以前の記事でも書いたのですが、ジョン・カーペンター監督は『ヴァンパイア/最期の聖戦』のラストシーンについてハワード・ホークス監督の『エル・ドラド』を参考にしたそうです。
あるブログにこう書いてあります。
ホークスは、自身の作品について「友情が何よりも強い感情だ」と述べており、アクションや銃撃戦が目立つ西部劇でありながら、キャラクター同士の絆が物語の柱になっていることが、この映画を特別なものにしています。
これは『ヴァンパイア/最期の聖戦』にも言えることで、一見、ヴァンパイア退治+西部劇映画なんですが、物語の柱は人間関係なんですよね。
物語はハリー・ブラウンの小説『The Stars in Their Courses』を基にしていますが、大幅に脚色されています。友情、名誉、自己犠牲を中心にしたテーマが物語の核心をなしており、西部劇ファンだけでなく、幅広い観客に向けて制作されました。
(中略)
原作はより悲劇的な内容であり、主要キャラクターたちが悲惨な結末を迎えます。しかし、ホークス監督はこの悲劇的なトーンを軽減し、よりユーモアとアクションを重視した物語へと改変しました。彼自身も「悲劇的な要素が強すぎる」と感じ、映画の脚本を再構築したと言われています。
これも『ヴァンパイア/最期の聖戦』とベースにした原作『ヴァンパイア・バスターズ』 (ジョン・スティークレー著、集英社文庫、原題『Vampire$』)の関係と似ています。『恐怖の詩学ジョン・カーペンター 人間は悪魔にも聖人にもなるんだ』によると、ジョン・カーペンター監督は、主人公ジャック・クロウに壮絶な過去があるという設定を採用するために、原作でのスレイヤーたちが金儲けのためにヴァンパイア退治をやっているという設定をやめました。あと、原作ではアダム神父が死んでしまうようです。アダム神父の位置づけもきっと全然違うんだと思います。
ハワード・ホークス監督について無知だったのですが、ジョン・カーペンター監督が尊敬して多大な影響を受けた監督なんですね。リメイク映画『遊星からの物体X』の元の映画『遊星よりの物体X』がハワード・ホークス制作というのも今更知りました。
敬愛している映画作家たちの中で、とりわけハワード・ホークス作品からの影響やホークスへの尊敬は広く知られており、特に『ジョン・カーペンターの要塞警察』や『ゴースト・オブ・マーズ』は、ジョン・ウェイン主演の『リオ・ブラボー』のオマージュ作品であり、その他の多くの作品にもホークス作品の影響が強いと知られている。
『リオ・ブラボー』(1959)は『エル・ドラド』(1966)と同じくリー・ブラケット脚本、ジョン・ウェイン主演で、よく比較される作品だそうです。
そして驚くべき事実を発見!
仮面ライダーで知られる石ノ森章太郎の代表作である秘密戦隊ゴレンジャー、同作から始まるスーパー戦隊シリーズは本作から強い影響を受けて創作された。
ハワード・ホークス監督とジョン・ウェインのおかげで今の日本のヒーローが存在してるんですね。そんな2人の作品に出会えて良かったです。