連載Vo.3:同じ時間を歩むG-SHOCKが見たアスリートのターニングポイント!
「あえて難しい道を選べば必ず成長する! 」大塚 健 編
強さを求めて世界のトップレベルで活躍するアスリートには、誰かに伝えたくなるとっておきのドラマがある。
あの歴史的快挙、涙の裏に隠された真実、人生が大きく変わった瞬間 etc
この連載では、TEAM G-SHOCKのアスリートに自身のターニングポイントとなった出来事を語ってもらい、
ここ一番の大舞台で襲いかかる緊張、挫折や苦難をどう“タフネスマインド”で乗り切って今に至るのかを訊ねた。
あなたの人生における分岐点を乗り越えるヒントが見つかるかもしれません。
第三回目のゲストはスノーボーダー(ビッグエア、スロープスタイル)の大塚 健が登場。
彼のプロフィールは【こちら】でチェック!
インタビュアーは彼の一番身近で最も長い時間を共有したDW-5900WY-2JR
国内外で活躍するアーティストのVERDYによるプロジェクト、Wasted Youthとのコラボレーションモデル。定番のDW-5900シリーズをベースに採用しつつ、文字板や液晶部、遊環などにWasted Youthならではといえるデザインが取り入れられています。
※現在は完売しています。
TURNING POINT 1 - 史上最年少メダリストとなった X Games 2018 -
「ルーキーに怖いものなんて無い。成功だけをイメージする」
DW-5900WY-2JR :健がTEAM G-SHOCKの仲間になったのは2022年からだよね!
大塚 健(以下:健):はい。それ以来、一番よく一緒にいるのがDW-5900WY-2JRですね。
DW-5900WY-2JR :この前の優斗のインタビューで、彼は雪山だとG-SHOCKをパンツのベルトループにつけるっていってたんだけど、健は胸元につけてるよね。
健 : 山に行く時はバッグを背負うのでチェストストラップの部分につけてますね。顔からの距離が近いから時間が確認しやすいんですよね。
DW-5900WY-2JR :ありがとう。それでは、今日はそんな健のことをもっとよく知りたいから、僕たちが出会うずっと前の話から教えてよ。健がスノーボードをはじめたのは何歳のとき?
健 : 7歳の頃ですね。新潟のおじいちゃんに会いに行く時、兄弟みんなはスキーをしてるのに、自分だけ山に連れて行ってもらえなかったんですよ。言うこと聞かないやんちゃな性格だったので、遭難したら危ないからって(笑)。それで可哀想だと思ったお父さんが一緒にスノーボードをしてくれたのがきっかけです。
DW-5900WY-2JR:滑りは攻めてるけど、普段の健ってすごく穏やかだよね。昔はやんちゃだったんだ?
健:小中学生の頃は問題児で、先生によく呼び出されてました(笑)。
DW-5900WY-2JR:へー、意外だな! 健は小学校6年生でプロになるわけじゃん? それって僕たちからするとかなりすごいことなんだけど、始めた頃からプロを目指そうと思ってたの?
健:全然プロになるとかは考えてませんでした。一緒に滑ってる友だちとみんなで大会に出る機会も多かったので、成績が上がっていくうちに自然とって感じです。成績上位はプロ資格がもらえる大会があって、そこで小学校6年生の時に入賞しました。
DW-5900WY-2JR:スロープスタイルとビッグエアはどっちが好きなの?
健:14歳ぐらいまでハーフパイプもスロープもやってたんですが、肺が破れる大怪我しちゃって。
DW-5900WY-2JR:マジで?
健:その日は北海道でハーフパイプの全日本選手権があって、悪天候の中でも一番飛んでやろうって気合い入ってたんです。誰よりも高く飛んだんですけど、風が強くて、着地できず、一番下まで背中から落ちました。それからはビッグエア中心に転向しましたね。
DW-5900WY-2JR:健のすごいところは、そこでしっかり結果を出すところだよね。X Games 2018 ノルウェイ大会のビッグエア部門で優勝してX Games 史上最年少メダリストになるんだもんな。
健:X Gamesは小さい頃からずっと見ていた憧れの場所だったので、自分でも信じられませんでした。その直前くらいから、やりたい技がなんでも決まるようになってきてて、かなり調子良かったんですよね。
DW-5900WY-2JR:次の年のX Games2019も優勝。しかもこの年はFSトリプル1800(※1)を成功させてる。あれはすごかったよね。でもあんなに攻めるくせに、「痛いこと嫌い」って、いつも言ってるよね(笑)
※1 フロントサイド・トリプル1800/フロントサイドに向かって斜め方向に3回転(1080度)回りながら、横方向に2回転(720度)回る大技。
健:痛いの本当に嫌いで、注射も怖くて見れない(笑)。小さい頃から何回も痛い思いしてるから、練習だとやりたくない大技もあって、X Games2019は、ぶっつけ本番でメイクしてました。
DW-5900WY-2JR:それ、メンタルどうなってるのか、かなり気になるんだけど!
健:当日はアドレナリンが出てるから、もし失敗しても痛みを感じないかなと思って。
DW-5900WY-2JR:健、タフすぎ! では、ズバリ聞きます。この時期の大塚 健の“タフネス・マインド”とは?
健:ルーキーならではの謎の自信を生かす! という感じですかね。ただ下から上を目指すだけだったから、失敗なんて考えないし、絶対に成功するイメージしかなかった。この技を決めたい、勝ちたいって思いだけで動いてたんです。そういう勢いに乗れたから、どんどん良い流れが生まれて、自然と結果に結びついたんだと思います。
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TURNING POINT 2 - 2021年 FISワールドカップの復帰︎ -
「痛みをしっかり味わって、弱さを知る」
DW-5900WY-2JR:2019年の故障で、しばらく競技から離れることになったのも大きな出来事だったよね。
健:左膝の前十字靭帯断裂、内側靭帯と半月板の損傷でした。アメリカに映像を撮りに行ってたんですけど、直前に良いカットを残せて、もう一個どうしてもやりたい技があったので突っ込んで行ったら、やっちゃいました。
DW-5900WY-2JR:かなりの大怪我だから、リハビリも大変だった?
健:サポーターつけて少し滑るだけでも10ヶ月以上かかったたし、競技レベルで滑れるようになるまでは2年かかりました。骨折は何度もしましたが、長くても全治三ヶ月だったから、あんなに長く離れることはなかったです。
DW-5900WY-2JR:大会に出る度にコンスタントに結果を残してた健からすると、長期離脱は辛かっただろうな。
健:いつも表彰台に立ってたからイケイケだったんですけどね。その分、復帰してからの方が辛かったです。しばらくは全く結果が出ませんでしたから。
DW-5900WY-2JR:きっと周囲の期待に応えたいプレッシャーもあるよね。そういう焦りや不安な気持ちから、どうやって切り替えてた?
健:当時はまだ、勝つことだけに拘っていて、勝てないと反動で一気にダメになってました。でも、あるタイミングから、考え方を変えたんです。とにかく練習して練習して練習しました。これだけやったんだから、もう負けても悔いはないって思えるまで練習し続けるようになったんです。そうやって、少しずつ持ち直していきました。
DW-5900WY-2JR:そして、2021年1月のFISワールドカップで復帰してビッグエア部門で4位入賞。ルーキー時代の根拠のない自信が、練習に裏付けされた物になっていったんだね。
健:アスリートは結果を一番に求められます。でもそこだけじゃない。例えば、自分の決めたことをやり切る、どんだけ苦しくてもめっちゃ練習する、そういう気持ちは、きっとこの先、選手を引退した後の自分の人生にも生きてくるんだろうなって。そう思うようになりました。
DW-5900WY-2JR:結果だけじゃなくて、気持ちの面やプロセスを大事にするようになったってことね。
健:怪我してからは自分自身としっかり向き合うようになりました。練習中はもちろん、休息や身体のケアへの意識も昔よりずっと高いです。
DW-5900WY-2JR:ここが健の強さが成熟したポイントだと思うな。ではズバリ聞きます。この時期の大塚 健の“タフネスマインド”とは?
健:自分の弱さを知ることですね。どこがダメなのかを考えて、修正していく。周りと競うよりも、自分自身に負けないでいれば、結果的に周りにも負けない自分ができていくんじゃないかなと。
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TURNING POINT 3 - 2022年のCABトリプルコーク1800 ︎-
「あえて難しい道を選べば必ず成長する! 」
DW-5900WY-2JR:近年の健といえば、2022年のあの大舞台は見てて感動したな。決勝2本目で全体トップの95・00点。メイクならずだったけど、3本目もさらに大技を狙って勝負に出たよね。
健:最後の一本で結果が変わるって状況で、難易度を抑えて4位とかは嫌でした。どうしても、あの場で決めたい技があったんですよ。その為に何年もかけて準備してきて、挑戦しなかったら次のチャンスは4年後じゃないですか。もったいないって思ったんですよね。
DW-5900WY-2JR:後悔してないんだね。順位よりも大事なものを見せてもらえた気がする。
健:攻めた結果だから全く後悔してません。
DW-5900WY-2JR:かっこいいよ。健のそういうところが、見てるこっちも熱くなるんだよね。
健:もはや、ここ一年ぐらいは苦しい環境が大好き。あえて難しい道を選ぶようになりました。昔は痛いことを避けることばっかり考えてて。今も痛いのは嫌いだけど、辛くてもやめなくなりました。
DW-5900WY-2JR:健はどんどんタフになっていくね。ではズバリ聞きます。この時期の大塚 健の“タフネスマインド”とは?
健:挑戦しなければ成長しない! ですね。それが、もし失敗だったとしても、挑戦した人としない人では成長に大きな差が出ると思います。日本のメダルを賭けた状態で、3本目に攻められるあの日の自分のおかげで、今も勝てているんですよね。あそこで抑えているようじゃ、選手としての未来はないと思いました。
DW-5900WY-2JR:挑戦を続けてきた健が言うと、やっぱ説得力あるな。
健:この前のX Gamesでも5本のうち3本連続で大ゴケして、オーディエンスもスタッフも、「痛々しくてもう見てられない、キャンセルしてくれ」って言ってて。確かに痛かったんですけど、次は絶対に決まるって信じてたから、しっかり最後の2本で成功しました。大会終わって緊張解けた瞬間に、肩が上がりませんでしたけど(笑)。
DW-5900WY-2JR:ブレないね~! じゃあ最後に今後の目標は?
健:一つは2026年大会で前回決められなかった技のリベンジをすること。あとは、自分で納得のいく映像を作りたい。ずっと大会に力を入れてたからまだできてないんですよね。良いフッテージを残していくのもスノーボードの醍醐味ですから。結構危険なんですけど、ヘリからのバックカントリー撮りたいんですよ。やっぱり、作品として残すからには、多くの人に届けたい。だから見てくれる人を増やす為にも、一つ一つの大会で良い結果を出せるように頑張っていこうと思います。
DW-5900WY-2JR :いい時も悪い時も同じ時間を共有できて嬉しいよ。これからも一緒に頑張っていこう、宜しくね!
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※現在は生産を終了しています。