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投稿者:ママさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
キーワードがあって、それが少しずつつながって、最後には全容が解り、ちょっぴりホッとした作品だと思いました。
見てくれの不幸は、ふしあわせではない。
2022/05/11 11:01
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後に、生きていくことを励まされたような感覚を持つ。海を見下ろす住宅地・うつくしが丘に建つ3階建ての家を舞台に、様々な構成の、様々な悩みを抱えた家族の物語である。生活スタイルが丁寧に描かれおり、そこに現実感がある。この社会のどこかで誰かが体験しているような厳しい現実が盛り込まれ、それに向き合うことにより、それぞれの幸せを感じとっていく姿が描かれる。家というのは、ただの容器だが、そこに生活する人々の息遣いで、顔を変えていくのかもしれない。人が抱く「夢」というのが、とても乱暴な言葉だと、気づかされる。
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投稿者:ゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ一軒の家を巡る歴史、物語。
登場人物の人生と思わず自分自身や周囲の人生を照らし合わせてしまう。
読後感はとてもいい。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
お隣さんが良い人でよかったね。
住む場所は自分で選べても、近所の人たちまでは選べないからね。
幸せかどうかなんて、あくまでも自分の気持ちだからなあ。
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「うつくしが丘」という新興住宅街に建つ、一軒の家を舞台に、その家に住み継ぐ五つの家族を描いた連作短編集。
時系列を遡る形式で、代々色々な家族が入居し、色々な事情で退去してゆく様を描いていて、そのかたちがまず面白いなと思った。
家族の数だけ問題があり、人間の数だけ不幸がある、と言っても過言ではないくらい、本当にさまざまな物理的、精神的な困難があることだなぁ、と、しみじみと思う。
そして、きっちりとその分だけ幸福が得られるかというと決してそうではない。だからこそ、ちいさな幸福がとても強い光となって、それを私たちは必死で翳し、眺め、胸で温めながらなんとか生きていけるのだ。
この小説を読みながら、そんなことを思った。
版元がミステリの出版社だからか、ミステリ的な構成も楽しめるつくりとなっていて、「エピローグ」でとある事実がわかった時、私は当然、物語世界の住人ではないにもかかわらず、「生きてて良かった!」と内心で快哉をさけんだ。
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やっぱ好きだわ町田そのこ。
不幸ってタイトルに書いてあるし、何人もの住民が引っ越していくってあらすじに不穏しか感じられなかったけど、身構えながらも読んだらなんと心温まる話なのか。
人間のどうしようもない暗い部分とかを、見事に表現してくれる。
オムニガス形式でリンクしている話大好きだから、これも繋がりを感じれてとっても好き。
特に一番好きなのは「さなぎの家」
芳香剤のにおいって自虐していたのに、いいにおいがするって言われたときに泣いちゃった。この話に出てくる男が一番クソなんだけど、それでも好きな話だった。
あと不妊治療のエピソード、こんな苦労があるんだって知ってびっくりした。
幸せは自分で作るもの。
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海を見下ろす住宅地に建つ、築21年の三階建の一軒家。
その家で暮らした5つの家族が、時代を遡るかたちで描かれている。
そして、どの話にも変わらずに出てくるのが、隣の家に住む「信子さん。」
彼女の家族のことも、それぞれの話の中に盛り込まれている。
とても読みやすいのだけれど、描かれている内容は、複雑で重い気持ちになるものだったり、辛くなるものだったりもした。
登場人物に嫌なタイプが出てきて、読みながら腹もたてた。
それでも、5つの家族の結末は、どれも希望が持てるように優しく描かれていて、心がふんわり温かくなった。
素敵な作品でした。
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うーん、素晴らしい本でした。
☆4.1くらい。町田そのこ作品に外れ無し
オムニバス形式の使い方も上手い
リアルな現実も突き詰めながらも、しっかり最後に救いがあるので後味悪くなく読める
特に最後の繋がりのシーンは涙が出ました
あと家庭に恵まれていることの再確認と反面教師
フィクションの中やけど知らない現実を知れるのは小説のいいところやなあと改めて。
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舞台であるうつくしが丘に建つ一軒家で繋がる5作の短編集です。自分の人生に迷いながらも前に進もうとする人たちと、そんな人たちを見てきた隣人の荒木夫人の言葉に私も頑張ろうと思わせてくれる心温まる本でした。
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期待していたほどではなかったかなあ。
最後まで読み終えて最終的に元気を貰えたとしても、
ひとつひとつの話の設定は暗いから、「元気が貰える一冊!」ではないかも。
落ち込んでいる時に、元気が欲しいからといって読むのは避けた方がいいかもしれない。
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海を見下ろす丘の住宅街にたつ3階建ての一軒家
一階を改装した美容室の開店数日前に近隣住民から美保理は皆から「不幸の家」と呼ばれていることを知る
「不幸の家」の住人達の生活をさかのぼって描く
家のらくがき
枇杷の木
住人達の幸せ
謎がどんどんとけていく
住人達が抱えているものは
重たいものだけれど
はたして皆不幸なのだろうか
隣人の信子さんが良いアクセントになっていて
優しく温かく住人達を包み込む
人生色々あるけれど
至難や困難がきても不幸でも終わったわけでもない
幸か不幸かは当事者達が胸に手をあてて
ゆっくりはんだんすれば良い
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タイトルはなんとなく不吉な感じですが、様々な問題を抱える登場人物たちが前を向いて歩くための再生の物語が町田そのこさんにしか書けない表現で綴られる、大切にしたい1冊でした。
すべての物語が繋がっていて、エピローグではそうきたか!と思わず笑みがこぼれました。
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ある家の家主たちの物語。
短篇なので読みやすく、かつ繋がっているところもあり、読後感も良い。
一生懸命になればなるほど目の前のことしか見えなくなり、全体が見えなくなってしまう。物事をどう捉えるか、行き詰まった時こそ見方を変えられる余裕を持ちたい。
そして信子さんのような隣人さんがいてくれたらなぁ…と思う。
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夜空に泳ぐチョコレートグラミーに次いで、著者2作目。この作者さんの文章はとても読みやすく美しいと思う。
夜空に〜、は暗い感じであんまり好みではなく、それ以降手をつけていなかったのだが、この作品は全編通して希望のあるすっきり明るい終わり方で、且つラストの繋がりに驚きつつ嬉しかった。
…しかし、この方の書く、多くの男の登場人物の碌でなし、クズぶりがどうも好きになれない。そのため☆-1
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うつくしヶ丘にある一軒の家の話。
不幸の家と噂される家に住んでいた人のエピソードを過去にどんどん遡って進んでいく話。
その家庭ごとに色々な問題や過去がありながらも最後は前に進むため希望を持って家を離れていく。
もっと暗い話?と思っていたけれど全然温かくて、ほっこりさせられた。
特にエピローグが素敵で思わずジーン…
それぞれの話の中に住人と家を繋ぐ物語があって、それがまた違う話との繋がりになって面白かった。