photo via Pexels
部下や社員のモチベーションを高める方法は、心理学で古くから研究されており、心理学の領域では「動機づけ」と呼ばれている。
日本でよく行われている
動機づけは、「
ニコポン主義」と呼ばれており、社員に気持ちよく働いてもらうために、ニコニコしながら肩をポンとたたくことから、そう呼ばれているようだ。
たしかに、サラリーマンの職場を見ると、とにかく部下に気持ちよく仕事をしてもらうために、
上司が部下のご機嫌をとっている風景を見かける。日本人ならではの「
お・も・て・な・し」精神からだろうか。
上司のこういう行動は、
自分の気持ちに嘘をつく仕事(
感情労働)になっていることが多く、
精神的ダメージが大きいため、上司は苦悩する。
人間関係からの動機づけは「
人間関係論」と呼ばれており、1933年頃に研究されていたが、最近の研究では、このような
人間関係を重視して動機づけすることは時代遅れの方法になっている。
また、部下や労働者に任せる
仕事を単純化・固定化して、機械のように
単純労働をさせる仕組み作りは、アルバイトの労働環境でよく見かける。よくよく考えられた
マニュアルが存在して、そのように動くので
効率はいいのかもしれない。
こうした労働方法は「
科学的管理法」として1911年に研究されているが、労働者にとっては付加価値を出したり、職場をよくしようとする気持ちが生まれづらく、
ただ賃金と労働量のバランスを取るように働くようになってしまう。こうして、割に合わないとすぐに辞めてしまう職場になってしまうのだ。
人間関係論や科学的管理法はすでに時代遅れだが、日本ではさまざまなところでこの考えに基づいた労働環境が作られている。しかし、それは社員のやる気向上にはつながりずらい。
そこで心理学の領域では、どのような要素を揃えることで労働者の動機づけ(モチベーション向上)が可能か研究されており、近年は「人の欲求を満たす」という考えに基づいた、
行動科学の考えが有名だ。
そのなかでも「
達成動機理論」というものがあり、これは筆者の実体験からも有効だと考えられるので、ご紹介しよう。