2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧
最近またサックスとイースタリーの間で開発経済に関する論争が再燃している。Economist's Viewでは、「アフリカ援助に関する泥仕合(Mud-Wrestling on African Aid)」と題された5/27エントリ、および5/29エントリ、5/30リンク集で一連の論争が紹介されてい…
昨日のエントリで紹介したクリントンのインタビュー原稿で、こんな一節があった。 Mr. CLINTON: Oh, I talked to a lot of people. I talked to actually Greenspan about this once. I said how can we have all this money — you remember we had one inst…
ニューヨークタイムズのデビッド・レオンハートのブログに、同紙のピーター・ベーカー記者がクリントン元大統領の記事を書くに当たって行なったインタビューの記録が掲載されている(Economist's View経由)。 そこでクリントンは、自分の政権が続いていた、…
一昨日と昨日のエントリで取り上げたキャプランとクイギンの間の賭けが成立したようだ。クイギンブログの直近エントリによると、2009-2018年の欧州の失業率平均が米国のそれを1.5ポイント以上上回ったらキャプランの勝ち、という内容で合意したとのこと。 ク…
昨日のエントリでは、欧米の失業率を巡るブライアン・キャプランの賭けのオファーと、それに応じたジョン・クイギンを取り上げたが、その後、キャプランがEconlogでクイギンに反応した*1。 そこでキャプランは、スプレッドを1ポイントから広げる用意はあるが…
最近の欧米の失業率の推移を巡り、豪州の経済学者ジョン・クイギンとEconlogのブライアン・キャプランが正反対の解釈をし、遂には両者の間の賭けに話が発展しそうである。 問題の失業率データは、キャプランのこの5/22エントリの図が分かりやすい。この図はC…
少し前に、ロドリックとイースタリーが産業政策を巡って軽く火花を散らしていた(Economist's View経由)。 まず、イースタリーがブログでロドリックのProject Syndicate論説の以下の文章とそこから導かれた結論に噛み付いたのが事の発端。 the countries th…
Econospeakの5/7エントリで、バークレー・ロッサーが、経済マンハッタン計画なるものについて書いている。それによると、事の発端は、エッジ財団*1なる組織のHPで、12月に「Can Science Help Solve the Economic Crisis?」というマニフェストがぶち上げられ…
少し前に、トーマス・ローラーというファニーメイ出身のエコノミストがシラーに噛み付いたというWSJ記事があった。ローラーは、シラーが計算した過去100年の米国の住宅価格の推移を示す指数には誤りがある、と主張しているとのこと。 記事によると、シラーの…
オーストラリアのヘッジファンド経営者であるジョン・ヘンプトン(John Hempton)が、自身の有名投資ブログBronte Capitalで、共に金融危機を経験した日本と韓国を比較している。 まず彼は、日本経済史を黒船襲来から説き起こしている。そして、日本の家計、…
ジェームズ・スロウィッキーが、金融業界はどうして巨大化したのか、について書いている。 その冒頭で彼は、2008年に16年ぶりに金融セクターのGDP比率が減少したことを取り上げ、これは「静かなクーデター」を書いたサイモン・ジョンソンのように金融業の肥…
少し前に、TIMEが金融危機の戦犯25人をリストアップしていた。The Big Pictureの2/13エントリで、バリー・リソルツ(Barry Ritholtz)が、このリストには欠陥があると批判しつつ紹介している。 以下がその25人のリスト。 アンジェロ・モジロ(カントリーワイ…
昨日のエントリで取り上げた信用緩和の効果について、タイミングよくNews N Economicsで表題のようなポストが上がっていた。内容はタイトルそのままで、インターバンクやCP市場などFRBが介入した市場では、指標金利が落ち着きを見せているが、FRBが介入して…
出所:RebelEconomist氏ブログ「Reserved Place」5/6エントリ 要は、日本の量的緩和では源(マネタリーベース)の準備預金を増やして後は市場に任せていたが、信用緩和では個別市場の足りないところに資金を注ぎ込んでいる、ということ。 P.S. [エントリを…
クルーグマンが5/4のop-ed(邦訳はこちら)で、賃金の下落傾向と、それによる物価下落への懸念を表明した。それに対し、Econlogのブライアン・キャプランとデビッド・ヘンダーソンが、相次いで批判エントリを書いた。 5/7エントリでキャプランは、賃金が減少…
12日のエントリで、ニューヨーカーでブログを書いているスロウィッキーの米国の銀行政策擁護論を取り上げ、その中でスロウィッキーと、The Baseline Scenarioのサイモン・ジョンソンとジェームズ・クワックの論争について触れた。そこでは両者間のIMFの数字…
以前、今回の危機を日本のみならず世界はマドルスルーしていくしかないのではないか、と書いたことがあったが、ひさまつさんがミクロではマドルスルーは良いが、マクロではまずいのではないか、と書かれている。氏がそこで触れているスティグリッツとクルー…
少し前にMarginal Revolutionで、タイラー・コーエンが、1930年代より後の平時に、最も深刻な経済不況を経験した非共産圏の先進国はどこか、という質問を投げ掛けていた。そして、回答としてこの論文を提示している。論文の著者は、ユーリ・ゴロドニチェンコ…
昨日のエントリの補足として、今日は、スロウィッキーが依拠した2009年4月発表のIMFの国際金融安定性報告書(GFSR)の関連テーブル、中でもEconbrowserでメンジー・チンが推奨したChapter1のTables 1.3と1.4を自分なりに整理してみる。 まずはTable1.3の要約…
多くの経済学者や論者が米銀行のバランスシートについて悲観的な認識を示し、国有化論を唱える中、ジャーナリストのスロウィッキーがこのところ、自身のニューヨーカー誌サイトのブログで、米銀行の状況は言われるほど悪くない、このままいける、という論陣…
5/2エントリで紹介したアイケングリーンの論説について、Econospeakブログ*1でエバーグリーン州立大学のピーター・ドーマンが異議を唱えている。 ドーマンは、過去20年間に経済学の重要な理論的発展があり、それが今回の危機の理解に役立つこと、および、経…
岩本康志氏や土居丈朗氏のニューケインジアン理論礼賛に喧嘩を売るようなタイトルになってしまったが、オーストラリアの経済学者ジョン・クイギンがそう書いている(Economist's View、デロングまとめサイト経由)。 クイギンは今年に入ってから、「論破され…
ロバート・シラーが、ミシガン大学消費者信頼感指数(University of Michigan Consumer Sentiment Index)で知られるミシガン大学サーヴェイ・オブ・コンシュマーの調査結果を元に、現在の人々の大恐慌到来への恐れが意外に高くないことを示している(Econom…
The Baseline Scenarioで、サイモン・ジョンソンが、米州開発銀行におけるサマーズの講演内容*1を批判的に紹介している。ジョンソンによれば、サマーズの講演のポイントは以下の5点。 あらゆる危機はいつかは終わる。経済の「自己均衡」の働きが最終的に取り…
一昨日紹介したサイモン・ジョンソンの論説では、(その言葉自体は使っていないものの)ワシントンコンセンサスの終焉について書かれていた。 それから一歩進んで、これからはワシントンコンセンサスから北京コンセンサスだ、という意見がProject Syndicate…
昨日紹介したサイモン・ジョンソンの小論の中に、独禁法を改正して、今や米国版オリガルヒとなった金融機関の解体に適用せよ、という主張があった。 To ensure systematic bank breakup, and to prevent the eventual reemergence of dangerous behemoths, w…
少し前にロドリックとサイモン・ジョンソンが軽く火花を散らしていた(Economist's View経由)。テーマは、グローバルな金融市場の監督規制が是か非か、という点である。 サイモン・ジョンソンは、「静かなクーデター(The Quiet Coup)」と題された小論で、…
と題し、少し前にFreakonomicsが日本政府の日系人への帰国支援金支給政策を取り上げている(日本のブログではここでそのエントリが紹介されている)。 取り上げられた政策の内容は厚生労働省のHPで読めるが、その別添のpdfには以下のように書かれている。 厳…
Willem Buiterがブログでグーグルに噛み付いている。冒頭は以下の文章で始まっている。 Google is to privacy and respect for intellectual property rights what the Taliban are to women’s rights and civil liberties: a daunting threat that must be …
アイケングリーンが、21世紀の経済学はこれまでの演繹的な経済学から帰納的な経済学になるだろう、と書いている(Economist's View経由)。 「リスクの最後の誘惑(The Last Temptation of Risk)」と題されたその小論*1の前半部分では、経済学そのものには…