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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「風光る」という、美しい春の季語がある。まさに風さえもきらめくような、いい季節だ。
生まれたばかりの新緑の中、ぐうんと背伸びをして、走りだすには一番いい頃かもしれない。
それなのに、気がふさいでいる。気分を変えたいのに、気が晴れない。
手元にこの本があったので、読んでみる。
気分は変わるだろうか。
本書はフランスの哲学者アランの『幸福論』から200の名言を訳出し、構成されたものである。だから、正確にいうなら、アランの『幸福論』を読み切ったということにはならないが。
いくつもの文庫本で翻訳書を手にすることができるが、巷間人気が高いものの、なかなかとっつきにくい印象はぬぐえない。
まずは、本書で、いいとこ読みをするのも手だろう。
ただ、気分が沈んでいる時に『幸福論』なるものが果たして有効かどうかはわからない。「幸福」を求めるには、それ相応の気分の高揚が必要かもしれない。
確かに生きるヒントとなるべき珠玉の言葉がちりばめられているが、気分が落ちている時、逆にそれらがまぶしく感じる。
「自分から負けたと思う前に全力で戦うことである」。
アランのいう言葉は正しいのだが、全力で戦えなくなった人間は、この言葉で再生できるだろうか。
「不幸になることは難しくない。難しいのは幸せになることである」。
だから、アランは「努力しなさい」という。しかし、その努力の気力すらわかなければどうすればいいのか。
『幸福論』は、幸福を求める幸福な人たちが読む本かもしれない。
所詮は「苦悩」や「不安」に特効薬などないのだろう。
アランもこう書いている。「しかし本当の病気でないかぎり、苦悩は去る」と。
「そして、やがて平穏な時が、思っているよりももっといいことが訪れる」と。
時よ、とまって、この緑の日々を残しておいてくれないか。
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投稿者:ゆめたろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
分かりやすい言葉で簡潔に書いてあり心が晴れるようだ。雲が消えてスッキリとする
岩波文庫版も読んでみたい。
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一読しただけなので、なんとも言えませんが、
その時の状況や自分の置かれている立場、
その時の感情によって、読んだ感覚は様々に感じるのではないかな、、と思います。
少し時を経て、また読んでみようと思います。
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仕事が忙しく、被害妄想的なマイナス思考スパイラルを切り抜ける為に、読んでみました。
この「アランの幸福論」を読み進めるだけで、心が落ち着きます。
心の持ちようによってではなく、
行動によって心をコントロールし、心を作っていく。
そして周囲に影響されることなく、しっかりと自分の道を歩んでいく。
これから何度も読み返して、バイブルになるであろう素晴らしい本です。
現状に悩んでいる方、お勧めです。
■不安とは無意味な動揺である
■感情ではなく、態度をコントロールする
■体を動かして気持ちを変える
■幸福を演じる
■喜びは健康につながる
■自分の幸せのために努力する
■さまざまな可能性を考えて決断する
■自分の人生に専念する
■欲しいものは自ら取りにいく
■本当の解決策とは、どうしたらいいかが分かっていること
■行動のない楽しみよりも、行動のある困難を選ぶ
■最大の敵は自分自身である
■家族とは意志の力でつくり、守るもの
■人とのつながりは奇跡の場である
■相手は自分を映し出す鏡である
■仕事は、自分に権限がある限り楽しめる
■役に立つ仕事はそれ自体喜びである
■行動することで幸せを得る
■幸せを願う気持ちがあれば、すぐに幸せになれる
■天気の悪い時こそ晴れやかな顔をする
■幸せこそ最高の贈り物である
■意志をもって幸せになる
■幸せになると誓う
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2009/2/17 図書館
2009/2/19〜2/19
「読書は1冊のノートにまとめなさい」の作者が気に入ってるって書いてあったので
そんな読書が好きな人のお気に入りなら是非読まねば…ってな感じで読み始めたけど…
もーたえられん…
この手の本は好きじゃない
自己啓発本…だよね…この本
「デカルト」の言葉の引用が多いけど…
引用するのは「論」って言ってるのにいいのか…?
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まだ全部読んでないけど
自分駄目だな…とか、何か頑張ってみるか!
って思った時に気になった箇所を読んでる。
新装版のハードカバーがシンプルで綺麗だったのも良し。
説教めいた教訓のほとんどが現実的で
本気で凹んでる時に見たら「そう言われたらどうしようもない」
「それが出来れば苦労しない」と言ってしまいそうな程
行動的かつ前向きな正論集
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フランスの哲学者アランの幸福論。
原典である「幸福論」から200のトピックを抽出し、カテゴリーに分けてあります。
人は様々な不安を抱えます。アランはそれを「病気の一種」だと思い、あまり拡大解釈しないように言います。
そして、今なすべき「行動」へと移す。あえて困難を選び、努力して成し遂げ、獲得していくという人生を歩め、というのが彼の考えです。
哲学者アランの理性に満ちた言葉が、私達の悩みに寸鉄のように突き刺さり、はっとさせられるとともに、読んだあととてもさわやかな感覚に包まれる一冊だと思います。
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19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスの哲学者、アランの名著「幸福論」。
その幸福論の中から仕事や幸せ等、テーマ別に編集したものが本書、「アランの幸福論」だと思われる。
趙訳ニーチェの言葉がベストセラーになったからか、明らかにそれに似た雰囲気になっている。
個人的には特に衝撃的な内容はなかった。
この書籍の元となった「幸福論」は世界的名著なので、読むならそちらを読むほうが賢明だと思われる。
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素晴らしいの一言に尽きます。
幸福ってこういうことなんだなと思わされます。
岩波書店より発売されている原本も読みたいと思いました。
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★大袈裟に考えるのはやめて、物事をあるがままに見てみよう。あなたが今おかれている状態は、ほかの人たちと少しも変わりない。ただあなたは、不幸なことに頭がいい。そのため自分のことに意識を向けすぎて、悲しくなったり嬉しくなったりする理由を知ろうとする。そうして、自分に苛立つのだ。どうして喜んだり悲しんだりするのか、よくわからないから。はっきり言おう。幸せや不幸せの具体的な理由は、たいして重要ではない。
★わたしたちは、自由に幸せをたくさんつくりだすことができる。
★不安とは無意味な動揺に外ならない。それは、考えるほど必ず大きくなる。
★わたしたちは感情から抜け出ることができる。しかしそれは、思考によってではなく、行動することによって、である。心配ごとがあるときに、あれこれ考えるのはやめよう。自分の推理は自らの首をしめることにしかならないのだから。
★想像の力は強力である。事態のはかりしれない重大さや人間の弱さを想像しだしたら、なにもできなくなってしまう。だから行動するのだ。行動に置き換えて考えるべきなのである。
★想像力は何も作り出すことができない。何かを作り出すのは、行動である。
★ハンターにも機嫌のいい人と嘆いてばかりの人がいる。嘆いてばかりのハンターはうさぎをしとめ損ねて、こう言う。「やっぱり。俺ばかりこんな目にあうんだ」機嫌のいいハンターなら、うさぎのすばしっこさに感心する。そもそも、人間に食べられるためにうさぎがぴょんと来てくれるはずがないことがわかっているからである。
★あきらめは盲目的な確信、そして固い信念につながり、そうして柔軟さをいっさいはねつけてしまうようになる。
★自分についてあれこれ考えても、なんの役にも立たなければ、危ない綱渡りでしかない。自身を問い詰めても、出てくる答えはきまって納得のいかないものばかり。退屈、悲しみ、心配、苛立ちなどは、考えても堂々めぐりにしかならないというのに。
★過去と未来が存在するのは、人がそれについて考えるときだけ。つまり、両方とも印象であり、実体がない。それなのにわたしたちは、過去に対する後悔と未来に対する不安をわざわざつくりだしているのである。
★望んでいることはすべて、人を待っている山と同じである。そこにじっと存在していて、いやでも目に入る。しかし、自らよじ登っていかなければならないのだ。
★あれがない、これがないとこぼす人は多いが、その原因はきまって、その人たちが本気で手に入れたいと思わなかったからである。
★考えることはたしかに楽しい。だが、考える楽しみは、決断する技術があってはじめて成り立つものである。
★自分自身の他に敵などほとんどいない。最大の敵はいつも自分自身なのである。間違った考え方や無意味な不安、がっくりくるような言葉を自分とかわすことによって。
★誰だって人から悪口を言われたり悪く思われたりすることもあれば、よく言われたりよく思われたりすることもある。人間とはそういうものだから、相手の気に障るのではないかということを、い���いち心配しないのである。
★立派に人生を送ること。悪いほうに感化したり悲しみを大袈裟に言ったりすることで、他人や自分を傷つけないこと。さらにすべては繋がっているわけだから、人生のちょっとした不幸について、それを話してまわったり、人に見せつけたり、大袈裟に吹聴したりするのはやめるべきだ。また、ほかの人に対しても親切であること。人が生きていくのを手助けすること、自分が生きていくのも手助けすること。これこそが本当の思いやりなのだ。
★生活が物質面で文字どおり確実に保証されたとしても、幸せはやはり、自分ですべてつくりだしていかねばならない。
★自分でつくる幸せは幻ではない。それは学ぶ過程の中で得られるものであり、そして人は、一生学び続けるものだ。知識が増えるほど、もっとたくさん学ぶことができる。
★生活が単調にならないようにするには、豊かでさまざまなものをじっくり見るだけでいい。つけ加えれば、よく見ることが身につくと、なんということのない景色にさえ、尽きない喜びを感じるようになる。それに、星空はどこにいても眺められる。これこそが壮観だ。
★自信は素晴らしい万能薬である。
★まず自分が微笑まなくて、誰が微笑むのか。自分から微笑みかけないようなら、あなたはただの愚か者である。
★「上機嫌でありますように」これこそみんなが、なによりもまず贈った本人が豊かな気持ちになる、本当の礼儀である。交わすたびに大きくなっていく宝である。この宝を道端で、電車の中で、売店でばらまくといい。ひと粒も無駄にはならない。まかれたところがどこであれ、成長して生い茂るはずである。
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自ら実行する…ただ評価するだけでなく、自ら求めて行き、自分のものにしてしまう。例えば、絵画を鑑賞するだけでなく、収集してみたり、描いてみたりする。
自分が幸せであることが、自分を愛してくれる人のためにできる一番のコト。
自分の不幸はいっさい話さないこと。
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「世の中でもっとも美しい本のひとつである」
そう帯に書いてありましたが、決して誇張表現では
ないと感じています。
幸福とは何なのか、が大きなテーマですが、
幸福でいるためにはどうあればいいのか、
どう振る舞えばいいのか、何を持って幸福というのか、
ひとつひとつの文章がとても素敵でスっと身体に入っていきます。
短い単元が多数掲載されていますので
気になる所を読んでいけば良いので、気を楽にして読書ができます。
一度読んだらおしまい、でなく、何度も何度も読み返すことで
自分の身になっていく、一生ものの本であると感じました。
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人生、自分自身、人とのかかわり、仕事、そして、幸福。
フランスの哲学者アランの名言を抜き出し再構成した、究極の人生指南書。
名言がありすぎて、憶えていない…。
けれど一貫するのは、結局生きているのは「今」であり、
世界を変えるのは「自分」であるという事。
今度は、完全訳版に挑戦しよう。
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仕事は、あらゆるものの中で最高のものであり、最悪のものである。
自分から進んで自由に働くのであれば、最高、逆にそこに主体性がなければ、最悪である。
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ディスカバー社のニーチェに続くシリーズ。幸福についての200項目。
①笑顔でいる。②不安は無意味な動揺③幸福を演じる④自ら実行する⑤練習を重ねて身につける。⑥人生をとことん楽しむ⑦人を楽しませる⑧自分が幸せであることが最大の貢献⑨目の前の現実に集中する⑩自分の不幸を話さない。など当たり前だけど大切なことが書いてあり忘れないように心の原っぱに育てていけば幸せになる確率が高まりそうだ。