たのむ【頼む】 動詞(マ行四段活用・マ行下二段活用) - 減点されない古文

たのむ【頼む】 動詞(マ行四段活用・マ行下二段活用)

trust

意味

四段活用

(1)信頼する・頼りにする・あてにする

(2)お願いする

(3)仕える

下二段活用

(1)信頼させる・期待させる

ポイント

「頼む」は、」+「む」であり、もともとは「手を合わせ、頭を下げて祈る」ことを意味したようです。

む」は上代のことばで、『万葉集』では「懇願する・祈願する」の意味で用いられています。

「祈む」は、「なむ」とも言いますね。

「ナムー」とお祈りする時の「なむ」かな。

サンスクリット語で「帰依する」ことを意味する「ナマハ」「ナモ」ということばが、日本に伝わって、「南無」という漢字をあてたようなので、意味としてはとても近いですね。

インドやネパールなどではこれが「ナマステ」というあいさつになっていますね。

「たのもしい」の「のも」と、「ナマステ」の「ナマ」が、同じことばから来たかもしれないなんて、ムネアツだな。

いま見たように、「祈む(のむ・なむ)」という行為は、「帰依する」「拠り所にする」という気持ちが根にあります。

神に対して行えば、純粋に「祈り」の行為でしょうけれども、人に対して行えば、「依頼」や「期待」を示すものになります

そのことから、動詞「たのむ」は、「頼りにする」「期待する」という意味で用いられます。

もともと、「帰依する」という感覚で用いられていますので、実際の主従関係を示して「仕える」と訳すこともあります。

例文

人を頼めば、身、他の有なり。(方丈記)

(訳)人を当てにすると、自分の身は、他人の所有物である。

頼朝をたのまば助けて使はんは、いかに。(平家物語)

(訳)頼朝に仕えるならば、助けて使おうと思うが、どうか。