アペロールの歴史・特徴を紹介|カクテルのお酒 ビター系リキュール編

アペロールのボトル
目次
[ スポンサーリンク ]

リキュール( 混成酒 )について

棚に数多く並んだお酒のボトル

リキュールとは、アルコール度数の高い蒸留酒に果物、ハーブ、スパイス、薬草などを漬け込み、砂糖などを加えたお酒の総称で、お酒の製造種類で言うと「 混成酒 」になります。

リキュールは古代ギリシャ時代に存在していたワインに薬草を溶かして混ぜたことが始まりとされています。

その後に登場した蒸留酒が本格的に様々なリキュールを生み出すようになります。 ワインを蒸留して濃縮したものに薬草などを漬け込むと保存性が上がることと、薬用酒としての効果も修道院が発見し、リキュールは進化していきます。

大航海時代が始まると、様々な国の果物、スパイスが輸入、輸出されるようになり、リキュールは幅広く発展していきました。リキュールが盛んに使われた中世のヨーロッパ時期、貴族達が集うパーティーで、貴婦人達が着ている華やかなドレスや宝石などの色に合わせて作られたカクテルを飲んでいたそうです。

現在でも果実ベース、ハーブやスパイスベースといった様々なリキュールが生まれています。ちなみに古くからある日本のリキュールと言えば、みりんと梅酒です。 本来みりんは米のリキュールで、戦国時代辺りでは甘いお酒として飲まれていました。現在では調味料の枠に入ってしまっていて、飲めるような味ではありません。他の日本産リキュールは柚子、みかん、抹茶、さくらさどが売られています。

[ スポンサーリンク ]

アペロールとは?

アペロールを使ってカクテルを作る男性

「 アペロール Aperol 」とはイタリア生まれのハーブ & ビター系のリキュール( 混成酒 )です。日本ではあまり認知度は高くありませんが、リキュールの中では世界で10位以内に入る販売数を誇っています。

オレンジのようなフレッシュな香りとハーブの香りがあり、口当たりはまろやかさを感じられ、少しの苦味が奥深さを感じることができます。

ロックスタイルやストレートで飲まれることがありますが、ジュースなどと割って飲まれることも多いです。 オレンジジュース、レモンジュースなどの柑橘系の果実ジュースとの相性が特に良くおすすめされていますが、ソーダやトニックウォーターなどの炭酸類とも相性が良いという万能ぶりです。

少しの苦味があり、フルーティーな香りがすることから食前酒( プレディナー )として飲まれることが多く、ソーダで割ったりするとさらに飲みやすくなりイタリアを始め、世界中で飲まれています。

アルコール度数は11%と低く、飲みやすい事からお酒やカクテル初心者から、玄人、男性、女性問わず飲まれていて、おすすめできる一品です。

[ スポンサーリンク ]

アペロールの歴史

夜カフェのテラス席でにぎわう人達

アペロールが誕生したのは1919年で、これは瓶のラベルにも記載されています。開発者はイタリア北部のパドヴァで育ったルイジとシルヴィオのバルビエリ兄弟で、父からバルビエ社を受け継ぐと1912年からアペロールの開発に取り組みます。 7年という歳月を費やし、試行錯誤の末、1919年に販売を開始したのです。

商品名のアペロールという名前は、アペリティフ( 食前酒 )が由来となっています。

徐々にイタリア中の若者を中心に人気が出始め、カフェなどで飲まれるようになります。そして1950年にカクテル「 アペロール・スプリッツ 」が誕生します。 このカクテルは大人気になりアペロールと共に世界へと知れ渡っていきます。

2003年にカンパリグループに買収されると、カンパリはこのアペロールの販売に力を入れます。カンパリの強みでもある広告やキャンペーンを積極的に行い、世界中でカンパリ同様人気が出るようになりました。

そのすぐ後の2009年頃には、カクテル・アペロール・スプリッツも続いて大人気となり、イタリア全土だけではなく、世界中で飲まれるようになります。 現在では2015年から始まったイギリス酒類出版社が、厳選した世界中のBAR約100店舗からデータを取った「 世界クラシックカクテル・セールスランキング 」に必ず選出され、3度も10位以内に入るという人気カクテルです。このカクテルのおかげでアペロールはさらに人気を高めることができました。

[ スポンサーリンク ]

アペロールの製造・特徴

持ち上げられたアペロールのボトル

製造法は誕生から変わらないレシピで、そのレシピは誕生から現在まで最高機密として公開されていません。 わかっている部分はゲンチアナ、ルバーブ、キナなどのハーブ類と高品質なオレンジなどのフルーツ類を絶妙なバランスでブレンドし、蒸留酒に浸漬させる方法で製造されているといことです。

アペロールの人気の理由は、オレンジの風味とハーブの香りを持ち、爽やかな甘味とほろ苦さがその人気の理由ではないかと思われます。

イタリアではアペリティーボ( 食前酒 )として飲まれることが多く、フレッシュな香りが食欲をそそり、アルコール度数も低いことが相まってその人気を定番へと変えています。

関連記事

⇒ 画像 / タイトルをクリックでレシピリストページへ

〚 他のカクテル レシピリスト 〛

カクテルのTPO用語

プレディナー Pre dinner cocktail

食前酒が並んでいる

プレディナーカクテルとは食事前に飲むお酒のことです。

胃を刺激して消化液の分泌を促進することで、消化器官の負担を軽くする働きがあり、食欲増進の効果があります。

プレディナーの習慣が誕生したのは、18世紀後半から19世紀にかけての間にフランス、イタリアの貴族間から始まったそうです。

プレディナーの特徴はアルコール度数が低いこと、スッキリとした口当たりに爽やかさや爽快感があるものが多いです。 テイストは爽やかな甘味、少しの苦味や酸味が特徴的です。

お酒の種類はスパークリングワインやビールなどの炭酸類が多く見られ、リキュールではアペロールカンパリといった少し苦味があり、ハーブなどの香りがするリキュールが使われることが多いようです。 カクテルも香り、苦味、爽やかさを使ったものが多く、種類も豊富にあります。

  • カクテルを飲むタイミングの名称紹介は ⇒ コチラ

[ スポンサーリンク ]

アペロールの主なカクテル

リキュールベースロングカクテルのアペロールスプリッツ

アペロールスプリッツ

香りはオレンジやハーブの豊かな香りが感じられ、フルーティでほろ苦いアペロールに、プロセッコの爽やかな泡とソーダの軽やかさが加わった、非常にバランスの取れた味わいです。別名 = アペロールスプリッツァー

アペロール・ソーダ・・・アペロールを楽しむには最適でシンプルなカクテルと言えます。 まろやかな口当たりとハーブやスパイスの香りと風味を爽快感あるソーダでサッパリと飲むことができ、後味でかすかなビター感も味わえます。

アペロール・オレンジ・・・アペロールにはオレンジのエキスなどを使っているため、オレンジジュースとの相性は抜群に良く、ハーブの香りとフルーティーな甘味が溶け合い、何杯でも飲めてしまうカクテルです。 

アペロールモーニ

アペロールのハーブの香り苦味に、甘味、酸味、爽快感というそれぞれ違う特徴を持った材料がバランスよく混ざり合い、爽やかさ、飲みやすさ、そして飲みごたえを生み出しているカクテルです。

リキュールベースロングカクテルのアペロールモーニ
リキュールベースロングカクテルのベネツィアモヒート

ベネツィアモヒート

オレンジとハーブ類などの香りと苦みを持つアペロールと酸味のライム、ソーダを混ぜ合わせたレシピで、爽やかさとクセになる苦味が特徴的な一品です。

アペロールミスト

爽やかで飲みやすいカクテルです。アペロールのほろ苦さとビールの爽快感が絶妙にマッチし、ビールの喉越し、アペロールの心地よい苦味、爽やかな酸味が合わさりゴクゴク飲めてしまうカクテルです。

ビールとリキュールのロングカクテルのアペロールミスト
リキュールベースショートカクテルのアペロールクラシック

アペロールクラシック

アペロールの爽やかさと苦味やハーブの香りに、柑橘系酸味のレモンを加え、シュガーシロップを合わせたレシピで、レモンの酸味を強く感じますが、アペロール特有の香りや後味がクセになってしまう一品です。

おすすめのカクテル本

目次