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SiriによるKindle読み上げにはスティーブ・ジョブズの物語が向いている

Siriはスティーブ・ジョブズの話を語らせるのに向いている。
彼のことを知っている人にとっての場合だが。

Steve Jobs Headshot 2010.JPG
By Matthew Yohe at en.wikipedia, CC BY-SA 3.0, Link

Siriによる読み上げは続いている

KindleをiOSの読み上げ機能で聞くようになって半年、ブログに書いてから3ヶ月が経った。

現在、読み上げ機能で読了した本は20冊になる。やはり通勤や筋トレといった時間を、そのまま読書に割り当てられるのは強い。進む速度こそ普通に読むより遅いが、0よりはマシである。それが積み上がるとなかなかバカにできない量となる。

ある程度の冊数をこなしたことで、読み上げ機能に関する知見が蓄積された。今回はSiriによるKindle読み上げ機能に向いている本を紹介したい*1

Siri向けの本

Siri向けの本については上記記事でも説明した。以下の条件を持つ本が向いている、と。

  • 自分にとって重要度が低い
  • 図が無い
  • 英単語やURLが無い
  • 内容が簡単 or よく知っている分野
  • ページあたりの文字が多い

そしてこれらを満たしている本として『吾輩は猫である』を挙げた。

今でも上記条件は間違っていないと思う。だが、一番向いている本は更新された。俺が読んだ中で最も向いていたのは『スティーブ・ジョブズ 無謀な男が真のリーダーになるまで』である。

この本は先の条件を完璧に満たしてはいない。英単語 ≒ アルファベットの名詞があるからだ。この本ではAppleの製品をアルファベットで記述している。しかも全角。おかげで「iPod」をTOEICおばさん*2"イピオディ" と読み上げる*3

「これではダメではないか」と思われるかもしれないが、そんなことはない。急に "イピオディ" と口走られても、それがiPodのことだと俺はすぐに分かった。「ポータブル音楽プレイヤー」だとか、「東芝の超小型ディスクドライブ」といった単語が聞こえてきたら、次に発表されるものが何なのかピンとくる。俺はスティーブ・ジョブズの物語を最初から最後まで知っているのだから。

Siriに向いている本の条件の一つ「よく知っている分野」。ジョブズ本はこれが強い。

解釈と構成を楽しむ領域

俺にとってジョブズ本は信長作品と同じジャンルである。

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By 狩野元秀 (1551- 1601) (東京大学史料編纂所) [Public domain or Public domain], via Wikimedia Commons

「桶狭間の戦い」や「本能寺の変」を知らずに信長作品を手に取る人がいないように、俺はApple追放やピクサー買収*4を知った上でジョブズ本を読む。「このまま一生砂糖水を売りつづけたいか? それとも世界を変えたいか?」というビジネス史上最もかっこいい勧誘でジョン・スカリーが登場すると、俺の脳内はこんな感じになる*5

このように出来事や登場人物などの固有名詞その背景をよく知った本だと、漢字や英単語の読みが少々おかしくても内容を難なく理解できる。なので新たな知識を得るための本よりも、既知の対象について解釈と構成の違いを楽しむタイプの本が、SiriによるKindle読み上げに最も向いているのではないかと考える。

終わりに

SiriによるKindle読み上げが強いのは、読書の時間を純粋に増やすことができることにある。今までやっていた何かを犠牲にするのではなく、並行して読書ができるようになるのだ。

しかし、目で読むのと耳で聞くのでは理解力に差がある。加えてKindleは目で読むために作られているのだから、不都合な点もいろいろとある。

なのでせっかくの本を無駄にしないよう、読み上げに向いた本を選択するべきだ。積読が多い人ならそれほど難しいことでは無いのだから。

信長の記事

*1:別にSiri(女性)に限らずKyokoやOtoyaにも向いているのだが、あいつらはそもそも本を読み上げるのに向いていない。

*2:英単語を読み上げる時に召喚される声。TOEICのリスニングに登場しそうなキャラなのでこう呼ばれる。

*3:Siriは「iPod」と半角で書いてあれば "アイポッド" と正しく読んでくれるのだが、「iPod」と全角で書いてあるとTOEICおばさんが召喚される。

*4:買った時はルーカスフィルムのコンピュータ関連部門であり、ピクサーという名前は買収後につけられている。

*5:立場的にはスカリーの方がジョブズより上だし、先にクビにしようとしたのはジョブズの方と、色々と違う点はあるが。