ケ・ブランリ美術館(Musée du Quai Branly - Jacques Chirac)は、2006年にパリで開館した比較的新しい美術館で、エッフェル塔の近く、セーヌ川沿いにあります。
この美術館は、世界の多様な文化と芸術を称える場として、特にアジア、アフリカ、オセアニア、アメリカの先住民や伝統的な文化に焦点を当てたコレクションが特徴です。パリにある一般的な美術館のように西洋の作品に偏らず、地球の多様性や歴史を通じた芸術の魅力を伝えています。

私のフランス語の先生のイザベルが「一番好きな美術館」と言っていたので、私も行ってきました。
入場無料の第一日曜日をねらって。

外の公園も綺麗で、中に入らなくても散歩を楽しめます。
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この建物は、自然と調和した革新的な設計を取り入れています。
館内外に設置された緑豊かな「垂直庭園」は、訪れる人々に自然と共存する空間の豊かさを感じさせ、周囲の都市的な景観との対照が鮮やか。
建物の内部もユニークで、展示室は薄暗い照明と曲線的な通路で構成され迷路のよう。

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オセアニアゾーンから見ていきます。

メラネシアでは、先祖や敵の頭蓋骨を保存し、戦利品として展示することが一般的でした。
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頭蓋骨は人間を守り、自然の豊饒を保証するものだったそうです。
マスクに使われる素材はそれぞれの領土や氏族を示しているそうです。
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死者が聖者の世界から霊界に行くことを祝うときに使われた衣装マスクです。儀式の間、死者は自分の村に戻りますが、その後は永久に離れます。
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若者の大人の男性になるための儀式の踊りに使われるマスクの裏側。
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その他本当に聞いたことのない場所のいろんなマスクが展示されています。
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アンブリム島の北で儀式に使われている精霊の受け皿です。
叩くと音を鳴らすドラムとして作られ、儀式中の踊りの中断、日常的には誰かからの伝言、危険を知らせる、団結させるために使っていたそうです。
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ニューカレドニアで、大長老や首長が死ぬと使っていたマスクです。喪の期間が終わると彼らが一時的に生者の中に戻ることが許可されていました。髪の毛は死者のものを使っています。
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セネガルの中心部に紀元前2世紀からある巨石地帯の一枚岩の一つ。先祖の墓を示しています。
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タイの大地の精霊のマスクです。
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中東ゾーン

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13〜14世紀のイランの記念碑を飾っていた陶器にインスピレーションを受け作られたセラミックの十字架。
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イランの装飾はアジアに通じるものを感じます。

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この鳥かわいい。
イランで蜂蜜を栽培する巣箱の入り口をカバーしていたものです。

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牛。

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イランのカルパラ(イラク)の戦いやフセインの殉教などを描いたタペストリー。
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アフリカゾーン。さまざまな年代のお人形たち。
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ナイジェリアの現代アーティストによるイジェレマスク。祖先や神の霊を表す記念碑なのだそう。

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アメリカンコミックも。
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南アメリカゾーン。
先住民の服。

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メキシコ西部の先住民族、ウイチョク族サイケデリックな絵。儀式のイメージを毛糸で描いています。
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2階もありました。ふかふかのソファで休めます。
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コンゴ共和国のンキシ像。魔法と宗教の力で一族の長を守りました。首の蛇には釣り針が垂れ下がっていて、これで死者の魂を捉えるのだそう。臍を蓋している銅板は、中の魔法を閉じ込めているのだそう。
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コートジボワールのバサ族の女性像。子供から大人への移行が終わった魅力的な女性を表しています。
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見終わって出入り口に戻ってくるとモアイがいました。

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展示数が多いし一つ一つがとても興味深いので、じっくり見ると3時間くらいかかります。
休み休みゆっくりと見て回りましたが、疲れました。でもとてもおもしろい。
イザベルが「一番好きな美術館!」というのも納得です。

最後はお楽しみのお土産屋さん。
アフリカの石鹸
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ペンダント
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メキシコの置物

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なんとも言えない柄のトートバッグ

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アフリカの香辛料
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今回日本の展示は見つけれなかったけど、日本のお土産ものはたくさんありました。
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アフリカのでんでん太鼓

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他の美術館と違って、珍しいものがたくさんあります。
世界中のお土産をちょっとずつぎゅっとしたみたいですごく楽しかったです!

第一日曜日は一部の美術館を無料で入場できるのはすごくありがたいのですが、日曜はお店が閉まってる場合が多いのでお昼ご飯探しがすこし大変。
美術館近くのベトナム料理屋さんで春雨のフォーを食べました。
飲み干せるほどやさしいあっさりスープでおいしかった!
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ケ・ブランリ美術館は、単なる芸術鑑賞にとどまらず、文化的多様性への理解と共感を深める重要な場所でした。

パリの美術館めぐり
 


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