A.O.Z Re-boot Vol.82 ARZ-106E ハイザック飛行型(レジオン仕様)/RX-106E プロトハイザック飛行型 | 電撃ホビーウェブ

Vol.59

ARZ-106E HI-ZACK with Flight Unit(Rezeon)

●ハイザック飛行型(レジオン仕様)
ブラックヘアーズ部隊トリスタン船長の手引きによってティターンズ製兵器や他のTRシリーズと共に火星へと渡った本機は、レジオンによって採用され、量産が進められた。
特に「輝ける星」作戦におけるオリンポス山レジオン本拠地制圧戦では、基地防衛特別部隊のムンスキーが率いた新生PG部隊(レジオンのクローン技術によって再生された元アクシズの強化人間部隊)の専用機として投入され、反乱軍の制圧で戦果を挙げた。当時の火星では飛行が禁止されていたこともあり、飛行能力を持たない反乱軍のチェスターJr.が率いる重機MS群を相手に、その飛行能力を存分に生かした頭上からの攻撃により、一方的な戦闘を展開した。
かつてチェスターJr.とムンスキーは共闘し、レジオンに対抗した。しかし、敗北を喫した後はチェスターJr.は火口での強制労働に従事させられた。一方のムンスキーはレジオンに投降した。その後、アクシズ残存艦隊を束ね、ジオンマーズ艦隊と同盟を結んだチェスターJr.は、ムンスキーと彼が率いるPG部隊と対峙することとなる。敵同士として相まみえた両者——、それは[インレ]の導きだったのかもしれない。

︎RX-106E PROTO HI-ZACK with Flight Unit(Titans)

●プロトハイザック飛行型(ティターンズ仕様)
本機はハイザック試作型をベースとして、ティターンズ主導の下、オークランド研究所において開発された機体である。大推力によって大気圏内での自律飛行を可能としているが、その分、パイロットにかかる負担が大きく、事実上、強化人間の専用機であった。
機体各部にわたり、「TR計画」——特にRX-121 ガンダムTR-1[アドバンスド・ヘイズル]——で培われた技術を反映した強化パーツなどを取り付けるといった改修がなされている。また、トランスパックシステムにより[アドバンスド・ヘイズル]と同タイプのパックパックに換装している。脚部にも[アドバンスド・ヘイズル]系のソールブースターを装備。また、[アドバンスド・ヘイズル]系の装備は、頭部のブレード・アンテナに加え、ゴーグルなどのセンサー強化パーツにも見られる。そして腰部サイドスタート及びリアスカートを取り外し、太腿部の後部部にスラスターを増設、背骨の相当するフレームにはウイング状のバインダーも増設されている。これらの特徴は[アドバンスド・ヘイズル]と共通であり、いわば本機の素体部分はハイザック強化型[アドバンスド・ハイザック]とも呼べる性能を有した機体といえる。そして同時に機体構造の一部は「TR計画」における目的のひとつ、次期主力機開発の成果であるRMS-154バーザムにフィードバックされた部分でもある。そして、本機の飛行型としての特徴である装備、マルチコネクターポッドに取り付けられたフレキシブルブースターは、RX-121-2 ガンダムTR-1[ヘイズル2号機]のトライブースターと同系統の装備で、フレームとの接続により自由な可動域を有している。このように全身各部に施された強化によって、本機は爆発的な推進力を獲得、プロペラントの制約は課されるもののMS単体での飛行および対空を可能とした。空戦能力を更に向上させるために、機体各部には試作型イカロス・ユニットを追加装備することも可能。
前述の通りパイロットは強化人間が務めるが、操縦のサポートのために準サイコミュも搭載されている。これにより思考による機体制御も可能である。この技術は後発のニュータイプ専用MSにも用いられている。なお、U.C.0086年7月にティターンズの実戦部隊(ニコシア隊)へ配備された試作1号機は「灰狼(ヴァナルガンド)」という愛称で呼ばれた。

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