「迷惑な終活」 内館牧子
2024-10-14
2024年9月発行 講談社
内館さんは1948年生まれ。
私は1949年生まれだけれど、早生まれだから、多分同学年。
まさに団塊世代真っただ中に生まれた人間です。
本の前半は、ウケそうな単語をいっぱいちりばめ過ぎて
文章全体がごちゃごちゃして読みにくく、うんざりしかかったのですが、
中盤に入り、嫁と姑のバトルのあたりから面白くなってきて、
文章もだんだん余計なものをそぎ落として読みやすくなってきました。
終活とは一体何か?
後に残された者が困ったり迷惑したりしないように
生前贈与したりエンディングノートを書いたり断捨離したり
尊厳死協会のカードを持ったり、さっさと施設に入ったりすることなのか?
それとも、自分が心残りに思っていること、やりたかったことを
身体が動くうちに好きなようにやることか?
文中から引用すると、
「やり残したことをやるという終活には、生きる気合が入るのだ」
「死後の万端を準備しておく終活は、安堵するが、
生きる気合を焚きつけるだろうか」
ということになる。
自分の死後の準備をせっせと整えて、生きる気合など入るの?と
内館さんは言いたいのです。
終活は、他人軸ではなく、自分軸で生きること、とも言っています。
私たち夫婦は「子どもたちが我々の死後困らないように。
迷惑しないように。」と先へ先へと手を打ってきたつもりですが、
それも程度問題で、ほどほどで良かったんじゃないかと・・・
まあ人生に「正解」は無いので、なるようにしかなりませんが。
読み終わった後は、そんなことをボーっと考えさせられました。
(14:10)
「海風(かいふう)」 今野 敏
2024-10-11
「老父よ、帰れ」 久坂部 羊
2024-10-09
「介護士K」 久坂部 羊
2024-10-07
読書感想の前に。
ドジャース、パドレスにボロ負け。
ていうか、ドジャースファン、マナーが悪いなあ。
昨日はグラウンドに飛び出そうとした人が二人いたし、
今日はパドレスの選手に物を投げつける。
怪我させたらどうするんだ。
頭に来たパドレスの選手たちの気持ちに火をつけて、
結果、大量点を奪われた。
ま、こんな調子じゃドジャースは勝ちあがれないね。
゜。°。°。°。°。°。°。°。゜。°。°。°。
ここから、読書記録です。
2018年11月発行 株式会社KADOKAWA
久坂部 羊の本の読後感が良くないのは分かっています。
分かっちゃいるけど、つい借りてきてしまうのは、
やはり、実際の医療や介護の現場を経験した医師として、
資料を読み込んで書いた作家の医療小説よりも
本質を突いていると思うからです。
これを読んで、「最後は施設に入ればいいや」などと
考えていた自分が大甘であると感じました。
年取って、身体が不自由になって、治る見込みもないのに、
日々介護を受けて、何のために長生きしなくちゃならないのか。
毎日「早く死にたい」と泣く老婆を介護する人は
介護していること自体が虐待ではないのか?と
思い悩むのです。
「死にたい」と切に願っても、自分ではどうすることもできない。
施設にいる老人と、それを介護する若い人の苦悩、腹立ち、
不満・・・。これから日本は絶対避けて通れない問題です。
とくに印象に残った一節だけ、書き留めます。
施設専属の医師が言った言葉。
「医学部を目指しているのなら、あらかじめ教えておいてやろう。
何科の医者になっても、患者の命を救って喜ばれるとか
病気を治して感謝されるとか、そんなおめでたいことを考えていたら
大変な目に遭うぞ。医者というのは、必然的に患者を死なせる
仕事だからな。
はじめからベテランの医者はいない。どの医者も未熟な期間がある。
そのとき患者を死なせるんだ」
ある介護士の言葉。
「元気な高齢者もたしかにいる。しかし、ごく一部だ。
死にたいという者にまで生きろというのは、
健常者の驕りではないのか。それは一種の虐待だ。
~中略~介護が虐待につながるとしたら、一体自分は
何をしているのか・・・」
「人の命は地球より重い」などどいうお為ごかしを
言ってる場合ではないのです。これからの老人問題を考えると
何だかゾッとします。
久坂部羊の本を読んでいると、「老人性欝」になりそう。
でも次に読む本もまた久坂部羊です。
(13:00)
「おじさんはどう生きるか」 松任谷正隆 面白くてびっくり
2024-08-25
2021年3月発行中央公論社
最近読んだ本の中で一番面白かったかも。
どこかのおじさんがどう生きようと知った事ではありませんが、
著者が松任谷正隆氏、あのユーミンの旦那。名アレンジャー、
となると、話は別。
文章も書いてるのか~、と、エッセイ集の本棚で見つけて
借りてきました。
新聞、雑誌に書いたエッセイ、書下ろしのエッセイを含む
252頁の本です。
私が特に面白く読んだのは、「トイレは危険がいっぱい」という章。
私がかねがね思っていた事がそのまんま書いてあり、頷くことばかりで
笑ってしまいました。
洋式便器に男が立ってすると、トイレにどういう被害が及ぶか。
松任谷氏は小も座ってする派だそうですが、友人たちを
家に招いた時、立ってする人がほとんどなので
飛び散ってトイレを汚すらしいです。
ホテルの男子トイレの個室で、隣りの個室に入って来た人の、
大をするマナーがまる聞こえであること。
トイレットペーパーをどれだけ使ったかも、
巻き取る音を聞けば分かるそうです。流石音楽家。
シャワートイレのノズルをまず出して
肛門を刺激して便意を促してからする人もいるそうで、
ノズルが汚れている可能性があるので
自宅のトイレ以外は、外出先のトイレで
大のあとシャワーノズルを使わない人も多い、とか。
そうなの?!
これだけの話題を、全く下品さを感じさせずに書ける松任谷さんて、
凄い。
私はかねがね、トイレ、それも大の方の問題に触れている
小説やエッセイは、ほとんどないと思っています。
源氏物語だって、大をしたあと何で拭いていたのかなんて
書いてないし、アルプスの少女ハイジだって、歩けないクララに
どうやってトイレをさせたのかなんて書いてないし、
あれだけ長い「赤毛のアン」シリーズだって、トイレの事など
一行も書いてありません。
幻想的な恋物語やメルヘンなストーリーに、
尾篭な話はなじまないのでタブーなのでしょうが、
私は知りたい。
ホテルで2人部屋に泊まった時に、トイレで、できるだけ
音を立てずに大をする、というのも松任谷氏の悩みの種だったそう。
私も同じです。
自分が出た後すぐに夫が入るのも嫌だし、
夫が出た後すぐに自分が入るのも嫌。
今住んでいるマンションのトイレでは、大の後は消臭剤で
臭いを消しています。
介護生活になったらどうする? それはまた別の話です。
松任谷正隆氏は私より2歳下。
ユーミンの素晴らしい詩と曲は、夫である彼のアレンジがあってこそ
輝きを増すと、ずっと思っています。
そのご本人の人となりを今回初めて本で知ることが出来て
とても面白かった。
ユーミンほどの人とずっと暮らしているということは、
相性が良いんでしょうね。
(14:29)
r様:そうですか。K国ドラマではトイレのシーン、放尿のシーン、
ゲ●を吐くシーンなんかが出て来るんですね。
私はKドラマを1mmも見たことがないので知りませんでした。
実写でのそういうシーンは、見たくないです。(げぇ・・・)