共働きの子育て家庭に必要なお金の知恵 vol.1 家計の分担方法 | Harmonies with KUMON

共働きの子育て家庭に必要なお金の知恵
vol.1 家計の分担方法

女性が働くことがスタンダードになっている今、共働きスタイルの夫婦が増えています。家計はひとつであるのに、収入源はふたつ存在する共働き夫婦は、家計管理が複雑化しやすいのが特徴です。それではどのようにやりくりしたらいいのでしょうか。vol.1となる今回は「家計の分担方法」をご紹介。vol.2では「貯蓄の方法」、vol.3では「学費の準備」と、全3回に渡って連載します。

〈教えてくれた人〉
山崎俊輔さん

ファイナンシャルプランナー 山崎俊輔さん

フィナンシャル・ウィズダム代表。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。分かりやすく読みやすいお金のコラムが人気で、各種メディアで多数の連載を抱える人気FPのひとり。一男一女の父で、ご自身も家事育児の分担をほぼ5割実行している共働き子育て夫婦。


共働きの家庭は家計管理が複雑化しやすく
まずは夫婦での見直しを

共働きの子育て夫婦 家計の分担法

ひとつの家計に対して、収入源がふたつある共働き夫婦。どちらかいっぽうが生活費すべてを負担していれば家計管理もシンプルですが、固定費は妻・光熱費は夫、のように、それぞれが支払いをしているパターンも少なくありません。また、自分のお小遣いからちょっとした生活費を支払うこともあり、何にいくら使ったのかが不明瞭になりがちです。

共働き夫婦の場合は、細かく家計管理をしなくても、なんとなくやりくりできてしまうこともあるのですが、そのままのペースで10年過ごしてしまうと、まったく貯金できていないまま時間だけが過ぎてしまった……なんてこともあり得ます。目の前の家計がやりくりできることと、夫婦の将来が安定することとは、まったく別の話なのです。

結婚当初に家計の分担ルールを決めておくのがベターですが、ルールを決めてこなかったご夫婦も多いでしょう。しかし将来的に、出産や子育て、車や家の購入などに大きなお金が必要になるタイミングもあるかもしれません。そんなときのために、複雑化した家計管理をどこかのタイミングで見直してみることをおすすめします。


お互いの収入と現状の負担額を見える化し
年収を考慮して負担割合を設定

共働きの子育て夫婦の家計の分担法

まずは、「どちらがどれだけ負担して」「何にどれだけ使っているか」をクリアにします。次に、源泉徴収票などを見せ合って、お互いの収入を把握しましょう。その年収を考慮して、適切な負担の割合を設定。子育て中であれば、例えば妻は産休や育休をとったり、時短勤務にして収入に反映されると、夫よりも年収が低くなりますよね。ですが、負担額が夫と同じになっていれば、妻の負担割合の方が大きくなっている、ということになります。

毎月の平均的な生活費を累計して、だいたい年収対比に収まるように調整。季節によって変動する光熱費をどうするか、子ども服の買い替えなどの臨時支出はどうするかも、決めておくといいでしょう。

なんとなくでシェアしていると、負担額が多い方にモヤモヤが溜まりがち。気持ちよくお金を使って楽しく生活するためにも、何にいくらかかっているかをきちんと“見える化”しましょう。お互いに納得できる分担方法を決めることが、共働き夫婦の家計管理の第一歩です。


クレジットカード・電子マネー・現金と支払いが多様化。
家計の見える化には、家計簿アプリを活用

家計簿アプリ

支払いが多様化している今、何にいくら使っているか不明瞭になりがちですよね。毎月きちんと家計簿をつければ、収支はクリアになるものの、お互いに仕事で忙しくしている共働き夫婦にとっては、それが負担になることも。その負担をすっきり解消してくれるのが、家計簿アプリです。

今のアプリは、銀行口座の入出金明細を自動的に反映できるのはもちろん、複数のクレジットカードの紐づけもOK。電子マネーにも概ね対応していますし、ネットショップなどのECサイトの登録ができるものもあります。さらに現金で支払ったときは、スマホのカメラでレシートを撮影するだけで、品名や金額などを自動で読み取るという嬉しい機能も。お互いに、何にいくら使っているのかわからない場合は、まずは家計簿アプリで収支の見える化をしてみましょう。


お小遣いの額も
きちんと決めておくこと

共働きの子育て夫婦の家計の分担法

生活費の負担額は年収を考慮して設定する、とお伝えしましたが、お小遣いに関しては、夫婦それぞれが仕事・家事・育児に参加してバランスを取って生活が成り立っているのですから、特別な理由がある場合を除いて、同額で設定していることが理想的です。しかし年収の高いほうがお小遣いが高かったり、高いことを希望することが多いようです。どうしても納得してくれない場合は、「お小遣いは私よりあなたを多くするけど、そこには残業のときの食費代やおつきあいの飲み代も入れておくことにしてね」のようにして、納得のいく金額を話し合って調整してみてください。

また、自分のお小遣いからの出費なのか、食費などの生活費なのかが曖昧になってしまいがちです。これを解消するには、支払い方法を分けるのがおすすめです。夫婦共通で精算すべき食費などの生活費はクレジットカード、お小遣い系の出費は交通系ICカードやバーコード決済に入金してそこから出費する、のような感じです。

ところで、お小遣いはお互いが自由に使えるお金になります。金額を話し合って決めたら、何に使っているかはあまり干渉せず、それぞれがリフレッシュするために自由に使いたいものですね。推し活に使ったって、お小遣いの範囲ならOKなのです。

家計管理が複雑化しがちな共働き夫婦は、まずは負担額をクリアにして、お互いが納得できる家計の分担ルールを決めましょう。将来的に幸せな家庭を築くには、妻と夫のどちらか一方が決めるのではなく、ふたりで考えていくことが大切です。次回は「貯蓄」について、山崎さんに教えていただきます。


<さらに知りたい方へ>
「共働き夫婦 お金の教科書」

今回お話を伺った山崎さんの著書。共働きの夫婦の、家計・貯蓄・投資・住宅購入・学費といった、お金のルールをまとめた一冊。お金のことはもちろん、夫婦の将来のことを話し合うきっかけづくりのヒントをご紹介。(プレジデント社)

イラスト:くらちなつき 編集・文:桶川雅代 監修:HugMug編集部

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