みんなのレビュー:日本の無思想/加藤典洋 (著) 平凡社新書 - 平凡社新書:honto電子書籍ストア
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日本の無思想 みんなのレビュー

    一般書

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    みんなのレビュー13件

    みんなの評価3.8

    評価内訳

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    • 星 1 (1件)
    12 件中 1 件~ 12 件を表示

    日本の思想風土とは

    2016/11/30 21:06

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:こけさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

    ハンナ・アーレントの議論を用いて近代自体に議論を圧殺する傾向があることを指摘する。古代ギリシアと近代の対比をするその手法に魅せられた。その上に、日本自体に議論を圧殺する仕組みがあることを指摘する。それを表すものが、ホンネとタテマエであり、その発生を私たち日本人は大きく見誤っていることを教えてくれる。ここで、身震いをした!近代と日本の代表的な考え方が、議論を圧殺しているのだということが指摘している。

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    該博な知識と斬新な視点があいまった知の快楽

    2002/02/05 11:41

    0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

    投稿者:ツーソン - この投稿者のレビュー一覧を見る

     日本を「了解の共同性」と捉え、そのような社会においてはタテマエとホンネを適当に使い分けながら生き延びることが重要であり、真実だとか信念だとかは二の次になるという話から筆者は始める。そこでは、二枚舌や二重構造も当たり前のように存在し、人々は何が本当で何が嘘かということに関してはたいして興味をもたなくなる。
     重要なことは、そういうニヒリスティックで日和見的な社会では、個人から生まれる切実な信仰や思想が育たないことである。そして、ついには、言葉は何の力ももたなくなるだろうと筆者は警告する。たとえば、「踏み絵」で命を落としたキリシタンを理解することは、そういう人々にとってはまったく理解不能な事件だろう。
     そして、アーレントの話へとつながってゆく。「言葉が死ぬと、人間から公的領域というものが消える、公的領域が消えると、生きることの意味が消える、その結果、人は、単一なものに対する対抗原理を失い、最終的にはある種の全体主義を呼び寄せてしまう」。考えられたことは必ず発語されなくてはならないのだ。
     該博な知識と斬新な視点があいまった筆者独自の知の快楽を、廉価な新書版で楽しむことができるのはありがたい。読みながらこれだけ楽しめる思想家はそう多くはないのでは。

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    2006/02/03 09:28

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    2008/05/29 20:14

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    2008/04/12 17:13

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    2010/02/04 05:43

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    2010/04/22 10:28

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    2010/06/13 01:17

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    2011/05/29 12:45

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    2012/02/11 13:50

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    2014/06/15 18:47

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    2019/05/17 01:20

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