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今回もまた胸にズシンと堪えるお話だった。
連合王国との共同作戦。
王国の戦闘を担うのはヒトならざる少女たち。
それはレギオンと本質的に変わりない死してなお戦う道具なのだ。
その異常さ。残酷さ。
それでも、死してなお戦うことが彼女らの誇りだとしたら、そんな彼女らを戦わせる人間の誇りはどこにあるにだろう。
86たちの誇りもまた。
攻城戦での彼女たちの死屍累々の有り様。
その屍を文字通り乗り越えて戦う戦場の残酷さが胸に響く。
やっぱりこの物語は甘くない。
でも、そうして、ようやくシンは、86たちは、己の異常さに気づくのだろうか。
北の作戦はまだ始まってもいない。
次巻の展開や如何に。
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相変わらず最高に面白かった。
今回は攻城戦。レギオンに占拠された難攻不落の城をどう落とすかという物語だったが、結末はネタバレになるので書けない・・・。
もう、ほんとにこの小説はライトノベルじゃないよね。確かに美少女が主人公でラブな要素あるけど、それを圧倒的なまでに押し流す冷酷で破壊的な戦場描写。
今回も「シリン」という新しいアイディアも含まれていて本当にこの安里先生は天才だと思う。
アニメ化してほしいライトノベル第一位らしいけど、アニメ化どころかハリウッドで本気で実写映画化してほしいよ。1巻分だけでも・・・。
まともな俳優さんキャストして、レギオンは「マトリックス3」とか「All you need is kill」的な雰囲気で作ったら絶対にヒットすると思うんだけどね。
今後のアニメ化、映画化も含め、「86」のさらなる発展に期待!!
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人造兵器「シリン」との対話と、彼女たちの戦場での行動によって、「人間とは何か」をエイティシックスと読者に問うてくる巻。
相変わらず戦闘描写が重厚かつ闇が深い。
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68達ですら、違和感を覚える妖精兵は凄かった。
コミュニケーションをとれるレギオンを味方にしたようなものだけど、使い潰し方だったり運用の仕方が壮絶すぎた。
ラストの決死隊のやり方は気持ち悪いし、今までの68達の軌跡とも表すことができるから少し怖かった。
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病床では小説読む気力なかろうな…
と思っておりましたが、愛の力恐るべし。
我ながら凄いです。
ここまで完全にアニメ観て原作小説まで読んでってハマった作品、社会人になって以降初めてかもしれん。
あ、ちょっと言い過ぎた。呪術廻戦やらブラックラグーンやらあるじゃないですか笑あとアニメどろろとか。ここ1、2年だって結構あるわ笑
でもアニメよりも原作「小説」のが俄然好き。とそこまではっきりキッパリ明言出来る作品に巡り会えたのはここん十年もなかった気がします。ほんと幸せなこと。
それから勝手に制限かけていた、というのも明確に自覚したし。
ラノベは若い人の読み物で、漫画やアニメは大人が読んだり観たりしても良いけど(ゲームも映画もそれこそエンタメ全体問題ない)、しかしラノベだけは駄目と。良い大人がラノベに手を出すのはちょっと恥ずかしい。と。
なんと長きに渡り、この呪縛に囚われていたのでしょう。
いつ頃からかっていえば、おそらく文学部の学生さんをしていた10代後半の頃から。
なんて勿体無いことをしてたんでしょうね!
なまじ文学するぞとかってただもうそこだけ尖った学生時代を送っていたものなので、余計この呪いが強かったなと。
本当に損したな自分。
ラノベを馬鹿にしたつもりもないなんて書きながら、どこかで高尚であることを良しとするような頑なな部分があったからこそのこのていたらく。
申し訳ございませんm(_"_)m
しかし今回しみじみそんな自分の頑なな壁を打ち壊した。凄い作品だわ。
良い歳しても厨二の力は偉大なんだなと。
厨二の心、百迄ですよ(違)
閑話休題。
でやっと感想です。
前巻で共和国解放まで行き、今回は連合王国編ということで、新キャラも登場。
美味しすぎ。一人ひとりキャラが立ち過ぎ。最高か。
なんですかヴィーカ。屍の王。もうその響きだけであかんですよ。
なんなんレルヒェ可愛過ぎか。
この二人がしんどくて辛くて好きで愛おしい。たまらん。
心が揺さぶられる。エンタメ最高。
多分ただの恋愛だけじゃだめだし、ただただ戦争したいだけじゃ駄目なんだな。
この両方あって、良い。
これは難しいですよ。こんなんまともに文学やってる人じゃ無理。まあもう創作畑から離脱して久しい自身ですけど、ほんと色々刺激される。
来月は最新刊11巻出るようですし、あと残り5冊をニヤニヤと読みながら待ちましょう。
(はー、病院で読んでて良かった。流石に家族の前で百面相は恥ずかしすぎるわ)
2022年6冊目。
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共和国北域の地下ターミナルに潜むレギオンには人として大切なものを削り捨てていくエイティシックスと何処か類似性が見られた。だから前巻を読んだ時点ではレギオンを通して、エイティシックスのどうしようもなく誤ってしまった部分にスポットライトを当てていくのかと思いきや、この巻では更にエイティシックスの在り方をトレースするような存在が登場したね
むしろエイティシックスの信念を貫徹させた場合に到達すべき境地の存在と言うか……
今回の舞台となるのは北の連合王国。共和国とも連邦とも異なる方法でレギオンに抗ってきた国家
考えてみれば、レギオンによって窮地に陥った世界で清廉たらんとしていた連邦がちょっとおかしいのであって、普通は何処か歪みのある戦い方をしてしまうもの
ただ、連合王国の戦い方は王家やヴィーカによって洗練された歪み方をしていた気がしないでもないけど
共和国は人間を人間と扱わない事で人が死なない戦場を作った
連邦は王侯貴族から勝ち取った自由と平等を尊び自らが戦う事を誇りとした
対して、連合王国は人造妖精に戦わせる道を選んだのか……
共和国では棄民政策やレギオンの稼働限界への誤解からエイティシックスを使い潰す点が優先されたけど、エイティシックスへの対応だけを取り上げれば、連合王国の遣り方はある意味で共和国がやろうとした事の理想形
だからエイティシックスがレギオンと戦う為に人として大切なものを削り捨てていった先にある理想形が〈シリン〉と言えるか……
これまでは普通に生きてきた人間や普通に戦ってきた軍人と比較された為に化け物めいた非人間性がフォーカスされてきたけど、エイティシックスが辿り着くべき理想形が〈シリン〉として目の前に有る為にエイティシックスの歪みが際立ってくるね
特に前巻ラストにてレーナから根源的な歪みを指摘されて以来揺れているシンは尚更
一方でエイティシックスの側だけを完全な間違いとして扱うのではなく、エイティシックスだから見える連合王国の気味悪さも描いているのは本作が持つ巧さだね
〈シリン〉は死人の脳情報を使用しているものの、そこに生前の面影はなく身体も機械。極言すればレギオンに似た存在
そんなものを連合王国のハンドラーは恋人や妹のように可愛がる。生きていない物を、人間でない者を、人間のように大切にして戦場に送り込む歪み
その点はヴィーカの考えが一つの答えになるのかもしれない
「そもそも戦場自体、人がいるべき場所じゃないんだ」との台詞。命を極限まで削ってしまう場所は人が居るべきではない。だからヴィーカは戦場に人間より人造妖精を送り込んだ
ならそんな場所で生き延びてしまったエイティシックスは人で無くなったのかと言えば、それはまた別の台詞が反証となってくるのが本当に面白い
大切なものを幾らでも削り捨てて、残ったものは矜持だけ…。それでもレルヒェが言うようにエイティシックスは『生きている』んだよね。レギオンに勝つ為に機械の身体を得るわけでもなく、かといって自死に逃げるでもなく
歪みとしては中途半端。なら、そこに在るのは歪んでいても生きている人間と言えるか…
そうして戦場の理想形たる〈シリン〉が最後に魅せた『生きていない』者の矜持が凄まじい……
かつてのエイティシックスが「死ぬまで戦い抜く」を矜持としていたように、〈シリン〉は「人の代わりに死ぬ」事が矜持なのかもしれない……
戦場の無惨さに慣れたエイティシックスをして心底戦慄した〈シリン〉の在り様。でも、それはエイティシックスがエイティシックスで在ろうとするならいずれ辿り着く場所だからかもしれなくて…
レーナ、レルヒェの指摘によって自分の欠けた部分に気付いてしまったシンが求め見てしまうのはレーナですか
シンが86区で地獄を見たように、レーナも共和国防衛戦で地獄を見たはず。それでも世界の美しさや人間の優しさを信じられるのは何故なのか?
レーナはシンを追って共和国の外へ続く道を切り開いた。今度はシンがレーナを追って自分の進むべき道を見つける番かな?
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レルヒェ達の自分を犠牲にして道を切り開いて死んでしまった人のように思っていたのにすぐに戻ってきてたのに少しゾッとした。
でもヴィーカの初恋の女の子で大切な人だからレルヒェを大事にする気持ちもわかる…
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人造兵器「シリン」の戦闘シーンが、鳥肌立つくらいおぞましい。
シリンであるレルヒェがシンに放った言葉が重すぎる。
自分たちは戦いの果てに死ぬ者と認識していたエイティーシックスたちが、シリンを目にして己はなんなのか考え出した。変化と成長の兆しが見え始めて、どこにたどり着くのか楽しみ。
主人公シンとヒロインレーナは拗らせ中。というかシンが混乱中。
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2023/10/05 読了。
図書館から。
ヴィーカとレルヒェの関係性。
見た目が人間の兵器は、兵器なのか。
死者の模造品なのか。
その先に望まれるものがあるのか、
過去の記憶を思い出して、現在を
シンが考え出し始める、のかな。