2009-01-01から1年間の記事一覧
というエントリをフェリックス・サーモンが11/29に上げている。そこで彼は、同日のボストングローブの記事を取り上げ*1、サマーズのハーバード学長時代の強気の姿勢が、ハーバードに18億の損をもたらした、と書いている。 以下はその拙訳。 大抵の人は、伝説…
今回はトービン税を支持したクルーグマンのOp-Ed(邦訳はここ、ここ、ここ)にマンキューが噛み付いた。 グレッグ君 このポール君の論説を読んで頭を掻いた。ポール君は外国為替の取引は大部分がロンドンの機関で集中して決済されるから、トービン税を課すの…
今日はWorthwhile Canadian Initiativeブログの記事の中でも、久々にStephen Gordonの書いたエントリを取り上げてみたい。11/26エントリでGordonは、富裕層への課税を強化して貧困層の子供を助けよう、というエド・ブロードベント元新民主党党首の論説を取り…
というロバート・シラーのNYT論説に対し、The Big Picureのバリー・リソルツが異を唱えている(Economist's View経由)。 シラーは次のように書いている。 Beyond fiscal stimulus and government bailouts, the economic recovery that appears under way m…
レイヨンフーブットが再びvoxeuに経済危機についての論説を書いているので、以下にざっとその論旨を紹介する(Economist's View経由)。 かつてはケインズ経済学と新古典派経済学を折衷させた新古典派総合があり、最近はニューケインジアンと新しい古典派を…
WCIブログでNick Roweがマクロ経済学と気象学の類似性と相違について論じている。 類似性 両方とも一般均衡分析を行ない、系全体の中の部分同士のポジティブないしネガティブフィードバックがたくさんある相互作用を理解しようとする。 両方とも異なる変数の…
cf. これ。 (紹介が間際になってすみません。この番組は毎週見ているのですが、前回の放送時になぜか次回予告が無く、今日の朝日のTV欄を見て初めて知ったもので…) 以前、id:bewaadさんのところで 確か数ヶ月前だったと思いますが、 http://www.tbs.co.jp/…
21日エントリで紹介したRoweのモデルについて、彼のエントリのコメント欄でRoweおよびAdam Pと少しやり取りをしてみたので、その内容を補足してみたい。 まず、モデルの3つのケースのうち「●人々が実質債券価格を中銀の政策目標として認識していた場合」につ…
という内容の記事が、昨日のエントリのネタ元でもあるThe Big Pictureの11/17エントリで紹介されていた。元記事は、リチャード・ラッセルという人のDow Theory Lettersという有料ニューズレターらしいが、ぐぐってみると、Investment Postcards from Cape To…
Foreign Policy誌にエドワード・ルトワックが、米国はローマ帝国ではなくビザンティン帝国を範とすべし、と書いている(The Big Picture経由)*1。 ルトワックに言わせれば、ローマ帝国の容赦無い拡張主義や外国人支配や全面戦争の手法を米国が真似たら、却…
17日エントリで、Roweの最近のWCIブログエントリは中銀のコミットメントの問題を扱っている、と書いた。そこでの彼の結論は、上記の本エントリのタイトルに集約されるのだが、同ブログの11/15エントリで彼は、実際に簡単なモデルを構築してその問題を論じて…
11/14エントリでは、軍事費の景気刺激効果が他の公共支出に比べ劣る、という研究を紹介した。また、バロー等の軍事費の乗数効果は1未満という研究にも言及した。 そのバロー等の10/30voxeu論説に対抗するように、11/18のvoxeuでは、アイケングリーン等のチー…
以前、リーマン破綻が金融危機の原因ではないというジョン・テイラーの主張と、それへの反論を紹介した。その後、ジョン・コクランとルイジ・ジンガレスがWSJ記事でテイラーと同様の主張を行い、コロンビア大学教授のリチャード・ロブ*1がFTで反論するという…
クルーグマンが経済論争に関して面白いことを書いている。以下はその拙訳。 ゴドウィンの法則の拡張提案 ゴドウィンの法則――ネットでの議論がある程度長引くと、相手をヒトラーに喩える輩が必ず出てくる――は、もし実際に相手をナチに喩えることに走ったら、…
11日のエントリに馬車馬さんからコメントを頂いたが、その中に、中央銀行のコミットメント能力に関する指摘があった*1。そこで馬車馬さんは、サムナー等はコミットメントの議論にあまり興味がないのではないか、と書かれていたが、Roweの最近の幾つかのポス…
何だか2chのスレタイ風のタイトルになってしまったが、マイケル・J・ロバーツというノースカロライナ州立大学准教授がそう書いている(Economist's View経由)。 以下はその抄録。 So now Krugman says inflation targeting is the first-best solution to o…
先月半ば、エコノミストが日銀の量的緩和について取り上げた(溜池通信やThe Gucci Postでも取り上げられているほか、本石町日記さんもつぶやかれている)。そこでは当時の量的緩和政策の効果について否定的な見解が示されていると同時に、日銀エコノミスト…
以前、ロバート・バローが第二次世界大戦時の支出から財政乗数を計算し、クルーグマンの批判を浴びたことを紹介した*1。その後のバローの動きはあまりフォローしていなかったが、ふと気がつくと、先月末のvoxeuで、バローが国防費を元に乗数効果を推計した共…
という研究をマンキューが紹介している。 何だか風が吹けば桶屋が儲かるみたいな話だが、そのロジックは以下の通り。 米国で過去数十年間に肥満率が高くなったのは、安価なジャンクフードが増えたためと言われている。 外食のコストの大きな要因は人件費であ…
昨日紹介した名目支出を巡る論争において、ベックワースは、サムナーのvoxeu論説に触れていた。そのvoxeu論説でサムナーは、フリードマンの日本に関する記事「Rx for Japan: Back to the Future」(1997年12月17日 Wall Street Journal)を引用している。同…
日本では最近リフレを巡る議論が久し振りに再燃したが、米国でもそれの写し絵のような議論が進行していた。 きっかけは、今月初めのデビッド・ベックワースによる以下の図。これは、米国の名目国内最終需要の前年同期比のグラフだが、1960〜70年代は順調な伸…
昨日のエントリで紹介したように、WCIブログの11/6エントリのコメント欄では、RoweとNeo-Chartalistたちの議論が交わされた。 そこから見えてきたNeo-Chartalistの主張を一枚の図で表すならば、以下が相応しいだろう。 これは、「新しい日本銀行─その機能と…
一昨日のエントリ(およびその他のエントリ)にTB頂いたJ-S-5さんの日記や、11/3のエントリにコメントを頂いた馬車馬さんが紹介されているが、中央銀行のシニョリッジを巡っては、日本のブログ界でも時折り論争(というほどのものでもないかもしれないが)が…
というブルッキングス研究所の記事があった(Economist's View経由)。 その5つの神話とは、以下の通り。 米国人は他国に比べ経済的機会に恵まれている 最近の研究によると、実際には、北欧と英国の低所得者家庭に生まれた子供の方が、大人になってより高所…
11/3に紹介したWCIブログエントリのコメント欄で、Nick Roweは中央銀行のシニョリッジの定式化を試みている。以下にそれを(多少手を加えて*1)紹介する。 中央銀行の資産をAと置く。簡単のため、自己資本は無視し、負債Lはすべて紙幣であるものとする(A=L…
11/3エントリに対し、Cruさんから「徴税を中央銀行発行の通貨で受け付ける国家権力の存在が裏付けなのかしらん?」というコメントを頂いた。 徴税を貨幣論の基礎に置く考えは、拙ブログで何回か紹介したビル・ミッチェルやカンザスブログの人たちの基本的主…
Economist's View経由でMostly Economicsというブログの存在を知った。ブログ主はAmol Agrawalというインド人だが、ぐぐってみても特にどこかの大学に勤めているというわけではないらしい。ただ、それなりに文章を書いたりする人ではあるようだ。 Economist'…
今回は言葉の使い方を巡っての争い。 ポール君 デロングがアラン・メルツァーを批判しているけれど、マンキューも以前メルツァーと同じことをやらかした。彼らは恥を知るべきだ。彼らは、オバマ政権の政策によってこれだけの数の仕事が創出された/救われた…
昨日に引き続き、Nick Roweの中央銀行に関する考察を紹介する。 10/31のエントリで彼は、中央銀行が資産を保有する理由について論じている。 彼は、その理由に関する誤った説明として、発行する紙幣の通貨価値を裏付けるため、という考えを槍玉に挙げている…
という問いに対し、Nick Roweが、それは通貨の発行権などではなく、負債の換金義務を負わないことである、と論じている。確かに一般には通貨の発行権の独占が中央銀行の特徴とされているが、交換の媒体という意味では、小切手やデビットカードがあり、紙幣無…