちの声はナマ…
24日に出すとはまた粋なクリスマスプレゼントと言える。西尾維新で『傾物語』。修羅場中に書かれたらしく「100%修羅で書かれた小説です…。」というシールが貼ってあるけれど、「趣味100%で始まった時を思えば随分遠くまできてしまったなあ」と思わざるをえ…
STS(科学技術社会論)という単語を本書で初めてきいたわけですが、どうやら本書はそのSTSについての入門書、という位置づけのようです。STSとはサイエンスの不確実性や、優れたテクノロジーが持たざるを得ない政治性、そういった「社会との軋轢」…
好きだなあこういうの。冗長といえば冗長な作品。お話の構造自体は単純で批評家的な読み方をすると凄く無駄が多く見えるところが読む人を選んでしまいそうだが、しかし様々な人物が織りなすちょっとした物語が太い幹に繋がっていく快感、登場人物から時代背…
議論をするならば事前に読んでおいて損はない一冊。『驚異の百科事典男』には、百科事典を読みまくったのち、ディベートでもいい線いけるだろうとテレビに出たら全くまともな反論が出来ずに恥だけかいて帰ってくる、というエピソードがあったけれども、ディ…
ジャロン・ラニアー著。どうでもいいけど帯には「ヴァーチャルリアリティの父」と書かれているが小説家の円城塔先生にTwitterで『バーチャルリアリティの父ってすごいな。無神論者の神、みたいな。』Twitter / EnJoe140で短編中と突っ込まれていた。たしかに…
「実話ホラー」と銘打たれた本書は人体を冷凍保存し、未来の科学力に期待して復活の機会を待つという人体冷凍保存会社のひとつであるアルコーに、一人の元救命医が転職し、また出て行き、告発するまでのお話である。人の記憶は絶対ではないので、過去は変わ…
内田樹せんせーのコメントが帯にあったのと、『インフルエンザの予防接種、効かないとかいう話も聞くけど、実際どうなんだろう』と疑問に思っていたので読んでみました。結論から言えば、「必ず効く」わけではないが「確実な効果」はあるということです。た…
「貧富の格差が生じるとしても、自由な市場経済で多くの人々はより良くなる」という考え方に賛成かどうかを各国で調査したところ計12カ国のうち日本の賛成率は最も低い49%だった。ロシアが53%でありフランスが56、アメリカ中国韓国などは軒並み7…
かなり面白い。これからの社会はまさにこの「ネット評判社会」を地でいくことになるのかもしれない、と思わされた。本書の内容をだらだらと書くのはさすがに疲れるので超簡潔に要点だけまとめてしまいたい(できるか?)。日本は一般的にはツーと言えばカー…
最近日本にしろ世界にしろ未来への悲観的な推論が多くて(まあこれは最近に限った話じゃないけど)今では楽観的な推論を言ってくれる人がいるとそれだけで少し安心するどころではなくもろ手をあげて賛成したくなります。もちろん未来のことなんて誰にも10…
「ネットでみかけるあの人は、どうやって成功しているんだろう? その秘訣はどこにある?」という問いかけを110名のブロガーへのアンケートを通じて発見しようとする試み。正直僕は「ネットで上手くいっている人は、どうやって成功しているんだろう?」なん…
過去に一回読んで、旧版を今年の1月の終わりぐらいになんとなく読みなおして、今回「旧版を横に置き、それを見ながら一から全部書き直した」という怨念のこもったような「完全版」で三回も読みなおしたことになります。過去に三回も読みなおした本が、果たし…
これはかなり面白いですね。本書で紹介されるのは行動分析学という、ヒトがなぜそのような行動をするのかを人の心(怠惰である、記憶力が悪い、頭が悪い、だらしない)に求めるのではなく、環境に注目して「なぜ?」と問いかける学問。たとえば本書の題名に…
たいへん面白い能力物ライトノベルです。ほくほく。一巻の時点だと文章を書くのにあまり慣れていないのかなんなのか、読んでいると凄く疲れるんですが、二巻になってグッと読みやすく、また面白くなっている。お話の本筋が要約ブレずに定まってきた、という…
昨日【Infinity Blade】今日iPhoneでとんでも無いクオリティのゲームが出たらしい ──オレ的ゲーム速報この記事を読んで慌ててAppstoreを見たら早速有料アプリランキング一位になっているうえにいつも否定的なゴミみたいなコメントしかつかないアプリのレビュ…
あ、そういえばつい先日マリア様がみてるの実写版映画観ました。二次元の三次元化は(しかも低予算では)大半がクソという先入観があったからか、よくできていて感動すら覚えました。あの異世界的な百合百合した世界観がうまく表現されていて良かった。景色…
これは傑作。2010年もあと少しのところでいい本を手に入れた。「合理的楽観主義者」であるという著者による「世界楽観論」。誰もが口を開けば「世界は悪くなっているし、これからも未来は暗い」という中で論理的に「世界は良くなっているしこれからもよくな…
『本は、これから』というお題にて、37人の出版関係者の方々が6ページ程で短く書いて寄せ集めた一冊。僕は元々こういうアンソロジー? というのですか? いつもは「複数の著者が書いた本」が苦手で、敬遠してしまうのですけど今回はなんとなく読みました。長…
東大版「これからの「理性」の話をしよう」とでも言った内容。東大で行ったディスカッション形式の授業を元に、東大生の反応と分析を加えた一冊。論理学についてもエッセイ程度で触れられていて、そちらもさわり程度とは言え、大変面白かったです。勉強した…
数字というよりかも本書が取り扱っているのは「データ」。高度に情報化された社会で、私たち人間がデータに変換され日常がひどく便利になる現実の、紹介のようなものです。データを扱う巨人たちへのインタビューから著者が再構築した一冊。SF小説さながらの…
まさか粘菌の話が人間の知性の話にまで飛んでしまうとは思わなかった。 二〇〇〇年九月、私たちは英国の科学雑誌「ネイチャー」において「アメーバ状生物である粘菌が迷路を最短ルートで解く能力がある」という趣向の論文を発表しました。それまで脳や神経系…
これは面白いなあ。新しい発見の興奮なんかは存在しないけれども、数学っていいなぁ、面白いなあとしみじみと思えるような、数学の面白さについてのエッセイです。数式なんて全く出てきませんので、難しいことなんて何一つありません。本書で取り上げている…
早川書房より。著者は世界屈指のデザイン・ファームIDEOの社長兼CEOのティム・ブラウン。デザインをどのような意味に受け取るのかは微妙に難しそうだけれども、とりあえずは「設計」「計画」を立てること、ということでおおむね間違いはないでしょう。デザイ…
読書会のススメ。著者はいっぱい本を出しているらしい中島考志というお方。僕の大嫌いな一般化できそうにない話題をさも一般化できそうに語る典型的なビジネス書だけれども、テーマである読書会はちょっと新しいな、と思ったので読んでみた。というよりかは…
※普通にネタバレがあります。眠い頭で書いているので変なこといってても気にしないで。『よつばと!』10巻読みました。今回も最高に面白い。『バクマン。』では、何て事のない日常を面白く描けたらそれが最強だみたいな話がありましたが(うろ覚え、バクマン…
※思いつくままに書いているのでナチュラルにネタバレありまくり惑星を砕く者の物語、これにておしまい。読み終わって、まったくまとまらないまま一応書いておきましょう。十巻、最終決戦、別れ、そして長いエピローグ。最初から綿密に計算されつくしたような…
実践 行動経済学 / リチャード・セイラー, キャス・サンスティーン - 誰が得するんだよこの書評でオススメされていたので読んだ。行動経済学という単語はよく耳にしていたけれど、何一つ知らなかったので入門編として。どうも、合理性によって生み出される結…
英語の学習に中学高校大学と途方もない時間を費やしているのに、なぜ英語が使えるようにならないのか、それは勉強法が正しくないからである。ではどのような勉強法が正しいのか、ということを科学的に理解しようとするのが本書『外国語の壁は理系思考で壊す…