アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーとともに〜おママの貼り絵日記〜

アルツハイマーの母(おママ)が作った貼り絵と暮らしを紹介しております。

「おママの貼り絵を」最晩期(2) 嬉しいよ〜&真似っこは上手

(2022年11月26日 アルツハイマー認知症の診断から約15年9ヶ月)

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2年前

おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。

貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。

しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。

そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。

(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)

そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。

私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。

でもこれが限界だったと、今でも思っています。そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が5枚ほどあります。私としては印象深い作品でした。

それらをこの11月と12月でご紹介していこうと思います。

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うれしいよ〜

今日ご紹介する貼り絵は2022年11月26日に制作されました。

まさにちょうど2年前ですね。

この頃のおママは前述の通り、ハサミの使い方もわからない時が増えていました。

それで,私が考えたのは「今までおママが好きだった紙を見せて、おママの気分を揚げてみよう」作戦でした。

おママは認知症ですから記憶はほとんどありません。しかし、好きなものはいつ見ても好きなようです。
そのおママが繰り返し好んで貼り絵に使ったのが、このハワイの包装紙です。

この日も見るなりテンションが上がって、ハサミを持つ気になったおママさん。(๑˃̵ᴗ˂̵)

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<おママの貼り絵制作動画①>

2022年11月26日 9:30〜(1分39秒)

おママは大好きなハワイの包装紙を切りながら言っています。

「うれしい〜、うれしいよ〜。」

この包装紙を見ると気持ちが高まるのでしょう。

そして、おママは今回のメインピースをきりはじめました。

 

(↓)まるで腕時計のようにメインピースを配置しました。

切れ端を集めた箱から、私が小さな紙片を幾つか出しておきました。

(↓)おママは構成を考えています。同じ包装紙から小さなピースを切り出しています。

(↓)ハワイの包装紙で作ったピースは貼り終えました。あとは他の色の紙を付けようとしています。

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<おママの貼り絵制作動画②>

2022年11月26日 9:56〜(2分20秒)

おママはクリスマスリースの絵のついた桃色の四角形を貼り付けています。

しかし、その位置が若干中央からズレたので、綺麗に剥がして貼りなおしました。その作業の途中で私チャーコが手を出しましたが、おママの位置感覚の方が正確だったようです。

最後に、おママは青いマーブル染めの三角形をどうするのでしょうか?

中央円形の、背後に貼りたかったらしく、動画終了後にまた上部分だけ剥がす作業をしました。

(↓)動画の直後に、おママと私は慎重に円形の上部を剥がし、糊付けをしました。

 

真似っこは上手

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<おママ、上手に日付を書く>

2022年11月26日 10:01〜(54秒)

認知症専門クリニックの先生は

「かなり認知症の症状が重くなっても、真似っこなら出来る方が多いです」

と仰っていました。

直前に私がペンを持って書く動作をおママに見せれば、案外見本通りに数字が書けていました。

(↓)他に使用した紙です。

ブルー系の紙はおママが昔自分で染めたマーブルペーパーです。

www.lupicia.com

(↓)関連作品です。

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

高価な時計

(2020年11月21日アルツハイマー認知症の診断から約13年9ヶ月)

(↑)背景に使われている青い細かい模様は湿布薬の保護シートです。つまり湿布を貼る時に剥がした物で、透明のシートに青い模様が印刷されていました。

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時計です

これは先月のことです。

夕方、ジジが自分のデスクに座ってゴソゴソしていました。

髭剃りをしようと電動カミソリをゴソゴソ出しているのかと思いきや、

別段デスクの上は混乱もなくスマホがポツンと置かれているだけでした。

「時計の電池がなくなったから、電気入れていたんだよ。」

どの時計の電池交換をしたのか?

いやいや、デスクに時計なんてないし。

ただ、デスクの上に放置されたスマホは充電100%で、ケーブルは只今外されましたと言わんばかりに傍で伸びていました。きっと、恐らくこれでしょう。

「お父さん、その四角いやつね。」

「そうそう。」

ツッコミどころ満載ですが、ジジが「時計」の充電をケーブルで行うと覚えていたのはエライです。

「あれは時計というよりは電話だね。」

「え⁉️あれ、電話だったの?

時計だとばかり思っていたよ。」

うーむ。どうりで最近電話を掛けてこないわけだわ。

そういえば、以前カップラーメンを食べる時にもスマホを時計がわりにしていました。

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時計の機能だけだとしたら、随分、高価ですね。毎月電話料金がかかりますから。

別にジジがスマホを持っている必要もないから、ガラケーに戻しても良いのかも。

でも、また機種が変わったら、それはそれで電話としては使いこなせないでしょう。

時刻が知りたいだけなら壁にかけている時計を見れば良いことだけど、

最近のジジは昔からあるその時計の存在も定かではありません。

腕時計でもするかな?

うーむ、わざわざ買うこともない。

メールも見ないジジですから、今更スマートウオッチなんて論外です。

まぁ、このままジジのスマホは四角くて薄い時計のままになりそうです。

(๑˃̵ᴗ˂̵)

本日アップの貼り絵

2020年11月21日の作品です。

丁度、今から4年前の今日でした。私がいない時におママが1人で取り組んだので制作途中の写真もありません。

余白に「2020.11.21」と日付が見えます。これはおママが記入したものです。

大抵、おママは貼り絵を仕上げると,裏面にその日の日付を記入していました。それは、2007年ごろからの習慣なので、おママは条件反射的にこれを書いていました。

つまり、実はこれは裏面で、表にも貼ってあったのです。(↓)それはこちら。

これはおママが台紙に使っているハガキを節約したのではなく、単純に表面に貼り絵がある事を忘れて裏面にもやったのだと思います。

両面とも仕上げてから、おママはハガキを裏返して日付を書こうとしたら、

「こっちにもあった❗️」

きっと,おママは気がついて笑っていたのではないかと思います。

(↓)使用した紙です。

紅茶のブランドTWGの包装紙です。

ペパーミントティーの個別包装袋

(↓)おママは熱心に切り揃えていました。

坂角総本舗の袋も使っています。

www.bankaku.co.jp

(↓)小津和紙で購入した友禅紙です。

(↓)関連作品です。

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

 

不徒然記(ホットカフェオレを買う少女)

(2021年10月31日アルツハイマー認知症の診断から約14年8ヶ月)

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モヤモヤする

私はコーヒーが好きです。

1日2杯と決めていて、基本的には夕方6時以降は飲まないことにしています。

が,しかし❗️(๑˃̵ᴗ˂̵)

実家でジジと夕食を食べて夜に帰宅するときは、どうしても実家の最寄り駅前のコンビニでホットコーヒーを買ってしまいます。

別にジジはそれほど重い介護を必要としている状況ではないし、性質はマイルドです。ですから、実家の帰りに「どうしても飲まずにゃいられん❗️」という鬱屈した気分ではないのですが、自分自身への「おつかれさま」気分で買ってしまいます。

税込120円のコーヒーを手に駅の改札を通り、ホームのベンチに座って飲むコーヒーの

何と美味しいことか❗️

何と安上がりな私❗️(^O^)

先週の金曜日(11月15日)の夜、いつものコンビニでいつものように「ホットコーヒーR」を買ってマシンにカップをセットした時、私はふと隣のマシンを見て違和感を感じました。それが今もモヤモヤしています。気になったのは昭和人(半分は平成人ね)の私が古い人間だからかもしれないけど、吐き出すところがないから書いてみようと思いました。

手元が気になる

私がコーヒーマシンで抽出を待っていると、隣のマシンの前で女の子が悪戦苦闘しているのです。

彼女はどう見ても小学校1年生くらいでした。身長もまだ低くい。

コンビニのコーヒーマシンの下の方には、紙カップにプラの蓋を被せるための銀色の小さな台があります。丁度その台の高さが彼女の顎の位置よりちょっと下でしたから、やはり年齢を高く見積もっても小学校低学年でしょう。

彼女は銀の台に熱いカフェオレのカップを載せ、やっとこさ取ったであろうプラの蓋を必死でしっかりと被せようとしていたのです。

この蓋をきちっと装着しないと、持って歩く時に中の液体が縁から溢れることがあります。熱い飲み物だと大人でも手にこぼれれば「あちっ❗️」っとなって危険です。

女の一生懸命さは経験上それが判っているような風情でした。

カップの上辺はだいたい彼女の目の高さの位置で、まだ子供の小さな手と細い指では右側が嵌ると左側が浮いてしまうという状況が繰り返されていました。

(手がかじかんでたりすると、大人でも厄介な作業だよね…。)

下手をしたら彼女が熱いカフェオレを溢すのではないかと、私はその手をじっと見守っていました。でも、私のコーヒーの抽出が終わってもまだ蓋を被せきれていないので、思い切って声をかけてみました。

「大変そうだから,お手伝いしましょうか?」

すると、彼女は少し潤んだ瞳で私も見て、すっとカップから手を離しました。

私がささっと蓋をして「出来ましたよ」と言うと、彼女はペコリと頭を下げました。

そしてか細い声で

「ありがとうございます」

と言うなり、カップを手に小走りにコンビニから出て行ってしまいました。

幾つかの違和感

彼女の背を見送って、私は速やかに自分のコーヒーに蓋をした時、ふと思ったのです。

(あの子は独りでコンビニに入店して、ホットカフェオレを購入し、マシンで抽出していたのか。)

それが小学校高学年とか中学生くらいなら、まださほど違和感は感じなかったでしょう。

(あの幼い子がコンビニのカフェオレを自分のために買っていたのか?)

昨今のコンビニのコーヒーは、コーヒー好きの大人でも満足出来る味を目指しているから、カフェオレといえども結構カフェインは入っているよね…。

とても小さな少女が好んで飲む代物ではありません。

それに彼女はどことなく焦っているようだったので、誰かを待たせている可能性も考えられました。

(となると、駅前は駐車禁止だから、自家用車の中で親が待っていて、子供に買いに行かせたのか?)

しかも、温かい飲み物を入れた紙カップは手に持つと結構熱い。

実は私は某外資系コーヒーチェーン店の紙カップホルダーを捨てずにいつもトートバックの隠しポケットに入れています。それでコンビニのホットコーヒーを持って歩く時は、ちょっと大きさは合わないけどサッとそれを装着して運んでいます。

だからこそ思うのです。

(小さな子供にこの熱い紙コップを持たせるなんて、言語道断❗️)

私の想像力が逞しすぎて考えすぎなのかも知れません。でも、ふつふつとやり場のない怒りが込み上げてきました。

彼女は私に対して「ありがとうございます」と言える躾を受けていて、服装や見た感じから、ちゃんと親が気を配って育てているであろうお子さんでしょう。

でもさ、今の若い親御さんたちは、これって平気なのでしょうか。

年端の行かない子供に小銭を持たせて、独りでコンビニに行かせ、

身長もまだ低いのに、コーヒーマシンで熱い飲み物を抽出させ、

プラの蓋をきちっと被せるという子供にはちょっと手こずるような作業をさせた上に、

熱い飲み物の入った紙コップを運ばせる。

からしたら、この4点、どれをとっても有り得ない。どれも小さい子供には事故につながりかねない危険なことだと思います。

もし百歩譲って幼い彼女がそのカフェオレを飲むとしたら、保護者はノンカフェインの飲み物をすすめた方が良いでしょう。

そして、もし本当に大人が飲むホットカフェオレだとしたら、

その大人が自分で買いに行け❗️

そう思うのは私が古い人間だからなのでしょうか?

モヤモヤするーーーー❗️(°_°)

本日アップの貼り絵

2021年10月31日の作品です。

私がいない時に、おママが独りで取り組んだ作品なので,途中経過写真も動画もありません。「お題パック」も該当する写真データがないので、おママが自分で箱から使う紙を選んで切り貼りしたのだと思います。

(↓)使用した紙です。小津和紙で購入しました。

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

 

 

23価肺炎球菌ワクチンを打ちました & 眼科に行きました

(2020年5月25日 アルツハイマー認知症の診断から約年3ヶ月)

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訪問診療は先送り

こちら関東も、すっかり秋らしくなってまいりました。

月日は瞬く間に経過していき、今年も残り1ヶ月半。

そして、気が付けばジジの薬が残り少なくなっていました。

ジジは96歳、血圧の薬はそれなりに飲んでおります。

42日分処方してもらうので、前回の通院は9月の下旬でした。

このかかりつけ医への通院については…、

もしかしたら、7月の猛暑の頃に

「車椅子でジジをクリニックに連れて行くのも大変だから訪問診療にしたい」

と、私がブチギレていたのをご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。

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その件はどうなったのか…。

ええ…。ケアマネジャーさんにも相談し、あれこれ訪問診療のクリニックのリストなど資料もいただいたのですが、結局まだ何も進展してはおりません。

理由は、

その1 ジジにこれといって持病がない

その2 ジジが更なる経済的負担を嫌がる

その3 天候とチャーコのコンディションによっては、車椅子を押して連れて行けなくもない

ブログの題材的には新しい局面があった方がいいのですが、長いスパンの介護ではそうもサクサク話が進むとは限らず、来年以降のジジの状態によって再度検討することになりました。

8年前だってさ

前回9月にかかりつけ医のクリニックに行った時、医師から言われました。

「田中さんはご高齢だし、肺炎球菌ワクチンをそろそろ打っておいた方が良いと思いますが…。」

ああ、あの5年に一度打てば良いという肺炎の予防接種ね。

www.mhlw.go.jp

 

結構お高い注射です。2回目以降は完全に自費です。

「前回は8年前でした。まる5年間隔を開ければ打てます。予約なしで受けられますので、次回どうですか。」

そう言われても,最近ワクチンにはあまり乗り気ではない私は生返事をしておりました。

過去ジジは5年ごとに「肺炎のワクチンを打った」と嬉々として言っていたのですが、私はどうでもいいなというのが正直な感想でした。

自費のワクチンは高い

先週の金曜日(11月8日)は私が実家に行く日で,しかも暑くも寒くもない晴天でした。

ジジの血圧の薬がなくなりそうだし、かかりつけ医のクリニックに行こうと思い立ちました。

(陽気が良いから、ついでに帰りに駅の向こうまで足を伸ばして、眼科にも行ってしまおうか。)

ジジは軽めの白内障です。その目薬が絶えて久しい。それにジジは夏の間「目が痒い、時々目ヤニが出る」と言っていたのですが、熱い季節は私も車椅子を押して行くのも辛いので、ずっと我慢してもらっていました。

「お父さん、陽気が良いから、内科の後に眼科にも廻ろうか?」

するとジジは喜んで「行く行く」と嬉しそう。(^。^)

一応,真面目な私は肺炎球菌ワクチンについて本人の意思を確認してみました。

「それで、5年おきに打つ肺炎球菌ワクチンはどうしますか?」

「毎回打っていたっけ?それはいくら?」

「5年おきに打っていたようですよ。8500円で税込9350円だそうです。」

「ふんふん、打つよ。」

「9350円もしますけど…。」

「やっておいた方が良いだろう。」

吝嗇なくせに、こういうことには不思議と惜しみがない。(訪問診療代は惜しむのに)(^◇^;)

ワクチン+塗り薬

かかりつけ医で測定したら、体温は36度2分。血圧は下が90上が126。良い感じです。「23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)」の問診票を記入して、予防注射はサクッと終了しました。

薬の処方の話になって、私はデイサービスからの連絡事項を思い出しました。

「入浴サービスの時、父の体の皮膚が乾燥してカサカサしているそうです。デイサービスからは『かかりつけ医にお願いして保湿の塗り薬を処方してもらって下さい』と言われました。可能でしょうか?」

すると医師から

「ローション、クリーム、軟膏がありますが、どれが良いですか?」

と聞かれました。

「風呂上がりの保湿ですから,まずはローションだと思います。ローションで保湿してから既に持っているワセリンを塗ろうかと…。」

「分かりました。」

医師はカルテに書き終えて、キリッと私の方を見ていうのです。

「2週間後にはインフルエンザとコロナのワクチンが打てます。予約なしで大丈夫です。2種類同時に打てますよ。」

私が目を瞬いていると、さらにダメ押しのように付け加えました。

「インフルエンザもコロナも定期接種の案内が届いているでしょう❗️」

ええ、まぁね…。

「あ…そうですね…。次回はインフルエンザだけでも…。」

「次回?次回ったら6週間後じゃないですか。もう少し早い方が良いです。」

この先生,やけに熱心じゃないか…。(°_°)

久々の眼科

その後、10分ほど車椅子を押して眼科へ行きました。こちらも待合室から診察室まで車椅子のまま入るので、比較的空いていたので助かりました。

ジジの視力は昨年とほぼ同じ。白内障の具合もほとんど悪化していなかったようです。

96歳の車椅子爺さんと、それを押しているのはアラ還の娘。

医師も見るからに大変そうだと思ったのでしょう。

白内障の点眼薬は多めに出しておきますから,なくなったらまた来て下さい。目やにが出た時のは2本だけ出しておきます。」

眼科の方は3ヶ月は通院しなくてすみそうです。

 

2件の通院を終えて薬局に処方箋を出して帰途に着いた時には、だいぶ夕日が傾いていました。あまり緑も少ない住宅地ですが、秋の夕焼けは良いものです。

「きれいだね。」「本当だね。」

ジジも一仕事を終えて満足そうでした。

でも、私はまだやる事が残っておりました。

実家へ戻ってジジにおやつのプリンを食べさせてから、薬局へ薬を取りに行かなければなりません。

全部終えた時にはあたりは完全に暗くなっていていました。

さすがにクリニックを2件ハシゴは草臥れました。

チャーコは最寄りのコンビニでコーヒーを買って、自分へのご褒美にしましたとさ。

本日アップの貼り絵

2020年5月25日の作品です。

私はいない時におママが1人で取り組みました。そのため途中経過写真もありません。

なぜこの作品を今まで私はブログにアップしなかったのか?

2020年当時、おママはたくさん貼り絵をしていましたから、私はこの作品を地味だと感じていました。

「紙片を貯めた箱から選んで貼っただけ」

そんなふうに思っていました。でも、今回見返すと、なんともユーモラスに思えてきました。ピースの色彩は落ち着いていますが、良い感じの配色でおママの工夫を感じます。

それにこれでもかっていうくらい貼って貼るのは「栗しぐれ」です。

(↓)業務スーパーで購入したお菓子の個別包装から切り抜いていました。

安価なお菓子なのですが、結構美味しくて、よくおママと食べたものです。

このツルツルした包装紙から「栗しぐれ」の文字とイラスト部分を切り抜いて貼るのですから,おママは本当に食いしん坊だし手先が器用でしたね。(๑˃̵ᴗ˂̵)v

(↓)過去にはこれで鶴を折ったこともありました。

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因みに、この「栗しぐれ」のメーカーは日本橋菓房さんです。

nihonbashi-kabou.kokubu.co.jp

おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

「おママの貼り絵」最晩期(1)素敵な3分割

(2022年11月4日 アルツハイマー認知症の診断から約15年9ヵ月)

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2年前

おママが特別養護老人ホームに入所したのは2023年正月明けです。

貼り絵制作はその直前の2022年12月19日まで続けていました。

しかし、この年の11月から12月、認知症の症状が進んだおママは、ハサミを持つのも糊をつける事も、直ぐに判らなくなっていました。

そのため作業中、一回一回、私はハサミの持ち方使い方をおママに教えていましたが、思うようにできないとおママ自身ハサミを持とうとしない日もありました。

(あんなにハサミで紙を切るのが好きで、上手だったのにね。)

そう思うと、私は悲しくて仕方がありませんでした。

私がもう少し粘れれば、もう数日可能だったかも知れません。

でもこれが限界だったと、今でも思っています。

そんな「おママの貼り絵」の最晩期で、まだブログに掲載していなかった貼り絵が5枚ほどあります。私としては印象深い作品でした。

それらをこの11月と12月でご紹介していこうと思います。

欠片を楽しむ

2022年11月4日。

この日はおママに好きな紙片を選んでもらいました。

紙片は今までの貼り絵制作で出来た切れ端のようなものです。当時のおママにとってはハサミがうまく使えなくなっていたので、これらがとても良い材料となりました。

おママが最初に選んだのは赤と黒の紙片です。形も面白いですね。

おそらく,これらの作品の残りだったのでしょう。(↓)1ヶ月前の2022年10月はまだハサミが上手に使えていたのに❗️日によって出来る時もあったのですが、おママの急速な衰えに、私の気持ちがついていけませんでしたわ。

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<おママの貼り絵制作動画①>

2022年11月4日11:27〜(2分11秒)

クリーム色の缶の蓋をまるで画面のように見立てて、おママは選んだ紙片を並べていました。今,動画を見返していると、

(ハガキ大だけではなく大きな画用紙にたくさん貼ってもらっても良かったな)

と思いました。

「……いいからってね、ちゃんともらったほうがいいよって、みんないっていたのよ。なにをすんですか、ぜんぜんだめですよ、なんていってね……。」

おママは紙片を選びながら、ずっと話をしていました。

これは思い出の断片なのでしょうか?

それとも,ただ思い浮かんだ言葉を話していただけなのでしょうか?

私には判然としませんでしたが、おママが楽しそうなので良かったです。

ハサミを使ってみる

おママは赤と黒の紙片を手に取って、人差し指で「こうこう…」と縦方向に触れていました。切ってみたいようです。私はすかさずおママにハサミを持たせ、一緒に手を動かしながら切り方を教えました。するとこの日はなんとなく切れそうな感じがしました。

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<おママの貼り絵制作動画②>

2022年11月4日11:31〜(1分27秒)

ハサミで紙片を縦にさん分割しています。おママの思うままにハサミは曲線を描き、予想外の面白い形が生まれました。

おママはそれらをハガキの上に載せて、楽しそうに構成していきます。

(↓)さらに形を整えてみる。

赤黒ピースを上手に3分割出来たので、おママもとても嬉しそうでした。

他のピースと組み合わせる

(↓)色と形の組み合わせは楽しい作業ですね。

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<おママの貼り絵制作動画③>

2022年11月4日11:37〜(1分57秒)

赤と黒の3本のメインピースは既に糊つけ済です。おママの指に糊が少し残っていてベタついていました。そのため、小さなピースがうまく配置できないのですが、おママはそれも楽しいのでしょう。まるで「箸が転んでも可笑しいお年頃」ですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)v

(↓)糊つけは順調にできました。(^O^)

 

(↓)使用した紙片の元はこんな紙でした。

江口宝飾さんから頂いたカレンダーの写真です。

www.guidenet.jp

(↓)美味なる高級塩昆布❗️花錦戸「まつのはこんぶ」の包装紙です。

頂き物で、ジジもおママもご飯のお供に大喜びでした。

小津和紙で購入した友禅紙2種。


おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

 

 

2024年10月の面会 

(2021年11月3日アルツハイマー認知症の診断から約年9ヶ月)

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今回も絵本

10月の面会は8日火曜日だったので、かれこれ1ヶ月ほど前の事です。

おママは穏やかに暮らしているようですし、入所していらっしゃる他の方々も 皆さん和やかな表情だったので、私もオネコさんもホッとしました。

夏頃からシール遊びが難しくなってきたので、面会の時は絵本を持参するようになりました。

(↓)今回、用意したのはこの2冊でした。

www.fukuinkan.co.jp

www.fukuinkan.co.jp

『くだもの』は図書館で借りました。今回は貸出が多かったのでしょうか。書架に0歳からでも楽しめるシリーズが少なかったです。選びようもなくこの絵本を借りました。でも、7月に写実的な果物の絵本を持参した時のおママの感触が良かったので正解だったようです。

『ぞうくんのさんぽ』はオネコさんも私も我が子に読んであげた絵本です。絵がほのぼのとユーモラスで単純なストーリー。

どちらも,まぁまぁ、おママは楽しめたのではないかと思います。

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<絵本を眺めるおママ①『ぞうくんのさんぽ』>

2024年10月8日11:00〜(1分08秒)

福音館書店、なかのひとたか 作・絵 なかのまさたか レタリング,  初版1977年4月

「『うわぁー』って倒れちゃったよ」

と絵を見て私が言うと、おママは小首を傾げていました。

「そう?」

 

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<絵本を眺めるおママ①『くだもの』>

2024年10月8日11:05〜(1分02秒)

福音館書店 平山和子さく 初版1981年10月

やはりおママは果物が好きなのですね。熱心に見ています。そして最後のページを終えて、何か感想を言っているのですが、私達にも詳細はわかりませんでした。

「なにか……やってないと……ほんとうに……して…。」

美味しそうなイメージは伝わったかしら。(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

(↓)絵本を眺めるおママ。ご飯もおやつも完食しているようだけど、痩せたなと思いました。まぁ,風邪も引かずに元気でいるから良しとしましょう。(^。^)

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訃報

おママも私たち姉妹も、そしてその子や孫たちも大好きな『ぐりとぐら』。

その作者の中川李枝子さんが10月14日にお亡くなりになりました。『ぐりとぐら』の絵を描いたのは中川さんの妹の山脇百合子さんでした。山脇さんは2022年9月に80歳で亡くなったそうです。

(そうなのか…『ぐりとぐら』の作者が…。)

このシリーズで育った私としては感慨深いです。

でも、きっと『ぐりとぐら』は、この先もずっと時代と世代を超えて、生き続けると思います。

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www.asahi.com

本日アップの貼り絵

2021年11月3日の作品です。

この貼り絵は私がセットした「お題パック」を使って、おママが一人で取り組みました。そのため制作途中の写真はありません。(^。^)

*「お題方式の貼り絵」と「お題パック 」について

2019年の夏ぐらいから、おママは貼り絵に使う紙を自分で1から探して選ぶ事が難しくなってきました。それで、あらかじめ私が「お題」と称して何種類かの紙を用意することが多くなりました。その他に組み合わせする紙片をおママに選んでもらってから、切り貼りを楽しんでもらうようになりました。私はこれを「お題方式の貼り絵」と呼んでいます。

 私が実家に行かない時でもおママが貼り絵に取り組みやすいように、「お題」と台紙にするハガキをチャック付きのビニール袋に入れておく。これが「お題パック」です。

(↓)同じ日にこちらの作品も制作していました。

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(↓)使用した主な紙です。

小津和紙で購入した友禅紙です。

(↓)おママが好んで繰り返し使用した友禅紙「波紋」。こちらも小津和紙で購入しました。

(↓)おママが認知症になる前の、ルリーユール(ヨーロッパの伝統的な製本技術)を習っている頃に、自ら染めたマーブルペーパー。どちらかというと和紙に墨流し染めをしたという方が正解でしょう。ピンク色はおそらく溶いた水彩絵具だと思います。

(↓)関連作品

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おママの貼り絵を見てくださり,ありがとうございます。

月末企画❗️今月のイチ押しリターンズ(2018年10月版)おママと渋谷

(2018年10月24日  アルツハイマー認知症の診断から約11年8ヶ月)

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「今月のイチ押し❗️リターンズ❗️」とは

昨年の1月におママが特別養護老人ホームに入所したので、もう、新しい貼り絵作品は出来ません。(面会時にシール遊びはしますが…)

一昨年まで、「月末企画❗️今月のイチ押し❗️」は当ブログの月末恒例行事でした。

オネコと私は「イチ押しミーティング」をして、特に印象に残る作品を選んできました。

それはすぐに意見が一致することもありましたが、紛糾する(大袈裟です)こともしばしば…。

しかし、それも出来なくなりました。寂しいものです。

「今月のイチ押し」は今見ても素敵な作品が多いです。当時を思い出して、今、感じることもあります。

そこで考えたのが「リターンズ❗️」。

6年間72枚の中から、私が特に好きな作品を再びご紹介する企画です。

(↓)先月の「イチ押しリターンズ❗️」です。

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懐かしの東急百貨店と渋谷

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2018年10月の「今月のイチ押し」作品です。

メインで使っていたのは東急百貨店の包装紙でした。

(↓)このロゴマークからこの作品を生み出す面白さ❗️

当時、私はおママの感性に驚かされました。合計4つ分のロゴを切り抜いて使っています。

しかも楕円形を描く1mm半の細い曲線を丹念に切って貼っているので、当事のおママは目も手先もかなり冴えていたのだと思います。

 


www.tokyu-dept.co.jp

東急百貨店というと、私は渋谷を思い浮かべます。

高校生や大学生の頃は、東急ハンズ、東急本店、東急文化村(Bunkamura)、東急東横店、東急のれん街、東急プラザなど、渋谷の街は東急系が多かったです。

認知症になる前のおママは、井の頭線神泉駅から歩いて東急本店に行くのが好きでした。1ヶ月か1ヶ月半に一度、そこの食料品売り場に好きなお茶を買いに行っていました。渋谷駅の雑踏を掻き分けて歩くより、のんびりと散歩が楽しめたからでしょう。

時にはおママと一緒に文化村へ美術展を観に行った事もあったっけ。

帰りに東急本店の地下で和菓子を買って帰り、緑茶を入れて頂きましたわ。

だから東急の包装紙を見ると懐かしくなります。

(↓)東急百貨店の包装紙でこんな作品もありました。

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渋谷駅は今も変わり続けています

2018年当時、既に渋谷駅周辺の大規模再開発が始まっていて、おママの歩いた渋谷は失われていました。

(この包装紙っていつから実家にあったのかしら?このデパートにおママが最後に行ったのは何時だったか…?数年前にオネコと一緒に靴を買ったのは、どこのデパートだったっけ…。)

もしかしたら、10年、20年、いやもっと前から有ったのかも知れません。

私がまだ結婚する前、おママと一緒に行った東急。

渋谷には本店、駅には東急のれん街、東急プラザ(ただ今工事中)もありました。

その頃、おママは今の私と同じ年頃だったのですね。

ちょっとそんな感傷にふけってみるのも、私の思い出と今日見た渋谷の光景があまりにかけ離れた世界だったからでしょう。(笑)

www.re-shibuya.jp

2024年現在、数年前よりは渋谷駅周辺も形になってきましたが、今も工事は続いていています。

工事中でも工事終了して新たな姿になっても、

昭和から平成の感覚が抜けない私にとって,渋谷駅周辺は迷い込んだら出られない「迷宮」と化してしまいました。(^◇^;)

2018年当時はまだ、銀座線渋谷駅では東急東横店から発着し、屋外を走行する車両の姿が見られましたが、今は明治通りの上にホームが出来て、完全に隠れてしまいました。

それはそれで銀座線をよく使う私には便利だけど、往年の銀座線のイメージが消えてしまい寂しです。

www.shibuyabunka.com

とはいえ、東京の大都市は時代とともに変化していくもの。百年先も利便性高く商業地として発展していくには必要な事なのだと思います。(^◇^;)

今回の「イチ押しリターンズ」を見直しながら、そんなことを考えていました。

おまけ

今年も実家のホトトギスが綺麗に咲きました。オネコさんが植えて育てています。

おママの貼り絵を見て下さり,有難うございます。