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このシリーズ…文庫にて再販おまけ書き下ろしがあるので購入再読です♪
ノベルズのレビューにも書きましたが、シリーズ唯一の最弱飛行機乗りです(゚-゚*;)
怖い怖いと泣きながら、嘔吐しながら出撃する主人公が当たり前の若者に思えて切なく悲しい…
帰る場所などない
死ぬために出撃する
そんな泣き虫な主人公が
生きて帰りたいと願うようになった…
共に生きたいと思える人ができた…
幸せな結末とホッコリな書き下ろしに満足です♪
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尾上与一1945シリーズ、復刻再販第四弾
4作連続刊行、ありがとうございます
そして、第二期復刻再販も決定したようです
そちらも楽しみです
プルメリアの花は、太平洋の島々でポピュラー
レイによく使われる白い花
畳屋の息子、早く戦功をあげて内地に凱旋したい
偵察員カズイ
華族ではあるけれど訳ある出自の気弱な操縦員チトセ
ふたりは九十九式艦爆ペアがラバウルで誕生する
希望してこの戦地に来たのではないチトセは
毎回怖いとは泣き叫びながら搭乗し
飛行後は嘔吐を繰り返す
彼の弱さは 戦場では強さになる
後ろに乗るカズイを死なせないために
暗記する程海図を眺め あの十連星琴平恒もその飛行技術は認めるところ
戦況は厳しく、ふたりとも負傷して内地に帰る事になるけれど
戦後は ふたりで着実に暮らしてハッピーエンド
戦地戦闘の流れだけでなく 四作ともそれぞれの家柄や家風までよく練られていて 迂闊にもうっとりとしてしまうんですね
といっても、この本のレビューはみんみんとふたりだけ、寂しいね
そのうちyukimisakeくんが激しいレビューをぶつけてくるとは思うけど
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1945シリーズ第4弾です。ついに第1弾がこれにて終了。寂しく思っていましたが、みんみんさんとおびのりさんに第2弾も再販決定という嬉しいニュースを頂きました。やったね!
本作は今までの中で1番戦闘シーンが生々しく、命を懸けた飛行機乗りが尋常ではない精神力と体力を必要としていた事が窺えます。
お食事中の方には申し訳ないのですが、そりゃあ空戦なんかしたら吐くよね…。
私なら吐く。それはもうマーライオンのようになって二度と乗らない…
とも出来ないのか…。
特に本作の主人公、千歳はラバウルしか居場所の無い青年なので出撃しては艦爆して逃げ帰るしかない。
改めてラバウルで戦って下さった方々には尊敬の念を禁じ得ませんが、それにしても今回は九九式艦爆ですか…。
寄りにもよってただでさえ航空機に乗るのが怖い華族のお坊ちゃまが棺桶に乗るのですか…!!尾上さん、すげぇ!!
いや、零戦も怖いけど、ともかく前作に引き続きペアの搭乗員のお話です。
貧乏な畳屋の息子である一(カズイ)は、海軍で戦績をあげて出世をし、家族の為にも金と名声を手にする為に飛行機乗りになりました。第一線であるラバウルに配属されてやる気十分、さっさと活躍して内地に戻って内勤がしたい。
ところがペアに任命された相手の操縦士は見た目もひ弱で飛行機が怖いとハッキリ言い切る華族の出のお坊ちゃま。
出撃の度に怖がり、空の上では悲鳴をあげて帰還した後は必ず吐いてしまいぶっ倒れる。
ただでさえ過酷な飛行機乗りがこれでは出世どころか自分の命も危ないとペアの解消を決めた一ですが、実はこのひ弱な坊ちゃん、千歳は天才的な技術の持ち主でした。
絶対に海に落ちたくない、絶対に敵に撃たれたくない、絶対に後ろに乗る偵察員を無事に帰還させたい。
一部を除いて上官からも見放され、他の搭乗員からも馬鹿にされている千歳ですが、実は彼なりの信念を持っていて、臆病が故に素晴らしい飛行技術に繋がっているんですよね。ここが凄い!
何処にも居場所の無い千歳の拠り所となってくれたカズイ、ありがとう。そりゃあ好きになるわ…(以前も書いた気がするけど)
いや、好きとか超越するわ。
今回の千歳が見ていて1番ハラハラしましたが、毎回違うタイプの主人公に、家柄に事情。どれだけ引き出しがあるんだと舌を巻きました。
おびのりさんが迂闊にもうっとりしてしまう、と書かれていましたが同意です。
特に千歳のお家事情は時代背景も相まって切ない…。本人に何の説明もなく死ねとばかりにラバウルに放り込まれ救いの手も差し伸べない。千歳の父ちゃんこんちくしょう!と思っていたのですが最後にうっかり泣かせてくる!悔しい!
それに、空の色の表現のバリエーションも毎回凄い。手に取るように分かりますし、夕暮れも美しかったり禍々しかったり、2人の心境とシンクロしているのかな。
このシリーズで毎回楽しみにしているのが、映画顔負けのロマンティックなシーン。今回は表題のプルメリアと輝く南十字星。
ベタだけど花の使い方としては満点でしょう!死ぬまでに一度やってみたい!(気��ち悪がられる事間違い無し)
カズイがやって来る前は唯一心の拠り所としていた、とあるお守りをなくしてしまった千歳に、あれを代わりにしろと南十字星を指さすカズイ。
ちくしょー軍人がそんな事言ったらロマンティックが止まらないじゃないかっっ!!そんなんなくても、もうカズイが居ればええわい!!
と、悶えていましたがやっぱり来るんですよ、敗戦の色濃い影が。
真珠湾攻撃では活躍した九九式艦爆はこの頃になるとすぐ撃ち落とされるので、棺桶と呼ばれていました。
シリーズ中よく登場する有能整備士、秋山にもこれ以上の改良は不可能だと告げられます。そもそもの設計に無茶があるのでこれは整備士が悪いんじゃないんですよね。九九式を改良しようとなると結局は後に出る彗星になる、という訳ですが、まあ戦闘機の話は置いておいて。
最後まで千歳はカズイだけは生きて内地に戻そうと必死に飛びます。戦力差が圧倒的に開いて来た空を、怖さをカズイを守る強さに変えて…。千歳よ…涙
毎回そうなのですが、この辺りは読んでいるこちらまで緊張するのでずっと溜息。
早く爆弾落として帰って!早く!と願いつつ読み進めて行くのですが…
一度頭を抱えそうになる展開が来て、少し安心したと思ったらまた予想外のトラブル!
神よ!!
思わず祈りながら早く2人が地上で幸せになる姿を見ないと心が折れる!!と勢いよくページを捲っていく私。恐らく凄い顔をしていたと思われます。
その分、最後が本当に良かった…。
私も大根作りたくなるよ!(畑には天敵が住んでいるので絶対に無理だけど)
良かった、本当に…。ハッピーエンドだと分かってはいるんですが毎回冷や冷やするんですよね。
千歳の過去がずっと軽くしか出てきていなかったので、カズイの前にペアを組んでいた相手の事もちゃんとは分かっていませんでした。
最後に一章を使ってちゃんと深堀りされるのですが、これが何とも…良い…。(これしか言ってない)
おびのりさんの書かれていたうっとりパートです。
話自体は辛いのですが、この過去があるからこそカズイという居場所がより奇跡のように思えるんですよね。
隣人の隣人を愛すれば、愛はどこからか巡り巡ってやって来る。でも愛する相手すらいない時はどうすれば良かったのか。
カズイ!本当にありがとう!!!(急に感極まる)
今回も『碧のかたみ』の恒、六郎ペアが登場しますが結構出てくれます。
恒が千歳の腕を絶賛した事から両ペアが仲良くなるのですが、千歳に楽しい時間が出来て嬉しかった。恒と六郎も相変わらず可愛くてほっこりする。
書き下ろしの『ちぃちゃんせんせい』は、とにかく幸せに2人で暮らしている様子が見れてようやく安堵の溜息が出た。ご褒美ありがとうございます、尾上さん。
いつまでもお幸せに…!!
千歳は心配で見守りたくなる飛行機乗りで、カズイは見ていて気持ちの良い真っ直ぐな好青年でした。
本当に誰一人として設定がかぶらないので毎回楽しみなんですが、次はどんなペアになるのかな?
さて、今回も短編ばりに長くなってしまいました。長いわ!(゚Д゚)クワッ!と言われる事は確定で���が、第1期シリーズ終わりのスペシャル回だから許して下さい。(いつも長いだろ、という突っ込みも飲み込んで下さい)
最後に、第1期シリーズの個人的に好きだったランキングを書いて終わりたいと思います。
どれも良いんですが、好みで言うとこんな感じ。好きな攻めランキングと受けランキングもBL初心者の癖にやりたい所なのですが、これ以上長いと中編に突入しますので割愛しますが、攻め1位はブッチギリの資紀坊ちゃんです。(言うんかい)
1位『蒼穹のローレライ』
2位『天球儀の海』
3位『碧のかたみ』
4位『プルメリアのころ』
あれ…?
発売順じゃないかっっ!!!