

2016年一冊目はすこぶる面白かった。
著者・佐藤正午作品は初めて読みますが、以前NHKで放送されていた「書店員ミチルの身の上話」の作者だと聞いて、その面白さも納得。
本作も構成、緻密な伏線、そして独特の語り口と会話のセンス。そのバランスが絶妙で読み終わるのがもったいないくらいでした。
ラストの畳み掛けるような展開めも素晴らしい。
話の時系列が過去にいったり現在に戻ったりと目まぐるしく、登場人物がやたらに多いので、最初は読みにくいと感じるかもしれませんが、そこもひっくるめて新年早々満足できる一冊に出会えて良かったです。
あらすじ:上巻:かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件など、街で起きる騒ぎに必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせていた。
下巻:「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。おれたちというのは、床屋のまえだとおれ、それにもちろん津田さんの三人組のことだ。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」いきなり退職金を手渡された津田伸一にいよいよ決断の機会が訪れる―忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、裏社会の蠢き、疑惑つきの大金…たった一日の交錯が多くのひとの人生を思わぬ方向へと導いてゆく。
この記事へのコメント
pn
鳩もそうだけどカラスの撃退法を知りたかったりもする(笑)
親知らず
mutumin
paulo
そんなこと無いよね
HOTCOOL
どちらかというとミステリーです。
カラスは頭が良いからねー
HOTCOOL
なんだったんだろう?(笑)
HOTCOOL
案山子じゃ馬鹿にされるだけ?
HOTCOOL
深い意味があるのです。
多分・・・