一言で「 材料を混ぜる 」といっても、カクテルには混ぜる手法が何種類かあります。
その用途は、軽く混ぜ合わせる、混ざりにくい材料を合わせる、泡立てる、固形を液体にする、急激に冷やすなど様々です。
今回はその中でも最も基本的な手法「 ビルド & ステア 」のご紹介です。
バースプーンの使い方 ビルド & ステアの違い編
カクテルを作る手法は、大きく分けて 4つあります。
ビルド・ステア・シェーク・ブレンド です。 今回はビルドとステアをご紹介いたします。
カクテルを作るときに本やネットなどでレシピを調べると、「 ステア 」「 ビルド 」という書き方をしていることにお気づきでしょうか?
どちらも材料を混ぜることには変わりはありません・・・。「 じゃあ1個の呼び名でいいじゃん 」と思うかもしれませんが、もちろん違いはあります。
今回はビルドとステアの違いを解説いたします。
ステア Stir
Photo|ミキシンググラスとストレーナー
ー ステアとは? ー
そもそも「 ステア 」とは「 かき混ぜる 」という意味で、かき混ぜることで均一のテイストをつくることと、冷却を最大の目的としています。
BARなどに行ってみるとお分かりかと思いますが、基本お酒は常温で棚に並んでいます。 なので材料を冷やすためにステア手法を用いるのです。
ー ステアの目的 ー
上記でも記載した通り、ステアを行う目的は材料の味などを均一化するための「 混ぜる 」という事と、常温保存されている材料を「 冷やす 」という役割を持っています。
他にもロングカクテルのように直接グラスに材料を入れて作ることのできないショートカクテルなどは、大きめのミキシンググラスに材料を入れて、混ぜ合わせたあとに小さめのグラスヘ注ぐという役割も持っています。
ー 使用法とカクテルの例 ー
ミキシンググラスに角の無い氷を入れます( キューブアイスの場合は一度氷だけでかき混ぜて、水分のみ捨てます )材料を入れて10回~15回かき混ぜた後ストレーナーを装着し、ストレーナーを抑えながらグラスヘ注ぎます。
マティーニやマンハッタン、マルガリータとカクテルを代表するレシピがショートカクテルには多く存在します。こういった小さめのグラス( カクテルグラス )で飲むカクテルにミキシンググラスを使った「 ステア 」という手法を用います。
[ スポンサーリンク ]
ビルド Build
Photo|バースプーン
ー ビルドとは? ー
「 ビルド 」とは「 組み合わせる 」または「 注ぐ 」という意味があり、ステアのように完全に混ぜるのではなく、組み合わせる、もしくはグラスに直接注ぐという目的の際に使います。
ー ビルドの目的 ー
グラスヘ直接材料や氷を入れて作っていく手法です。
ビルドの目的はカクテルを簡単に組み立て、味や風味を混合させることなく、材料の層を保持します。
完全に混ぜ合わせないことで、最初の飲み口と最後の飲み口で違いを生むことを目的にする場合であったり、軽く回すことで炭酸類の抜けを和らげることなどの目的もあります。
ー 使用法とカクテルの例 ー
使用するグラスは、コリンズグラスやタンブラーグラスなどのカクテルを直接組み立てるためのグラスを使用します。基本的には、氷 ⇒ 材料 ⇒ 混ぜるという順番です。風味のアクセントの果実は氷よりも先に入れ、飾りであれば最後に飾ります。
カクテルの例としてジントニック、ウィスキーハイボール など、直接グラスの中で組み合わせていくもので、主にロングカクテルがこの手法になります。
違いのまとめ
ステアとビルドの違いについて解説しましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
簡単にまとめますと・・・
ステア = よく混ぜ合わせて味を均一化することと冷却すること、そしてショートカクテルなどの直接材料を入れて混ぜ合わせることができないグラスのカクテルには、ステアを用います。
ビルド = グラスに直接混ざり合いやすい材料を、組み合わせるかのように入れ、軽く混ぜ合わせることで材料の軽い層をつくり味の違いを生むこと、炭酸を使う場合の炭酸を抜けすぎることを防ぐ役目があるのがビルドです。
バースプーンの使い方
炭酸系の混ぜ方
炭酸系の材料を使う場合は、早く混ぜたり、回す回数が多いと、炭酸が溢れてこぼれてしまうだけでなく、炭酸ガス自体も抜けてしまうのでゆっくり回すように注意しましょう。
バースプーンやマドラーをグラスの内側に沿って底まで入れます。 グラスに当てたままゆっくりと1回転 ~1.5回転回し、先端のスプーンでゆっくりと氷を持ち上げてゆっくりと下ろします。
混ざりにくい材料の場合は、炭酸以外の材料を入れて一度ステアを行い、炭酸類を入れた後に再度軽くステアするようにします。
バースプーンの使い方
Step 1 = まず左手はグラスの底を押さえます(ドリンクを体温で温めないため)右手はバースプーンを持ちます。(左利きの人は逆になります)
Step 2 = バースプーンを動画にあるように中指と薬指の間に挟みます。
Step 3 = 親指と人差し指もバースプーンを挟んで持ちますが、この2本の役割は、落とさないようにするためだけのものなので軽く持ちましょう。
Step 4 = バースプーンの背中をグラスの内側の縁に沿って底へ持っていきます。
Step 5 = 自分の体より向こう側へ回す際は薬指で左回りに押すように持っていき、自分の体側に戻す際は右周りに中指で引き戻すようにバースプーンを移動させます。 この時にバースプーンの背中は常にグラスの外側へ向いています。
この動作の繰り返しになります。 最初は難しいと思うので、大きめのグラスに氷のみで練習すると良いでしょう。 慣れると便利なので、ぜひマスターしてください。
[ スポンサーリンク ]
材料を沈める・浮かす
カクテルの中に 2色になったものが多数あります。( 中には何層にもなったカクテルもあり、有名なもので ⇓ 写真のプース・カフェがあります )
これらの層になっているカクテルは、材料比重の重い物から入れて作っています。 そのままグラスに材料を入れてしまうとできませんが、混ざらないようにゆっくり入れるとできます。 その際に使うのがバースプーンです。
- Step 1 = まず沈める材料をメジャーカップや、小さなグラスなどに必要な分量を入れておきます。( 瓶からそのまま入れる場合もありますが、瓶が重く、多く出てしまう可能性があるので初心者の方はおすすめできません )
- Step 2 =バースプーンの先を下に向けます。( スプーンの背中が上になるようにする )
- Step 3 = 次に下に向けたバースプーンの先端をグラスの上の方の壁に当てます。
- Step 4 = 用意した沈める材料をバースプーンの背中にゆっくりと流します。
これで比重の重い材料は底へ、軽いものは上へ浮かび、層があるカクテルができます。
代表的なカクテルで、テキーラサンライズ、アメリカンレモネードなどがあります。
- シェーカーの使い方・種類など詳しくは ⇒ コチラ
[ スポンサーリンク ]
関連記事
⇒ 画像 / タイトルをクリックでレシピリストページへ
〚 他のカクテル レシピリスト 〛