新・はんきちのつぶやき
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そしてキム秘書
韓国の映画・ドラマ産業の仕組みを理解して、観ていなかった作品に手を伸ばしてしまった。『キム秘書はいったい、なぜ?』(原題:김비서가 왜 그럴까)

コロナ期の前に流行っていたことは知っていた。かなりの数の人たちから観たことを聞いていた。けれども、ちょっと人を馬鹿にした題名をつけることへ疑問と御曹司ものへの忌避感から、この作品は番宣すら観ようともしていなかったのだ。

そして観始めてしまったら、これがまた面白い。第4話に入ったところだけれど、全体の構成と今後の展開は予期できてしまったが、それでもグイグイと惹き寄せられる。

何といっても主演のパク・ミニョンだ。『天気が良ければ会いにゆきます』で悩殺されていたけれど、改めて脳内パク・ミニョン全開になってしまった。

読まなければならない本や聴かなければならない音楽もたくさんあるのだけれど、このドラマ沼に嵌ってしまったからには当面抜け出られそうにない。

■キャスト
イ・ヨンジュン(ユミョングループ副会長): パク・ソジュン
キム・ミソ(ヨンジュンの秘書):パク・ミニョン(子役:キム・ジユ)
イ・ソンヨン(ヨンジュンの兄、ベストセラー作家モルペウス):イ・テファン(子役:ペ・ガンユ)
パク・ユシク(ユミョングループ社長、ヨンジュンの友人):カン・ギヨン
■製作
監督;パク・ジュンファ
企画;スタジオドラゴン
脚本;ペク・ソンウ、チェ・ブリム
プロデュース;チャン・ジョンド、イ・ヨンオク
製作;TvN、2018年

■番組トレイラー
そしてキム秘書_c0193136_07122230.png



# by k_hankichi | 2025-03-27 07:12 | テレビ番組 | Trackback | Comments(2)
韓国ドラマ成功の理由
『韓国ドラマ全史』(黄仙恵、ディスカヴァー携書)を読了。韓国ドラマが優秀で素晴らしい理由がよく分かった。

出版社の紹介記事にイントロが書かれている。

韓国はIMF危機によって全ての産業の見直しが行われたことは知られているけれど、放送業界・映画業界・コンテンツ製作業界についてもそうだった。

様々な法整備や改定が行われて、より自由にかつ事業として効率的に運営が出来るような仕組みになっている。

人材育成の仕組みも整備され、優秀な製作陣、俳優陣を輩出できるようになっている。

この本は僕ら映画・ドラマ愛好家のためだけでなく、日本の省庁(特に文科省と経産省)の役人や為政者たちが読むべき良書だ。

これを読んで日本の仕組みを改造していかないと、このさき文化面やそれを支える産業面でも遅れが致命的になるのではないか。



韓国ドラマ成功の理由_c0193136_08501540.jpg


# by k_hankichi | 2025-03-26 08:00 | | Trackback | Comments(2)
記憶の欠片が呼び起こされる物語
春の古本まつりで買い求めていた『朝鮮人部落』(成允植、同成社、1973年)を読了。表題作の中篇と、短篇五作からなる。

舞台は川崎の街の一画なのだけれど、どの作品も僕の小学生時代の記憶の欠片と重なってゆく。

僕は或るとき母から低い声で次のように言われた。市の史跡を兼ねた大きな公園の南側一帯は彼らの住む一画だよ、クラスメートのxx君はあそこから通っているのだからね。それだから何か?と訊きたかったが、親のぎゅっと結ばれた口元を見て押し留められた。

次のような一節が通奏低音に流れ、そのなかで生きる人たちの押し堪えた呻きと共にある生き様が描かれてゆく。

“関東大震災で罪のない朝鮮人を数千人も切り殺しておきながら、いまだに線香の一本もあげてやらないその根性を。それだけかい、え、いくらでも喋ってやるよ。あたしだってちゃんとした舌がないと思うのかい。鄭さんからもみんな聞いたよ。内鮮一体だ、なにがどうだといっては、火を焚きつけて、朝鮮青年を数十万人もの兵隊に刈りだして殺しておきながら、戦争がおわると手の裏をかえしたように傷ついた者を国がちがうからといって治療の面倒さえみようとしない。自分の国の兵隊には年金までやっているというのに。そんなひどいことをしておきながら、また朝鮮人がどうだこうだといっては差別をする。”(表題作より)

あとがきで著者は次のように書く。

“祖国から杜絶されている状況が久しく内攻していると、鬱屈したあらしがさかまく。ペンをとれば奔流のように堰を切って溢れる激情がほとばしるはずであるが、われわれを取り巻く構築はそれにもまして重厚な沈黙を凝するのだ。海をへだてた彼方はわれらの想念をはるかに超えて頂針をめざし、電動している。歴史の皮肉な錯綜によって異国に四半世紀を越えるまで生息しているという仮装をまとい、いつまでも堕眠をむさぼるようではすでに骨格からの腐食を免れることはできない。この地に逼塞している限り、たとえ四肢をかけめぐる呪詛めいた意識を吐露する負い目に陥るとしても語るべき蓄積は天日にさらすべきであろう。そのことは倭少にしてとるに足らぬものであれ、やがてわれらの目ざす地標へ飛翔する一里塚の責を担って立つのだ。”

すごい意気込みとともに書かれた作品集だった。


記憶の欠片が呼び起こされる物語_c0193136_06234555.jpg

# by k_hankichi | 2025-03-25 06:23 | | Trackback | Comments(2)
『正体』はそこそこだった
映画『正体』(藤井道人監督、2024年)を観ていなかった。日本アカデミー賞の監督賞・主演男優賞・助演女優賞を得たということで、少しだけ気になって観てみた(Netflix)。
https://movies.shochiku.co.jp/shotai-movie/

ストーリーは昔のテレビドラマや映画の『逃亡者』と似ている。殺人事件の目撃者が犯人に仕立て上げられ有罪を言い渡される。そこから真犯人を見つけるべく逃亡を図り、真犯人の存在に迫っていく。

横浜流星の演技が評価されたようだけれど、僕にはその良さが分からない。吉岡里帆についても同様だ。

殺人をしっかりと目撃した原日出子の取り乱しようは凄い。観ている人をこれほどまでに苛々させるのか。人はどこまで無自覚になれるのかをとてもよく表している。僕は彼女のほうが助演女優として素晴らしいと思った。

横浜流星を犯人に仕立て上げた検察の酷さを訴える度合いが弱い。上役の松重豊の事なかれ手前勝手さ。山田孝之の苦悩不足。それらについて、もっともっと描いて欲しかった。


『正体』はそこそこだった_c0193136_06482929.png

# by k_hankichi | 2025-03-24 06:47 | 映画 | Trackback | Comments(2)
(あまり)読めない人でも読みたくなった
これまで沢山読んできたようでいて、その内容が殆ど記憶にとどまっていないのが村上春樹で、その記憶の失われ方は他の著者のものに対してより酷いと思う。ストーリーそのものまで完全に忘れている。読んでいるようで読めていない、そういう作家だった。

そんななか友人から薦められた『読めない人のための村上春樹入門』(仁平千香子、NHK出版新書)を読了。

オウム真理教の被害者たちを取材しての作品について、著者は次のように書いている。なるほど、と感心した。

“村上は地下鉄サリン事件の調査を通じてある危機感を覚えます。それは麻原彰晃も村上春樹もともに「「物語」を職業的に語る人種」であったことです。といっても両者が語る物語には決定的な違いがあります。麻原の語る物語は単純で、相手に疑問を持たせない物語であり、村上の語る物語は複雑で相手に思考を促す物語であることです。麻原が信者たちに与えた物語について、村上は次のように説明します。

それはなにも洗練された複雑で上等な物語である必要はない。[中略]むしろ粗雑で単純である方が好ましい。さらに言えば、できるだけジャンク(がらくた、まがいもの)である方がいいかもしれない。人々の多くは複雑な、「ああでありながら、同時にこうでもありうる」という総合的、重層的な・・・そして裏切りを含んだ・・・物語を受け入れることに、もはや疲れ果てているからだ。そういう表現の多重化のなかに自分の身を置く場所を見出すことができなくなったからこそ、人々はすすんで自我を投げ出そうとしているのである。(「アンダーグラウンド」751頁)

粗雑でジャンクであったからこそ、麻原の物語は受け入れられたと村上は言うのです。多面的に物事を観察し、考えることに付かれた人々のニーズは合っていたと。”
(「第二章 村上春樹が考える「自由」とは何か」より)

事件を報じるマスメディアに対しても鋭い見方をしていた。

“つまり麻原もマスメディアも同様に、「粗雑で単純な物語」で信者や視聴者を増やし、彼らに一面的な見方を促したと言えます。このように村上がオウム事件の調査を通して訴えようとしたことは、ある一教団による狂気の事件の詳細ではなく、「あちら側」の狂気と言えるものが「こちら側」にもあり、それが何より思考の停止を促す報道の裏にひそんでいるという意味で、オウムの問題は日本社会全体の問題であるということでした。麻原やマスメディアが利用する物語の「悪しき力」に対抗して、村上が小説を通して伝えようとする物語の「善き力」とは、「複雑で重層的な物語」であると言います。つまり性急な判断を促さず、相手を立ち止らせて考えさせる物語です。誰かに決定を任せず、自らが観察し、分析し、答えを出すよう導く物語です。”
(同上)

この著者の視点はとてもしっかりしていて、ようやく村上春樹に対しての僕の理解度の不足(や無さ)が補填されていくような気がした。

道は遠いけれど、すこしづつ読み直していきたいと思う。


(あまり)読めない人でも読みたくなった_c0193136_08241068.jpg

# by k_hankichi | 2025-03-23 08:23 | | Trackback | Comments(2)