悪の教典(上)
著者 貴志 祐介
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇なく排除する共感性...
悪の教典(上)
商品説明
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇なく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムにサイコパスが紛れこんだとき──。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。
著者紹介
貴志 祐介
- 略歴
- 1959年大阪生まれ。京都大学経済学部卒。97年「黒い家」で日本ホラー小説大賞、2005年「硝子のハンマー」日本推理作家協会賞、08年「新世界より」で日本SF大賞受賞。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
書店員レビュー
今映画も公開されているこの一冊。
丸善札幌北一条店さん
今映画も公開されているこの一冊。
興味本位で手に取ってしまったのは
間違いだったのかもしれない。
というのも、読み進める内に「どうして読んでいるのだろう。
こんな人を殺していくばかりの物語を…。」
と思うのだが、一度読んでしまうと悪い教師の冷酷さに
惹き込まれていく自分に気づいてしまう。
途中で止められない緊張感。
スピード感溢れる展開も特徴の一つ。
この本で自分の心に潜むもう一人の自分に
出会ってみませんか?
ささもと
著書が映像化されることも多い貴志祐介氏の作品
文教堂 市ヶ谷店さん
著書が映像化されることも多い貴志祐介氏の作品。本作も11月に映画公開予定である。インパクトのある黄と赤の表紙の上下巻を書店で見かけたことのある方も多いはず。
舞台は都内の高校、主人公は英語教師・蓮見(通称ハスミン)。ルックスが良く爽やかで、生徒思いの人気の教師である。というのは表向き。本当の彼は共感性が欠如しているため、円滑に学級運営を進める為なら殺人を含むような罪まで平気で犯すかなり危ない教師。そんな彼がある理由から、文化祭前夜にクラスを巻き込む大量殺人を決行する。まるで害虫駆除でもしているかのようにいとも簡単に生徒たちを殺していく描写は、不快感や恐怖感を覚える隙もないほど淡々としている。それゆえ、残忍で非倫理的、そう分かっているはずなのに、ページをめくる手は止まらず一気読み、さらには頑張れハスミン!と応援までしてしまう。
作中にはハスミンのほかにも問題のある教師が多く登場する。現実の教師でも、結局はただの一人の人間であるし、悪意の一つや二つは持っているだろう。しかし昔教わった優しかった教師たちが、実は裏では凶悪なことを考えていたりしたのかも…などと考えると少しゾッとする。ハスミンのような教師だけには、願わくは現実世界では出会いたくないものである。
(評者:文教堂書店 市ヶ谷店 吉永 文)
引き込まれる!
2012/08/11 13:05
10人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makokato - この投稿者のレビュー一覧を見る
貴志祐介は、黒い家以来ほとんどの作品をフォローさせていただいてきた、私のお気に入りの一人だが、今回のこの作品の主人公は、またキャラが一際立っている。実在感もあるし、大津のいじめ事件の底流にも共鳴する。この夏一押しの小説である。
悪の経典
2012/10/29 20:52
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
上でも既に驚愕の展開なのに、下に行くと信じられない。もう小説のレベルを超えたサイコホラー&バイオレンス。格闘技の知識と武器の知識と、人を殺すテクニックの凄さ。しかしながら、読み手を飽きさせない技を持ち合わせた作者には脱帽。下の後半からの分刻みの展開が見もの。しかし、寸分の狂いも無い完全犯罪に落とし穴が。
最凶ダークヒーロー誕生!
2012/11/12 00:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:961あまねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒーローって(笑)
こんなサイコパスはヒーローじゃないって。
でも、読んでると確かに蓮実聖司に共感している自分を感じてやばい。読んだ人は彼をヒーローって呼ぶのにためらいないと思う。
そのあたり、貴志さん上手いよね。人の心の暗い部分を突いてくる感じ。
蓮実聖司は現代のモンスターだ。
彼には誰もが生まれつき持っている倫理の垣根がない。垣根の存在は知っていて、人前ではあるように振る舞うくせに、実は野放し。
こんな奴近場にいたら怖すぎる。
最期の惨劇は、淡々と進みすぎるから、読んでいて騙される。「木をかくすなら森」って蓮実が惨劇に踏み込むわけだけど、生存者に蓮実も読み手も気付かないのは、キーキャラが呆気なく死にすぎているからだろう。「死にすぎている」から生者が死に隠れてしまう。やっぱり貴志さん上手いよね。
読み終わって惚れ惚れしちゃいました。
このお話、映画が公開されておりますが、どうなの? 文章でこれだけ死に様がグロいなら映画の趣旨も変わっちゃいそうだ。
蓮実がヒーローに見えるのも、彼の完璧な仮面への憧れと賞賛、及び彼の非倫理的行動の現実感の薄さ故かと思う。
グロくなったら話がつまんなくなちゃうだろうと思うと、残念だ。
優秀なサイコパス教師
2018/10/23 19:12
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
サイコパスとはネット等で言われてるヤバイ奴のことじゃなくて、共感性の欠如だの思考の違いだのを指すのが本来の用語だそうな。
上巻ではハスミンの本来の意味でのサイコパスっぷりが良くも悪くも発揮されてて面白い。サイコパスには頭のキレる人が多いそうなので、優秀だけど手段は選ばないというのがとてもらしいと思った。
凄い奴が現れた
2012/09/07 21:03
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とっと - この投稿者のレビュー一覧を見る
悪い悪すぎる。
だがそんな奴をいつの間にか応援している自分が怖い。
良い本です
2024/07/30 19:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常にこんなサイコパスな人間が普通にいるのだろうかと思うとぞっとします。前半はみんなに人気があり、頭がキレる教師だと思ったが徐々に本性が明らかになります。
あらすじを先に見てしまうと…
2021/03/19 21:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
熱血漢で、物分かりの良い生徒からも大人気の先生。
先にあらすじを見てしまったので、いつ悪魔に豹変するのかとドキドキ。スリリングな展開で続きが気になって仕方ない。
序章
2018/09/28 21:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:春夏秋冬 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この上巻はあの事件までの日常(と言っていいのか?)です。
上巻で各々の関係性がしっかり書かれている分、下巻の怖さがより増すのだと思います。
一気読み!
2013/03/22 11:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あむたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実世界にこんな先生がいてくれたら最高!と思うような、生徒思いで指導力もあり、問題を次々解決していく人気教師。 しかも、授業も面白いとなれば、まさに教育現場のスーパーマン!
物語のスタートでは本当に良い先生の顔だったので心地良く読んで行くと、やがて問題が起きた時の邪魔者排除の顔が描かれ、そのあまりのギャップに思わずエッ!
でもそれは本当の序章であって、そこから先は、もう唖然呆然、ノンストップで読むのを止められなくなります。 そのテンポの良さと圧巻の筆致に一気読みでした。
息もつかせぬ展開とハラハラ感でしたが、でも一番怖かったのはラスト!
とにかく全編凄過ぎて、『現実には有り得ない!』と思う故に物語として楽しめるのであって、こんな学校やサイコキラーが現実にあったら、たまらないですね。
でも本当に面白かったです。 続編もあり?と思わせるラストシーンに、次なる物語、続編が書かれるのを願っています。
悪の教典
2012/10/24 22:10
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:P-mach - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういうのは困ります。本当に困ったものです。それにしても、下巻付録にあるアクノキョウテンって、なんなんでしょうか? いっきに覚めるじゅあないですか。もっとも、それも作戦だったとすれば恐れ入ります。
ハスミン!!
2016/08/30 01:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初に映画を見て、めちゃくちゃ衝撃を受けて、原作はどんなんだろうと思って購入。物語がもっと事細かで、しかも蓮見目線でストーリーが進んでいくので、新鮮で面白かったです。
ハスミン
2023/04/02 04:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的にサイコパスは好きなはずなんだけど、ハスミンはなんだか気持ち悪さが勝つ。ちょいちょいある性的な表現がひっかかるのかなぁ…
やばさは完璧だし、次々と邪魔者を始末していくのはさすが。
ちゃんとハスミンを疑ってる人物がいるのも展開に期待ができる。よし、下巻へ。
映画から入りました
2021/02/16 17:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kama_bo - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画を観て、「生理的に不快なのにハマる」という不思議な体験をしました。そのまま本作を購入。読んで、映像では張り巡らされているはずの伏線が入りきらなかったのだとわかり震えました。
なぜ虐殺に至ったのかの動機、蓮実の抱えた闇というより、ある意味短絡的な「殺そう」に至る思考回路。自分の欲にごく率直、賢いけどすごく単純でバカ。サイコキラーなのに、なんでか憎めないキャラなのが凄いです。
血塗れの物語、そして長い。なのに、途中を一切端折らず、「ああ、もう読み終わる!!!」と残りページを惜しみながら読み進めました。自分は満点、万人向けではない点でマイナス1。
教育現場に潜む闇
2021/02/07 14:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
善悪の観念がぶっ飛んだ蓮実聖司に、学校裏サイトを重ねてしまいます。ノンストップで突入する後半戦で、果たして誰が生き残るのか予想もつきません。
伊藤英明を思い浮かべてしまう
2016/11/30 18:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:okidoki - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうしても映像から入ってしまったことから伊藤英明を思い浮かべながら読み進めてしまった。相当腹が座った悪だが、どこか共感出来る自分が怖い。