社会 カテゴリーの記事一覧 - himaginary’s diary

社会

トランプ当選に対するアセモグルの反応・その3

前々回エントリで紹介したスレッドで予告された通り、アセモグルがトランプ当選の世界への影響について考察したスレッドを起こしている。 And now on global risks. Trump’s effects will not be confined to within the US borders. He will increase uncer…

トランプ当選に対するアセモグルの反応・その2

前回エントリで紹介したスレッドで予告された通り、アセモグルがトランプの政策について考察したスレッドを起こしている。 What about the economy under Trump? I don’t expect great news for workers, and I see big risks from Trump’s overall agenda, …

トランプ当選に対するアセモグルの反応

がX(ツイッター)に投稿されている(H/T タイラー・コーエン)。前回エントリでクルーグマンとブランシャールの反応と併せて紹介しようかと思ったが、かなりの長文なのでこれで一つのエントリとしてみる。 This is a repost of my original thread about Tr…

変化の風? 母親の労働供給の文化的決定要因

という論文がAEAにアクセプトされている(Mostly Economics経由のVoxEU経由)。原題は「Wind of Change? Cultural Determinants of Maternal Labor Supply」で、著者はBarbara Boelmann(ケルン大)、Anna Raute(ロンドン大学クイーンメアリー校*1)、Uta S…

気候と紛争の経済学の新たな証拠

というNBER論文が上がっている。原題は「New Evidence on the Economics of Climate and Conflict」で、著者はMarshall Burke(スタンフォード大)、Joel Ferguson(同)、Solomon M. Hsiang(同)、Edward Miguel(UCバークレー)。 以下はその要旨。 We su…

25歳時点の人生を想像しよう:ジェンダー規範への従順性とその後の人生の結果

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン、ungated版)。原題は「Imagine your Life at 25: Gender Conformity and Later-Life Outcomes」で、著者はSreevidya Ayyar(LSE)、Uta Bolt(ブリストル大)、Eric French(ケンブリッジ大)、Corma…

反社会規範

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Anti-social norms」で、著者はLeopoldo Fergusson(ロス・アンデス大)、José-Alberto Guerra(同)、James A. Robinson(シカゴ大)。 以下はその要旨。 Since formal rules can only partially reduc…

マッカーシズム、メディア、政治的抑圧:ハリウッドについての実証結果

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン、ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「McCarthyism, Media, and Political Repression: Evidence from Hollywood」で、著者はHui Ren Tan(シンガポール国立大)、Tianyi Wang(…

ドナルド・トランプの言葉

というNBER論文が上がっている。原題は「Donald Trump's words」で、著者はNikita Savin(UCLA)、Daniel Treisman(同)。 以下はその要旨。 Donald Trump’s campaign speeches have impressed some and outraged others. Yet relatively little is known a…

トランプ有利という潮目の変化をもたらした19の要因

をタイラー・コーエンが挙げている。以下はその概略。 トランプとそのチームは今や我々がソーシャルメディアの世界に住んでいることを理解していた。民主党のエスタブリッシュメントでそれを理解している人は一部に限られた。 「トランプ主義」の右派は、少…

プラスのアピールと誤った教訓

イアン・ブレマーが、トランプ暗殺未遂事件を受けて流したこちらとこちらの2つのビデオをツイッターで以下のように紹介している。 まず事件後に流したビデオの紹介ツイート。 7/14ビデオ紹介ツイート1 america’s dangerous cocktail: political extremism, d…

マスク強制の対価

というNBER論文が上がっている(H/T タイラー・コーエン)。原題は「Mask Mandate Costs」で、著者はPatrick Carlin(ワシントン州立大)、Shyam Raman(ウィリアムズ大)、Kosali I. Simon(インディアナ大)、Ryan Sullivan(海軍大学院)、Coady Wing(イ…

なぜ在宅勤務は国と人によって違うのか?

というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Why Does Working from Home Vary Across Countries and People?」で、著者はPablo Zarate(プリンストン大)、Mathias Dolls(IFO研究所)、Steven J. Davis(スタンフォード大)、Nicholas Bloom(同*…

宥和すべき時、罰すべき時:ヒトラー、プーチン、ハマス

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics;ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「When to Appease and When to Punish: Hitler, Putin, and Hamas」で、著者はDavid K. Levine(ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ)、Lee E. …

余儀ない移民と難民:経済的・社会的統合を成功させるための政策

クルド人問題やウクライナからの避難民を受けて日本でもタイムリーになっているテーマを扱った表題のNBER論文が上がっている(ungated版へのリンク)。原題は「Forced Migration and Refugees: Policies for Successful Economic and Social Integration」で…

普通教育は信心深さ、選挙への参加、およびイスラム教政党に投票する傾向に影響するか? イスラム教国の教育改革における実証結果

クルド関係のNBER論文をもう一丁。2013年の表題の論文*1の原題は「Does Secular Education Impact Religiosity, Electoral Participation and the Propensity to Vote for Islamic Parties? Evidence from an Education Reform in a Muslim Country」で、著…

人工国家

前回エントリでクルド問題を取り上げたが、NBER論文でクルドを扱ったものは無いかと検索したところ、直接的なものではないがアレシナ、イースタリーらの2006年の表題の論文が引っ掛かった*1。原題は「Artificial States」で、著者はAlberto Alesina(ハーバ…

クルド人にとっての欧州連合のジレンマ:十分に信頼しないながらも加盟に高い支持

川口市や蕨市のクルド人問題が紛糾しているが、そもそも彼らの大半の出身国であるトルコにおいてクルド人の状況が改善する途は無いのか、と思ってぐぐったところ、2018年4月30日付けの表題の記事(原題は「The European Union Dilemma of the Kurds: High Su…

人工知能導入の最適速度に危害に関する学習はどのように影響するか?

というNBER論文が上がっている(ungated(SSRN)版)。原題は「How Learning About Harms Impacts the Optimal Rate of Artificial Intelligence Adoption」で、著者はJoshua S. Gans(トロント大)。 以下はその要旨。 This paper examines recent proposals …

防衛的な銃使用は犯罪を抑止するか?

というNBER論文が上がっている。原題は「Does Defensive Gun Use Deter Crime?」で、著者はJohn J. Donohue、Alex Oktay、Amy L. Zhang、Matthew Benavides(いずれもスタンフォード大ロースクール)。 以下はその要旨。 We study the opposing deterrent an…

2020年にアジア系米国人に対する暴力事件は増加したのか? 人種が動機の可能性がある攻撃を測定する新たな手法による実証結果

というNBER論文が上がっている。原題は「Did Violence Against Asian-Americans Rise in 2020? Evidence from a Novel Approach to Measuring Potentially Racially-Motivated Attacks」で、著者はAleksei Knorre(ボストン大)、Britte Van Tiem(ペンシル…

組織犯罪と経済成長:マフィアが浸透した地方自治体による実証結果

というNBER論文が上がっている(ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Organized Crime and Economic Growth: Evidence from Municipalities Infiltrated by the Mafia」で、著者はAlessandra Fenizia(ジョージワシントン大)、Raffaele…

トランプは良いこともするのか?

サマーズが第二次トランプ政権の危険性について深刻な懸念を表明している。 以下は12/20ツイート。 The @FT's Unhedged asked me about the macroeconomic implications of a second Trump term: When you have a president who challenges the results of e…

航空事故とフォーク定理

今回の羽田の航空事故を巡り、事故の刑事責任の追及が自動車事故などに比べて緩やかなのはやはり納得できない、という声と、今後の安全性のためにはそれが当然、という現在の慣行を支持する主張が改めて持ち上がり、議論になっている。現在の慣行については…

強制的な追放の世代を超えた健康への影響:第二次大戦中の日系米国人の強制収容

というNBER論文が上がっている。原題は「The Intergenerational Health Effects of Forced Displacement: Japanese American Incarceration during WWII」で、著者はDaniel S. Grossman(ウエストバージニア大)、Umair Khalil(ディーキン大)、Laura Panza…

社会の高齢化とそのシンガポールへの影響

というNBER論文が上がっている。原題は「Societal Aging and its Impact on Singapore」で、著者はCynthia Chen(南カリフォルニア大)、Julian Lim(シンガポール国立大)、Abhijit Visaria(Duke-NUS Medical School*1)、Angelique Chan(同)。これは「…

人工知能の規制

というNBER論文が上がっている(H/T Mostly Economics;ungated版へのリンクがある著者の一人のページ)。原題は「Regulating Artificial Intelligence」で、著者はJoao Guerreiro(UCLA)、Sergio Rebelo(ノースウエスタン大)、Pedro Teles(ポルトガル銀…

メディア報道を用いた社会不安の測定

前回エントリで紹介した論文では、著者の一人のPhilip Barrettが他のIMF職員(Maximiliano Appendino、Kate Nguyen、Jorge de Leon Miranda)と開発した報道社会不安指数(Reported Social Unrest Index)が使われていた。以下はその指数開発時の表題のIMF論…

社会不安の経済的帰結:新規株式公開における実証結果

というIMF論文をMostly Economicsが紹介している。原題は「The Economic Consequences of Social Unrest: Evidence from Initial Public Offerings」で、著者はPhilip Barrett(IMF)、Thomas J. Boulton(マイアミ大)、Terry D. Nixon(同)。 以下はその…

世界の長期介護

という本(原題は「Long-Term Care around the World」)をNBERがシカゴ大学出版局から出版する予定のようで、関連論文が上がっている。以下はJonathan Gruber(MIT)、Kathleen McGarry(UCLA)、Charles Hanzel(NBER)による序章からの引用。 Based upon …