『レディ・プレイヤー1』を見たら心拍数が137bpmまで跳ね上がった。
これは2015年から見た43作品中最高となる値である。
ネタバレは無い。
心拍数と瞬目数
俺は2014年11月から心拍数を測り続けている。なので映画を観ている時の心拍数データがある。さらに今年からは、映画を観ている時の瞬目数(まばたきの回数)のデータもとるようにした。これによって映画を観ている時の興奮と集中を記録しようとしているわけである。
観ている時の心拍数が高いほど、その映画によって興奮していると考える。
瞬目数は逆に少ない方がその映画に集中していると考える*1。
『レディ・プレイヤー1』のデータ
『レディ・プレイヤー1』を観ている時の心拍数と瞬目数の変化をグラフ化したものが以下である。
まず心拍数だが、冒頭にも書いたように最高値である137bpmを記録した。タイミングは1時間35分の辺り。これがどのシーンであるかは自分で確認してもらいたい。ネタバレに配慮しているのではなく、録画・録音をしていないので分からないだけだ。とはいえ検討はつく。作品後半で興奮度の高いシーンが連続しているとなるとあの辺だろう。
瞬目数だが、後半のほうが少ない数値で安定しており、話が進むに連れて没頭していったことが数値に表れている。実際、集団戦のシーンでは脚が思わず動いてしまった。4DXどころか3Dですらない、ただの2D字幕版を見ていたというのに。ラスト10分の辺りが無駄に集中したことになっているのは、放心状態にあったのだろう。
他の映画との比較
『レディ・プレイヤー1』で心拍数の測定は43作品、瞬目数の測定は9作品となる。
心拍数の比べ方
複数の作品間で比較するときは、測定された心拍数をそのまま使うわけにはいかない。なぜなら、予告を観ている時の心拍数と本編を観ている時の心拍数に相関があるからだ。
映画を観ている時の心拍数は、その時の体調などでも変わるためである。なので複数の作品間で心拍数を比較する場合は、予告と本編で回帰式を出し、その残差を比較することにした。
平均心拍数
測定した43作品分の平均心拍数の残差を高い順に並べたグラフが以下である。
『レディ・プレイヤー1』は下から3番目となった。あれだけの記録を出したのになぜなのか。それは上映30分前にまで遡ると分かる。
上映前も含めた心拍数だけのグラフを以下に示す。
一刻も早く見たかったので今回は朝イチの回を選択したのだが、シンカリオンの実況をしたり*2その他いろいろあって時間ギリギリになってしまった。なので焦りもするし走りもする。その結果が150bpmを超える心拍数の上がり方である。
何とか本編開始16分前に到着したが、一度上がった心拍数はなかなか下がらない。座席で深呼吸しながら心拍数を整えようとはした。だが100bpm以下にはならない。そんな状態で予告が始まった。グラフを見ると予告の間も100bpm付近で安定している。そして本編が開始すると同時に急落して平常値に*3。
そんなわけで予告視聴時の平均心拍数との回帰を出すと、どうしても低い値となってしまうのである。
では視聴中の最高値である137bpmも上映前に走ったことによるものか。そうではない。さすがに1時間半以上も座っていたら呼吸も脈拍も安定する。現に、これまでに見てきた予告視聴時の平均心拍数と変わらない値にまで一度下がっている。つまりあの最高値は純粋に『レディ・プレイヤー1』の実力と言っていいだろう。
異なる日の値を比較するために予告視聴時の値で補正しているが、今回ばかりはどうしようもない。まあ、このデータは論文にするために取っているのではなく、単純に趣味としてやっているだけなので自分が分かればそれでいい。より正確に比較できることに越したことはないが。
最大心拍数
最大心拍数についてもまずは通常通り残差で比較する。
最大値ならばさすがと言うべきか、4位に位置している。予告視聴時が平常で85bpmだったならば残差は29.9bpmとなり、圧倒的1位だったのだが。
ちなみに補正を一切入れず、純粋に最大心拍数で並べると以下のようになる。
完全に他と一線を画している。強い。
平均心拍数と平均瞬目数の組み合わせ
次は横軸に平均瞬目数をとり、縦軸に平均心拍数でプロットしてみる。つまり右に行くほど集中し、上に行くほど興奮する映画ということになる。
こうやって見ると『レディ・プレイヤー1』は駄作に見える。瞬目数はともかくとして、心拍数は上記したとおり理由があるのだから仕方ない。
終わりに
分かっているつもりではあったが、やはり評価を行う時は前準備が大切である。条件をきちんと合わせておかなくては比較の意味が無くなってしまう。今回においては、もっと早く家を出るようにするべきだった。まったく「どんな時でも余裕を持って優雅たれ」は真理である。
『レディ・プレイヤー1』は心拍数からも分かるように、見てよかったと思えた。ただ一つ不満を言うならば、結局リア充的価値からは逃れならないのかよ、と。ハリデーにはエパミノンダスのごとく「作品で遊ぶプレイヤーこそ我が家族」とぐらい言って欲しかった。
使ったもの
心拍数と瞬目数を測定するのに使ったもの。
瞬目数の測定
ハードはJINS MEME ESを使っている。
度入りでもwebから注文できるが、調整は特定の店舗*4でしかできないので注意。俺は視力検査も行いたかったので店舗で購入した。レンズの在庫があったので約1時間程度で済んだ。
データの取得はcsv出力ができるこのアプリ。
https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%83%AD%E3%82%AC%E3%83%BC-for-jinsmeme/id1131541983?mt=8&uo=4&at=11lnWq
注意すべきは自動でログは残らないということ。csvで出力するためには毎回計測を開始する必要がある。
心拍数の測定
俺が使っているのはこれ。
公式のアプリだとcsv出力できないが、これで心拍数を出力することができる。便利。
心拍数を測定できるウェアラブルデバイスは色々と発売されているが、重要なのはcsvなどで出力できることである。amazonを見ていても出力できるかどうかはまず書かれていないので困る。基本的にはできないのだけれど。
あと本編開始タイミングを記録する手段を用意しておくと良い。予告が流れ始めるとスマホなど画面が光るデバイスを操作するのは止めたほうがいいため、物理ボタンで操作できるものが望ましい。俺は上記のPULSENSEのワークアウト機能を利用している。
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瞬目数に関してもう少し詳しく書いている。