もういっちょう!!
意味
(1)そのうえ・重ねて・ますます・いっそう
(2)改めて・新たに・もう一度
(3)(打消表現を伴い)決して・まったく・少しも・全然(~ない)
ポイント
副詞「さらに」は、現代語と同じように、「そのうえ」「かさねて」という意味を持ちます。
「更」は「改めること・新たに引き締めること」を意味する語で、「更新」「更衣」「更生」など、多くの熟語に用いられています。その漢字の意味に近いのが(2)の「改めて・新たに・もう一度」という訳になりますね。
(3)の意味としては、否定のニュアンスが二倍になっているような感じかな。
そういうことになりますね。
「改めて考えても、絶対にいやだ!」とか、「再び見ても、決してない!」みたいな感じですね。
現代語では「そんな気はさらさらない」などの使い方に名残りがあります。
なお、(3)の使い方は、「なし」「ず」「じ」といった、わかりやすい打消表現だけでなく、「不用」といった漢語や、「~かたし(~しにくい)」といった補助動詞とセットになることもあるので、注意しておきましょう。
「さらに不用なりけり」であれば、「まったく無駄であった」などと訳します。
例文
もともすみかに帰りてぞ、さらに悲しきことは多かるべき。(徒然草)
(訳)もとの家に帰ってからは、ますます悲しいことが多いはずだ。
さらに、夜さりこの寮にまうで来。(竹取物語)
(訳)改めて、夜になるころこの役所に参上せよ。
暇さらに許させ給はず。(源氏物語)
休暇を決してお許しにならない。
さらにまだ見ぬ骨のさまなり。(枕草子)
(訳)全然まだ見たことのない(扇の)骨の様子である。