「サイコブレード」とは、サイコミュ送受信用のブレードアンテナである。レジオンにおいて使用されているRX-124 ガンダムTR-6の中でも、副総裁であるグロリアの専用機など少数の指揮官機だけが搭載する強化人間用のハイエンド機器である。その外観は[インレ]を擬人化した翼の生えた少女の彫像で、兵器には不似合いな芸術品的装飾が施されている。これはレジオンのフラッグシップ機であるTR-6が背負う、女王アリシアの威厳を表しているとも言える。黄金に輝く外装は単なる塗装ではなく、素材そのものに高級な火星産の希少金属を使用しているためである。元々は「OVER THE MIND」計画と連動し、人工のニュータイプ「強化人間」とマシンの一体化を前提としたマンマシンインターフェイスの一種として開発されたという経緯を持つ。地球連邦軍(ティターンズ)は、ジオン系組織のNT研究に脅威を感じており、将来的に出現が予想される敵の強力なNTに対抗するためのシステムを用意したのである。そうした意味では、強化人間を兵器の部品のひとつと考えるティターンズの暗部が生み出した装備とも言えよう。同計画の産物である「万能化換装システム(BUNNyS)」により、TR-6は既存の各MSや強化装備の組み替え換装が可能である。同様に、各種サイコミュ系機器やバイオセンサーなどの搭載と制御も可能であり、ブレードアンテナはこうした機器との連動によってより効果的に機能する。強力なサイコウェーブを送受信し、コンポジットブースターをはじめ、コンテナに収納されたファンネル等のサイコミュ兵器との同調率を向上させる。バーザム2に搭載されているブレードアンテナはこの簡易版である。バーザム2と同様、飛行禁止令下の火星上空を周回する監視衛星「エレノア」とサイコミュリンクを繋ぐことが可能。ミノフスキー粒子の影響を受けないサイコミュ通信を行い、エレノアとリンクを構築し、情報や攻撃といった支援を受ける際にも機能する。また、[キハール]系に見られるサイコミュリンク用のブレードアンテナと同等の機能を有したシステムでもあり、味方のEWAC機と連携し、戦場の情報を俯瞰的に統制する機能も有する。そして外観的にも特徴的な左右に長く伸びたツノが、ガンダムタイプMS であることを敵味方双方に視認させる心理的効果を担っている。
プリムローズⅡは、ガンダムTR-6の胴体部を構成するモビルポッドである。TR系MSの強化パーツの換装を制御する中核を成し、MSの性能を次世代クラス以上にグレードアップすることが可能な管制システム(BUNNyS)を内蔵したコクピットユニット。背骨から腰に相当する「ドラムフレーム」を中心とした構造が特徴である。ドラムフレームに下半身やバックパック等を装着してMS形態となる。「能動的に行動可能な脱出ポッド」という意味では、RXシリーズの支援戦闘機であるコア・ファイターと同等の能力を有する。しかし、ドラムフレームを介して様々なオプションを装着することで[フルドドⅡ]など、戦闘機の枠を超えた機動兵器に進化する機能を持つことから、モビルポット(のコクピットブロック)に分類される。ジオン公国軍製のモビルポッドであるMA-02A オッゴと構造的に共通する部分が散見される。これは宇宙開発用に開発された作業用モビルポットと祖を同じくするためである。